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発達障害ならではのお悩み「職場で挨拶が返ってこないと気になってしまう」~キスド会レポート②~Kaienの在職者支援キスド会

奇数週土曜日開催の在職者向けの当事者会「キスド会」では、様々なお悩みが寄せられており、そのお悩みにスタッフや参加者が知恵を出し合って答えていきます。発達障害の傾向があるからこそ生まれるお悩み。今回は「職場で挨拶が返ってこないと気になってしまう」というお悩みをお送りします。

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今回のお悩み:社内ですれ違う人全員に挨拶をしているが、無視されると気になってしまう

相談者(以下Aさん):挨拶したときに、返事が返ってこないとすごく気になります。何か挨拶できない事情があるのかなと思っても、もしかして私に対して思う所があって、挨拶をしないのではないかと心配になってしまいます。

スタッフ鈴木(以下鈴木):なるほど、具体的なシチュエーションをもう少し言えますか?例えば上司か部下か、同僚か、同期入社の人なのか、男性か女性かなど。

Aさん:社内ですれ違った人全員です。上司か部下かは全く関係ないです。人によっては返ってくることもありますが、やっぱり返ってこないときは返ってこないです。

鈴木:相手が社内の人であるというのは、バッジなどで分かりますか?お客さまではなくて、普段顔を合わせている人たちですか?

Aさん:そうですね。同じフロアの人と挨拶するときです。

鈴木:同じフロアには何人ぐらいいるか分かりますか?

Aさん:50~80人くらいはいるかもしれないです。

鈴木:どういうときに挨拶をしているのですか?

Aさん:すれ違ったときに必ず挨拶をしています。

鈴木:これについてフロアの皆さんから、似たような経験談あれば聞かせてください。

仕事をしている上司に声は掛けにくい、とはKaien訓練生からよく聞かれる意見

経験者の体験談:相手に反応がなくても気にしない

フロア:自分がもし同じ立場だったとすると、全員が全員挨拶を返してくれなくてもいいのではないかと思います。

鈴木:中には挨拶を返さない人がいるのでは、ということですね?

フロア:そうですね、相手の状況はあると思います。よくあるのがスマホを見ていたりとか、声が聞こえていなかったりとかです。挨拶をしたこちらとしては、無視されたという雰囲気もあります。

鈴木:声が聞こえていないから、そもそも気付いていなかったということですね。

フロア:あとはやっぱり、返してもらえなくても自分が気にしない方がいいのかなと思います。気にしすぎる傾向がわれわれは多いと思いますが、相手をカボチャだと思って、相手に反応がなければまあそんなものかなと。

鈴木:なるほど、これは特性上どうしても気にしすぎて不安になってしまうから、そこは自分なりにいろいろ気を付けていたほうがいいかなと。挨拶に限らず、全体的なアドバイスというか考え方ですね。

フロア:自分もできていないのですが、できればいいなと思います。

鈴木:なるほどわかりました。他にご意見ありますか?

経験者の体験談:挨拶は気持ちよく仕事をするための手段でしかないから、返されなくても気にしなくてよい

フロア:職場での人間関係のためだったり、気持ちよく仕事をするためのツールとして、挨拶をするのだと思います。朝一番最初におはようございますと言うことに決めたり、ある一定ラインは、自分で決めて守った方がいいかなと思います。

鈴木:仕事を気持ちよくするためのツールとか手段だから、一定程度ということですね。

フロア:その一定程度を越えると、ものすごく元気よく、テンションを上げて、ハキハキすることになると思います。それを続けるのがしんどくなるのですね。たまにそのテンションを守らないような挨拶をすると、何があったの?となります。なので、一定ラインを越えていれば、あとは気にしなくてもいいのではないかなと思います。

鈴木:質問主さんの前提としては、挨拶をするというのは仲が良い証拠、信頼されている証拠だから、それがされないと気になってしまうということでした。だけど今の話は、挨拶というのは、仕事場で、お互い気持ち良く仕事をするための手段でしかないと。だからあまり気にしなくていいということだと思います。

フロア:僕たちはどうしても子供のときから、挨拶をするのが当たり前という教育をされているので、もしも相手から返ってこないと、不安になったり、おかしいなと思ったりしがちだと思います。でも本当はそうでなくて、挨拶をして返ってこないことも十分起こりうることなので、自分の意思として挨拶をすると決めておけば、相手の反応を気にしなくていいと思います。
鈴木:相手の反応を気にしないのがベストだと思っていても、気になってしまうということですね。職場と学校の違いを使って、説明をします。学校では、挨拶は組織としての規則にしましょう、となっています。一方、職場でも、ファミレスとかなら、「いらっしゃいませ、〇〇へようこそ」と挨拶をするマニュアルになっています。学校でも、挨拶するのがルールです。だから、そのルールを守らないのはちょっと違反だけど、職場ではルールとして決められていないんですよね。だから、職場ではマイルールにしておけばいいということ。

 
 
Kaienでは出勤後、上司役の講師に挨拶することを訓練の一環としている
 

対策について:挨拶は、一人一人のマイルールがあるので、返ってこなくてもあまり気にしないこと

鈴木:僕も学生の時は結構真面目に挨拶していましたが、就職してからは僕の挨拶に誰も答えないという事は結構普通で、職場では挨拶がルールではないのだということは、言われなくても何となくわかったと思います。そう思って気持ちを楽にしてもらえればと思います。

フロア:挨拶を返してくれないのはどういう場合がありますか?

鈴木:もちろん挨拶は、自分がすごく好きな人とか、気の合う人は、挨拶し返すと思います。なので、挨拶してもなかなか返してもらえないような人というのは、その人にとって、自分はあまり重要な人物ではないのかなという気はしますし、実際そうだと思います。

フロア:あまり重要な人物とみられていない、ということでしょうか?

鈴木:社長は、他の常務とか上司に対してのように自分には挨拶はしてくれない。でも、社員であるという点で、自分は社外の人に比べて、社長にとって重要人物、という風に考えていいかもしれません。人によっては、社会の常識としてちゃんと挨拶してくれる人もいますし、目も合わせず会釈程度で行ってしまう人もいますし、目だけ合わせて存在は確認した、みたいな感じで行ってしまう人もいると思います。そこは一人一人にマイルールがあるので、あまり気にしないでいいと思います。

フロア:会社ですれ違った人全員に挨拶してしまって、君変わった人だね、って言われてしまうことがあるのですが・・・・・・。

鈴木:そういったケースには二つ理由があって、一つの場合は、こちらで顔と名前が一致しなくて顔が覚えられない、相貌失認の可能性があります。家族とか友達とか学校とか職場で、かなり顔を合わせるタイプでも、なかなか顔が覚えられない人のことをいいます。それは全人口の1~2パーセントくらいで、Kaienに来る人の中では結構多いです。他の人は、誰かの顔を見て、あっさり、この人は何さん、と見分けがつくのが、見分けがつかなくて間違って声をかけてしまうということがありえます。ちなみに、ザ・相貌失認という人がどうやって人の顔を見分けているかというと、耳の形、足音、香り、髪型、眼鏡の色や、携帯電話、持っている物などで見分けているらしいです。

あともう一つは、挨拶することに精一杯になってしまって、ワーキングメモリー、つまり短期記憶がそこにとられてしまって、同じ人に挨拶してしまう、というような場合です。違う人だとわかっているが、挨拶することに必死になってしまって、同じ人に挨拶してしまうこともあると思いました。この場合は、そこまで挨拶を頑張らないで、さっきのマイルール程度でいいのではないかという答えになります。

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≪関連リンク≫
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