
仕事に行けない日が増えてくると、「甘えているだけではないか」「もう少し頑張れるのではないか」などと自分を責めてしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、仕事に行きたくても行けないほどのつらさがあるなら、心や体がSOSのサインを発している可能性があるといえます。
とはいえ、医療機関や支援機関に相談したほうがよい状態なのか、それとも少し休めば回復する状態なのかは、なかなか自分で判断がつかず、対処法もわからないものです。
そこで本記事は、仕事に行けないと感じやすくなる原因や仕事に行けないときの対処法、メンタルの不調で仕事を休んだほうがいいサイン、利用できる支援機関などについて解説します。メンタルの不調と仕事に関して悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
仕事に行けないのは甘え?メンタル不調との境界線
仕事に「行きたくない」ではなく「行けない」とまで感じているなら、それは甘えではなくメンタルヘルス不調になっている可能性があります。
ここでは、医療機関や支援機関に相談したほうがよい状態なのか判断する目安となる身体症状の有無やセルフチェックリスト、早めに専門機関につながる大切さなどを解説します。
甘えかどうかは「身体症状の有無」で判断する
仕事に行けないのは「甘え」なのか、それとも医療機関の受診が必要なサインなのかを自分で判断するには、まずは客観的に判断しやすい体の反応から確認してみるとよいでしょう。
具体的には、次のような身体症状が挙げられます。
- 頭痛、めまい、吐き気、下痢、食欲不振などの不調がある
- 寝られない、途中で何度も目が覚める
- 休んでも疲れが抜けない
一方、精神的な症状は境界線が見極めにくいですが、以下のようなものが挙げられます。
- 気持ちが沈んだ状態が続く
- 出勤や仕事を考えると、強い緊張や不安が出る
- 意欲がなく身支度や家事などにも取りかかれない
上記のような症状が出ていれば、医療機関への相談をおすすめします。
仕事に行けないのは甘えかどうか「セルフチェックリスト」
医学的な視点もふまえたセルフチェックリストを活用して、単なる甘えやサボり癖だけでは説明しにくい状態かどうかを考える方法もあります。以下の10の項目にあてはまるものはないかチェックしてみましょう。
<身体に出るSOS>
[ ] 日曜の夜や月曜の朝になると、腹痛・頭痛・吐き気がする
[ ] 会社に近づくと(または最寄り駅に着くと)、動悸がしたり冷や汗が出たりする
[ ] 最近、不眠(寝付けない、夜中に何度も起きる、早朝に目が覚める)が続いている
[ ] 食欲が極端に落ちた、または逆に過食気味になっている
[ ] 体が鉛のように重く、朝起き上がることが物理的に困難だ
<行動・感情の変化>
[ ] 以前は普通にできていた「身だしなみ(化粧・着替え・整髪)」がおっくうで時間がかかる
[ ] 遅刻や欠勤の連絡をする際、受話器やスマホを持つ手が震える
[ ] わけもなく涙が出てくる、または感情がまったく湧かなくなる
[ ] 好きな趣味やテレビ番組を見ても、以前のように楽しめない
[ ] 「消えてしまいたい」「事故に遭えば会社に行かなくて済む」とふと考えてしまう
1つでも強くあてはまる、または2つ以上該当する場合は、休息や医療的なケアを検討したほうがよい状態です。
このリストにあてはまるからといって、努力不足や弱さがあるわけではありません。「もう少し頑張ってみよう」と思う方もいるかもしれませんが、骨折した足で走れないのと同じように、心や体のエネルギーが大きく消耗している状態で無理をすると、かえって状態が悪くなる場合もあります。
無理に出勤しようとせず、心療内科や精神科、かかりつけ医などへの相談を検討してください。特に最後の項目にあてはまる場合は、早めに医療機関や相談窓口につながることが大切です。
「甘え」と考えるとさらにメンタルの不調が悪化する恐れも
「甘え」と捉えて無理に仕事に行くと、メンタルの不調がさらに悪化する可能性もあります。「休みたいと思うのは甘えだ」と思って無理をすると、重い精神疾患へつながり長期の離職・療養を余儀なくされる場合もあります。
また、寝ても疲れが取れなかったり、胃腸の不調が続くようになったりと、メンタルの不調は自身の体調にも影響を及ぼす場合が多いです。この中で無理をし続けると、働き続けるのが困難になり長期的な休養が必要な状態になっていくでしょう。
