失業保険が終わったらどうする?受給終了後の対策と使える支援制度

公開: 2026.2.13更新: 2026.9.5

「失業保険が終わったら生活費はどうすればよいのか」「再就職が決まらないまま受給が終了しそうで不安」という方もおられるかもしれません。

焦る気持ちが起こるかもしれませんが、再就職できずに受給期間が終わっても罰則のようなものはありません。状況によっては期間延長や別の給付制度、福祉サービスなどを利用できる可能性もあります。

本記事は、障害者の方の就職を支援しているKaienが、失業保険や受給終了後の対策、使える支援制度を解説します。

【この記事で分かること】

  • 就職困難者として失業保険を申請すると給付日数が長くなる場合がある
  • 失業保険の受給中に就職が難しくなった場合には、受給期間を延ばせる可能性がある
  • 失業保険以外にも経済的な支援制度を利用できる
  • 失業保険の受給中に就職を決めるには支援機関の活用がポイント

一人での就活に不安がある場合は、Kaienの就労移行支援や自立訓練(生活訓練)、リワークの活用もご検討ください。

障害者の失業保険(雇用保険)とは

障害者の失業保険(雇用保険)とは、離職後に再就職を目指す障害者の方の生活と求職活動を支える給付です。障害者手帳や医師の診断書があり「就職困難者」と認められた場合、一般的な失業保険より給付日数が長くなるのが特徴です。

失業保険を受給するには、お住まいの地域のハローワークで申請手続きをしたうえで、「働く意思と能力があること」「求職活動をしていること」などの要件を満たす必要があります。ですので、失業保険の申請後は、ハローワークや転職エージェント、障害福祉サービスの一つである就労移行支援などを活用して、就職活動をするのが一般的です。

就職後半年の定着率が90%(平均は60%程度)の実績を持つKaienでは、発達障害*や精神障害の方への支援に強みがある就労移行支援を提供しています。就職のための職業訓練、求人案内、就活サポート(応募書類作成、面接練習など)、職場定着支援など、手厚い支援を一括で受けられますので、失業保険を受給しながら再就職を目指す際にご利用いただけます。

障害者の失業保険受給の要件については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:障害者の失業保険受給の要件とは?受給の流れや発達障害のケースも解説

所定給付日数と受給期間の違い

所定給付日数とは、雇用保険の基本手当、いわゆる失業保険を「最大で何日分受け取れるか」を示す日数です。障害者の方などの「就職困難者」の場合、以下のように定められています。

離職時の年齢雇用保険の被保険者期間が1年未満雇用保険の被保険者期間が1年以上
45歳未満150日300日
45歳以上65歳未満150日360日

一方、受給期間とは、基本手当を「いつまで受け取れるか」という期限であり、原則として、離職日の翌日から1年間です。基本手当は、受給期間内の失業している日について、所定給付日数を上限として支給されます。

例えば、所定給付日数が300日の方が、離職から半年後に手続きを始めた場合、受給期間は残り約半年です。そのため、300日分の給付日数があっても、原則として全額は受け取れません。

就職困難者として扱われる可能性がある人

失業保険の制度では、障害などにより就職に時間がかかりやすい方を「就職困難者」として区別しています。就職困難者にあたると、一般の離職者より所定給付日数が長くなる場合があります。

就職困難者として認められる可能性のある方は以下のとおりです。

  • 障害者手帳を持っている方
  • 医師の診断書・意見書などで、障害や病気の状態を確認できる方
  • その他、社会的な事情により就職が著しく難しいと判断される方

ただし、手帳や診断書があれば必ず就職困難者になるわけではありません。就労上の困難さ、離職時の状況なども含めて、最終的にはハローワークが判断します。

なお、就職困難者と混同しやすい失業保険の区分に「特定理由離職者」があります。特定理由離職者は、心身の障害・病気・けが、妊娠・出産・育児、家族の介護など、やむを得ない理由で離職した方が対象になります。就職困難者と特定理由離職者のどちらにあたるのか迷う場合は、ハローワークで早めに相談しておくと安心です。

受給終了後に再就職できていなくても罰則はない

失業保険を受給し終えた後に再就職できなかったとしても、罰則が科されることはありません。

失業保険は、就職する意思や能力があるにもかかわらず仕事に就けない場合に支給されるものです。実際には失業していないなどの不正受給であれば、支給停止や受給額の返還といった罰則が課される可能性がありますが、正当な理由に基づく受給であれば罰則はありません。

なお、再就職がなかなか決まらない場合は、引き続きハローワーク(公共職業安定所)の窓口で相談するほか、後述する失業保険の延長制度や各種支援制度の活用を検討してみてください。

【比較表】一般の離職者と就職困難者の給付日数の違い

一般の離職者と就職困難者の違いを以下にまとめました。

一般の離職者就職困難者(障害者の方など)
対象者・自己都合退職などで離職した方・定年、契約期間満了で離職した方・障害などで就職が著しく難しいと判断される方
給付日数の考え方離職理由、年齢、雇用保険の加入期間により決まる年齢と雇用保険の加入期間により決まる
給付日数の目安90日、120日、150日150日、300日、360日
1日あたりの給付額離職前の賃金や年齢などをもとに決まる同左
必要な確認書類離職票、本人確認書類、写真、本人名義の預金通帳またはキャッシュカードなど左記に加え、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、医師の診断書・意見書など
相談先住居地を管轄するハローワーク同左

就職困難者にあたる場合、給付額の計算方法は基本的に同じですが、給付日数が長くなる可能性があります。該当する可能性がある方は、早めにハローワークで確認しておきましょう。実際の給付日数や受給開始時期は、離職理由や提出書類によって変わる場合があります。

就職困難者として失業保険を申請する手順

障害がある方は「就職困難者」として給付期間を延長できる可能性があります。就職困難者として失業保険を申請する手順は、以下の5ステップに分けられます。

  1. 離職票を受け取りハローワークで求職申込みをする
  2. 障害者手帳または医師の診断書を提示する
  3. 7日間の待期期間を経て雇用保険説明会に参加する
  4. 失業認定日ごとに求職活動を報告し給付を受ける
  5. 就労移行支援などの並行利用を検討する

就職困難者として失業保険を受ける手順は、一般的な手続きとほぼ同じです。ただし、就職困難者に該当するかどうかはハローワークが個別に判断しているため、不安がある場合は早めに窓口に相談し、必要書類を準備しておきましょう。

1~5のステップについて解説します。

1. 離職票を受け取りハローワークで求職申込みをする

退職後、雇用保険の基本手当を受けるには、まず会社から「離職票」を受け取り、お住まいの地域を管轄するハローワークで求職申込みを行います。

申請に必要な書類と物は以下のとおりです。

  • 雇用保険被保険者離職票―1、2
  • マイナンバーを確認できる書類
  • 本人確認書類
  • 写真
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

離職票-2に書いてある退職前の賃金額や離職理由は基本手当の金額や受給開始時期、離職理由の判断に関わります。間違いや会社との認識違いがないか、しっかり確認しておきましょう。

2. 障害者手帳または医師の診断書を提示する

就職困難者として申請する方は、雇用保険の受給手続きの際に、障害や病気の状態を確認できる以下のいずれかの書類も必要です。

  • 障害者手帳
  • 知的障害がある旨の判定書
  • 医療受給者証
  • 障害福祉サービス受給者証
  • 医師の診断書・意見書
  • その他、障害や病気の状態を確認できる書類

必要な書類は障害の種類や状況によって異なるため、事前に住居地を管轄するハローワークへ確認しておくとよいでしょう。

また、就職困難者にあたるかどうかは、提出書類や就労上の困難さなどをもとにハローワークが個別に判断しています。「自分は対象外だろう」と決めつけず、窓口で相談してみてください。

3. 7日間の待期期間を経て雇用保険説明会に参加する

ハローワークで求職申込みを行うと、提出書類をもとに受給資格が確認されます。資格が認められると、この日が受給資格決定日となり、失業の状態が続いているかを確認する「待期期間」が開始されます。「待期期間」は7日間で、この間は基本手当が支給されません。

併せて、窓口で雇用保険説明会の日時が案内されるので、必ず参加しましょう。説明会では、雇用保険の受給手続きの進め方や、受給中の注意点について説明があるため、確認しておきます。

この説明会で、雇用保険受給資格者証を受け取ります。雇用保険受給資格者証は、今後の失業認定や給付額の確認に使う大切な書類です。氏名、支給番号、所定給付日数、認定日などに誤りがないか確認しておいてください。

