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HOME宮尾医師 寄稿記事発達障害と、家族の在り方へのアドバイス

母親と娘の関係

女性と母親との関係はとても複雑です。特に母親が子どもと同様の発達障害的特徴を持っている場合、母からは目の前の子どもが過去の自分であり過去の自分が母からされていたことを無意識に、自分の娘にもしてしまいます。具体的には、感情的に怒ったり、殴ったり、外に出したりといったことです。

このような自分の中にいる子供時代の自分をインナーチャイルドといいます。そのことに気づかないと、母と娘の関係はどんどんエスカレートしていきます。気づかないとまだよいのですが、分かるようになると自己嫌悪に陥ります。

もう一度つらかった子供時代の自分を振り返り、母も今の自分と同じ思いをしていたのだ、と気づくようになると、母を許せるようになります。このように自分が子どもを持って、母の思いを体験しないと子供時代のつらかった自分と母との思いを持ったままで生活を送ることになります。自分を愛せない自分、自分が大丈夫だと思えない自分、何があっても自分を支えてくれる人がいると思えない自分を持っていることを、家族が分かるようになっていることが大切ですが、これはとても難しいことです。

父と母は、いつも別の立場になっていること

発達障害があると、自分勝手で、だらしない、何度言っても同じ間違いをするといった特徴があります。こうして両親や兄弟を始め、皆でその非を責めて、攻撃し続けることになります。母はもちろんそうですが、父が同じように攻撃することは得策ではありません。いつなんどきも、父と母は同じ立場に立たないことが大事です。母が怒った時は父が、父が怒ったときには母が逃げ場所に成り、母のサポートもしながら子どものよいところを認めてあげるようにしなければなりません。こうしていないと、家の中がいばらの館のようになってしまいます。このような状況では、発達障害があろうとなかろうと、健康な心を持つことはできないと思います。

構造化とルーティン化

毎日の生活で基本となる部分は、「構造化」を心がけましょう。「構造化」とは、場所と時間と方法をわかりやすい形に決めてしまうことです。

もっとよいのは「ルーティン化」してしまうことです。ベルトコンベアーのように自然に、物事が流れていくことが一番うまくいきます。行動する場所に行き、決まったことを決まったように、決まった時間にするのです。幼児期から学童期初期までに、起床してから登校まで、帰宅してから寝るまでのベルトコンベアーのようなパターンを作っておきましょう。もしかしたら、このルーティンをその通りに実行することが、逆に「こだわり」になってしまうかもしれませんが、やってみる価値はあります。

両親の関係性を適切に保つ

両親の関係性が、子どもにとっては最も重要なことになります。男の子と異なり、女の子は両親の関係性を自分の将来に重ねていきます。家族の中で男性、女性を学び、夫婦とは家族とはどんなものかを、学べるようにしてあげましょう。お互いのコミュニケーションと思いやりから、素敵な夫婦関係は生まれてきます。

兄弟の関係

兄弟の関係はどうでしょうか、兄弟はライバル同士です。特に、どちらが愛されているのか、気にかけられているのかについて、とても敏感です。服装、姿勢、行儀、言葉遣いなど、一般的に、男の子に許すことでも、女の子には厳しくあたる傾向が強くなります。門限を設定したり、時間や夜の過ごし方にもうるさくいうことになるかもしれません。ですがこれも、男の子にはあまりうるさくいわないものですね。もちろん、本人が傷つかないための、親心だとは思いますが、本人はそう取らないと思っていてください。

思春期の過ごし方

友情と愛情、好きと愛しているなどの区別は抽象的でとてもわかりにくいことです。両親から、どのように考えればよいのか、男の気持ち、女の子の気持ちの違い、両親が結婚に至った過程、気持ちなども話してあげましょう。
思春期になると、女性は体が変わってきます。ふっくらと女性らしい体型になってきます。体が重くなってきますから、感覚が敏感な人は、だるくて、眠くて何もかもおっくうになります。怠けているのではない、気持ではない、体の調子なのだと分かってあげてください。親が自分の経験で考えると、そこまではなかった…と思う人もいると思いますが、そういうものなのだと考えてあげてくださいね。

思春期には親の言うことは聞かなくなり、言葉遣い、態度も変わってきます。家の中の自分と外の自分を使い分けていることを分かってあげましょう。24時間頑張ることは誰にもできません。家の中のほっとした一人の時間を大切に見守ってあげ、話す内容に対して、共感を持って聞き、自分のこととしてアドバイスをあげましょう。押しつけがましいのは、逆効果です。

「家族」としての在り方

家族の一員であることを自覚するように、家族同士で予定の共有をしあう、困ったときにお互いに話を聞き合う関係を持つことも大切です。こうしていくと家族同士での口論は減り、人間関係のストレスは和らぎ、家庭でもリラックスできるようになります。生活の質を改善するため、無理をしないように、時には断ることも大切です。また、人に頼ることが悪いことではないこと、互いにねぎらい合い、理解しあい、成功を喜び合うなどにより、生活も、家族間の人間関係も改善していきます。

監修 : 宮尾 益知 (医学博士)
東京生まれ。徳島大学医学部卒業、東京大学医学部小児科、自治医科大学小児科学教室、ハーバード大学神経科、国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科などを経て、2014年にどんぐり発達クリニックリンクを開院。
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