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精神・発達障害の方が相談しやすい職場環境をつくるための2つのポイント

発達障害専門医 宮尾ドクター監修「障害者雇用 Q&A」 2021年4月号企業人事 発達障害の豆知識宮尾医師 監修記事障害者雇用

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Q&A「精神・発達障害の方が相談しやすい職場環境をつくるためのポイントを教えてください」

「障害のある社員が急に会社に来なくなってしまった」、「ある日突然に辞めたいといわれてしまい、寝耳に水でびっくり」。管理職の方であれば、そんな経験をお持ちの方も少なくはないでしょう。

「もっと早く相談してくれればよかったのに…! 」上司としては、困ったことがあればいつでも相談してほしいと思うのは当然でしょう。しかし、そう簡単ではありません。障害のある方のなかには、対人関係に不安を抱えやすかったり、コミュニケーションへの苦手感があるため、相談をすること自体に困難がある方が少なくありません。誰にとっても相談しやすい職場環境であることは理想ですが、とりわけ障害のがある方と共に働く場合には、コミュニケーション上の特段の配慮を必要とする場合が多くあります。

特に精神・発達障害の方の受入れ経験が浅いご担当者様にはぜひ取り入れていただきたい、「相談しやすい職場環境」をつくるための2つのポイントを共有します。

1. コミュニケーションを取る場を週1回程度、固定で設ける

とくに発達障害の方に多く見られるケースですが、「上司や先輩が忙しくて話しかけづらい」「相談したくても話せる機会がない」ということがよくあります。そういった場合には「固定でコミュニケーション機会を設ける」ことが有効です。固定枠を設けることで、相談ごとをもらさずキャッチしやすくなります。

1回あたりの時間は担当者の負担とならないよう、10分程度の短いもので構いません。1回あたりの長さよりも、実施する間隔をあまり長くあけすぎないことが重要です。困りごとがあった場合に、相談を受けるタイミングが先延ばしになってしまうためです。特に入社したての頃は相談をしてもらうための信頼関係づくりの意味でも週1回程度は行うことが好ましいです。ある程度職場に慣れてきたら週1回~月1回程度の頻度で適宜調整すると良いでしょう。

相談がないときにもスキップせず、できるだけ継続して実施しましょう。あまりお互いに構えずにコミュニケーション機会の一環としてフランクに実施するのがポイントです。相談すること特になさそうな場合は、無理に困りごとを引き出そうする必要はありません。休日の過ごし方などライトな雑談を交わし、信頼関係を作る機会としてください。そのようなやり取りが、実際に困ったことがあったときに相談してくれる関係性の土台になります。

2. 体調管理チェック表を毎朝提出してもらい「不調の芽」をキャッチする

「そもそも相談すべきものかどうか自分で判断するのが難しい」というのもしばしば見られるケースです。自分の体調やメンタル状態を客観視することが難しい、という障害特性を持っている方にとっては、自ら不調を察知してい、周囲に主体的に相談することは決して簡単なことではないのです。

そういった場合には健康管理表などで、体調や気分のコンディションを日々報告してもらうと良いでしょう。毎日おなじ項目を「定点観測」することで、通常時との違いに気づくことができます。「いつもと違うな」と感じることがあれば声をかけて、面談の場を臨時で作り、くわしく様子をうかがうとよいでしょう。

以下にKaienが在職者支援にて実際に活用している「体調管理チェックリスト」の質問項目を記載します。体調などの項目をテキストではなく、定量的に報告してもらうところがポイントです。シンプルなので普段との違いに気づきやすく、日々の報告の負担も軽減することができます。

Kaien式 体調管理チェックリスト
  • 昨晩の睡眠時間(おおよその時間)
  • 昨晩の睡眠の質(悪い1 ~ 良い5)
  • 身体的コンディション(悪い1 ~ 良い5)
  • 精神的コンディション(悪い1 ~ 良い5)
  • 昨朝から今朝までの服薬状況
  • ご自身や周囲の方の体調・業務に関して気になること(任意回答)
  • その他、上司や同僚に伝えたいこと(任意回答)

相談は待つものではなくマネージャーから取りに行くもの

困ったときの相談くらい自分から来るべきだ。自己管理は自分自身で行うものだ。職業人として求められる姿勢としては、正論かもしれません。しかし、そのような「〇〇であるべき」という考え方が生み出す職場の雰囲気こそが、「気軽に相談しづらい職場」をつくる温床となっているのです。

困ったときに主体的に問題解決ができる人ばかりではありません。「相談に来るのを待つ」という姿勢だった管理職の皆様は、ぜひ発想をガラッと変えていただき「相談ごとを上司から取りに行く」という姿勢に切り替えていただくことをおすすめします。ご本人側に努力が必要なことは言わずもがなですが、上司や先輩方からも歩み寄っていただき、相談しやすい職場環境を作っていただけますと幸いです。

参考リンク

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監修 : 宮尾 益知 (医学博士)
東京生まれ。徳島大学医学部卒業、東京大学医学部小児科、自治医科大学小児科学教室、ハーバード大学神経科、国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科などを経て、2014年にどんぐり発達クリニックリンクを開院。
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