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事例② サザビーリーグHR(株)サザビーリーグの特例子会社

株式会社サザビーリーグでは、2012年6月に発達障がいのある方が働くサテライトオフィスを横浜に新設しました。サザビーリーグの人事統括室キャリアサポート部の木津部長、オフィスに常駐し発達障がいのあるスタッフの業務管理や本社との連携を行っている業務統括室の田村リーダーにお話を伺いました。

横浜駅徒歩数分にも関わらず 静かで落ち着いたオフィス環境

サテライトオフィス設立前、障がい者雇用についてどのような課題をお持ちでしたか?

(木津)サザビーリーグは小売業という業態ですので、事業を拡大するときには、店舗の数が増え、同時にスタッフが増えていきます。そうすると、法令順守のための障がい者の採用数も増えることになります。そんな中で、障がい者を一人ずつピンポイントで採用していく今までのやり方には限界を感じていました。

多様な特性に配慮したオフィスで11人が働いている

これまでの障がい者採用の進め方は、まず、社内で障がい者を雇用できるセクションを探し、そこで受入が可能な障がいを確認します。弊社では聴覚障がいの方も多く雇用していますが、例えば電話が多いセクションだと受入が難しいというようなことがあります。受入可能な障がい種別が分かると、ハローワーク主催の合同面接会などで障がい者の人材を探します。今までは身体に障がいのある方を中心に採用していましたが、なかなかマッチングがうまくいかず、採用には苦戦し、従来の採用手法の限界を感じていましたね。

Kaienのサービスを選択した理由やサテライトオフィスを設立しようと決断された背景を教えてください。

(木津)サザビーリーグの企業理念に「半歩先の提案」という考え方があります。私たちは様々な事業を通して半歩先のライフスタイルを世の中に発信しています。この考え方を障がい者の採用や雇用に当てはめて、障がい者雇用の「半歩先」とは何かを考えました。

これまでの障がい者雇用では身体障がいにばかり目を向けていましたが、最近になって、「発達障がい」という障がいを知りました。そして、発達障がいの雇用については課題が十分に抽出されていないことや、発達障がいに関する認知が進んでいないことも学びました。発達障がい者の雇用という発展途上の分野にチャレンジすること、これは「半歩先の提案」の一つだと感じました。

「半歩先の障がい者雇用」を目指す 人事統括室 木津部長

もともと精神障がい福祉手帳をお持ちの方の雇用先として、私たちの店舗やバックヤードなどでの受入は軽度でないと難しいと考えていましたが、雇用するオフィスを新たに作り、発達障がいの特性を活かした業務を切り出すことで、大量かつ円滑な雇用が可能だと考えました。そして、Kaienさんのサービスを利用することで、このプランが実現できるということが分かりました。

Kaienさんの話を聞いて、「よし、やろう」ということになり、人事だけでなく、総務や法務、業務を切り出す部門など、社内の多くのセクションが一斉に動き始めました。これまでの障がい者雇用は点での採用だったので、こんなに多くの人を巻き込んで進めることはありませんでしたが、このプロジェクトはクロスファンクションでスピード感を持って進めてきました。これは障がい者雇用の新しい形だと思っています。Kaienさんとの出会いから4ヶ月後には11名の発達障がいの方が働く事業場をオープンするに至りました。

Kaienさんの職業訓練で働くための準備をしたみなさんが、経済活動を行う企業であるサザビーリーグで、働きながら実践の場でさらにスキルを身につけます。もし弊社を退職されても、他の企業でも活躍できるようなスキルを身につけることができたら、これは社会貢献の一つの形になるのではないかと思います。そして、このことを社会に発信していきたい。これはまさに「半歩先」の障がい者雇用の形だと思っています。

現在は発達障がいのある社員の方にどのような業務を任せていますか?

(田村)ウェブページの構成デザイン、サンプルページの作成、コンテンツの埋め込みを行うようなITの専門業務もあれば、ECサイトや各ブランドのホームページに載せる写真を撮影し、それを加工したり、テキストの文書を作成したりするコンテンツ主体の業務もあります。他にも、サイトのアクセス解析や、広報関連の音声テープを聞いて文字に起こす業務、オフィス全般の庶務業務など多彩なお仕事を担当してもらっています。

社内外のウェブや画像の撮影・編集など、発達障がいの特性を活かした専門的な業務が集まっている

(木津)これらの業務は、これまで本社で行ってきた業務です。本社から業務を切り出して、各自の能力やこれまでの経験にあわせてアサインしています。

 私たちは、ただ単に作業を任せる「作業部隊」ではなく、彼らの特性でもある、細部を大事にするような感性を活かして仕事をしてもらいたいと思っています。そうすることで、仕事のクオリティがあがって「いい仕事」につながりますし、彼らのスキルもあがっていくと思っています。また、スキルについては弊社だけで活かせるだけでなく、将来的に他の企業に転職しても活かせるような市場価値のある実践的なスキルを身につけることを意識していますね。そのため、業務に必要なスキルの習得には、勤務時間内に学習することを許可しています。例えば、庶務業務を担当している、社会人経験のない社員は、日常業務の合間に秘書検定の勉強をしています。

業務の評価、勤怠・コミュニケーションなどの会社員としての資質はいかがですか?

