発達障害の人 給与はどのくらいもらえるの?就活の時に希望する給与額はどうやって決めればいい?

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 就職活動をしていると、ハローワークや人材紹介会社に登録する時に「希望の収入はどのくらいですか?」とよく聞かれます。でも初めて就職活動する人などは特に「自分は一体どのくらいのお給料をもらえるんだろう…」と困ってしまう人も少なくないのではないでしょうか。この記事では、最低賃金の場合は月にどのくらいの給与になるかや、発達障害*の人は実際にどのくらいの給与水準で働いているのか、また求人選びでどんな点に気を付けながら希望の給与額を決めればよいかについてお話しします。

最低賃金が月給ベースでいくらになるか知っておこう

最低賃金 714~932円(2017年度)
時給 8時間・20日間勤務
750円 12.0万円
800円 12.8万円
850円 13.6万円
900円 14.4万円
950円 15.2万円

 まずは最低賃金で働いた場合に月にどのくらいの給与額になるかをつかんでおきましょう。

 最低賃金は都道府県ごとに定められています。2017年現在の最低賃金の最高額は東京都の932円、最低額は宮崎県と沖縄県の714円です。厚生労働省の特設サイトに最低賃金全国一覧が掲載されていますので、お住まいの都道府県の最低賃金額を確認しておきましょう

 次に最低賃金でフルタイムで働いた時の月給をシミュレーションしてみます。1日8時間、週休2日で月20日働くと仮定すると、月給のイメージは上の表のようになります。東京都ですと932円×8時間×20日間=149,120円になります。お住まいの都道府県の最低賃金で希望の勤務時間で働いた時に、どのくらいの金額になるか計算してみると、一般就労で働くと最低でもこのくらいの給与になると具体的に理解しやすいでしょう。

勤務時間ごとの月給イメージをつかんでおこう

Kaien修了生勤務時間別平均月給のグラフ

 当社就労移行支援修了生の平均給与は就職・定着実績のページで公開していますが、今回勤務時間別で改めて集計しました。直近の修了生194名の勤務時間別給与平均は上のグラフのようになりました。例えば8時間勤務の人の平均月給は19.2万円でした。当社の事業所6拠点はすべて東京都と神奈川県にあり、最低賃金が高い東京都(932円)や神奈川県(930円)で就職する人の割合が多いこともあって、全国平均と比べると高い結果になっているはずですが、おおよその勤務時間別の給与水準のイメージはつかめるでしょう。

 ここで確認しておきたいのは、障害者枠の求人票の賃金欄に、例えば月給14~22万円と幅を持たせて書いてあった場合、応募者の能力に応じて給与を決めるということもあるのですが、単純に労働時間に応じて給与額が変わるのでこのような表記になっていることが多いです。つまりこの例の場合、1日8時間フルタイムで働く人が月給14万円になることは実際にはなかったりします。勤務時間ごとの給与水準を把握しておくと、月給14万円〜で短時間勤務も可能ということは、おそらく6時間勤務の場合は月14万円からスタートだな、などと想像しやすくなります。

 実際の給与については選考が進んで最終面接の前後に確認することが多いため、応募前にもう少し詳しく給与の目安を知りたい場合は、就労支援機関で以前にその企業に就職した人がいれば目安を教えてもらえることもありますので、確認してみましょう。

短期間で確実に就職したい 発達障害に理解のある職場をご紹介

希望給与額は「必ずほしい額」と「できればほしい額」に分けて設定する

Kaien訓練に向けた希望給与額設定の概念図

 

 最低賃金と平均給与は確認できましたが、それでは自分の希望給与をいくらに設定すればよいのでしょうか?

 求人選定の時に検討しやすくするコツは、希望給与額は「必ずこの給与以上はほしい額」と「できればこのくらいもらえるとうれしい額」の2つを決めることです。例えば初めて働く人であれば、ほぼ最低賃金の月15万円を必ずほしい額、平均給与と同じか少し少な目の月18万円をできればほしい額というように決めてもよいでしょう。働いた経験のある人は、できれば前職と同じ月25万円ほしいが、残業がほぼゼロであれば減ってもよいので月20万円以上もらえる求人を探すなどと決めるとよいでしょう。

 ご本人にぴったりの求人にはなかなか出会えないことが多いので、条件に幅を持たせて探した方が運命の企業にめぐり合える確立が高くなります。また発達障害のある人は自分を客観的に評価することが苦手なため、「現在の業務能力で本来もらえるよりも少ない給与の求人ばかり受けて内定してしまいもったいない」状況や、「現在の業務能力でもらえるよりも高い給与の求人ばかり受けてなかなか内定がもらえない状況になることを防ぎやすくなります。

業務の難易度・配慮の手厚さなど給与以外の条件も合わせて検討しよう

 実際の求人選びの時に大切なのは、給与だけでなく業務の難易度や配慮の手厚さなど他の条件も合わせて総合的に判断することです。お給料は誰でも高いほうがうれしいですが、高ければ高いほど業務のスピードや質、また業務コミュニケーションの取り方も一般枠と遜色ない高い水準を求められることが多いです。また発達障害の特性に詳しく配慮が行き届いている職場であれば、少し給与水準は下がったとしても働きやすさを重視する人にとっては魅力的になるでしょう。

 希望条件は他にも雇用形態や通勤時間、残業の有無や職場の雰囲気などいろいろあるはずです。自分が働く時に重視する条件はなにか洗い出しておくと、最終的に内定をもらって受諾するか決める時にも、納得感を持って決断することができるはずです。

職場での苦手を克服(コミュニケーション・ミス・抜け漏れ)するプログラム

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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