発達障害に特化した就労支援の元祖!Kaienのプログラムは常に進化しています

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Kaienの須賀です。

児童部門(TEENS)からの社内異動により、1年半ぶりに就労移行支援「Kaien」に戻ってまいりました。Kaienは設立以来、発達障害*の方に特化した就労支援を展開しています。発達障害と言えばKaienが元祖です。Kaienのプログラムはこれまで利用してくださったたくさんの皆様から様々なお声をいただき、試行錯誤しながら作ってきたKaienにしかない独自のものです。1年半の間にプログラムがどのように進化したのか、何が独自なのかをレポートします。

Kaien訓練生を積極的に採用するKaien求人企業の増加!

Kaien求人というのは、発達障害の方の働く力に着目し、積極的に採用・雇用してくださる企業様がKaienの利用者(「訓練生」と呼んでいます)向けに出してくださる求人のことです。この1年半でその求人数が大幅に増えています。これまでに10名以上の訓練生を採用している企業も多数あります。どのような求人なのかご説明します。

待遇面で言うと、これまで職歴がない人が就職、就労の経験をつみやすい(お給料はあまり高くないけれど、職歴不問、職歴のない人を積極的に雇用するなど)求人もあれば、これまで就労経験があり環境が整えば着実に成果を出せる方向けに、障害者雇用での平均的なお給料(精神障害の方の全国平均月約15万円、当社の平均月約17万円)よりも高めの月20万円以上の求人もあります。

業務内容や職場環境としては、同時並行が苦手、環境に適応するのに時間がかかる、口頭でのやりとりが苦手、臨機応変に対応できないなどの特性を、一つのことになら集中しやすい、一度慣れた環境には帰属意識が高い、マニュアルや図などの視覚情報はとらえやすい、物事に慎重に対応するなどの強みととらえて特性にあった業務を担当できるように配慮が得られます。

7事業所150人超の利用者(「訓練生」と呼んでいます)と数十社の企業のマッチングは簡単なことではありません。でも会社の窓口となるスタッフと事業所で訓練生をサポートしているスタッフの絶妙な連携で数々の良縁が生まれています。現在では、訓練生のうち約3分の2の方がKaien求人で就職しています。

Kaienは設立以来、上記のような発達障害の方に理解のある企業を地道に開拓してきました。その中で最も力になっているのは、Kaienの就労移行支援を経て、各企業で働いている訓練修了生(「修了生」と呼んでいます)の活躍です。修了生の働きぶりが企業で認められ、さらにKaienの訓練生を雇用したいというお声をたくさんいただいているのです。スタッフと修了生の日々のたゆまぬ努力が訓練生の道を開拓しているとも言えるのです。

2017年10月に実施したKaien合同面接会の様子

訓練プログラムの多様化!職種の選択肢が広がった

求人も様々なようにプログラムも様々です。プログラムの3つの柱は職業訓練、ビジネススキル、就活支援です。プログラムを通じて自分の強みと弱み、強みの活かし方、弱みの克服方法を探りながら、就職活動を進めていきます。

特に職業訓練は、服を試着するように実際の職場で行われている様々な業務(プログラム)を経験することで、自分の得意不得意を知り、自分にあった職種を探していくことを一つの大きな特徴としています。KaienというとPCが得意な人ばかりという印象が強いかもしれませんが、そんなことはありません。PCが苦手な人が活躍している代表的なプログラムが「営業ゲーム」と「Kaienハート」です。

営業ゲームは、事業所で同業の競合会社をつくり、他事業所を顧客企業かつ仕入先として電話やメールで受発注を行い、どの事業所のどの会社が一番利益を生み出すかを競うプログラムです。発達障害の方の多くは電話が苦手と言いますが、思わぬ想定外が起きています。自社の利益のために戦略をたてて電話で交渉に臨むうちに、思いがけず電話が得意と気づく人、やっぱり苦手だから電話必須の職場は避けようと実感する人、電話の取次ぎならばできると発見する人など。プログラムで取り組む内容を必ずしも得意になる必要はなく、どうしても苦手であることがわかること、どうすれば少しはできるようになるかがわかることも訓練の成果です。

Kaienハートは、Kaien内の模擬特例子会社(特例子会社とは障害者手帳保有者の雇用を目的として設立される会社のこと)です。発注を受けて、テープ起こしやデータ入力、押印や封入といった事務補助的な業務を納期までに検品をクリアするように進めていきます。また、清掃業務では、ふだんなかなか手の届かないとこでまで丁寧に対応することで高い評価を受けています。業務の品質について発注元から褒められるのは大きなやりがいにつながります。

また、事務職、事務作業、軽作業、清掃などの職種の他、ビジネススキルや就活支援などでこれまでの職場での苦労の原因であったソフトスキル不足を補って、これまでの経験を活かした経理やデザイン、翻訳などの職種につかれる方もいます。自分の状況に応じて必要なプログラムが受けられるのも、多様で多数のプログラムが用意されているからこそなのです。

Kaienハートの業務の一例

心強い味方!Kaienパスポート

訓練開始から就職活動まで、Kaienの訓練のエッセンスを一冊にまとめたパスポートが今年の春から訓練生一人ひとりに配布されています。もちろん自分でメモをとったり、ホウレンソウ+質問(報告・連絡・相談・質問)を駆使することは重要ですが、訓練・就活の情報整理には非常に役立つ一冊です。

自分が今、就活を進めるうえでどの時点まで進んでいるのかをチェックシートなどで明確化することができたり、「今さら聞けない・・・」というような些細な悩みは辞書のように調べて解決することができます。また、先々の見通しをつける上で、パスポートをもとにこの先の流れを予習することもできます。

凸凹で悩む「働きたい人」を歓迎します!

上記のとおり、Kaienのプログラムは現状に満足せず、寄せられるニーズに対応して常に進化しています。
Kaienでは、以下のような「働きたい人」が自分の未来をつかむ場所です。

  • これまで就職して働いてきたけれど困難や失敗が多く安心して働ける場所を求めている人
  • ミスをしたり、怒られたりしながら何とかアルバイトを転々としてきたけれどじっくりと向き合える仕事に出会いたい人
  • 働いたことはないけれど自分にあった業務と職場に出会いたい人

そのためならばスタッフ一同、労をおしまず全力投球でサポートしています。「発達障害」と「仕事」と「強み」でご自分の今を変えたい人は是非、Kaienの利用説明会にお越しください。

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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます