より構造化されたオフィス空間で緻密な支援を 発達障害の就労支援

Kaien池袋が広く明るくなりました。
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こんにちは!就労移行支援事業所Kaien池袋の湊です。2017年もあと1ヶ月ちょっと。今年一年はどんな年でしたか?

この一年も発達障害*の失敗や気持ちの不安定さに寄り添ってきました

Kaien池袋は毎月必ず就職していきました。多い月だと3名以上!11月時点でスタッフも訓練生(=Kaienの訓練を受けている利用者をさします。以下訓練生)に対していろいろな思いで、送り出して行きました。今日はスタッフ2人に印象に残った訓練生について語ってもらいました。

スタッフJさん

とても若かったのですが、「自分がどうにかしないといけない」という当事者意識が高い訓練生でした。作業もコミュニケーションもうまくいかないと自分に対して許せない気持ちが強くなってしまったり、人と比べて気持ちが不安定になることが多かったです。しかし、何度失敗してもあきらめずに積極的に面接練習に取り組み、就職活動を行っていたところはご本人の強さなんだと思いました。先日、定着支援に行ってきましたが、ご理解のある企業さんでお仕事されていて、ほっとしました。

スタッフMさん

訓練開始してすぐのころ、過去の失敗経験の記憶が蘇ってきて訓練に対しても不安が強かった訓練生。初めは話を聞く時間をたくさん作って、何が不安なのかを言語化してもらいました。訓練ではできていることをフィードバックしてもらって、徐々に自信をつけていき、数か月後には訓練チームのリーダーとしてすっかり頼られる存在になっていました。先日、定着支援に行ったときには、まっすぐに仕事に取り組む姿勢を評価されて、同僚や先輩にとてもかわいがられていました。

オフィス内のレイアウトを大幅変更 構造化を徹底しました

今月、池袋事業所のパーテーション工事をしました。今まで、L字型に使っていた事業所が、正方形に近い形で使えるようになりました。スタッフが朝、ドアを開けてまず思ったのは「明るい!」でした。以前のレイアウトだと窓がロッカーやパーテーションで遮られていたので、光が入りにくい状態でした。が、大きな窓二つが訓練室に面して光が入り、しかも風通しもよくなって、とても快適です。

さらに、スタッフ席からも訓練室全体を見渡せるようになりました。今までは、パーテーションに遮られて、すべてを見るには立って移動しなければなりませんでした。そのため、訓練生と職業訓練講師のやり取りが見えにくかったり、訓練生の作業の様子がわからなかったりしていました。新しくなった配置では、そんな問題も一気に解消!訓練生の強み探しや課題解決にもより熱が入ります。

訓練生にとってもよいことばかり。発達障害の方は「情報整理が苦手」ということもあり、どの事業所もシンプルな構造になっています。池袋事業所はレイアウトが変わったことで、より動線がはっきりして、作業がしやすく、報連相にも行きやすくなりました。講師・スタッフとのコミュニケーションが増えると、フィードバックを受けやすくなったり、より課題が明確になります。あいまいなことが苦手な発達障害の方は、課題と対策が明確になると、とても変化・成長されていきます。その結果、現在池袋事業所では早い人だと3か月、平均で7-8か月で就職されています。

Kaienの訓練に興味がある方はぜひ利用説明会にお越しください。病院・クリニック・行政などの支援者の見学については career-bk@kaien-lab.com へご連絡ください。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます