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ニュースレター2017年6月号2016年度の就職者は前年比2割増の162名、1年定着率は95%をキープ

  1. 2016年度の就職者は前年比2割増の162名、1年定着率は95%をキープ
  2. 今月のメディア・講演情報 「ADHD当事者向け市民公開講座 大人のADHDセミナー」
  3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「薬をできれば飲みたくない」他

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1. 2016年度の就職者は前年比2割増の162名、1年定着率は95%をキープ

2016年度は前年度よりおよそ2割多い162名の方が当社就労移行支援から就職されました。就職率は前年度よりやや低くなりましたが全国平均(2013年、厚生労働省調査)よりも3倍近く高い73%となりました。また就職後1年後の職場定着率は前年と変わらず95%で、全国平均(2014年度、日本知的障害者福祉協会調査に基づく)より15%ほど高い水準を維持しています。

ウェブサイトの就職・定着実績のページに上記以外にも月給分布や就職満足度などの最新データを掲載しましたのでご覧いただければ幸いです。

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2. 今月のメディア・講演情報 「ADHD当事者向け市民公開講座 大人のADHDセミナー」

講演
  • 5/28 ADHD当事者向け市民公開講座「大人のADHDセミナー」(東京・千代田区) 
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3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「薬をできれば飲みたくない」他

ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。よくある質問はウェブサイトにまとめて掲載していますので合わせてご参考になさってください。

薬をできれば飲みたくない

Q1. 私は現在、障害者手帳を持っていませんが、精神科への入院歴があり、2年前にADHDの可能性があると医師より告げられています。転職を繰り返しており、自分自身の能力に限界を感じて御社のサイトにたどり着きました。障害者手帳を持つ勇気も副作用に耐える勇気もなく、精神科の診察からは逃げていましたが、このままでは生活していけないと考えました。仕事の種類によっては薬を飲まずに数年仕事をすることはできましたが、薬を飲まないという選択肢はあるのでしょうか。

A. 副作用をとても心配されている様子から、以前の服薬の際にかなりつらい副作用があったのではないかと想像しました。訓練生からも自分にあった処方が見つかるまで薬の種類や量を変えているが、数か月単位で体調が安定せず困っているという話を聞くことがあります。服薬にメリットがあるとしても副作用のつらさを思うと躊躇してしまう野ではと思います。

服薬しなくても仕事によっては数年続けることができたということですので、生活自体は大きな不都合なく送れているのでしょう。問題になるのは、①仕事でミスを減らし期限までに業務を仕上げるといった職場で求められるレベルの成果が出せるかや、②仕事で悩みやプレッシャーがありながらも休息し気分転換しながら安定して日々仕事に取り組むことができるかなのではと思います。

①に関しては職場での配慮や自分で行う対策である程度カバーできることもあります。障害者枠であれば納期に余裕を持ってアサインしてもらうなどの配慮は広く行われています。また②に関しても、支援者との面談や同じような悩みを持つ人たちと茶話会で日頃思っていることを話し、安心感を得ることで安定して勤務できている人もいます。

上記のような配慮や工夫があれば継続して就労できそうであれば、服薬しないという選択肢も選べると思います。一般枠では①の配慮はなかなか得られませんので、こちらも勇気が必要かもしれませんが手帳を取得して障害者枠で配慮を得ながら働くことを検討してもよいでしょう。①よりも②が問題であれば、当社の在職者向け当事者会「キスド会」に参加いただくことも検討ください。どちらにせよ、まずは支援機関につながってどんな対策が取れるか一緒に考えてくれる支援者を見つけることをお勧めします。

それでも仕事での集中力や気分が安定しない場合は服薬を試すことも検討されるのが良いと思います。、離職期間中に当社就労移行支援などで模擬就労をしながら、主治医と相談しちょうどよい処方を探すことも一案です。就労中と違い体調が不安定になってお休みしてしまうことがあっても、プレッシャーになりづらいです。

【参考】 ADHDのお薬 薬の種類の解説や服用方法
【参考】コンサータとストラテラ 効き具合・副作用他

志望動機が書けない

Q2. 志望動機が書けない為、ゼミ選択もかなり苦労しました。来年の就活に向けインターンシップの志望動機も書けず、親が考えて書きました。本番は助けられないと考え、どうしたものか悩んでいます。もちろん、コミュニケーション能力が低いので面接も大きな不安と懸案ではありますが。

A. 履歴書の志望動機を書いてくださいといっても、真っ白なまま筆が進まないというのは発達障害のある人にはよくあることです。当社では応募書類や面接で「意欲」と「能力」を伝えるようにしましょうとお伝えしていますが、「企業で何をするか具体的に想像できないので意欲がうまくわかないし何を伝えたらいいかわからない」人や「これまで職務経験がないから仕事の能力は何もないも同然なので書くことがないと思ってしまう」人などが筆が止まる理由も様々です。

Kaienの就労移行支援では履歴書の志望動機や自己PR、障害の状況の基本の書き方をワークシートで学ぶプログラムを実施しています。設問に答え、その答えを用意してある基本の文例に当てはめると簡単に履歴書用の文章が出来上がるというものです。そのままではやや機械的な文章になってしまいますので、その文章を基にスタッフの添削も受けながらブラッシュアップしていきます。そもそもどういうことを伝えればよいかもわからない人にとっては、自分用の例文が最初にまずあると筆が進みやすいようです。

