ADHD(注意欠如多動症)の症状
発達障害*¹は、大きく3つに区分することが出来る一方、それぞれに明確な境界線はないのですが、やはり「これって、発達障害?亅という違和感や気付きから、「発達障害」について調べる方が多いことも事実です。
それぞれ、特徴となる症状を見ていきましょう。今回は、注意欠如多動症[ADHD]についてです。

注意欠如多動症[ADHD]とは
大きな特徴は、<不注意>、<多動性>、<衝動性>の3つです。
「注意力」や「欲求、感情の動きを自分自身でコントロールする能力」が、十分に身についておらず、自己中心的な行動が目立つ状況です。過去の情報を手がかりに実行していく「実行機能の障害」と、眼前の報酬に飛びついてしまう「報酬系の障害」、「段取りと時間概念の障害」の3つが、様々に組み合わされていると考えられています。
最近では、純粋なADHDはそれほど多くなく、他の発達障害が重複している例が多いことがわかっています。
年齢が上がるにつれて、ADHDとしての特徴が次第に解消し、代わりにそれまで隠れていた、アスペルガー症候群などの特徴が出てくるような例が増えています。
3つの大きな特徴
不注意
- 集中力がない
- 忘れ物が多い
- 簡単なミスが多い
- 特定のことに注意をとめておくことが困難で、課題に取り組んでもすぐに飽きてしまう
多動性
- 座っていられず、フラフラと席を離れる
- 整理整頓ができない
- 貧乏揺すりをする
衝動性
- 思いつくとすぐ行動する
- 外界からの刺激に対して、無条件に反射的に反応してしまう
- 刺激に反応して、まるでエンジンがかかったように走りまわったり、机に上ったりする
他の障害を併せ持つことも
ADHD(注意欠如多動症)の子どもは先に述べた主な特徴に加えて、他の障害をあわせもつ場合が多くあります。
- 学習障害*²を持っている場合 → 6割
- 不安障害、気分障害を持つ場合 → 2~7割
これらの症状が7歳以前から見られるようになり、半年以上、症状が続くようになります。なんと、児童の3~5%に見られる症状で、クラスの中で1~2人は存在することになります。割合で考えると、非常に身近と言えるのがADHDの特徴です。
*1発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます
*2学習障害は現在、DSM-5では限局性学習症/Specific Learning Disability、ICD-11では発達性学習症/Developmental Learning Disorderと言われます

監修 : 宮尾 益知 (医学博士)
東京生まれ。徳島大学医学部卒業、東京大学医学部小児科、自治医科大学小児科学教室、ハーバード大学神経科、国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科などを経て、2014年にどんぐり発達クリニックを開院。
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