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HOME宮尾医師 寄稿記事知っていますか?発達障害とサプリメントによる治療(3)

8,身近なサプリメントが発達障害の治療薬に

発達障害とサプリメントによる治療(2)」において、発達障害の治療に有効な成分をご紹介しました。医療従事者でなければ、なかなか目にすることのないような物質などもあったと思います。しかし、身近なサプリメントの中にも、発達障害の治療に大きな効果を示すサプリメントがいくつかあります。それをご紹介していきます。

①ADHDには、まず鉄の補給を

鉄は、フェリチン(蛋白質の一種)と結合し、鉄貯蔵の役割を担っています。鉄が欠乏すると、血清フェリチン値は減少しますが、鉄を補給すると増加することもわかっています。

この血清フェリチン値が低い子どもの場合、中枢神経系の発達に影響を及ぼすことが知られています。ADHDの重症度が、血清フェチリン値と相関するのです。

ADHDの原因のひとつは、ドーパミンの機能不全です。鉄はドーパミンの補酵素であり、鉄欠乏がドーパミンの依存性作用に影響するといえます。鉄欠乏は、認識機能障害や学習障害、精神運動の不安定性に影響を及ぼす原因としても考えられてきています。「鉄の補給」が、ADHD児の第一治療選択肢となり得るということが考えられます。

②ビタミンB群不足が、機能障害の原因に

ビタミンB群は、多くの栄養素の代謝に必要な酵素をサポートする補酵素として重要な役割を担っていて、神経伝達や神経細胞の働きを正常に保つ働きをしています。脳に必要な成分の吸収や働きを促す作用もあるので、ビタミンB群が不足してしまうと、代謝障害の原因となり、脳や細胞の働きにさまざまな機能障害があらわれてきます。

ビタミンB1

脳・神経を正常に保ち、不足すると物忘れやうつ病などの精神面への影響があります。

ビタミンB6

タンパク質を作るために欠かせないビタミン。タンパク質を糖質や脂質にする転換する過程や、その逆の過程でも働いていて、ビタミンB6は他のビタミンB群とは違い、アミノ酸の代謝や神経伝達に深く関与しています。およそ100種類の酵素に対しての補酵素として働いており、食べるタンパク質の量に応じて、ビタミンB6も必要量が増加していきます。葉酸と同じく動脈硬化の原因になるといわれるホモシステインを無害化する働きがある他、GABAをグルタミン酸から生成する酵素の補酵素になります。不足すると不眠やうつ病などの症状がでてくることが知られています。

ビタミンB12

神経細胞の核酸や、アミノ酸の合成に関与するため、精神の安定、集中力、記憶力を向上させる働きがあります。脳からの指示を伝えていく神経を、正常に保つ役割があるとされ、乱れた自律神経を整えます。不足した状態では、神経の働きが低下するため、手足がしびれたり、集中力の低下・気分が塞ぎやすくなるといった、うつ病の症状の原因になります。ビタミンB12は睡眠と覚醒のリズムに影響があり、睡眠リズムを正常にする働きがあります。不規則な生活などで乱れたリズムを正常に戻し、体内時計を調整してくれる役割を果たしています。

ナイアシン(ビタミンB3)

ナイアシンを十分に摂取していると、チック、うつや統合失調症が改善されるとの報告があります。ナイアシンはセロトニンを増やすので、精神安定に作用し、集中力や持続力の向上につながります。

パントテン酸(ビタミンB5)

アルツハイマー型認知症や学習・記憶・やる気にかかわる神経伝達物質のアセチルコリンの生成に関わっています。その他、脂質と糖質のエネルギー代謝にもかかわる物質です。

9,自閉症の偏食には、アミノ酸を

自閉症には「偏食」があります。穀類は食べることが多いですが、野菜をほとんど食べず、タンパク質も選択的にしかとれてないことが多くあります。そのため、個々人により、どの成分が不足しているかを同定することは難しい状況です。

