AIの最新ニュースから読み解く!就労・支援分野の課題と対策を体験談付きで紹介

公開: 2026.2.13

AIの活用が急速に進むなか、就職・転職をお考えの方は「AIのスキルを身に付けて就労の幅を広げたい」「AIによって仕事が奪われるのではないか」など、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

AI時代の就職を考える際には、世界や日本におけるAI導入の最新動向や、AIが就活や就労に与える影響を、おおまかにでもよいので知っておくことが重要です。そのうえで、AIをどのように活用するか、そのためのスキルをどうやって学ぶか計画する必要があります。

本記事では、これらについてわかりやすく解説いたします。

AIの最新ニュース!世界では今何が起きているのかを解説

近年、採用活動や日常業務にAIを導入する企業が増えています。「AIが普及したら、自分の仕事はどうなるんだろう?」と気になる方も多いかもしれません。

そこで、AI活用の最先端であるアメリカと、それを追いかける日本の動きをわかりやすく解説します。

AIの最先端アメリカのAI採用と導入の現状

AIの最先端といわれるアメリカでは、人とAIの協働が進んでいます。

採用分野では、応募者の書類選考やオンライン面接にAIを組み合わせる方法が一般的になりつつあります。例えば、毎年何十万件もの応募があるエミレーツ航空では、AI付きオンライン面接を導入しました。これにより、応募から採用までにかかる期間を60日から7日に短縮し、採用担当者の約2/3をより戦略的な仕事に振り向けられるようになりました。

業務分野でも、意思決定や日常業務を支えるインフラとしてAIを活用する企業が増えています。アマゾンやウォルマートといった大企業では、社内向けの文章作成や問い合わせ対応に生成AIを組み込み、作業時間を大きく減らした事例が報告されています。

このようにアメリカではAI活用の動きが本格的に広がっている状況です。こう聞くと「人間が要らなくなるのでは?」と不安になる方もいるでしょうが、次世代のツールへの移行が進んでいる点では、「馬→車」「電卓→コンピューター」などと基本的に同じです。つまり、AIを活用する人材は欠かせません。

日本のAI導入の今とスピード感

日本の企業は、アメリカのように「人をAIに置き換える」というより、社内の事務作業を少しずつ楽にするところからAIを使い始めているケースが多いといわれています。

例えば、採用分野をみるとAI面接が少しずつ広がっています。AI面接とは、動画で録画した応募者の受け答えをAIが分析し、話し方や内容の傾向をスコア化し、人事担当者の判断を補助する仕組みです。

また業務分野では、次のようなAIの活用が中心です。

  • 定型的なメールや文書の作成
  • 社内情報の検索や要約
  • 会議のアイデア出し

とはいえ、大手企業ではこうした流れをさらに一歩進めた社内専用の生成AI(社内GAI)の活用も始まっています。例えば、SMBCグループの「SMBC-GAI」は、社内だけで使えるチャット型AIです。社内規定や通達、業務マニュアルなど約130万件のファイルを対象に、検索と回答生成を一気通貫で行えるようにしました。

以上をまとめると、日本企業のAI活用は、アメリカより遅れており範囲も狭いものの、大局的には着実に進んでいるといえます。

なぜ日米でAI活用スピードに差があるのか

日米でAI活用のスピードに差が出ている主な理由は、以下の3点です。

  • 商慣習と雇用の違い
  • スキルセットとデータ整備の差
  • ガバナンスと不安の大きさ

アメリカと比較すると、AI活用における日本企業の課題や意識がみえてきます。

商慣習と雇用の違い

アメリカと日本では、雇用の仕方と働き方の前提がかなり違います。この違いが、AIの導入と活用のスピードにもつながっています。

日本アメリカ
雇用の考え方メンバーシップ型(雇用後に配属・異動で育てる)職務型(ポジションごとに仕事・役割を明確にしてから雇用する)
採用スタイル新卒一括採用+OJTでじっくり育成するその仕事に必要なスキルをすでに持つ人を採用する中途採用が多い
人材の流動性正当な理由がないと解雇しづらく、長期就業する人が多い解雇が比較的しやすく、転職も多い

アメリカ企業は仕事・成果ベースで従業員を入れ替えやすいため、新しいツールであるAIに投資し、活用するスピードが速くなる傾向があります。一方、日本企業は人を大事に長く育てて業績を伸ばそうとする文化があるため、誰かの仕事を突然奪わない範囲でAIを試す傾向にあります。

スキルセットとデータ整備の差

アメリカと日本では、AIを使いこなすための人の力と、AIを活用するためのデータ基盤の点でも差があります。

まず、英語圏のアメリカは、AIまわりの一次情報にアクセスしやすい強みがあります。AI関連の技術ドキュメントや論文、最新ニュースの多くは英語で発信されるため、日本より英語圏の人のほうが有利です。