(田村)当初想定していたよりも仕事のスピードは早いですね。もともと高いスキルをお持ちの方が多いからだと思います。未経験の業務、例えば初めてのソフトウェアを使う業務でも、覚えるのが早いです。集中力が高くて勤勉な方が多い印象を持っています。新しいことをどんどん吸収して、それを高めていこうという意欲を感じます。 業務の質については細かくチェックしています。一定以上のレベルでないと業務とは言えないので。今のところ質についても問題は感じていません。勤怠やコミュニケーションについても問題と思うことはありませんね。

業務管理を行なっている サザビーリーグ田村リーダー

発達障がいのある社員を管理する上で気をつけていらっしゃることはありますか?

(田村)実際に仕事の成果物がウェブサイトなどで目にできるような業務はやりがいを感じやすいのですが、そうでない業務の場合、しっかりとお仕事をされているのに、ご本人が仕事に自信を持てないことがあります。そのため、ポジティブなフィードバックをこまめにすることを心がけています。日々、管理者から声かけをすることや定期的に個別に面談をすることも大切にしています。「話しやすい」とスタッフから言われるのが嬉しいですね。それから、スタッフ同士のコミュニケーションという点では、スキルトランスファーと言って、自分が覚えた業務を他の人に伝えるということを大事にして、チームでのコミュニケーションを促しています。

私自身、障がいのある方の管理者として働くことは初めてですが、Kaienさんからきていただいている相談員の方からアドバイスをもらいながら、やりがいを感じて働いています。お任せした仕事がピタリとはまったときは、ご本人も嬉しそうですけど、私も「やった!」という気持ちになりますね。

業務中のイヤホンの装着許可など、パフォーマンスを追求するための合理的な配慮は当たり前に見られる

それから、業務をうまく廻していく上で大切だと感じていることは、仕事を依頼する本社との連携です。発達障がいのある方が働くオフィスは横浜で、都内の本社とは物理的に離れていますので、仕事のやりとりはメールや電話で行います。発達障がいは分かりづらい障がいでもあるので、業務を依頼する側が身構えてしまったり、気を使いすぎてぎこちなくなってしまったりすることがあるんですね。そのため、本社の担当者に一度は横浜に足を運んでもらって、実際に働いているスタッフの様子を目にしたり、話したりしてもらっています。実際に働いている姿を見てもらえると、安心して仕事を依頼してもらえますし、コミュニケーションも自然な形になります。仕事は信頼関係が基本ですから、顔が見えることが大事だと思います。また、仕事を依頼する側と引き受ける側のコミュニケーションが増えると、仕事の質があがっていくという側面もあります。依頼する側の求めることが細かに分かって次の仕事に活かしていけるからですね。

今後のビジョンやKaienに期待することをお聞かせください。

(木津)新たなオフィスを作って発達障がいのある方の雇用を行うことは我々にとっても、Kaienさんにとっても新しい試みでしたが、社会においても新しい第一歩だと思っています。サザビーリーグがライフスタイルを世の中に提案していくように、発達障がいの方の採用や働く環境づくりについて、これからは世の中に発信していきたいと思っています。

Kaienさんに期待することは、サザビーリーグが求める人材像をもっとKaienさんに伝えて理解していただき、素晴らしい人材を紹介してほしいと考えています。そして、一般社員も同様ですが、採用したあとは「育成」が大事だと考えていますので、今後も人材育成を含めて、総合的にサポートしていただきたいと思っています。

Kaienさんというプロが近くにいると安心感があります。困ったときにすぐに頼れるので、我々は足元のことにばかりに気をかけることなく、先のことを考えることができています。これからもKaienさんとはタッグを組んでやっていきたいですね。

災害時のため非常食や簡易トイレ・防災ヘルメットなども人数分完備。障がい者ではなく一人の人間として扱われる様子がオフィスの細部にも感じられる

 ○ サザビーリーグ社へのKaienのサービス内容 ○
サテライトオフィス設立に関するコンサルティング
助成金申請サポート
障がい者の人材紹介
就労現場での相談員の常駐など