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ニュースレター2016年5月号発達障害者への合理的配慮 Q&A「発達障害の人にあった仕事・職種とは」

  1. 障害者差別解消法施行 大学や職場における合理的配慮とは
  2. 今月のメディア・講演情報
  3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします

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  • 第1号 特集「10代の発達障害」
  • 第2号 特集「発達障害と間違えられやすい症状」
  • 第3号 特集「発達障害者(児)の進路・就職」
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1. 障害者差別解消法施行 大学や職場における合理的配慮とは

今年(2016年)4月から障害者差別解消法が施行されました。世界の流れを汲み、これまで国内法の概念に無かった「合理的配慮」が取り入れられた法律・運用になっていくことから、障害者関連の組織などで話題になっています。

内閣府の説明(以下抜粋)にもあるように、今回の改正のポイントの一つは、障害というのは診断名が同じでも個々人によって配慮を希望することは大きく異なるということを明確に前提としていることだと当社では考えています。つまり、Aという種類の障害ではBという配慮をすればよい、という”決まり決まった対応”の配慮ではなく、可能な限り(つまり”合理的”な範囲で)”オーダーメイド・カスタムメイドの対応”が求められるということとなります。

『合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものです。建設的対話による相互理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で、柔軟に対応がなされるもの』 (内閣府 障害を理由とする差別の解消の推進 から)

またこれまで対応が遅れている大学など高等教育機関でも、合理的配慮の義務化や努力義務化がされたのがこの4月からのもう一つ重要なポイントです。文科省でも現在検討会が開かれており、当社代表の鈴木も委員として参加しています。どのようにすれば社会や職場、学校が、大きな負担感なく、発達障害のある子どもや大人を受け入れ、力を活かしていくことができるのか。当社も検討会や当社事業を通じて社会に訴えていきたいと思います。

以下リンクは内閣府による差別解消法の解説や、合理的配慮についての具体例、朝日新聞の記事、そして鈴木による解説です。ご興味ご関心のある方はぜひ参考にされてください。

合理的配慮は各人異なるニーズがあるということが前提とした考え方

合理的配慮は各人異なるニーズがあるということを前提とした考え方

<リンク>

2. 今月のメディア・講演情報

この1か月は京都市で憲法月間の講演として発達障害に関する講演を行いました。またイギリスの経済紙 The Economistで自閉症スペクトラムの特集記事の中に当社が引用されたほか、出版が遅れていたKaien監修本が今月中旬に発売予定となりました。

<講演>

  • 5/9 京都市行財政局人材育成推進室(京都市)「発達障害と向き合う」

<出版>

<リンク>

3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします

代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。

発達障害の人にあった仕事・職種とは

Q1. 本当に適職なんてあるんでしょうか?

鈴木. NOでもあるし、YESでもあるという、矛盾した答えになります。まずNOの理由について。

発達障害の有無・多寡に関係なく、適職・天職が自分ですぐにわかる人は非常に少ないでしょう。世の中には日本に限っても数百万の会社があり、職種は細かく分けると星の数ほどあると思います。その中で自分にあったものを探し出すのはほぼ不可能でしょう。このため「本当に適職なんてあるのでしょうか?」というのはNOとまずお答えします。

ただし、適職というのはあとからわかるものです。つまり、50歳60歳になった時に、ああ、自分が働いてきた中でこれって実は適職だったんだなぁという感じです。先を見通して適職を(未来形で)探すのは無理でも、自分の適職はあとから振り返ると、つまり過去形では分かる。なので「適職はあるか」というご質問に対してYESというのが最終的な答えとなります。

じゃあ、どういう風にすれば、過去形であれ適職だと感じられるようになるか、を知りたくなるでしょう。私としては当たり前の繰り返しなのだと思います。つまり与えられた仕事をしっかりと適職にするように一日一日努力することです。数年~数十年、数千~数万日の繰り返しの中で徐々に与えられた仕事を自分の適職にしていくという地道な作業です。そしてこれは繰り返しになりますが、発達障害の有無や多寡に限らないと思います。

自分にぴったりの適職というカード(職種)を探して右往左往することを多くの若者がしているように思いますが、なんだかもったいないことをしているなと、40代も近づいた身としては感じます。そうではなく、配られた・与えられたカード(職種)をしっかりと適職に出来るかどうかが、自分の経験を踏まえると、重要なのだと思います。「正しい選択肢を探すよりも、与えられた選択肢を正しくする方が簡単」というわけです。

ただし、発達障害の方の場合、想像が苦手という特性から、自分に全く合っていないものを選ぶ可能性がびっくりするほど高いです。一方で、発達障害の傾向がない、あるいは薄い方の場合は、全く合っていない仕事を選ぶ可能性は低いです。また発達障害の方の場合は青い鳥症候群(自分に合った仕事がどこかにあるはずと思い続ける)になりやすいともいえます。この辺りについては発達障害の方はより専門的な就職支援が必要と言えるでしょう。

まとめますと、絶対選んではいけない仕事を選ばないように支援し、また与えられたポジションを適職にするように基礎力を高めてあげる、ということ。これが当社の発達障害の方への支援の軸なのだろうなと常日頃思っています。いつもうまくいくとは限らないのですけれども、支援の王道を進むことが効果が一番大きく、可能性が一番高いです。

適職を探すというよりも、あっていない職種を理解するというアプローチのほうが現実的です。

適職を探すというよりも、あっていない職種を理解するというアプローチのほうが現実的です。

特別支援学校・養護学校卒の方のご利用

Q2. 現在、養護学校高等部3年ですが、卒業後に就労移行支援機関の利用を考えております。これまで養護学校新卒者の利用実績がないと聞いておりますが、利用を希望する場合、これからどのようなスケジュールを取ればよいでしょうか。

鈴木. 当社はどうしても、敷居が高いと思われてしまいがちです。たしかにアスペルガー症候群や自閉症スペクトラム、ADHDなど知的遅れがない人が利用の多数を占めています。しかしながら、療育手帳保有の方(特別支援学校・養護学校出身の方も含む)でもご利用頂けるようにプログラムを拡充させています。実際川崎や秋葉原サテライトの拠点では療育手帳がある発達障害の方が利用されています。 利用までのステップですが、他の方と原則一緒です。まずは利用説明会にご参加ください。そして個別相談、また、土曜日の体験セッションをお受けください。基本的にはこれだけでOKです。ただし、通常特別支援学校の方の場合は、平日に1,2週間体験を受けるということが他の事業所では多いと聞いています。残念ながら、当社は今のところ常に満員の利用でスタッフもなかなか平日に長期間の体験を受け入れる余裕がなく、体験するためのスペースや機材も準備できていないことから、今しばらくは土曜日の体験セッションにお越しいただくことをお願いしています。

地方にお住まいの場合 発達障害の支援機関

Q3-1. 私は地方在住ですが、こうした就労移行機関が少ないので、進出してくれたら嬉しいです。
Q3-2. 石川県に住んでいます。地方にいて支援を受けられる事があれば教えて下さい。
Q3-3. 高校生の娘です。コミュニケーションが苦手で友人もいません。人とのかかわりが苦手なので仕事はとてもできそうにありません。本人は大学に進学と考えているようですが、私はパソコンなどの専門学校を進めている所です。色々検索していて、カイエンさんを知りました。カイエンさんの様な所が近くにあったら…!と切実に思います。

鈴木. 今年からKaienのプログラムを地方にある企業・団体で行っていただける「地域パートナーシップ制度」を始めています。5月現在でまだ実際に始まっているところは無いのですが、早ければ6月から東北や北陸で動き始める見込みです。石川もお話しを勧めている導入候補の一つとなっています。

パートナー企業・団体はフランチャイズではありません。つまり、すべての時間、当社のプログラムを行うという訳ではないですし、当社のスタッフを派遣しているわけではありません。しかし当社の教材を随所に使っていただけますし、スタッフ育成のノウハウも当社が提供しています。

このパートナーシップ制度。初年度は10企業・団体での導入を目指していて、数年以内には100拠点に拡大していきたいと思っています。現状の導入計画や導入都市については以下でご案内していきますので、ご参考にされてください。

発達障害 専門医の紹介

Q4. 発達障害(ADHD等)の疑いがある人に対して、専門の心療内科などの病院を紹介する等の支援はやっていますでしょうか?

鈴木. 専門医のご紹介。行っています。ただし、紹介状を書くということではありません。あくまでこういう病院・クリニックがありますよ、というご紹介です。なお、当社の病院情報は公開していません。(ウェブで探したい方は以下に挙げるようにストラテラというADHD治療薬を販売しているイーライリリー社のサイトで病院検索もできます。)

当社の病院情報を公開していない理由は個人個人によってお勧めすべきクリニックはやはり変わってくる事。また発達障害の専門医はまだ限られていて、ネットでご紹介すると、予約が非常に難しくなることへの配慮などからです。特に個人個人によって、診断が欲しい、きちんと検査してほしい、落ち着いた先生が良い、就労機関などとの連携がしっかり取れているところが良い、デイケアなど定期的に通えるところが良い、などニーズは異なります。また自閉症スペクトラムやアスペルガー症候群のタイプへの支援が上手な医療機関、ADHDタイプの人が気に入りやすい医療機関、抑うつや双極性障害、強迫性障害など、二次障害が強い人への対応が上手な医療機関など、多種多様です。このため、単にリスト化して公開するとミスマッチが多いと思っていますので、あえて非公開にしています。ご了承ください。