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発達障害ならではのお悩み「職場では定量的に伝えた方がいい?」~Kaien スタッフ&当事者会 キスド会レポート~

奇数週の土曜開催の在職者向けの当時社会「キスド会」では、様々なお悩みが寄せられており、そのお悩みにスタッフや参加者が知恵を出し合って答えていきます。発達障害の傾向があるからこそ生まれるお悩み。今回は「職場で定量的(数字を使って)に伝える方法」というテーマでお送りします。

 

今回のお悩みは、職場で定量的に伝える方法

相談者(以下Aさん):Kaienの就労移行支援のプログラムで「報告の際には数字を使って、定量的に評価してください」というように訓練を受けたはずなのですが、実際にどう職場で活かせばいいのだろうと悩んでいます。

スタッフ鈴木(以下鈴木):Kaienの就労移行支援では、報告の際に「具体的な数字や日付、時間で伝えましょう」と必ず伝えています。文章でも口頭でもそう。それをある程度学んだはず、意識したはずだけど、実際に職場でどのようにすればいいのか、今またつかみにくくなっているということですね?

Aさん:はい。定量的に伝えるほうがわかりやすいということを、なかなかつかみきれてない気がします。わかりやすいはずなのですが、実際にはかえってまわりくどく聞こえているのでないかなと気になります。問題なくできている人はどう工夫しているのか、ノウハウを知りたいです。

鈴木:なるほど、何か特定のエピソードがあってまずいと思ったわけではなくて、何となくできていないのはそこではないかともやもやしているということですね。

フロア:実際に職場で「もう少しわかりやすく説明してくれ」と言われているのですか?

Aさん:特にそういうわけではないのですが、話しているとどうも伝わっていなさそうだなと思うことがよくあります。もう少しうまい方法があるのではないかなと思いまして。

鈴木:実際の職場で「話しやすく伝えろと」言われているわけではないが気になると?

Aさん:相手はそう感じているのではないかと思っています。定量的にできてくれば、そういった違和感のようなものも解決できるのかなと考えました。

定量化に縛られすぎない:ベストな報告は上司のタイプで変わる

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鈴木:まず、上司でも定量的に欲しい人とそうではない人がいます。細かい人と大雑把な人がいて、多くの人はそこまで考えていなくても、それに応じて自然とコミュニケーションが変化します。当社によくいらっしゃる発達障害の医師の方が「多くの人が液体化ジェルだとすると、私たち発達障害者は固体だ」とおっしゃっていました。つまり相手の状況に合わせて変化するのが多数派ですが、発達障害の傾向がある人は固体のままでぶつかっていくので失敗が起きやすい。まずは上司のタイプの違いが見分けられるかどうか、次に上司のタイプに応じて自分が変われるかがポイントです。

フロア:具体的にはどういうことですか?

鈴木:例えば大雑把な上司は、「すごいですね」や「昨日は巨人が勝ちましたね」だとか言っておくと気分が良くなる。対照的に、細かい上司は、逐一何がどこまで進んでいて、いつまでが締め切りでと逐一知りたい、全部把握していないと落ち着かない、いわゆるマイクロマネージャーというタイプですね。

フロア:他に何かうまくいってないと感じる原因で考えられることはありますか?

もう一つの対策:鈍感力を磨くこと

鈴木:気にし過ぎというのもあります。「分かりやすく伝えろ」と言われているわけではないのに、相手はそう思っているのではないかと思い込んでしまっているということですね。そういう場合は「だから何なのだ?」と開き直っていればいいです。相手が「まわりくどくて嫌だな」という雰囲気を出しているように感じる、あるいは出しているかもしれないけれど自分には分からないと、気にし過ぎて自爆する人がとても多いです。むしろそういったことに関する、いわゆる鈍感力を磨くことの方が重要です

フロア:そういった鈍感な接し方というのは、上司としてはどのように感じますか?

鈴木:びくびくして細かく伝えられるよりも、敷居を下げてこちら側に入ってきてくれる人の方が気が楽ですし、関係も悪くなりにくいです。難しいとは思いますが。なので「定量的に伝えるには」ではなく、むしろいい意味で自分が鈍感になるというか、課題はそちらにあると思いました。

フロア:実は定量的に伝えている人ばかりではないということでしょうか?

鈴木:定量的に伝えるというのは、いわゆる5W1Hで答えることですが、それは私でもKaienの社員でもほぼ忘れますね。努力目標に過ぎないというか、やはり難しいことだと思います。常に完ぺきとはいかないのが人間で、それを考えすぎてもかえって仕事が進まなくなってします。自分のコミュニケーションは不完全だということを、ある程度前提にするしかないです

意識すべきこと:業務の期限だけは必ず確認しよう

フロア:では、最低限気をつけた方がいいことは何でしょうか?

鈴木:唯一気にしてほしいのは、締め切りくらいでしょうか。他のことを定量化しなくても、「いつまでにすればいいですか?」を確認すること。逆に言うと、納期をきちんと押さえられていれば、早めに修正がきく可能性が高いです。期限さえずれていなければ大きな問題はないと思います。

フロア:上司から期限を伝えられない場合も多いのですが、どう対処したらいいでしょうか?「近いうちに」や「無理のない範囲で」などと言われます。

鈴木:通常はそうですね。その際はこちらから設定しましょう。上司からは大体にして「こちらが困らないタイミングで来い」という答えしか返ってこないと思うので、「ではいつまでに持って行きたいのですがいいですか?」のように決めてしまいましょう。難しい話ですが、定量的に報告すること自体は悪いことではなく、むしろ推奨されています。ですが、ただ定量的にするばかりではコミュニケーションはうまくいきません。唯一、いつまでに何をするかを確認することだけはおろそかにしないようにしましょう。

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