MENU
HOME宮尾医師 寄稿記事発達障害の人の結婚・家庭の問題点とは?

ADHDの女性と結婚

ADHDの女性は、大切なことを決めるのが一番最後になります。結婚をする時も同じです。自分勝手になる傾向にありますので、自分の思いで、相手を好きになってしまい、相手の意図や気持ちにお構いなく、相手の想いが自分に向いてくれるのを待つまでもなく、どんどん気持ちと行動が進んでいってしまいます。こうして不幸なことになることもありますし、結婚後の後悔につながることもあるかもしれません。

もちろん、おとなしく自己主張がない男性で、女性の押しに負けてしまい、結婚する人もいます。ADHDとして同様の気質を持っている二人であった場合、同じ方向を向いて一緒に走っているときは気持ちも高揚しますし、素晴らしいプロダクトが生まれてきます。しかし、違う方向に走り出したときは空中分解してしまうこともあります。

自閉症スペクトラム(ASD)の女性と結婚

ASDの人は、相手が自分に対して無関心な人に気持ちを向けることはありません。自分に対して親切であったり、優しくしてくれたりする人、興味を持ってくれる人を好きになります。ASDの人の「好き」という言葉のニュアンスは、「相手に対する強い関心」といった意味ですが、自分の思いで、自分の世界で恋人関係を演じてしまい、気が付くと一人ぼっちになっていたということもあります。

また、心の中ではどう考えているかは別にして、押しの強い男性に恋愛感情を抱くと、相手に依存してしまい、相手の良いように利用されてしまい、振り回されることがあります。

ASDとして同様の気質を持っていた場合、同じことをしていても、違う方向を向いている、会話はメールで必要なことだけ、共稼ぎで家計も家事も分担して過ごしていくなどすれば、子供が生まれる前までは問題なく過ごせるかもしれません。

結婚してからの問題は、結婚前のお互いが相手だけを見て後ろにある日常を考えなくても過ごせていた、という状況から、二人だけの関係に、実家の問題や日常生活が覆いかぶさってくることにあります。

自分にとって価値のあるものが、相手にとっても価値があるとは思わないことです。お金を使う場合は重要性、価値観が異なりますから、相手の使い方を無駄遣いと考えてしまうことも起こってきます。男性にとって趣味に費やす費用は惜しみたくありません。コレクションにお金をかけても安いと思ってしまいます。

食事や服装に使う費用は、質はどうでもよいと思う傾向があります。高い服装を着るといわれる場所が、男性ではビジネスの晴れ舞台や、第一印象が重要になる交渉の場など、ビジネスの成功のための要素になります。一方、女性の場合、友達と会うとき、学校の行事などのときなど、自己満足的な場面に思えてしまいます。こうした場面で着る洋服に、高価な服を着る意味があると思えないでしょう。もちろんこれは、一般の男性も同様に感じるでしょう。発達障害の第一人者である宮尾益知先生の患者さんの中には、PTAに出るための高価な服の購入に「稟議書」が必要とされた家庭もあったそうです。こだわりのあるASDの女性も趣味や服装などにかけるお金が一般の女性と違っています。

家事の分担の問題点

結婚すると、「男女同じように家事を行う」とお互いに決めていても、我が国の男性は、「家事は女性がするもの」と考えている場合が多く、女性に対して「してやった」「させられた」という思いを抱きがちです。料理が好きな男性でも後片付けまできちんと行う男性は少ない傾向にあります。

夫婦間の会話の問題点

男性が帰宅すると、妻から夫へ、家庭内の今日の出来事について話す習慣がある人も多いと思います。これも、ASDの妻だと、話にまとまりがなく、部分にこだわってしまうため、夫は、話の全体像がなかなかつかめないまま、長い話を聞かされることになります。これでは、疲れて帰った夫をイラつかせることになります。

ADHDの場合には、話は最後まで聞くとわかるのですが、なかなか本題が出てこないため、同様に「何が言いたいんだ、疲れているのに」とイラつかせることになります。短気な夫であれば怒鳴り、脅しつけ、時にはDVになることもあるでしょう。

子育ての問題点

子供が生まれると、子育ては女性が行うと考えがちです。女性は子どもの気持ちを考えることが出来、適切に育てることができると考えられがちです。しかし赤ん坊はコミュニケーションが未熟で、自分の思いを伝えることができません。感覚過敏もあり、睡眠障害もある場合には特に、育てることがストレスにもなります。マニュアル通りにはいかないので、都度都度、状況をみて察しなければいけないことになりますが、ASDの人は、こうした「察する」ことが苦手です。時には虐待やネグレクトと思われてしまうこともあります。

発達障害の有無に関わらず、恋愛・結婚・家庭と、様々に変化する中で、問題点や悩みはつきものです。
どんな問題点が想定されるのかを知ることで、対策を考える一助にしてみてください。

※Kaienでは、自分の特徴・強みを生かして就職を目指す就労移行支援や、自立に向けた基礎力を上げる自立訓練(生活訓練)、また学生向けのガクプロというセッションを運営しています。それらの中で家族・恋愛関係についても専門のスタッフに相談できますので、支援者の伴走を活用することもご検討ください。

監修 : 宮尾 益知 (医学博士)
東京生まれ。徳島大学医学部卒業、東京大学医学部小児科、自治医科大学小児科学教室、ハーバード大学神経科、国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科などを経て、2014年にどんぐり発達クリニックリンクを開院。
ご利用説明会・見学会 発達障害の方向け マイナーリーグ面接会 大人の発達障害Q&A ガクプロ-ガクセイからプロフェッショナルへ 企業の方へ Kaienパートナー 加盟店募集 採用情報 TEENS-発達に凸凹のあるお子様向けの学習支援&お仕事体験
閉じる
チャットで質問 チャットで質問
お気軽にご質問ください。