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HOME宮尾医師 寄稿記事子どもたちの学習スタイル-みんな違ってみんないい

子どもたちの学習スタイル-みんな違ってみんないい

LD子どもの発達障害子育て学習障害知能認知

「頭の良さ」をつくる8種類の知能

「頭の良さ」や「知能」とは、どんなものでしょうか。発達障害に限らず、一人ひとりの子どもの学習スタイルは、実に様々です。

H.ガードナーの多重知能理論(Multiple Intelligences)によると、知能(頭の良さ)は、よい悪い、という一元的なものでなく、以下の8種類の異なった知能から捉えることができます。

(1)言語的知能…本を読み、なぜ、どういうところが面白かったかを人に説明できる。

(2)論理数学的知能…会話中、「なぜ」「どうして」という問いが多い。物事の原因・結果を考えることができる。

(3)音楽的知能…リズム感がよい。楽器を演奏したり、歌ったりするのが好きまたは得意。

(4)身体運動的知能…体を動かす習い事を楽しみながら継続している。折り紙を上手に折ることができるなど、手先が器用。

(5)空間的知能…地図が分かる。ブロックや積み木などで遊ぶことが好き。

(6)対人的知能…学校の休み時間に友達と遊ぶことが多い。相手の気持ちを推測できる。

(7)内省的知能…どうして上手くいったかを考えることができる。自分の得意なところやよいところ、苦手なところ、よくないところが分かっている。

(8)博物的知能…動物・植物・電車などの種類について知識がある。日常生活で毎日何か発見をすることができる。

どんな人も、この8つの知能を持ち合わせてはいますが、それぞれ得意不得意があります。
これは、ある知能を持つことで、別の知能がうまく働かなくなる、といった側面がある可能性もあります。

認知機能

認知機能とは、理解・判断・論理などの知能のことをいいます。以下に紹介する6つは、どれも認知に関わるものですが、それぞれ個人差が生まれます。

遂行機能…自分で目標を立て、考え、実行できるか。

例:宿題を期限までに提出できる。

長期記憶

記憶が比較的長い時間保持されるかどうか。

例:テレビを見ながら覚えた知識が多い。よく目にするものはすぐに覚えてしまう。

ワーキングメモリー

短い時間に情報を保持し,同時に作業などを処理する能力があるかどうか。

例:ケアレスミスはめったにしない。電話番号を覚えることができる。本は一気に読まないと分からなくなってしまう。

注意機能

目的と関係ないことや不適切な行為を抑えられるか。

例:ドリルなど1回分を一気に終わらせることができる。授業中、先生の話をしっかり聞いている。

興味の変動

すぐに興味が別のものへ移ってしまうかどうか。

例:興味のない教科は、勉強しようとしない。担当の先生が好きか嫌いかで成績が異なる。

学習のペース

学習に要するペースや姿勢はどのようなものか。

例:のんびりおっとりした性格。じっくり考えてからでないと問題が解けない。頭の回転は早いほう。計算を解くのが早い。

気質・性格

その子自身が持つ気質や性格も、学習スタイルに大きな影響を与えます。

学ぶ意欲はどうか?

例:自分のために、勉強するという気持ち。自分から進んで勉強する。

学習の計画性・自律性はどうか?

例:勉強する習慣がある。テストが近いなど、必要性のある勉強から始める。

自己分析ができるか?

例:なぜ間違えたのか考えることができる。解けそうな問題と難しい問題が分かる。

性格はどうか?

例:負けず嫌い。気持ちの切り替え。自分を信じている。

上記に紹介した3つの側面から見てみると、子どもがどのようなタイプかを知ることができます。その子自身に即した教育をすることで、それぞれの子どもの持つ能力を、さらに伸ばすことができると考えられます。

認知スタイル

コンピューターによる認知スタイルの診断テスト、「認知スタイル分析(CSA)」として人間の認知スタイルを2次元モデルとして提案したのが R.スティーブです。

発達障害のある子どもでは、自閉症スペクトラムの子は画像的かつ分析的(第II象限)に、ADHDの子は全体論的かつ言語的(第IV象限)に該当する場合が多い傾向にあります。

また、物事のとらえ方も、数タイプに大別することができるといわれています。

(1)同時処理型 ⇔ 継時処理型
(2)視覚映像優位型 ⇔ 認知聴覚言語優位型認知
(3)全体を踏まえた教え方 ⇔ 段階的な教え方
(4)全体から部分へ ⇔ 部分から全体へ
(5)関連性の重視 ⇔ 順序性の重視
(6)視覚的・運動的手がかり ⇔ 聴覚的・言語的手がかり
(7)空間的・統合的 ⇔ 時間的・分析的

このタイプは、場面や状況によっても変わるといわれています。こうした視点は、それぞれの人のものの見方・考え方を理解する一助になるかもしれません。

芸術家たちの認知スタイル

偉大な功績を残した芸術家たちの中には、特殊な認知スタイルをもっていた人が多くいたといわれています。私たちは、ついその「異質さ」に目を向けてしまいますが、見方を変えれば、これは素晴らしい才能です。特別な認知スタイルを持っていたとされる芸術家たちをご紹介します。

アントニオ・ガウディ 「サグラダ・ファミリア(聖家族教会)」

グエル公園やサグラダ・ファミリアで知られるガウディは、それまでの建築物の常識をはるかに凌駕する壮大な建築物を構想しました。反面、学校の成績は極めて低かったといわれています。

ルイス・キャロル 「不思議の国のアリス」

本人が描いた挿絵や文章から、ガウディとは対照的に、2次元的な発想を持っていたといわれています。その独特な世界観から、多様でユニークな発想が生まれていきました。

クロード・モネ 「麦わら」

同じ場所からの風景を、季節と時間を変えて巧みに描き分けています。「時間を切り取る」という特異な能力を活かした画家といえるかもしれません。

子どもたちや、周囲の人たちと接するときには、「知能、認知、気質には個人差がある」ということを意識してみると、お互いに過ごしやすくなるかもしれませんね。

監修 : 宮尾 益知 (医学博士)
東京生まれ。徳島大学医学部卒業、東京大学医学部小児科、自治医科大学小児科学教室、ハーバード大学神経科、国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科などを経て、2014年にどんぐり発達クリニックリンクを開院。
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