多くの場合、脳内の神経伝達物質の原料としてのアミノ酸が不足している可能性があります。どんぐり発達クリニックでは、口の中で溶けていくラムネ様の「マルチキッズV&M」や、小学生以降では、「マルチバランスV&M」と「アミノバランス」を投与しています。

10,幼児期の睡眠障害

自閉症の場合には、幼児期から様々な刺激に過敏となり、睡眠リズムが形成されずに睡眠障害を来すことがあります。

幼児期前期ではまず、ビタミンB12が睡眠リズムの形成に役立ち、睡眠リズムが形成されていくケースが多くあります。

幼児期後期からは、抗アレルギー薬、メラトニン製剤(ロゼレム)、睡眠薬、リスパダールなどを用います。

ADHDの場合には睡眠リズムが安定しないことが多く、入眠障害、途中覚醒、寝ぼけ等が認められます。多くの場合、ビタミンB12,メラトニン製剤、睡眠薬(ロゼレム、ベルソムラ)などが用いられます。

11,スマホ・ゲーム依存にはルテイン(ニコビルベリー)

「ルテイン」は、カロテノイドと呼ばれる、強い抗酸化力を持つ天然色素の一種です。主に、黄斑部(おうはんぶ)(網膜の中心の部分)や、水晶体、皮膚、乳房、大腸に存在しています。これらの部位の中でも、ルテインは、黄斑部に多く存在しています。この黄斑部は、視細胞である錐体細胞(すいたいさいぼう)が数多く存在する部分です。ここでは、視力や色覚をはじめとする視覚の多くを担っています。

ルテインは、紫外線やブルーライトの吸収に効果があるといわれています。ブルーライトとは、スマートフォン、パソコン、テレビなどの液晶部分のバックライトに使用されるLEDから発せられる有害な青色の光で、網膜にまで到達するエネルギーの強い光です。

さらにルテインは、このようなブルーライトの影響によって発生する活性酸素を消去することができるといわれています。こうした網膜を守る働きから、ルテインは目の健康維持に有効な成分だと考えられています。

ルテインは、人間の体内で、主要なカロテノイドとして存在しているものの、自力で合成することができません。食物などから摂取されると、体内のルテインは、加齢とともに、紫外線を浴びたり、喫煙などの外的な刺激により少しずつ消費され、減少していきます。特に、目は私たちの身体の中でも、特に活性酸素の害を受けやすい部分です。これまでの研究では、黄斑変性症や白内障をはじめとする眼病が加齢に伴って増加するのは、体内のルテイン量が加齢とともに減少していくことに関係がある可能性も示唆されています。したがって目や体の健康を維持するために、ルテインを継続的に摂取することが大切です。ルテインは、ホウレンソウやケールなどの緑葉野菜、卵黄、動物脂肪などに含まれますが、必要量を摂取しようと思うとなかなか難しいのが現状です。サプリメントで摂取するのも良いと思います。

ゲーム依存やスマホ依存の子供達が、将来黄斑変性症や白内障などの眼病にならないためにも、予防投与は必要だと思います。

12,発達障害とサプリメント治療の将来

発達障害の子供達の未来を考えたとき、様々な形の「どんぐり」が、立派な「オークの木」になることを願ってはじめた「どんぐり発達クリニック」。

小児科、精神科、リハビリ科、西洋医学、東洋医学というそれぞれの立場に加えて、栄養学の立場からも、サプリメント治療を含めて、子供達に提供してきました。

―適切な時期に、適切な治療をする―。こうして、私たちはより良き子供達を見守ろうと思います。治療の中に、サプリメントも加えることで、もっともっとよくなってきています。まだまだ知識は不十分ですが、適切なサプリの使用を指導できる日が近いことを考えて。

 

監修 : 宮尾 益知 (医学博士)
東京生まれ。徳島大学医学部卒業、東京大学医学部小児科、自治医科大学小児科学教室、ハーバード大学神経科、国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科などを経て、2014年にどんぐり発達クリニックリンクを開院。
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