心身ともに限界を迎える前に、職場に相談をして適切な対処を考えることが重要です。
まずは直属の上司に相談をして、自分の体調に合わせた働き方やシフトの組み方などを共に考えていく必要があります。身近の信頼できる上司や同僚に話して、解決策を探っていきましょう。
【事例紹介】甘えだと思い無理をして休職に至ったAさんがKaienのリワークで『自分の限界サイン』を知り再出発したエピソード
「仕事に行けないのは甘えかもしれない」と思って無理を重ねてしまう方は少なくありません。Kaienのリワークプログラムに参加したAさんも、そのような一人でした。
Aさんは約30年間、健康保険関係の事務職として働いてきましたが、もともとコミュニケーションやマルチタスクに困難さがあり、50代で心身の負担が表面化しました。「考えがまとまらない」「処理が遅れる」といった不調から出社がつらくなり、うつと診断されました。長く同じ職場で働いてきたからこそ、「ここを離れたら何もできない」という思い込みが強く、つらさがあっても頑張り続けたということです。
そんなAさんが変わるきっかけになったのは、休職後に参加したKaienのリワークプログラムでした。同じような悩みを持つ人と話し、自分の気持ちを外に出す経験を重ねるなかで、「無理を続ける前に気づくべき自分のサイン」が少しずつ見えるようになったといいます。さらに、気持ちを伝える練習にも取り組み、コミュニケーションの負担も減らしていきました。
その結果、Aさんは「今の職場しかない」という閉塞感から離れ、復職だけでなく、自分に合う働き方や別の選択肢も考えられるようになりました。Aさんの場合、うつ病になるまで頑張り続けてしまいましたが、なるべく一人で抱え込まず、支援につながることが大切です。
「ここしかない」という閉塞感を打ち破った、リワークでの再出発
仕事に行けなくなる主な原因
「仕事に行きたくない」という気持ちが続く際は、まず何が負担になっているのかを切り分けてみるとよいでしょう。
原因があいまいなままだと、「甘えかもしれない」などと自分を責めやすくなりますが、実際には、就労環境やご自身の特性などが原因の場合も少なくありません。
業務内容や適性のミスマッチ
今の業務が自分の適性と合っていないために、出社そのものがつらくなる場合があります。
例えば、以下のようなケースです。
- 業務の難易度が高すぎて強いプレッシャーを感じる
- 苦手な作業ばかりで力を発揮しにくい
- 得意分野を活かせず、やりがいを感じない
こうしたストレスは誰もが持つものですが、業務内容とご自身の特性のミスマッチが原因の場合は、問題が大きくなる場合があります。例えば、自閉スペクトラム症(ASD)の方のなかには、あいまいな指示や急な予定変更などが苦手な場合があります。
こうした場合は、専門的な知見を持つ支援機関で自己理解のプログラムや適職についてのアドバイスなどを受けたほうがよいでしょう。
膨大な業務量や長時間労働
業務量が多すぎたり長時間労働が続いたりすると、「仕事に行けない」と感じても不自然ではありません。「人手不足で残業や休日出勤が続く」「責任が一人に偏る」といった状態が長引くと、疲労がたまり出勤がつらくなりやすくなります。一人で抱え込まず、上司や人事などに相談したほうがよい状況といえるでしょう。
一方で、業務のデジタル化にうまく対応できず、仕事が滞ってしまう方もいます。近年は、Excel・WordなどのPCスキルが求められる場面も多く、AIの活用が進む職場も増えました。ITスキルを身につけると、業務負荷を軽くできる可能性があります。
人間関係のストレス
「上司からの強い叱責」「同僚からの無視や孤立」などの人間関係のストレスが続くと、出勤前から強い緊張や気分の落ち込みが起こりやすくなります。限界になる前に、関わり方を見直したり、必要に応じて産業医や外部の相談窓口を使ったりするなど、「自分を守る行動」を起こしていきましょう。
一方で、人とのやり取りの苦手さがストレスを強める場合もあります。例えば、発達障害*の方のなかには、コミュニケーションでの困りごとを抱える方が少なくありません。このような方は、報告・連絡・相談の仕方や感情の伝え方などを学ぶソーシャルスキル・トレーニングによって改善が期待できます。
通勤や職場の環境による負荷
通勤そのものや、職場の物理的な環境が毎日の負担になり、「仕事に行けない」と感じる場合もあります。
【通勤の負担】
- 満員電車で疲れてしまう
