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こんにちは。就労移行支援事業所Kaien池袋事業所の湊です。

訓練を始めて数か月すると時々、親御さんから、「うまくやっていますか」「本人が話してくれなくて心配です」「どこまで親が口出ししてよいのか、困っています」などとご連絡をいただくことがあり、ご要望やご本人の状況に応じて、親子面談をすることがあります。訓練生からすると、いい大人なんだからわざわざ報告する必要はないと思っていたり、心配をかけたくなくてあえて話さないでいたりということも結構あるようですが、親御さんの心配はいつの間にか大きくなってしまっているということがあるようです。今回は、親御さんからご相談いただき、親子面談を行ったお話をいくつかしたいと思います。

 
 

電話で相談を受けるスタッフ

どこまで口を出してよいのかと悩む親心

「うちの子ちゃんと通えていますか。本人に聞いても大丈夫と言うだけで、細かく教えてもらえなくて。もういい大人からどこまで親が口出すものか悩んだのですが、やはり気になってしまって連絡しました。」などと、ある日突然、訓練生の親御さんから、電話を頂くことが時々あります。

そういったときに、親子面談で良く受ける質問が、
「訓練の様子を教えてください。」
「就職はできそうなのでしょうか。」

というものです。
 
私が面談をさせていただくときには、訓練の中でどんな業務が得意で何が課題なのか、そして課題に対する現在の取り組みや改善策をお伝えしています。面談をしていて感じることは、得意に関してそんなことが出来るのですかと驚かれることが多いということです。確かに、幼い頃から集団の中で教育を受ける日本社会だと、同じ年の子供たちと比べがちになってしまう環境があるので、やはりできないことや課題は目につきやすいのですが、得意や長所は当たり前のこととしてとらえられてしまいがちのため、気づきにくいのかもしれません。

過度なプレッシャーをかけてしまう親の気持ち

過去には、お子さんである訓練生が就職できないんじゃないかと親御さんが心配し、知らないうちにお子さんにプレッシャーをかけてしまっていたことがありました。そのプレッシャーがストレスになり、余裕がなくなり、訓練中も周囲からの指摘が受け入れられなくなってしまっていた訓練生が中にはいました。親子面談で、できていることと課題を整理したことによって、就職するためのスモールステップで考えられるようになったのか、親御さんからのプレッシャーが減ったそうで、訓練の中でも指摘を素直に受け止められるように態度が変わって行きました。親御さんからすれば「心配」だったのかもしれませんが、伝え方に食い違いになり、ご本人には「プレッシャー」となっていたようです。

親御さんとして、お子さんの将来や取り組んでいることに口をはさみたくなったり、心配することは当然のことかと思います。しかし、ちょっとした伝え方の食い違いでネガティブな伝わり方・受け取り方をしてしまうことが多くあるように感じられます。そこを、間に入って少しだけ整理すると、大人の当事者であるお子さんにも良い変化がみられるのだろうなと面談を介して思うことがとてもあります。

親子なのに、分かり合えない

広汎性発達障害・アスペルガー障害と診断を受ける方の中には、うまく言葉で伝えることが苦手な方が多くいらっしゃいます。親御さんの障害受容の影響もあるかもしれませんが、どれだけ辛いのか相談できないことが続き、結果二次障害を抱えてしまうケースもあります。過去に親子面談をさせていただいたケースで印象的だったのが

「うちの子忍耐力はあるんです。どんなに嫌なことがあっても不登校にならず、学校にはちゃんと通いきったんです」

というあるお母様の言葉でした。推測するに、学校に行ってどんなにつらい状況でも、うまく辛い状況をお母様に伝えることが出来なかったこともあり、結果「我慢する」ことで、その場をやり過ごしていたのかもしれないと感じられました。我慢をし続けた結果、二次障害を抱えてしまい、Kaienに来られた時も何度も手を洗いに行ってしまうなどの症状が出ていました。また、キャリアカウンセリングでお話を伺った際、ご本人が口にするのが「私が我慢すればいいことです」と言う言葉でした。他の手段を探しませんかと私がお伝えしたとき、その訓練生がきょとんという顔をされた印象的でした。親子とはいえ、別々の人間ですし、それぞれが育ってきた時代や環境は異なるので、100%理解することはかなり難しいことだと思いますし、話せば分かり合えるという簡単なものでもないのかもしれません。親子面談に同席させていただくに度に、「親子だから、言わなくてもよくわかっている」ではなく、「親子だから、わからないこともある」と思って、きちんと向き合える関係をつくることが大切だと思いました。

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