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ニュースレター2016年2月号発達障害の方のための合同面接会第4回を開催 Q&A「働く意欲の無さは発達障害のせい?」

  1. 発達障害の方のための合同面接会 第4回を開催
  2. Kaien新宿・ガクプロ新宿 より広いスペースの新オフィスに移転
  3. 今月のメディア・講演情報
  4. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします

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  • 第1号 特集「10代の発達障害」
  • 第2号 特集「発達障害と間違えられやすい症状」
  • 第3号 特集「発達障害者(児)の進路・就職」
  • 第4号 特集「Kaien創業期~違う登山口 同じ頂上~」
  • 第5号 特集「Kaien創業期~起業前後のアップダウン 前編~」

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1. 発達障害の方のための合同面接会 第4回を開催

発達障害の特徴を活かした就職先を開拓するKaien。当社の考えに共感いただいた企業様が参加する合同面接会を1月19日に秋葉原で開催しました。現在選考が進んでいる最中です。今回は参加希望が多く、一部の企業はお断りせざるを得ませんでした。次回以降は開催場所を複数にしたり、開催日を増やしたりして、より多くのマッチングを実現できるようにしたいと考えています。

また、このイベントは、発達障害の方の雇用の輪を広げるために企業の主に人事担当者同士が交流し、知見を深める場としても機能しています。今回は障害者雇用における”業務切り出し”をテーマに東京ガスコミュニケーションズ様に講演をお願いしました。

当日の様子は当社のスタッフブログにまとめています。ぜひご一読ください。なお、次回の開催は5月ごろを予定しています。

<リンク>

2. Kaien新宿・ガクプロ新宿 より広いスペースの新オフィスに移転

当社としては10拠点目となる新宿オフィスを2月22日に開設します。新宿では3つ目のオフィスとなります。具体的には以下の通りです。

現在

  • Kaien新宿(就労移行支援) ・・・ 新宿アイランドアネックス2階(西新宿6丁目)
  • 相談支援事業所Kaien新宿 ・・・ 新宿アイランドアネックス2階(西新宿6丁目)
  • TEENS新宿(放課後等デイサービス) ・・・ 新宿アイランドアネックス2階(西新宿6丁目)
  • ガクプロ新宿 ・・・ ニッパンビル4階(西新宿7丁目)
  • 事務拠点 ・・・ ニッパンビル4階(西新宿7丁目)

2/22 ~

  • Kaien新宿(就労移行支援) ・・・ 西新宿ビル5階(西新宿7丁目)
  • 相談支援事業所Kaien新宿 ・・・ 新宿アイランドアネックス2階(西新宿6丁目)
  • TEENS新宿(放課後等デイサービス) ・・・ 新宿アイランドアネックス2階(西新宿6丁目)
  • ガクプロ新宿 ・・・ 西新宿ビル5階(西新宿7丁目)
  • 事務拠点 ・・・ ニッパンビル4階(西新宿7丁目)

より広いスペースを使ってサービスをしっかり提供していきたいと考えています。お越しの場合は事業所の場所を間違わないようにお越しください。

<リンク>

3. 今月のメディア・講演情報

都内2か所で講演したほか、ガクプロの課外授業を行いました。

<講演>

  • 1/12 商社関連会社 社内研修会
  • 1/26 ファンション・アパレル業界 人事担当者勉強会

<講座>

  • 筑波大学 学生向け就活準備講座

<リンク>

4. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします

代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。

在職者支援

Q1-1. Kaienキスド会の詳細についてお伺いしたいです。

Q1-2. 就労中であっても受けられる支援について。

鈴木. 就労移行支援の利用者については定着支援がサービスの一環として含まれています。しかしすでに在職中の方への定着支援については、国による定着支援の制度は脆弱です。では、個人負担で定着支援ができるかというと、ご本人の限られた給与から相当な支援費を出していただく形になり、現実的でありません。ということで、Kaienとしても色々とサービスの量や内容を変化させながら、うまくニーズにはまるものを試行錯誤しています。なかなかこれという形に辿り着いていないのが現状です。

今のところは、キスド会という土曜夕方に行う茶話会を中心に支援活動をしています。奇数(キスウ)の土曜日(ドヨウ)に行うためキスド会と名付けました。何をするかというと、まず開始20分程度でアイスブレイクや趣旨の説明、取り上げたいテーマを出してもらい、その後グループに分かれて話をしていく形です。「職場で孤立しないためには」、「何度やっても覚えられない仕事への対応法」など発達障害の方が職場で悩む話題が中心になりがちです。

500円で参加できる形にしていますし、会の終了後には無料のよろず相談を開催しています。そこではスタッフが可能な限り個別具体的なご質問やご相談にお答えしていますので、ぜひご参加ください。そしてどのような定着支援が望ましいか一緒に考えて行ければと思います。

ADHDに起業やフリーランスは向く?

Q2-1. 今、個人事業主として、実際は以前働いていた会社で雇用されているような勤務で、在宅ワークをしております。複数の処理や連絡、人間関係に病み、不安障害や気分障害的なものが強くなり、緊張や心身症も出て薬物治療しながら働いています。先月からは烏山のADHD科に通い、本格的な通院治療や専門薬もスタートしました。1-2ヶ月もない先に、起業するよう、現在契約している社と話し合いでなり。あれよあれよと進められ、法人で代表取締役として会社設立になる、と話が進んでおります。ADHD向けな経営コンサルティングや雇用人員紹介というものはおありでしょうか?起業予定ですが、何か説明会や無料セミナーのようなものはお有りでしょうか?

Q2-2. ADHD診断済み。様々な仕事に就きましたが社会での失敗経験が多く、会社に就労するのが怖い為、フリーランスで働く道を選びましたが、このまま働いていることは将来に不安があり、社会で働く経験をして自信を取り戻したいとも思っています。3月頃から神奈川県に引っ越して就職活動を考えておりましたので、なにかヒントになることがあれば教えていただければと思います。

鈴木. まず起業家やフリーランスで働く人の中にADHD的な気質を持った方は確かに多いと思います。そもそも起業やフリーランスは、安定を好むことの多い人間という生き物からすると飛び込みにくい領域であり、無謀なことが出来てしまえる良い意味での衝動性や思い込み、つまりADHD的な要素が必要だと思うからです。

しかしADHDだからみんながみんな起業に向くというわけでは無いと思います。つまり、『起業・フリーランス→ADHDが多い』は成り立っても、『ADHD→起業・フリーランスに向く』という関係性ではない、つまり必要十分ではないということだと思います。

ミスの多さや苦手なものへの集中力の弱さ、計画やその修正、つまり段取りの苦手さなど、ADHDの特徴は一人で何でもすることの必要な起業・フリーランスには向かないのは残念ながら否定しがたいところです。では、起業・フリーランスで成功している人はご自身のADHD的な特徴を克服しているのか?というとそうではなく、おそらく苦手を補う誰か共同創業者がいたり、苦手さが目立たない業種を選んでいることが多いのだと思います。

で、ご質問について。一つ目についてはどうやら取引先の思惑で起業させられているように思えてなりません。つまり雇用契約では労働基準法に縛られますが、企業対企業の関係ならばいくらでも働かせられます。このように対法人にしてしまう手を使うと法的にはブラックではないが、実際上はどす黒いブラックとなりえます。そうした関係にしようという狙いがあるのではないかとも思えますので、お気を付けいただければと思います。

二つ目について。雇われる身分は不自由さはあれども気楽さはありますので、二人目の方の気持ちはよくわかります。発達障害の方にとって起業・フリーランスについて絶対反対というつもりはありません。でも、フリーランス時代を経験されたことで、雇われて働く事への意味が見いだされたのであればそれはとても良かったと思います。ぜひ利用説明会や個別相談で個別具体的な状況を共有いただければと思います。

大人の発達障害

Q3. 私は現時点28歳なのですが、発達障害の疑いがあると言われました。それまで、一般的な学校に通っており、まさか自分が!?と驚きを隠せません。そして、なかなか受け入れられません。社会的地位がどうなのかとか、そいう事ばかり気にしちゃいます。私みたく、大人になってから疑いがあると言われる方はいるんですか。

鈴木. はい。もちろんたくさんいらっしゃいます。やはり文科省が枠を決めている大学までの学校社会と、資本主義のルールが世界的に席巻している大人の社会とでは、必要なスキルや対応方法が異なります。仕事をし始めて、発達障害の傾向が見えるということは良くあることです。お伝えしたいのは、発達障害といっても、(子ども時代だけを想定させる)発達の障害ではなく、他の人と発達の(過程とスピード、結果の)違いがあるというのが発達障害だと思います。また誰もが発達障害的だともいえ、どこで診断するかしないかを区切るのは難しいです。ご自身の一つのスパイスだと思って、それを否定せずに、上手に就職したり、仕事をしたりするために、そして人生を楽しむために特徴を受け入れるという考えをされることが良いと思います。

大学は卒業すべきか

Q4. 息子が大学2年に在学中ですが、授業についていけなくなり、3年間休学中。現在、発達障害の疑いと強迫性障害で、診察・治療を受けております。大学までは修了させてやりたいし、今後のことをどのようにしていいか悩んでおります。最良の方法があればお聞かせください。

鈴木. ご本人の気持ちはどうなのでしょうか?もちろん発達障害の方は気持ちを語ったり把握したりするのが、(自分の気持ちであろうが)難しいことは承知の上で伺うのですが、ご質問を読む限り、率直に言うと、親の価値観・思いが見え隠れする気がします。最良の方法はまず親の意思や考えを外したうえでご本人の考えを理解することだと思います。大学を続けても、辞めても、どちらでもしっかりと道は続くと思います。

コミュニケーションの訓練

Q5. コミュニケーション面の訓練等はどのようにされておられるのでしょうか?

鈴木. 当社では何か特別なことをしているわけではなく、支援の王道(と当社が思っている事)をしっかり行うことを大切にしています。特にコミュニケーションの面では、Here and Nowを大事にしています。「ここ」で「いま」指摘するということです。発達障害の人はなかなか知識で覚えても、知識だけでとどまって行動に移せないことがしばしばあります。なのでいくら事前に良いコミュニケーション方法を詰め込んでも、実際の場で円滑なコミュニケーションをとるのは難しいことが多いです。ではどうするかというと、よろしくない言動があったら、その場(Here)ですぐ(Now)に指摘し、かつ、どのようにすればよかったかの改善案を伝えることをするということだと思います。これの繰り返し、徹底が、当社の方針です。でも当社だけではなく、どのコミュニケーション訓練でも必要な要素だと思いますし、更に言うと、普通にご家庭でもHere and Nowを多くの親はするものではないのかな、と思っています。

働く意欲の無さは発達障害のせい?

Q6-1. 自分に向いているまたはやる気のある職業が見つかりません。自分には何か発達障害があるのでしょうか?特にやる気ない原因は障害か何かが原因ではないのかと思います。やる気のなさだけはどうしても解消していたいと思います。

Q6-2. 働く意欲のない場合の指導としては何がある?

鈴木. 自分の興味のあるものしか集中できない、物事を先送りしがちになる、職種・仕事や会社という無数の選択肢から選ぶ作業が苦手、など発達障害の多くの要素が絡まっているのは確かでしょう。仕事に興味が持てない、自分に向いている仕事がわからない、意味がないと思う業務にはとことんやる気がわかない、などは当社プログラムに通う人からよく聞きます。

ただし、多くの人も似たり寄ったり。意欲があって、自分の興味のある分野に、目を輝かせて働いているわけではありません。大抵は、不平不満や愚痴を言いながらなんとか働いています。そういった場合働いている理由は、お金を得るという実利もありますが、働いていない状態が健康上も精神安定上もよくないから(つまり暇すぎるとかえって苦しむから)なのだろうなと思っています。働く意欲があるわけでもなく、自分に向いているから働いているわけでもなく、働いていないという状態を避けるために働いている感じです。そういう方結構多いと思います。

つまり、やや逆説的ですが、そもそも自分に向いている仕事が世の中に見つかるはずはない、やる気なんて出るわけはない、という前提で、でもまあ何もしないと苦しいから働くか、、、みたいな諦観があってこそ、働けるのかもしれないと思います。(やや例えは乱暴で不快に思う方もいるのは承知でわかりやすいと思って例としますが)、赤い糸で結ばれている誰かと会えるかもしれないと思っているといつまでも赤い糸が見つからず結婚できない確率が高まると思います。それと同じことで、あまり仕事に対するハードルを上げる(例:自分の特徴にぴったり合った仕事じゃないといけない、日々うきうきできる職場じゃないといけない、自己実現・成長を実現できる会社じゃないといけないなど)と、そんな企業・職種がそうそう見つかるわけもなく、結果、無職の時代が長くなってしまうということになりそうです。

ここまで書いて思い出しましたが、私とKaienの最新号で、ちょうど似たような表現がありました。『アルバイトを含めて仕事というものを、かなり難しいことだと考えていたのです。電話は対面以上に苦手で、知らない人に電話をするとなるとアルバイトでも応募もできない状態でした(笑)。(中略) 実際に働いてみると、昔は働くということのハードルを、高く見積もりすぎていたなとも思います。』

今の社会は仕事=自己実現、みたいな風潮が強く、あまり良くないと思っています。一定数の成功者はそういう定義でもよいですが、世の中の大部分の人は仕事は人生の一つの側面でしかありません。自己実現や自己表現は他のことでしてもよく、仕事をそれほど大仰に考えなくてもよいと思っています。

仕事というのは何度もやり直しがきくものであり、まずは騙されたと思って働いてみるという意識が必要かなと思います。もちろんその中で面白みや自分に合ったものに会えるはずです。そもそも動いていないとそういうチャンスにも巡り合えないですので。