次に、日本はアメリカに比べて、DX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を使って業務プロセスやビジネスモデル、組織を変えていくこと)が遅れていると指摘されており、これもAI活用のハードルとなります。

日本でDXが進みにくい背景としては、

  • 紙中心の商慣習(特に不動産業や金融業など)
  • ハンコ文化
  • 部署ごとの縦割り文化(バラバラなシステム)
  • 古い基幹システム(レガシーシステム)が残っている企業が多い

などが挙げられます。その結果、日本では現場の文書やデータがあちこちに散らばっており、AI活用の前にまずデータ整備が課題になりがちです。

AIのスキルを持つ人材と、AIを動かせるデータ基盤に差があれば、当然AI活用のスピードにも差が出てきます。

ガバナンスと不安の大きさ

日本とアメリカを比べると、AIを「どう管理して使うか(ガバナンス)」と、その裏側にある「不安の大きさ」にも違いがあります。

アメリカでは、政府や企業が早い段階からAI活用の方針を決め、採用やマーケティングなど社外に向けた業務にも積極的に使い始めました。実際、総務省による令和7年版「企業におけるAI利用の現状」(※)によると、アメリカ企業の8割以上が積極的な活用または領域を限定しての活用の方針を策定しています。

一方、日本企業は半数未満にとどまり、慎重さが際立っています。例えば採用活動では、AIが特定の属性(年齢や障害の有無など)に対して不公平な出力をするリスクや、誤った情報を出力するリスクを恐れて導入に慎重な企業が多いようです。また、業務分野では情報漏えいを危惧してAI活用を禁止する企業もあります。

従業員にとっては、AI活用を慎重かつ段階的に進めてもらったほうが安心です。しかし、活用スピードの点では、日本はアメリカより遅れています。

※出典:総務省「企業におけるAI利用の現状

AI活用が進まないことが就労と支援に与える影響

ここまで、AI活用において日本が後れをとっている現状とその原因・背景を説明してきました。就労者側としては、これらが就職活動や就職後の業務にどのような影響を与えるのか知りたいところです。ここでは、就活、就職後の労働環境、キャリア形成の3つの側面から解説します。

グローバルな変化に取り残されるリスク

近年、世界的にはAIを活用して、就職希望者の体験(CX)を高めながら質の高い人材を確保しようとする動きが広がっています。例えば、AI活用が進む企業では、人材データを分析するAIである「タレントインテリジェンス」を使い、候補者の経歴やスキル、志向性などを踏まえて、自社のどのポジションが合いそうかを絞り込み、採用のミスマッチを減らそうとしています。

また、AI活用が進む就職支援機関のなかには、AI面接官を活用して本番に近い面接対策を実施しています。また、生成AIを使って自己PR文をブラッシュアップする方法を教えているところもあります。

こうしたAI活用が日本で進まなければ、「日本の就活は海外に比べてやりにくい」などと格差が広がる恐れがあります。

現場の負担が残り続ける可能性

日本企業では、AI活用やDXを進めるためのIT人材が足りず、古いシステムや紙中心の運用をそのまま続ける職場が多いとされています。こうした企業では、本来ならAIで自動化しやすい以下のような業務が、そのまま残る可能性があります。

  • クレーム内容の整理(「発生日時」「原因」「対応」などに分ける)
  • メールの定型文(お礼・おわび・案内)の作成
  • 申請内容とシステム上のデータの突き合わせ
  • 文書の校正作業(誤字脱字、表記ゆれなどを見つける)

その結果、本来の業務に集中できなかったり、残業が増えたりする可能性があります。

当事者のキャリア機会の目減り

これからの企業では、AIの活用が多くの業務の前提になると予想されています。そうなると、AIに慣れている方とそうではない方とで、任される仕事に違いが出てきます。その差は、将来のキャリアにも影響してくるでしょう。

この変化に対応するために、「リスキリング」を行う企業が増えてきました。リスキリングとは、新しい仕事や役割に必要なスキルを身に付けるために、企業が提供する学び直しの教育、研修です。特に、AIやデジタル技術に関する内容が増えています。

リスキリングや社内教育がしっかりしている企業に就職できれば、働きながらAIのスキルを習得できます。しかし、そうした仕組みがない企業に入ってしまうと、AI活用を学ぶ機会が少なくなり、将来的に新たなキャリアを築きにくくなる可能性があります。

AIの導入が進む状況で当事者と支援者が取るべき具体策

日本企業におけるAI導入は慎重ではありますが、今後も着実に進んでいくと予想されています。就活でも就職後の業務でもAIに触れる機会は増えていくでしょう。

AIにあまり触れた経験がない方がまず身に付けたいスキルは、以下の3つです。

  • プロンプト力を身に付ける
  • AIのリスクを知る
  • AIの効果的な使い方を知る

「プロンプト力」とは、ChatGPTやCopilot などの生成AIに対して「何をしたいのか」を言葉にして伝える力です。生成AIは目的、役割、出力形式などの要素を構造的に含めると精度の高い回答を得られます。このような、AIが理解しやすいテンプレートを学ぶとプロンプト力が上がります。

