発達障害の良質な特性受容を促すには?

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こんにちは。Kaien池袋事業所の湊です。

昨日は、さいたま市障害者総合支援センターの中にある発達障害*者支援センターの研修会に講師としてお呼びいただきました。事例紹介を交え発達障害について約1時間半ほどお話をしました。当社の啓発事業の一環と言えます。

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研修会にご参加いただいたのは、地域の自治体で相談を受ける方や支援機関の方々。池袋事業所に通所されている方は埼玉県からも多くいらしています。過去に当社に当事者を紹介いただいた方やケースで連携をしたことのある支援者もいらっしゃいました。

病識が薄いので支援につなぎにくい

印象に残ったのは、障害受容の難しさの課題です。生きづらさを感じて相談に来たのに、障害ということを認めたくないために支援を拒否する方、そういう人をどう支援機関に結び付けてよいのかという点で悩んでいる支援者が多くいました。診断や気づきでご本人も楽になるのに、頑なに拒否されてしまうと支援者としてもやるせない気持ちになりますよね。

自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群などと診断を受ける方は、セルフモニタリング(客観視)が難しいため、きちんと指摘くれる人がいたり、失敗したときに一緒に振り返りをしたりしてくれる人が大きな助けになります。ただ、現実は親子で特性が強くてご自身のご状況を受け入れられない、信頼できる身内がいないなどの状況の方も多く、そういったところが地域の抱える支援の難しさだと改めて思いました。

Kaienにつながる方は障害受容という意味では、自分自身の生きづらさを感じていて、それを発達障害につなげている方が多めかもしれません。しかし、発達障害の方によくある自分のペースで物事を進められないとパニックになってしまったり、拒否してしまったりする方もいらっしゃるので支援の難しさを感じることがあります。

特に若い方は「親が行けというから来た」とか、自分が思っている自分の姿と本当の姿に「ズレ」がある人も多く、どう方向付けしていけばいいのか、支援者として迷う頻度が高い印象があります。そういった難しさを、Kaien内部だけでなく、地域や医療とも連携をとりながら支援をして行きたいと思います。

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埼玉県・東京都方面の支援者向け見学会のご案内

Kaien池袋では2017年2月2日(木)に支援者向け見学会を開催いたします。発達障害に特化した就労移行支援の訓練のご様子をご覧いただき、当社へ紹介したい。もしくは当社からケースを共有したり、地域のお力が必要な際には連携をさせて頂きたいと思っています。見学会の後には意見交換会を開催し、皆様とより連携を進めていければと思っております。ぜひお誘いあわせの上、お越しください。皆様にお会いできるのを楽しみにしております。

関連リンク

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます