上司が精神・発達障害がある社員との1on1ミーティングで聞き取るべきこと発達障害診療医師・産業医 宮尾ドクター監修「障害者雇用 Q&A」 2022年3月号

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Q&A「精神・発達障害がある社員との1on1ミーティングではどんなことを聞き取るべきですか?」

1on1ミーティングは人材育成の手段として重要視されている手法のひとつです。その特長は、上司が部下の成長のために時間をつかう、ということ。日本では大手IT企業が取り入れたことで話題になり、現在では多くの企業で導入が進んでいます。

障害者雇用の領域においても、1on1ミーティングは障害がある社員の活躍や雇用定着に大きな効果があると考えられており、週1回から月1回程度の頻度で、障害があるメンバーとの1on1ミーティングを実施する上司の方が増えているように感じます。しかし、中には制度の導入ばかりが先行してしまって、形式的な面談となり、実効性が伴っていないケースも見受けられるようです。

本記事では、精神・発達障害がある社員を部下に持つ上司や人事ご担当者様に向けて、実効性の高い1on1ミーティングを行うためのポイントをお伝えします。

その1on1ミーティング、目的は明確ですか?

1on1ミーティングを取り入れたいけれどもうまくいかない、というご相談をお受けする機会があります。1on1ミーティングがうまくいかない理由は、多くの場合「実施の目的が明確ではない」ことによるものです。はじめのうちは雑談もよいのですが、回数を重ねるごとに、お互いに何のためにやっているのか意味を見出せず、自然消滅してしまうケースがよくあります。

目的が曖昧な1o1ミーティングにありがちな状況
  • 1on1ミーティングをはじめてみたけれども、取り立てて話すこともなく、間が持たない。
  • はじめのうちは定期的にやっていても、徐々になし崩し的に実施しなくなってしまう。
  • 部下のほうから「自分には必要ないので」とミーティングを辞退されてしまう。

1on1ミーティングは、部下のために行う、一定の目的を持ったコミュニケーションの場面です。目的のない1on1ミーティングは時間の無駄遣いといっても過言ではありません。このミーティングは何のために行っているのか?目的を定義してお互いに共有して、はじめて1on1ミーティングは継続的に行う意味が生まれるのです。

精神・発達障害がある社員との1on1ミーティングの目的とは

それでは、1on1ミーティングの目的はどのように設定すればよいのでしょうか。相手(部下)によって目的は大きく異なります。また、同じ人であっても入社の年次やライフステージによっても適切な目的は時間と共に変わりゆくでしょう。前述した通り、1on1ミーティングとは「部下のための時間」です。重要なことは、相手(部下)が必要なことは何か?という観点で、「目的」を臨機応変に設定することができるかどうか、が1on1ミーティングを機能させるための「肝の部分」だといえるでしょう。

では精神・発達障害がある社員との1o1ミーティングの「目的」には具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。

相手(精神・発達障害がある部下)に即した目的を設定するうえでおすすめの考え方のアプローチは、「1o1ミーティングは障害によるコミュニケーションや情報処理の”機能不全”を補う場」と捉えることです。

代表的な例を挙げると、精神・発達障害がある方の中には、障害の特性上、自分自身の体調の変化や不調に対して鈍感で、早い段階で不調の兆しに気付きづらい方が多くいらっしゃいます。その結果、体調不良やうつ状態となり、長期欠勤や休職につながってしまうことがあります。そのような障害特性に該当する部下に対しては、上司が早期に変化や不調に気付くためのコミュニケーションの場として、1o1ミーティングを活用することをおすすめします。

つまり、精神・発達障害がある部下との1o1ミーティングは、相手(精神・発達障害がある部下)の障害特性の苦手な部分を補う「障害への配慮を実行する場」のひとつである、と位置付けることができます。

部下の不調を早期に気付くことができる、おすすめの質問項目

はじめの問いに話しを戻しましょう。「精神・発達障害がある社員との1on1ミーティングではどんなことを聞き取るべきですか?」。もうお分かりかと思いますが、人や状況によって異なる「目的」に応じて、問いかけるべき質問や聞き取るべき内容は異なる、というのが結論です。別な言い方をすれば、「目的」さえ明確になれば、おのずと聞き取るべき内容は自然に決まってくる、とも言い換えることができるでしょう。

最後に、前述した「自分自身の体調の変化や不調に対して鈍感で、早い段階で不調の兆しに気付きづらい方」に対して、1on1ミーティングで上司が不調に気付けるようにするための「おすすめ質問項目」をご紹介します。ぜひ実践していただき、部下となる精神・発達障害社員の雇用安定や更なるご活躍の一助としていただければ幸いです。

Q.最近の睡眠時間は1日平均どれくらいですか? 日によって睡眠時間にバラつきはありますか?
解説:適正な睡眠時間は人によって違いはありますが、毎日7時間程度眠れているかどうかを一つの基準とするとよいでしょう。1on1ミーティングのたびに同じ質問をしてください。業務効率が落ちていたり、気分が落ち込んでいる様子がある際に睡眠時間が普段より短くなっていたり、睡眠リズムにばらつきがある際には、適切な指導を行ってください。
Q.食欲はありますか? どのような食事を取っていますか?
解説:不規則な食生活や偏った栄養バランスは、不調を引き起こす原因にもなります。普段からどのような食事をとっているか、ということにも関心を持って質問してみてください。
Q.現在の「業務量」と「心理的な負荷」は、MAXを100として今はそれぞれどれくらいですか?
解説:この質問についても1on1ミーティングのたびに繰り返し質問して下さい。数値そのものよりも「変化」に着目しましょう。「業務量」や「作業時間」が必ずしも「ストレス量」に比例するとは限りません。気持ち的にどの程度余裕があるのか、も重要な観点なので「心理的な負荷」についても本人の主観を定量的に聞き取るのが効果的でしょう。
Q.仕事が終わった後、帰宅時や自宅ではどのように過ごしていますか?
解説:仕事の帰りに寄り道をして息抜きしているか?帰宅後にホッとする時間を持つことができているか? そのようなリラックスの時間を持てていれば、一定程度は大丈夫だと判断できます。ちょっとしたリラックス時間さえ持てず、ただ寝るためだけに家に帰るという状態は要注意です。

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