また、AIは事実と異なる内容や偏った意見を出力するリスクがあるため、複数の回答パターンを出して比べたり、人に確認したりする姿勢が大切です。AIを活用する際は、個人情報や機密情報を漏らさないように注意する必要もあります。

さらに、AIは「人に代わる存在」ではなく「考えを整理したり、下書きを作ったりする壁打ち相手」として使う考え方が重要です。これにより、人間主導でAIを使いこなせます。

こうしたスキル、知識を得るには、独学よりも就活支援機関やスクールなどで反復学習するほうが効率的です。次章から、そのサービスの一つをご紹介します。

KaienのAIを活用した訓練紹介

「Kaien」は、障害をお持ちの方の一般就労やリワークを支援している就労移行支援の事業所です。特に発達障害*や精神障害のある方の職業訓練や就活支援、職場定着支援に強みがあります。福祉サービスとして手厚いサポートを一括して提供しているため、一般的な就活支援やAIを学ぶスクールなどでは不安がある方に適しています。

Kaienの職業訓練の特徴は、AI時代の新しい就活と働き方を学べるプログラムを提供している点です。

生成AI基礎・プロンプト演習・画像生成などのAI講座

一般就労を支援するKaienでは、AIを「就労の選択肢を広げるツール」として学べる点が特徴です。講座では、生成AIの基本から、質問の仕方(プロンプト演習)、文章だけでなく画像を作る体験まで、「まず触ってみる」「試しながら覚える」スタイルでスキルアップを図ります。ITが得意でなくても、支援者がそばでフォローしますので、自分のペースで慣れていけるでしょう。

さらに、キャリアプランニング講座とも連動しており、AIのある未来・仕事像を思い描きながら、自分に合った職種や業務を探せます。キャリアプランニングにおいても、向いていそうな職種の情報をAIに整理させたり、不安やモヤモヤを書き出しAIに要約させて自己理解につなげたりするといった活用方法を身に付けられます。

生成AIを活用した週替わり訓練

Kaienでは、企業から求められるAIを活用できる人材となるための職業訓練も提供しています。職業訓練は実際の業務を想定したもので、以下のようなプログラムを週替わりで実施しています。

  • 不動産物件リストの作成:物件情報のアンケート案や集計表のたたき台をAIで作る
  • 人事の採用業務:生成AIに仮の評価コメントや点数を出させる
  • ランチマップ作成:飲食店の所在地情報からランチマップの画像をAIに生成させる
  • 新人研修の企画:研修内容やスケジュールのたたき台を生成AIで作成する

これらのプログラムに共通しているのは、AIがあくまで補助ツールであり、最終判断は人が行うという原則です。これにより、AI活用のリスクを抑えながら作業効率を高めるだけでなく、考える力や情報整理力を伸ばす訓練になります。

就労移行支援を体験した方からは、「ひきこもりからデザイン専門職に就けた」「転職続きの自分でも長期定着できた」といった声をいただいています。

AIの最新ニュースをチェックして訓練に活かし自分らしい働き方を見つけよう

AIは近年急速に普及し、社会のあらゆる場面で活用され始めています。日本企業におけるAI活用はアメリカに比べると遅れていますが、就職や転職においては、AIのスキルの重要度が高まっている状況です。まずは、無料でも利用できる生成AIを触ってみることから始めてみてはいかがでしょうか。

独学では不安がある方、就活と並行して取り組みたい方は、AIを活用したKaienの職業訓練や就活支援をご利用いただけます。興味をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

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就労移行支援とは何かから知りたい方は以下の記事が参考になります。

就労移行支援とは?対象者や受けられる支援、利用方法をわかりやすく解説

就労移行支援を含めた障害福祉サービスの種類や利用方法については、以下の記事をご覧ください。

障害福祉サービスとは?種類や利用の流れ、受給者証について解説

就労移行支援はリワークでも利用できます。以下の記事で解説しています。

リワークとは?種類や対象者、利用するメリットとデメリットも解説

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます。

監修 : 鈴木 慶太(株式会社Kaien 代表取締役)

元NHKアナウンサー。自身の長男が発達障害の診断を受けたことをきっかけに、米国留学(MBA取得)を経て株式会社Kaienを設立。 「数的な凸凹があっても、強みを活かして働ける社会」を目指し、大人向けの就労支援から子ども向けの学習支援(TEENS)まで幅広く事業を展開している。 経営者として、また一人の親としての視点を交えた発信は、多くの当事者・家族から支持を得ている。

▼ 代表・鈴木に直接質問できるライブ配信も開催中。毎週開催の「Kaienお悩み解決ルーム」ほか、就職や生活に役立つ情報を配信しています。

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