4. 失業認定日ごとに求職活動を報告し給付を受ける

失業保険を受け取るには、原則4週間に1回指定される「失業認定日」にハローワークへ行き、失業状態であると確認してもらう必要があります。

認定日には、主に次の書類を提出します。

  • 雇用保険受給資格者証
  • 失業認定申告書

失業認定申告書には、働いた日があるか、どのような求職活動をしたかなどを記入します。

【求職活動の例】

  • 求人への応募(ハローワーク以外を含む)
  • ハローワークでの職業相談、職業紹介、職業訓練の相談
  • 許可・届出のある民間職業紹介機関での職業相談、職業紹介
  • 公的機関などが行う講習、セミナーへの参加
  • 個別相談ができる企業説明会への参加

前回認定日~今回認定日の前日までに2回以上の求職活動が必要です。ただし、初回認定日や給付制限がある場合などは、必要回数が変わる場合があります。

求職活動実績として認められる内容は地域や状況によって異なるため、必ずハローワークで確認しておきましょう。

5.就労移行支援などの並行利用を検討する

失業保険の受給期間は、再就職に向けて準備を整える時間として活用できます。

Kaienの就労移行支援は、障害特性の自己理解や適職探しから、障害者雇用を含む求人紹介、就活のサポート、就職後の職場定着支援まで一括でサポートします。ハローワークの障害者窓口や一般的な就活支援では不安がある方におすすめです。

また、自立訓練(生活訓練)では、生活リズムや体調管理を整える支援をしています。就活前の準備としてご活用ください。

「こころのリワークセンター」では、自分に合った働き方やストレスケアなどを学べます。障害などが原因で離職に至った方が、再発防止策を立てたうえで就職準備を進められます。

Kaienのサービス利用が求職活動となるかどうかは、自治体やハローワークの判断によるので事前にご確認ください。Kaienでも一緒に確認しながら進められます。

Kaienでは支援の現場から最新情報をLINEでお届けしています。興味のある方はお気軽にご登録ください。

失業保険を延長できる可能性がある制度

特別な理由で求職活動が難しい方は、以下の制度を活用して、失業保険の期間延長や関連する給付を受けられる可能性があります。

制度制度を利用できる可能性がある方
受給期間の延長病気・けが・妊娠・出産などで働けない方
雇用保険の傷病手当病気やけがで求職できない方
個別延長給付倒産・解雇・雇止めなどで離職した方
訓練延長給付公共職業訓練を受ける方
広域延長給付・全国延長給付災害や雇用情勢の悪化など、国が定めた条件に合致する方

最終的な認定や判断、対応は各自治体のハローワークに委ねられている部分があるため、利用を検討する際には、必ず申請先のハローワークで確認をしてください。

各制度の概要と利用条件を解説します。

病気・妊娠・出産などで働けない期間が続くときの「基本手当」の延長

病気やけが、妊娠・出産などの理由で、離職日の翌日から1年以内に30日以上継続して働けない場合は、失業保険(基本手当)の受給期間を延長できます。

この場合、受給期間延長の申請を行えば、本来の受給期間である1年間に「働けない日数」を加算でき、就労可能な状態になってから受給手続きを進められます。ただし、延長できる期間には上限があり、元の受給期間に加算できるのは最大3年間(合計4年)までです。

なお、うつ病などメンタルの不調や障害などを理由に「就職困難者」と認定され、失業保険を受給している方についても、病気やケガ、妊娠、出産での基本手当の延長は利用できます。

延長申請の手続きは、延長後の受給期間の最終日まで行えますが、申請が遅れ、残りの給付日数がその最終日を超えてしまうと、超過分については受給できなくなる可能性があります。そのため、早めの申請が安心です。

参考:厚生労働省「求職者の方へ 平成29年4月1日から、雇用保険の基本手当について受給期間延長の申請期限を変更します」

失業中に病気やけがで求職できないときの「雇用保険の傷病手当」

失業保険を受給中に病気やけがで求職ができない状態となった場合、利用できる制度は働けない期間の長さによって異なります。

  • 働けない期間が14日以下:これまで通り、失業保険(基本手当)が支給される
  • 働けない期間が15日以上30日未満:「雇用保険の傷病手当」の申請が可能
  • 働けない期間が30日以上:「基本手当の延長」か「雇用保険の傷病手当」かのいずれかを選択可能

参考:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」

受給期間の延長が可能なのは、働けない期間が30日以上で「基本手当の延長」を利用した場合のみです。「基本手当の延長」とは、前項で解説した制度のことです。

なお、「雇用保険の傷病手当」とは、失業保険(基本手当)の受給資格がある方が、病気やケガで求職活動ができない状態になったときに、利用できる制度です。基本手当と同額(基本手当日額)が、本来の所定給付日数の範囲内で支給されます。給付日数が延びるわけではなく、働けない状態では「基本手当」の受給要件を満たさないため、基本手当を「休止扱い」として、その間を傷病手当として給付する仕組みです。

雇用保険の「傷病手当」は、健康保険の「傷病手当金」と混同されがちですが、両者は目的が異なります。雇用保険の傷病手当は 失業中に働けない場合の生活保障、健康保険の傷病手当金は雇用期間中に働けなくなった場合の生活保障という点が大きな違いです。

【雇用保険の傷病手当と健康保険の傷病手当金の違い】

雇用保険の傷病手当健康保険の傷病手当金
申請先ハローワーク健康保険組合等
目的失業中の生活保障休職中の生活保障
対象となる状態15日以上継続して働けない4日以上仕事を休んでいる
受給期間基本手当の支給残日数の範囲内最長1年6カ月

発達障害を含む精神障害を理由に延長可能な「個別延長給付」

発達障害を含む精神障害のある方は、「個別延長給付」という制度を使って、失業保険の給付日数を延ばせる場合があります。

個別延長給付とは、倒産・解雇・雇止めなど特定の事情で仕事を失った方のうち、下記のいずれかに該当し、再就職に向けた職業指導が必要だと認められた場合に利用できる制度です。

  • 難治性疾患のある方
  • 発達障害などの精神疾患がある方
  • その他の障害がある方

この制度を使うと、通常の所定給付日数を使い切った後に、原則として60日分、給付日数が延長されます。ただし、もともと「就職困難者」として失業保険を受けている場合は、最初から給付日数が多めに設定されているため、原則、個別延長給付の対象にはなりません。

参考:労働基準監督署「個別延長給付のご案内 」

職業訓練の受講によって受けられる「訓練延長給付」

公共職業訓練を利用すると、「訓練延長給付」という仕組みによって、失業保険の給付期間を延ばせる場合があります。

失業保険を受給している方が、職業訓練に通うと、訓練の途中で失業保険の給付日数がなくなってしまっても、訓練修了日(退校日)まで給付期間が延長されます。訓練期間は講座によって異なりますが、おおむね3カ月から2年ほどです。

また、職業訓練の受講中は、失業保険とは別に 1日500円(上限40日) の受講手当が支給されます。通所にかかる交通費(通所手当)や、遠方から通う場合の寄宿手当が支給される場合もあります。

ただし、失業保険を受けながら職業訓練を受講するためには、訓練を始める時点で、失業保険の給付日数が一定程度残っていることが条件となります。たとえば、一般離職者の場合は、給付日数が3分の1以上残っている必要があります。残日数が足りなくても訓練への申し込みは可能ですが、その場合は訓練期間中に基本手当は支給されません。

参考:青森労働局「職業訓練制度のご案内」

国による判断で受けられる「広域延長給付」や「全国延長給付」

国の判断によって適用される「広域延長給付」や「全国延長給付」により、所定給付日数を超えて基本手当が支給される場合があります。

たとえば「広域延長給付」は、災害などで多くの失業者が発生し、厚生労働大臣が「広い範囲で仕事を紹介する必要がある」と指定した地域で適用される制度です。その地域のハローワークで、広域での職業紹介が必要だと認められた受給資格者が、特例として失業保険(基本手当)を最大90日間延長して受け取ることができます。

一方、「全国延長給付」は、全国的に失業状況が大きく悪化した場合に発動される制度で、すべての受給資格者に、所定給付日数を超えて最大90日間、基本手当の支給が延長されます。

