◆女性のADHDの治療の方法
ADHDの主な治療方法は、「薬物療法」と「環境調整」です。
この二つの取り組みを並行することで、
生活上の悩みを解消していくのが基本方針となります。
◆治療の第一歩は、「理解すること」
治療の第一歩は、女性のADHDを理解することです。
発達障害の情報は、多くの場合、男性の症例を
中心にまとめられています。
そのままでは参考にできないこともありますので、
女性のADHD原因・特性・対応法などの情報を
参照する必要があります。
特に、女性の場合に起こりやすい悩みや、
誤解されがちなことをおさえておきましょう。
理解できたら、生活面の調整を始めます。
本人の行動パターンを見直ししていくのはもちろん、
周囲の家族が、本人への対応の仕方を変える、
言葉がけを変える、といったことも大切です。
日常の様々な生活環境をADHDの特性に合わせて
調整することで、生きづらさがやわらいでいきます。

◆薬を活用することで、劇的な改善も
生活面を調整しても、状況が改善しない場合や、
受診した時点で、生活への支障が大きい場合などは、
薬物療法を受けます。
ADHDの治療薬を使うことで、
「不注意」などの中核的な特性がやわらぎます。
ただし、その場合でも、生活面の調整も合わせて行っていきます。
◆苦手なことが治療の対象になる
治療の対象となるのは、生活上の支障となっている事柄です。
苦手で、自力で対処しきれないところを、治療によって補います。
例えば、ある女子生徒が
「部活の仲間と一緒に運動することは自力で十分にできるが、
予定や持ち物の管理が苦手…」という場合は、
そこを治療の対象として補っていくことになります。
◆特性は、良い面もたくさんある
治療が必要…と必要以上に思いつめる必要は全くありません。
前述の女子生徒の例で言えば、「運動」「部活動」など、
得意で意欲的に取り組めていることには、治療は必要ないのです。
「ミスをしない」「人の話を聞く」ということが苦手で、
その背景に「不注意」の特性があるのであれば、
治療によって、困難を軽減していくことができます。
いずれにしても、女性のADHDにはどのような特性があるのか、
そして、どんな対応ができるのかを、本人と家族、
両方がしっかりと理解しておきましょう。
◆女性のADHDを理解するのに最適な本

『女性のADHD』どんぐり発達クリニック宮尾益知監修(講談社)
女性に特徴的な現れ方・背景をはじめ、
診断・治療のポイントから周囲との付き合い方まで
丁寧に解説してあり、実生活に即した内容です。

監修 : 宮尾 益知 (医学博士)
東京生まれ。徳島大学医学部卒業、東京大学医学部小児科、自治医科大学小児科学教室、ハーバード大学神経科、国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科などを経て、2014年にどんぐり発達クリニックを開院。
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