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”働きたい気持ち”=”意欲”を高めるには 後編発達障害のある人 ~対話の力で「就職の壁」を乗り越える~Kaienの職業訓練

Kaien秋葉原スタッフの鈴木です。

前回の記事「発達障害のある人 自己効力感が就労への意欲に」に引き続き、発達障害に特化した当社の職業訓練でどのように働く上での自己効力感を身につけることができるかについてお話ししたいと思います。後半は、模擬職場で生まれる対話が訓練生が壁を乗り越えるきっかけになるというお話です。

「模擬職場」であればどの職業訓練でも行っていることは同じ??

ここ数年で就労移行支援の事業所数も増え、「発達障害の人向け就労移行支援」や「模擬職場形式の職業訓練」をうたう事業所を当社以外にも見かけるようになりました。利用を検討している方からすれば、同じうたい文句であればどの事業所でも同じようなサービスを行っているのではと思ってしまうかもしれません。

しかし声を大にして言いたいのですが、発達障害のある人向け就労支援の元祖を自負しているKaienの職業訓練は、前回の記事でお話しした「働くイメージ」や「小さな成功体験」を彼らが獲得していくのに非常に適した環境であり、他の事業所にはなかなか真似のできないサービスが提供できていると思っています。何が違うのですか?と聞かれれば、一スタッフの私の意見ですが、訓練中に行われる数多くの「対話」の、質や量が大きく違うと思っています。

模擬職場で生まれる上司役・同僚訓練生との「対話」

例を挙げます。当社の職業訓練プログラムの1つである週替業務で、例えば社会保険手続き業務を2週間で完了させてほしいと上司役の講師から「指示」されます。訓練生は指示を理解して作業計画を立て、上司役に「連絡」します。作業を進める中でこの進め方で問題ないか上司役に「確認」します。作業するうちにわからないことが出てきたら上司役に「質問」します。これらを繰り返し、作業が完了したら成果物を提出して上司役に「報告」します。グループ作業であれば報告・連絡・相談・質問の先が上司役でなくリーダー役や同僚役の訓練生になることもあります。

このようなやり取りをどのように行えばよいのかを、コミュニケーションが苦手な発達障害の人はこれまでの学校や職場でうまく学ぶことができなかったり、そもそもやりとりを練習できる場を経験できていないことが多いです。中には自分なりに相手と関わろうとしたけどうまくいかず、ご本人の主観では「自分からコミュニケーションをきちんと取らなかった」というよりは「相手からコミュニケーションをシャットアウトされた」と感じてきた人もいるのではないでしょうか。

Kaienの模擬職場では、アクティブシニアの方々が上司役を務めます。大企業の管理職経験がある方も多く、数十年の企業経験で培ってきた部下管理のスキルを存分に発揮してくださっています。コミュニケーションが苦手な訓練生に対して業務を完了することができるように、彼らの発信を受け止め、わかりやすく的確に返答します。そのため訓練生は、ぎこちないこともありますが安心して上司役に自分の状況を伝え、返ってきた指示のもと業務を進め、結果として自分一人ではたどり着けなかったところまで成果を出す経験をすることができるのです。初めの頃はなかなか相談に行かなかった訓練生も、このような経験から報告・連絡・相談の大切さに気付き、自ら上司役のもとに足を運ぶようになります。

キャリアカウンセリングや日々の訓練の中でのスタッフとの「対話」

またKaienの就労移行支援では訓練生に担当のキャリアカウンセリングスタッフがつき、訓練や就活についての相談を受けています。私も現在担当している訓練生が3名いるのですが、担当している訓練生はもとより、事業所に通っている20数名の訓練生全員と、日々「対話」をしています。

月に2回、各30分実施するキャリアカウンセリングでは、訓練や就活・生活面での現状を伺って、この先1か月の短期目標を設定したり、目標の達成度を確認しています。なにか困っていることがあれば、今の困り感と同じようなことはあったのか、どうすればこの課題をクリアしていけるか、そのために今できることは何かを整理して確認し合います。

確かにキャリアカウンセリングではがっつりと対話をするのですが、実は訓練の中での対話の機会はそれだけではありません。朝入室してきたときの挨拶、朝会での発言、職業訓練の様子、ランチでの雑談、履歴書添削、日報メールの内容などを見ていて、気づいたことがあればスタッフから訓練生にできるだけその場で話しかけます(その場その時の声掛けのことを当社ではHere&Nowと呼んでいます)。改善点を指摘する時もありますが、できなかったことができるようになったときなどはちょっと大げさなくらい「いいですね!」とお伝えするようにしています。少し恥ずかしそうな顔をしながら、でも自分が1つステップをクリアしたことを喜んでいる訓練生と一緒に小さな成長を喜ぶことができるのは、仕事をしていて最もうれしい瞬間の1つです。

「対話」で訓練生のコミュニケーションや行動が変わる

そして訓練生からも、スタッフに対して日々発信してくれます。企業選定などの就活についての相談も応募のタイミングを逃さないように日々お受けしていますし、帰り際に今日の訓練の出来事を共有してくれたり、またちょっとした雑談をしたりといろんなお話をします。今困っていることの急ぎの相談があれば、キャリアカウンセリング以外に時間を取って個室でお話を聞くこともあります。

コミュニケーションが苦手な発達障害のある人は、他人に自分の困りごとを相談することがお仕事でもプライベートでもあまりうまくできないことが多いです。「そもそも相談ってどういうことですか?」という疑問をぶつけてきた訓練生もいました。確かに理論的に相談ってどういうことか学ぶ場はあまりないよね…と妙に納得してしまいました。

相談ってどういうことかわからなかった訓練生も、スタッフからの声掛けに答えたりする中で、不器用ながらも自分の現状を共有し、こうしたらよりよくなるのではないかというスタッフからの提案に耳を傾けてくれるようになります。そして、彼らの発信の仕方がそれまでとは明らかに変わってきます。そんな彼らの渾身のコミュニケーションにスタッフが真摯に応えることで、これまで見通しのつかなかった就活のハードルを1つずつ乗り越え、前に進み始める訓練生をこれまで何人もKaienの訓練で目撃してきました。

Kaien修了生に訓練でどんなことを身につけたか直接聞くこともできます

当社の訓練について熱く語ってしまい長文になってしまいました。しかしブログを読むよりも百聞は一見に如かずですので、就労移行支援を利用して就職したいと考えている方は、是非体験セッションにお越しいただければと思います。職業訓練プログラムの体験もできますし、「ようこそ先輩」というKaien修了生の講演で、訓練参加前から訓練中・内定から就職後どのように過ごしているのかお話を聞くことができます。Kaienの訓練でどのような経験をして、それが就活や今のお仕事でどう活きたかを直接聞くことができるので、自分のことに置き換えてイメージしやすいはずです。

【参考】先輩の経験を聞くことが動き出せるきっかけになれば嬉しい~ 「ようこそ先輩」を続ける理由~

それでは、ぜひぜひ、Kaienの職業訓練でお会いしましょう!

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