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HOME宮尾医師 寄稿記事【医療従事者向け】発達障害の女性をどのように支援するか

【医療従事者向け】発達障害の女性をどのように支援するか

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支援の基本

支援の基本は、「自分と違う考えの人なんだ」と言うように考えて、今までの考え方を変えることからはじめましょう。「できないだめな人」ではなく、「一生懸命やろうとしてもできないのだ」と思ってください。でも、「わからないんだな」と思って思考停止してしまうのではなく、その人が分かる方法で支援してあげるという姿勢を忘れないことです。

自分ができると思う範囲ではなく、その人の持つパワーでできる範囲を想定しましょう。そうすればできるのです。こう考えながら、特性を理解し支援してあげればよいのです。口だけでなく、手取り足取り、言葉でなく見ながら理解できるようにしてあげたほうがよいかもしれません。説明し教えていく際、「理解してもらえない」「思ったようにできない」と思ったときには、教え方、説明の仕方、時間のかけ方がその人にあっていないだけなのかもしれません。話し方、言い方にも気をつけましょう。

表情は読めないことが多いので、言葉の調子で判断することになります。強い口調は怒っていると思われてしまいます。淡々と、平坦な話し方で、ゆっくり話すことが基本です。

女性の発達障害の人が背負っているもの

女性の発達障害の人は、ずっとできないことで怒られ続け、周りから馬鹿にされ、できないことから、やる気も自信を失ってしまった…という人が多くいます。やる気もなくなっています。こんな思いの積み重ねですから、沢山の悲しみを背負っていることになるのです。

ではどうすれば良いでしょう。怒ったり、諭したりする前に、まずは共感です。

小学校高学年になると、発達障害を持つ女性は、「女の子どうしのつきあい」が難しくなります。いわゆる「ガールズトーク」ですが、このガールズトークは、「不十分な説明と、言葉と、非言語的コミュニケーションが、時と場所を選ばず、どんどん行われていく」ものといえます。発達障害の女性には、最も苦手なことだと思います。

私も以前、女児会SSTを企画してみましたが、内容を聞いて、あまりの移り変わりの激しさに諦めてしまいました。患者さんにある程度ガールズトークができるようになった子がいます。10年以上女子大でSSTを行い、小学校3年生からは、女子だけのSSTを続けてきた子でした。このようなことは通常不可能でしょう。女児とつきあわなくても、一人でも自分の趣味に生きることと、同じ趣味を持つひとといつか出会うことを信じて、支援を続けてあげてください。

大人になっても、同様なことは、休憩の時、昼食を食べるとき、ロッカールームなどでも起こってきます。相手の話を聞く姿勢、相づちの打ち方、皆に有用な情報…など、引き出しをいくつか用意して、使えるように指導してあげましょう。と同時に、一人でも良いと思う気持ちも持ってもらうようにした方が良いと思います。社会人でになれば、そのような気持ちの持ち主が複数いると、もう解決です。

大切にしてほしいのは、共感と、相手の状況をきちんととらえてあげることです。
より素晴らしい支援者になれるよう、日々工夫をしてみてくださいね。

 

監修 : 宮尾 益知 (医学博士)
東京生まれ。徳島大学医学部卒業、東京大学医学部小児科、自治医科大学小児科学教室、ハーバード大学神経科、国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科などを経て、2014年にどんぐり発達クリニックリンクを開院。
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