どちらも、厚生労働大臣によって決定され、個人的な理由で延長される制度ではありません。

参考:厚生労働省「用語の説明」

失業保険以外の「生活をつなぐ」給付制度

失業保険以外にも、失業中の生活を支えるための給付制度があります。ここでは、その中から代表的な制度を紹介します。 

健康保険の傷病手当金

体調不良が原因で休職や退職にいたった場合、健康保険の傷病手当金を利用できます。

傷病手当金とは、業務外の病気やけがで療養が必要になり、仕事ができない状態になったときに、所得を補うために支給される制度です。

病気やけがで会社を休んだ日が連続して3日間あると、その期間を待期期間として扱い、4日目以降の休んだ日から支給対象になります。支給される期間は、支給開始日から通算1年6カ月です。

ただし、休んでいる期間に事業主から傷病手当金よりも多い報酬が支払われた場合は、その日の傷病手当金は支給されません。給与が支払われていても、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。

また、退職後も一定の要件を満たせば、利用できますが、傷病手当金と失業保険は同時に受給できません。病気療養中は傷病手当金を受給し、働けるようになってから失業保険を受給するようにしましょう。

職業訓練受講給付金

求職者支援制度に基づき、失業保険を受けられない方や受給を終了した方は、職業訓練を受ける際に一定の要件を満たすと「職業訓練受講給付金」を受け取れます。

主な受給要件は、下記の通りです。

  • 本人収入が月8万円以下
  • 世帯収入が月30万円以下
  • 世帯の金融資産が300万円以下
  • 現在の住居以外に土地・建物を所有していない
  • 訓練実施日すべてに出席している
  • 世帯内に給付金を受給して訓練している人がいない
  • 過去3年以内に不正受給がない
  • 過去6年以内に職業訓練受講給付金の支給を受けていない

参考:厚生労働省「職業支援・給付金などについて知る」

給付内容は、訓練期間中に月額10万円の職業訓練受講手当のほか、通所手当や寄宿手当などです。詳細はハローワークの窓口で確認するようにしてください。

なお、先述の「訓練延長給付」と混同しないように注意が必要です。「訓練延長給付」が失業保険を受けている方(雇用保険受給者)を対象としているのに対し、「職業訓練受講給付金」は失業保険を受けられない方を対象としている点で異なります。

失業保険の受給が終わる前に知っておきたい!給付金のバトンタッチ図

(図が入る)

失業保険の受給中に求職活動が順調に進まない場合でも、状況に応じて別の制度へつなげられる可能性があります。大切なのは、失業保険が終わってから慌てるのではなく、受給中の段階で次の支援を確認しておく姿勢です。

【病気やけがで働けなくなった場合】

15日以上求職活動ができない場合は、失業保険を受け取れない期間に「雇用保険の傷病手当」へ切り替える形で支援をつなぎます。

【再就職が難しい状態が続く場合】

倒産・解雇、雇止めなどで離職し、再就職が難しいとハローワークが認めた場合は、「個別延長給付」により失業保険の給付日数を延ばせる可能性があります。

【職業訓練を受けながら再就職を目指す場合】

公共職業訓練を受講する場合は、「訓練延長給付」によって、失業保険から訓練中の支援へつなげられる可能性があります。

【失業保険を受給できない状態で職業訓練を受ける場合】

失業保険の受給終了後など、雇用保険を受給できない場合は、「職業訓練受講給付金」によって、職業訓練中の生活支援へつなげられる可能性があります。

失業保険受給中で再就職を検討している方が利用できる支援

失業保険を受給しながら再就職を目指している方が利用できる支援サービスがあります。ここでは、その内容を紹介します。 

ハローワーク

ハローワークは、国が運営する公共職業安定所です。全国の窓口で、職業相談や求人紹介、雇用保険の手続き、職業訓練の紹介など、就職に向けた幅広い支援をしています。

全国の求人情報をもとに紹介してもらえるほか、インターネットサービスを使って自分で求人を検索することも可能です。履歴書の書き方や面接対策、公的職業訓練の案内など、就職活動に役立つサポートも充実しています。

また、「障害者専用窓口」や「わかものハローワーク」「マザーズハローワーク」など、状況に応じて相談できる専門窓口も設けられており、専門知識のある担当者が対応してくれます。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは、障害のある方の就職や職場定着を支える専門機関です。同センターでは、まず、専門のカウンセラーが希望や得意・不得意を丁寧に聞き取り、職業能力を評価したうえで、あなたに合った支援計画を作ってくれます。

計画に基づき、センター内での作業体験や講習、社会生活技能訓練を受け、働くための基礎力やコミュニケーションのコツを身につけられます。再就職に不安を抱える方にとって、安心して準備できる場になります。

再就職後も、ジョブコーチが職場に来てサポートしてくれるため、仕事に慣れるまでの不安や困りごとを一緒に整理できます。障害特性に合わせた助言が受けられるため、職場に定着しやすくなる点も大きなメリットです。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、就職や転職を考えている障害のある方が、仕事と生活の両面について相談できる支援機関です。就業面では、職業訓練の紹介や就職活動のサポート、特性に合った仕事選び、職場に慣れるまでのフォローなどが受けられます。

生活面では、生活習慣や健康管理など、日常生活に関する相談も可能です。必要に応じて、相談者の特性を踏まえたうえで職場側へ助言を行うなど、働き続けるための環境づくりを支えてくれます。

また、ハローワークや地域障害者職業センター、職場などと連携しながら支援が進むため、複数の機関を自分で調整する負担が軽減される点も利用の大きなメリットといえるでしょう。

就労移行支援

就労移行支援は、一般企業などで働きたい障害のある方が、就職に向けて必要なスキルや知識を身につけられる障害福祉サービスです。事業所に通いながら、個々の支援計画に沿って訓練を受けたり、就職に関する相談をしたりできます。

提供されるプログラムは事業所によって異なり、たとえば、Kaienの就労移行支援では、下記のような支援プログラムを提供しています。

  • 自分に合った職業やキャリアパスがわかる適職診断
  • プログラミング・デザイン・生成AIなど専門スキルを学ぶコース
  • 経理、総務、人事・労務などオフィスワークの実践訓練
  • 軽作業や伝統工芸体験
  • 求人紹介や就活支援
  • 履歴書作成サポート、面接対策など就活サポート

求人紹介では、発達障害に理解のある企業など独自の求人ネットワークを活かし、毎年多くの利用者が就職に成功しています。

Kaienの就労移行支援については、ぜひ下記の記事も参考にしてください。

関連記事:就労移行支援

自立訓練(生活訓練)

自立訓練(生活訓練)は、障害のある方が自立した生活を送れるよう、社会生活に必要なスキルを身につけるための福祉サービスです。離職後に生活リズムを整えたい方や、再就職に向けて生活面の基盤を強化したい方にも利用されています。

たとえば、Kaienの提供する自立訓練(生活訓練)は、下記のような支援プログラムを提供しています。

  • ソーシャルスキル・コミュニケーションスキル・生活スキルの習得
  • 感情コントロール法の習得
  • 睡眠・生活リズムの整え方の習得
  • カウンセリング・進路相談

Kaienの自立訓練(生活訓練)は、カウンセリング・講座・実践プロジェクトの3本柱で支援をしています。詳しくは、下記の記事も参考にしてください。

関連記事:自立訓練(生活訓練) 

リワーク

リワークとは、メンタルの不調が原因で休職・離職した方が、安心して職場復帰や転職を目指せるよう支援するプログラムです。

実施する機関によって内容は異なり、大きく4つのタイプがあります。

  • 医療機関のリワーク:病状の安定や再休職の予防を目的とした医学的リハビリテーション
  • 就労移行支援・自立訓練(生活訓練):事業所に通い、復職に必要なスキルや生活リズムを整える支援
  • 障害者職業センターのリワーク:休職者・雇用主・主治医が連携し、復職プランにそって進める支援
  • 企業内リワーク:休職者が所属する企業が実施する復職サポート

Kaienでは就労移行支援や自立訓練(生活訓練)に加え、新しい復職支援として「こころのリワークセンター」を展開しています。精神科医の益田裕介先生監修のもと、精神医学と就労支援の専門知識を持つスタッフが復職までを丁寧にサポートします。

Kaienのリワークについては、下記の記事も参考にしてください。

関連記事:新しい復職支援をあなたに! こころのリワークセンター

障害者の失業保険の受給に関するよくあるFAQ

Kaienの就労移行支援を利用している方の多くは離職中であり、障害者の失業保険の受給についてご質問をいただく機会も少なくありません。ここでは、よくある質問について回答します。

受給期間延長の申請はいつまでにすればいいですか。オンライン上で申請できますか。

受給期間延長の申請期限は、延長制度や個人の状況によって異なります。できるだけ早めに各自治体のハローワークへ相談するようにしましょう。

たとえば、「基本手当の延長」では、延長後の受給期間の最後の日までであれば、申請は可能です。しかし、給付日数が長い方(例:330日など)は、申請が遅れると延長後の受給期間内に使い切れず、期限を超えた給付日数分については、受給できなくなります。そのため、早めに申請しましょう。

また、受給期間延長については、「基本手当の延長」など一部について「e-Gov電子申請サイト」でのオンライン申請が可能ですが、ハローワークの窓口などでの直接申請が基本です。直接本人が申請に行けない場合は、代理人による手続きや郵送での申請も可能なため、ハローワークの窓口に問い合わせ、確認しましょう。

失業保険が終わっても就職が決まらない場合はどうすればいいですか?

失業保険が終わっても、他の制度を利用して経済的な負担を減らせる可能性があります。

利用できる可能性のある制度をまとめました。

困りごと制度概要相談先
生活費が足りない職業訓練受講給付金月10万円の給付金を受けながら無料の職業訓練を受けられるハローワーク
まとまった額の生活資金を得たい生活福祉資金貸付金融機関での借り入れが難しい障害者世帯、低所得者世帯、高齢者世帯が無利子・低金利で貸し付けを受けられる市区町村の社会福祉協議会
離職で収入が減り、家賃の支払いが難しい住居確保給付金再就職に向けた活動などを条件として家賃額を補助してもらえる自治体の自立相談支援機関など
費用負担を抑えながら就職支援を受けたい就労移行支援原則1割が自己負担で、市町村民税非課税世帯、生活保護世帯は負担なしで利用できる就労移行支援事業所、地域の障害福祉窓口

就職先が決まらないと焦る気持ちもあるでしょうが、各種支援を活用して自分に合う就職をじっくり目指す考え方も大切です。

失業保険をもらいながら就労移行支援に通えますか?

失業保険を受給しながら、就労移行支援を利用できる可能性はあります。

働く意思があり、就労移行支援で求人応募、職業相談、職業訓練などを行っていれば、求職活動と認められる可能性があります。ただし、何が実績として認められるかは、事前にハローワークで確認しておくと安心です。

一方、利用登録をしただけで通所や具体的な求職活動がない場合は、求職活動として認められない可能性があります。その場合、給付を受けられない場合があります。

Kaienでは、就労移行支援を利用するか迷っている段階から相談できます。受給中の進め方やハローワークへの確認事項も一緒に整理できますので、お気軽にご相談ください。

給付を受けながらKaienでスキルアップを目指そう

失業保険は、生活の不安を減らしながら再就職を目指すための経済的な支援制度です。次の職場で長く働くための準備期間として、受給期間を有効活用していきましょう。

就職後半年の定着率が90%(平均は60%程度)の実績を持つKaienの就労移行支援では、時間をかけてご自身の障害特性や得意・不得意を整理しながら、職業訓練やスキルアップ講座で就職に必要なスキルを身につけられます。

また、就活前に生活から整えたい場合には自立訓練(生活訓練)を、自分に合った働き方を見直してから復職したい場合には「こころのリワークセンター」をご利用可能です。

失業保険を受給しながらKaienのサービスを利用できるかを含めてサポートできますので、お気軽にご相談ください。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます。

監修 : 鈴木 慶太(株式会社Kaien 代表取締役)

元NHKアナウンサー。自身の長男が発達障害の診断を受けたことをきっかけに、米国留学(MBA取得)を経て株式会社Kaienを設立。 「数的な凸凹があっても、強みを活かして働ける社会」を目指し、大人向けの就労支援から子ども向けの学習支援(TEENS)まで幅広く事業を展開している。 経営者として、また一人の親としての視点を交えた発信は、多くの当事者・家族から支持を得ている。

▼ 代表・鈴木に直接質問できるライブ配信も開催中。毎週開催の「Kaienお悩み解決ルーム」ほか、就職や生活に役立つ情報を配信しています。

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