感受性豊かな自分を強みに。「ご縁」と「段取り」を大切に掴み取った専門商社への道

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「自分は周りの人と少し感性が違うのかもしれない」。幼少期から感じていた漠然とした違和感の正体が「ADHD」だと分かったのは、大人になって体調を崩し、一冊の漫画に出会ったことがきっかけでした。

それまでの「頑張りすぎてしまう自分」を卒業し、支援を仰ぎながら着実に準備を進めてきたYさん。持ち前の明るさと、Kaienで磨き上げた「段取り力」を武器に、この度、専門商社の総務職として新たな一歩を踏み出します。

▼Yさんの簡単プロフィール


  • 年齢:40代
  • 診断名:ADHD(注意欠如・多動症)
  • 苦手なこと:スケジュールの管理、物の紛失、感情の切り替え、頼まれごとを断る
  • 就職先:専門商社(総務職)
  • 利用サービス:就労移行支援


幼少期から感じていた感性のズレと、大人になって訪れた限界

――― Yさんの幼少期や、ご自身の性格について教えてください。

幼少期を一言で言えば、元気で活発な子供でした。ただ、気に入らないことがあるとクラスを飛び出して年上の子の教室へ行ってしまうような面もありましたね。

性格面で他者からよく言われてきたのは「感受性が豊か」という点です。自分でも納得しており、季節の移ろいや植物の変化に人一倍感激するタイプです。一方で、周囲から「なぜそんなことで感動するの?」と不思議がられるなど、感性のズレによる生きづらさも感じていました。感情の振り幅が大きく、喜びが爆発しやすい反面、落ち込むとなかなか切り替えられないことに長年苦労してきました。

――― これまでの職歴や、支援サービスを利用することになったきっかけは何ですか。

これまでは短期の仕事を繋いで働いてきましたが、常に「全部やり切るまで休まない」と無理をしてしまう性格が災いし、数年前に過労で体調を崩してしまいました。体も心も動かなくなり、なかなか復活しきれない時期を過ごしました。 

そんな時、当事者の方のエッセイ漫画を読み、その事例が私の幼少期に酷似していたんです。「私もそうかもしれない」と思い、病院を受診してADHDの診断を受けた後、迷わずKaienの門を叩きました。

診断を受けたことで、長年の違和感が脳の特性によるものだと腑に落ち、薬の服用によって頭の回転が緩やかになり、心身を休める日を意識して作るようになりました。

(Yさんの趣味のアンティークガラス探しで見つけた、フォークとナイフを置くカトラリー)

「段取り」と「報・連・相」が仕事の潤滑油になると学んだ模擬職場

――― 模擬職場の中で、特に印象に残っている学びを教えてください。

グループワークです。3~4人のチームで2週間かけて業務を完遂させるのですが、模擬職場は非常に本格的でした。特にセミナー企画で、大・中・小項目を分けた「ガントチャート」を作成した経験は、大きな学びとなりました。計画を立てることは苦手だったので、学ぶ上では非常に苦労しました。

実務を通じて痛感したのは、計画・段取りと、報告・連絡・相談の重要性です。仕事は人間関係の上に成り立つものであり、信頼を築くためにはこまめな共有が不可欠であることを実感しました。

――― ご自身の中でどのような変化がありましたか。

他の利用者の方々と接することで、柔軟性が養われたと感じます。一つのテーマについて話し合う場があるのですが、他者の意見を聞くことに集中できたため、非常に良い刺激になりました。第三者の視点を取り入れることで、仕事への向き合い方がより建設的になったと思います。

また、職場のような適度な緊張感がある環境に身を置くことで、活動的になり、心身ともに元気を取り戻すことができました。

「襟好みしない」姿勢で視野を広げ、着実に掴んだ内定

――― 就職活動の進め方や、意識していた「軸」について教えてください。

3月に入所し、10月から本格的に動き始めました。私は占いや季節のバイオリズムも参考に取り入れているので、自身の運気が活発になる10月・11月に集中して応募を重ねる計画を立て、夏場は体力を温存していました。 

就活の軸としていたのは、あえて「こだわりを捨て、襟好みをしないこと」です。支援スタッフやハローワークの方といった第三者の視点やアドバイスを柔軟に取り入れるよう意識していました。「これでないとダメだ」と視野を狭めず、頂いたチャンスには、まず真摯に向き合う姿勢を大切にしました。

――― 就活中に苦労したことや、それを乗り越えた方法はありますか。

考えすぎて眠れなくなる時期がありましたが、主治医と相談して薬を微調整したり、漢方を取り入れたりして暮らしのベースを整えました。就職活動の進捗を主治医に共有し、医学的なサポートを得ながら波をコントロールできたことが、安定した活動に繋がったと感じています。最終的に、専門商社の総務職として内定をいただくことができました。

(Yさんの日々のモチベーションアップにかかせないネイルを見せてくれました)


今後の目標は「安定の維持」と、周囲への感謝

――― これから始まる新しいお仕事の内容と、目標を教えてください。

総務部門で、郵便物の仕分けや備品管理、社内外の方とのやり取りなどを担当します。面接を通じて、人間関係の構築が非常に重要なお仕事だと理解しましたので、Kaienで学んだ丁寧なコミュニケーションを実践していきたいと考えています。

目標は「勤怠の安定」を維持することです。長く健やかに働き続けることを第一に考えています。

――― Yさんにとって、Kaienでの時間はどのようなものでしたか。

漢字一文字で表すなら「恵」です。Kaienでの出会い、スタッフさんや講師の方々、ハローワークの方、そして家族。本当に多くの「人の縁」に恵まれました。

自分の力だけで何とかしようとせず、周囲に耳を傾ける姿勢を持つことができ、今回の結果に繋がったのだと感じています。感謝の気持ちを持って、新しい職場でも励んでいきたいです。

付録~Yさんについて

(Kaienで出会えた友人たちとアフタヌーンティーをしましたとYさん)

――― 最近の趣味や休日の過ごし方は?

美容とスキンケアに力を入れています。自分をケアするために始めたのですが、ネイルで手元を整えたりスキンケアをすることで日々のモチベーション維持に繋がっています。休日は映画を見たり、ドライブに出かけたりしてリフレッシュしています。

――― 最近あった嬉しかった出来事はありますか?

Kaienの仲間とアフタヌーンティーに行ったことです。気の合う仲間と楽しい時間を過ごせたことは大きな励みになりました。こうした人間関係を築けたことも、kaienに通って良かったと思える理由の一つです。

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