なお面接対策でも質問にどのように答えるか、事前に想定問答集をつくることをお勧めしています。面接では履歴書に書いた内容よりも広く、エピソードも具体的にお伝えする必要があります。そもそも何を話すかもそうですし、話すことは決まっていても口に出そうとしてもその場ではうまく言葉にするのが難しいタイプの人は、スピーチ原稿のように口に出す言葉を文字にして書き出し、ご自宅で声に出す練習もしておくとよいでしょう。

【参考】面接・書類術

職場に配慮をお願いしても聞き入れてもらえない

Q3. 就業中の会社で集団イジメのような状態です。就職してから発達障害と分かり、職場内での奇異な状況を改善すべく、職場環境整備のため発達障害への理解や苦手分野の説明、手助けのお願いや改善依頼行動を続けています。 改善されるどころか、辞めさせようと集団で取っ替え引っ替え暴言を浴びせ、苦手と申告をした事項を徹底的に繰り返すといった状況です。 本人がこの仕事を続けたい!と申しますので、現状と闘う体制で家族一丸となっておりますが、今後について何かしら方法が無いかと 行き詰まっております。 アドバイスなど得られないかと、Kaienの説明会の参加を考えました。

A. 状況が大きくこじれてしまっているようですので、これ以上企業とご本人・ご家族の二者だけで交渉をするのはお勧めしません。おそらく一般枠の職場なのではと思いますが、もし支援機関の職場定着支援を企業が受け入れていただけるのであれば、支援者に職場訪問してもらい、上長とご本人それぞれから現状の聞き取りをして、状況を改善するためにできることはないか確認してもらうとよいでしょう。恐れ入りますが当社では利用者以外の職場定着支援は行っていませんので、お住まいの自治体や発達障害者支援センターで定着支援を行っている支援機関があるかどうか相談なさってみてください。

障害者差別解消法が施行されたとはいえ、残念ながら現状では一般枠で障害に対しての配慮をお願いすることは大変難しいため、支援者に入ってもらったとしても状況の改善は難しいかもしれません。そもそも一般枠就労では発達障害があることを企業に伏せて働いている人がほとんどで、支援者が職場訪問するという話もあまり聞きませんので、支援者が入ることも企業に拒否される可能性も大いにあります。

一般枠はもちろんのこと、障害者枠でも企業ごとに社員に求める業務レベルや対応できる配慮のレベルは様々です。障害者枠であればある程度の柔軟な対応は可能だと思いますが、そもそもお願いしたかった業務で成果を出してもらえないことがわかった時に、ご本人が引き続き業務にチャレンジするために必要になる配慮にすべて対応したり、もしくは他の対応可能な業務を切り出してお任せすることができるかというと、どの企業でもできることではないのが現実です。障害者枠であってもこのような状況だということをご理解いただければと思います。

企業に合理的配慮を提供してもらえるか支援者経由で打診することも1つの方法ですが、どうしても状況が打開できなければ、離職してご本人に合った業務や必要な配慮を提供してくれる企業を探すことも前向きに検討いただくと良いでしょう。配慮を検討いただきやすいのはやはり障害者枠だと思います。よろしければ、当社個別無料相談で詳しいお話を伺った上で、今後の就労についてアドバイスをさせていただければと思います。

青年期の発達障害

Q4. 青年期の発達障害の情報がほしいです。

A. 青年期というと高校卒業から20代後半くらいまでの期間を指すかと思います。青年期に所属する社会が広がり、人間関係や自分が担うべき役割が変化していく中で、コミュニケーションや行動が上手くいかなくなることも多くなるでしょう。そのような時に家族や友人、先生や同僚・上司など直接関わる人以外にご本人が安心して相談できる身近な先輩のような存在の大人がいると、気持ちの整理と同時に自分の置かれている状況を整理して見つめ直すきっかけにすることができます。ガクプロではご本人とスタッフとの個別相談を行っています。

ガクプロでは基本的には就活や学校生活についてのご相談をお受けしていますが、それ以外のご相談でも大丈夫です。またガクプロの「しゃべり場」という、親との関係、怒りの沈め方、友人の作り方といったテーマでざっくばらんに話をするプログラムもあります。親御様にガクプロの個別相談にお越しいただき質問をお受けすることもできます。

就労移行支援でもキャリアカウンセリングや「よろず相談」というプログラムで就活以外のお悩みも伺っていますが、より「働く」ための準備にフォーカスするため、生活面での不安感が大きい場合は他の生活支援を行っている支援機関にもつながることも検討してください。定期的に当社で行っている茶話会「サロン」でこちらもざっくばらんに同じ訓練生や修了生と日頃感じていることを話し合うのもお勧めです。修了生など在職中の方には就業中の方向け当事者会「キスド会」で日頃の悩みを話し合う時間を設けています。

当社サービスを利用されているご本人の親御様向けには、Kaien Meetupという不定期のセミナーを様々なテーマで実施しています。またウェブサイトでも当事者やご家族の方が必要としている情報を今後も随時発信していきたいと思います。

【参考】大学生の発達障害
【参考】ガクプロ 発達障害のある大学生支援プログラム
【参考】定着支援