採用活動のオンライン化によって内定辞退が増えた企業が取るべき対策

Q&A「採用活動のオンライン化によって内定辞退が増えた企業が取るべき対策」

コロナウイルス対策をきっかけに、多くの企業様が「オンライン採用活動」を取り入れました。企業様によっては「説明会をオンラインで実施したら参加人数が倍増した」など、うれしい変化も聞くこともある一方で、「オンラインに切り替えたことで内定辞退が増えた気がする」というお声も、複数の企業様からお聞きしています。

本当にオンライン採用活動に切り替えたことで内定辞退は増えたのか

以下のグラフは、発達障害に特化した求人サイト「マイナーリーグ」における内定受諾と内定辞退の四半期ごとの推移をまとめたものです。2020年春は緊急事態宣言におる活動自粛の影響を受けて、内定数が大きく減少しましたが、夏以降は多くの企業が、オンライン化など感染対策を徹底しながら採用活動を再開し、コロナ以前比べて同等、あるいはそれ以上の内定数となっていることがわかります。

内定受託と辞退合わせて2020年第三四半期はコロナの影響で最も少なくなった第二四半期の9倍以上。第四四半期は約4倍。2021年第一四半期は約6倍となっています。

内定辞退の割合はコロナ以前は約11%、コロナ以降は約15%です。若干程度の増加が見られましたが、全体として内定辞退の比率はほぼ同程度といってよいでしょう。全体というよりは、特定の一部企業で内定辞退が増えている可能性があるのかもしれません。

内定辞退の増加傾向は、オンライン化による「コミュニケーション不足」が一因かもしれない

以下は「内定辞退の理由」について、コロナ以前とコロナ以降で比較したデータです。

内定辞退の理由は、コロナ前には全くなかった条件・待遇面が合わなかったという理由が突出して多くなっています。他にコロナ前には多かった仕事内容が合わなかったという理由がコロナ後には全くなくなりました。

コロナ前後の大きな変化として、「条件・待遇面が合わなかった」という辞退理由が増加していることが挙げられます。アンケート結果は、面接などのオンライン化に伴い、給与や待遇など、踏み込んだ条件をすり合わせするチャンスが減っている可能性を示唆しているとも考えられます。

もう一つ特筆すべきは、「仕事内容が合わなかった」という理由が、コロナ以降は見られていない点です。これをポジティブな変化と捉えるべきかは、判断が難しいところです。というのも、コロナウイルス対応により、多くの企業様が採用前の「実習」を実施しない、あるいは日程を短縮しています。「仕事内容が合わなかった」内定辞退が減っているということは、仕事内容の採用プロセスにてマッチングを十分に行えていなかったことによる、入社後のミスマッチのリスクを含んでいる可能性があります。

オンライン採用においてミスマッチを防ぎ、無為な内定辞退を減らすためには

障害者雇用の採用において、もっとも重要なことは「入社後のミスマッチ」を減らすことだと当社では考えています。ご採用担当者様の立場として、たしかに内定辞退は嬉しいものではありませんが、入社後のミスマッチによる双方の負担を考えると、入社前の辞退がかえって良かったかもしれない、というケースも十分あり得るでしょう。

その上で、採用担当者様の業務負担を減らすためにも無為な内定辞退を減らすためにはどんな手立てがあるのでしょうか。採用担当者様との情報交換でお伺いした、各社の工夫の一部をご紹介します。

1.選考の早い段階で給与など待遇面についての希望を踏み込んで確認する

オンライン上では、お互いに打ち解けるのに時間がかかります。限られた時間内でなかなか踏み込むんだ質問をすることは、難しいのかもしれません。内定後の条件オファーではじめて具体的な金額を示すのではなく、1次面接など早いタイミングで給与について言及し、応募者の期待とのすり合わせを行うことが、内定オファー後の辞退を減らす有効な手立てとなっているようです。

2.入社前に先輩社員とのリレーションを作る

ただでさえ新しい環境に対し見通しがつきづらい上に、職場見学や実習など、実際に自分の目で見る機会が制限されることで、より入社後の不安が高まるのは仕方がないことではあります。

少しでも入社後の不安を取り除くために、入社の前段階から先輩社員と面識を持つ機会を作ることが有効です。先輩社員の選定は、何かしら「共通点」を持つ方が良いでしょう。例えば同じ支援機関の出身である、同じ障害を持っている、配属予定の部署で一緒に働く予定がある、などです。

内定後の「オファー面談」の際、条件を伝えるだけで終わらず、先輩社員から「入社後に想定している業務内容」などを説明してもらい、「入社後に困ったことがあればいつでも相談してくださいね」というメッセージを伝えるだけでも、入社後のイメージが持てて、内定者の大きな安心感につながっているようです。

3.オンライン内定式を行う

同じタイミングで複数名の入社予定がある場合には特におすすめの手立てです。同期入社が複数名いることが知れるだけでも、多くの人にとっては安心材料の一つとなるのではないでしょうか。上記の「入社前に先輩社員とのリレーションを作る」と組み合わせ、先輩社員を交えた「座談会」をプログラムの一部に取り入れるのも良いかもしれません。

障害者採用にも一般枠新卒採用と同等の「熱意」と「手数」を

コロナ禍による障害者採用への影響は続いていますが、その一方で2021年3月1日に、障害者雇用の法定雇用率は2.3%に引き上げが施行されました。障害者雇用の「売り手市場」はもうしばらく、続くものと予想されます。

内定辞退を減らすことを含め、障害者雇用の採用活動には一般枠新卒採用などと同じように、一定程度の「手数」を通じて採用側の「熱意」を伝えることが重要ということが言えます。これからの時期は特に人事ご担当者様は大変お忙しいこととお察しいたしますが、ぜひ上手に当社のような外部のリソースなども活用しながら、双方のニーズにマッチした戦力となる障害者採用を進めていただけると幸いです。


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