- 長時間通勤のため、早朝に起きなければならず、帰宅も遅くなってしまう
- 天候の影響(雪や酷暑など)で体力を奪われやすい
【職場の負担】
- 人の往来が多い席で気が休まらない
- オープンスペースで視線や話し声が入りやすく、集中が途切れやすい
- 職場環境とのミスマッチがある(工場の騒音やにおいが苦手など)
こうした負担は日々積み重なるため、心も体も休まらず、「もう出社したくない」という強い気持ちを起こさせる場合があります。
環境調整が難しい場合は、負担を和らげるために、メンタルケアやセルフケアを学ぶのも一つの方法です。
発達特性や感覚過敏が影響する場合も
発達特性や感覚過敏などの特性によって仕事上のストレスが大きくなり、出社がつらくなる場合もあります。
【発達障害の方の困りごと】
- 予定ややり方が急に変わると、混乱したりイライラしたりしやすい
- 会話のテンポについていけず、疲れやすい
- いくつもの作業を一度に頼まれると、混乱しやすい
【感覚過敏の方の困りごと】
- 周囲の話し声やタイピング音が気になって、集中できない
- 照明のまぶしさで、作業しづらい
- 職場のにおいや制服の肌ざわりによって、体調を崩しやすい
上記のような特性に起因する困りごとによって知らず知らずのうちに精神的な負担が蓄積すると、メンタル不調を引き起こす場合があるでしょう。こうした特性に対しては、努力で克服したり治療で治したりするというより、上手に付き合うほうが重要です。
Kaienのリワークなどでも「特性の理解、得意・不得意の把握 → 特性に合った環境調整や働き方の工夫 → 段階的な練習と実践」というステップで負担の軽減を目指します。こうした対処法や支援内容については、後ほど詳しく解説します。
発達障害や感覚過敏について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
大人の発達障害(神経発達症)とは?種類と症状、診断方法や相談先を解説
仕事に行けないときの対処法
メンタルヘルスの不調によって仕事に行けないときは、まずは十分に休養を取り、その後に働き方を見直したり職場環境を調整したりしながら、仕事への復帰を考えていくのが基本的な流れです。
ここでは、休養を決めたあとの対処の仕方について具体的に解説します。
職場に状況を共有し医療機関に相談する
仕事に行けないほどつらいときは、一人で抱え込まず、職場に状況を伝えたうえで医療機関に相談することが重要です。受診によって今の状態を客観的に把握し、必要な治療や休み方を考えやすくなります。また、職場に状況を伝えておくと、業務量や勤務方法の調整、休職の検討につながりやすくなります。
基本的な流れは以下のとおりです。
1 職場に状況を共有する
まずは直属の上司に今の状態を相談するのが一般的です。難しい場合は、人事や産業医に今の状態を伝えましょう。
2 医療機関を受診する
心療内科や精神科などで、今の不調について状態把握、診断、治療方針の確認を行います。
3 治療や休み方を決め、職場と調整する
医師と必要な休養や治療の進め方を確認し、その内容をもとに業務量や働き方の調整、休職するかどうかなどを相談します。
さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
休職するメリット・デメリットとは?休職中の給料や手当、利用できる支援を解説
十分な休養を取る
休むことを「甘え」と感じる方もいますが、心や体が限界に近いときの休養は、状態を立て直すための必要な対処です。原因からいったん距離を取ることで、症状の悪化を防ぎ、結果的に復職や今後の働き方を考えやすくなります。
休養中は、何かを頑張ろうとしすぎず、以下のように負担の少ない過ごし方を意識するとよいでしょう。
- 睡眠時間を確保し、生活リズムを大きく崩しすぎない
- 食事や入浴など、最低限の生活習慣を守る
- 散歩やストレッチなど、無理のない範囲で心身を整える
特に、身体的な不調が出ている場合は、無理をせず、しっかり休みましょう。
環境調整や働き方を見直す
仕事に行けない原因が、通勤や職場環境にある場合は、以下のような調整によって改善できる可能性があります。
【通勤の負担への対処例】
- 時差出勤を相談し、混雑しやすい時間帯を避ける
- 在宅勤務やテレワークを活用し、通勤そのものの負担を減らす
- 勤務地を相談し、移動時間や乗り換えの負担を軽くする
【職場の負担への対処例】
- 業務量や役割分担、配属場所などを調整してもらう
- 席の位置を調整し、人の往来が少ない場所で働けるよう相談する
- イヤーマフやパーテーションなどを活用し、音や視線の刺激を減らす
発達障害や精神障害など、障害特性への配慮が必要な場合は、企業から合理的配慮を受けられます。一人で相談や調整が難しいときは、次項で紹介する支援機関の活用も検討してみるとよいでしょう。
就労移行支援やリワークなど復職支援を活用する
長期の休養が必要になったときは、「休職・離職する → 心身のコンディションを整える → 復職・転職をする」という流れで、次の働き方を考えていきます。しかし、コンディション調整を独力で進めると、不調の原因を十分に整理できないまま復職や再就職を急いでしまい、同じつまずきを繰り返す場合があります。
そこで活用したいのが、リワークや就労移行支援、自立訓練(生活訓練)などの復職・就職支援です。これらの支援では、生活リズムを立て直しながら、不調の背景にある要因や、自分がつまずきやすい場面を整理し、必要な対処法を少しずつ身につけていくため、休職・離職の再発リスクを下げられます。
これらの復職・就職支援については、後ほど詳しく説明します。

【事例紹介】直属の上司が厳しく自信を失っていたBさんが、Kaienで自分の強みに気づき働けるようになったケース
Bさんは前職で経理の仕事をしていましたが、直属の上司から強い叱責を受け続け、少しずつ自信を失っていきました。加えて、サービス残業が続くなどの負担もあって、ついに退職を決意しました。
退職後のBさんはすっかり気力を失っていましたが、家族のすすめでKaienのプログラムに参加。自分の気持ちを安心して話せる場ができたことで、少しずつ落ち着きを取り戻していきました。「どんな場面で強く傷つきやすいのか」「どんな環境なら力を発揮しやすいのか」を整理しながら、自分のペースで前に進んでいけるため、安心感があったといいます。
そうした過程でBさんには再び経理の仕事に就きたい思いが芽生えます。そのころには、「完璧でなければならない」などと思わず、自分の強みを活かして無理のないペースで働く方法を見つけていたということです。
Bさんの例のように、自分の気持ちを話せる場があると、前向きな気持ちを取り戻しやすくなるでしょう。Kaienには多様なバックグラウンドを持ったスタッフが在籍しており、さまざまな悩みに寄り添えます。
仕事に行けないと悩む方が利用できるKaienの支援サービス
Kaienでは、主に休職中の方が復職を目指すための「リワーク」、新たな就職先を探す方のための「就労移行支援」、就労の前に生活を整えたい方のための「自立訓練(生活訓練)」を提供しています。それぞれ詳しくご紹介します。
リワーク
リワークとは、主にメンタルヘルス不調などで休職している方が、復職に向けて心身を整え、再び働き続ける準備をするための支援です。生活リズムを整えたり、ストレスへの対処法を学んだり、自分に合う働き方を見直したりしながら、無理の少ない復帰を目指すのが特徴です。
Kaienの「こころのリワークセンター」では、以下のようなプログラムを提供しています。
- 不調に至った要因や自分の強みを整理するための自己理解講座
- ストレス対処や感情との付き合い方を学ぶセルフケア、メンタルケア
- 良好な人間関係を築くためのコミュニケーションやビジネススキルの練習
- 復職後や転職後の定着支援として、職場での困りごとの相談対応や環境調整のためのサポート
これにより、不調や休職の再発リスクを減らしながら、無理のない形で仕事に戻りやすくなります。
詳しく知りたい方はこちら
就労移行支援
就労移行支援は一般就労を目指す障害者の方のための福祉サービスです。就職に必要な総合的なサポートを受けられるのが大きな特徴です。
Kaienの就労移行支援では以下のようなサービスを提供しています。
- 新たなスキルを獲得したり、適性を確認したりするための実践的な職業訓練
- 自分に合った働き方を見つけるための自己理解講座やカウンセリング
- Kaien独自の求人を含む求人紹介
- 応募書類の添削・面接練習など就活のサポート
- 就職後の定着支援
就労移行支援は「元の職場に戻るべきか、新しい職場を探すべきか悩んでいる」などとお悩みの休職中の方でも、条件を満たせば利用できます。また、Kaienの職業訓練は生成AIやプログラミングなどのIT系に強いため、IT活用で業務効率を上げたい方やテレワーク(在宅勤務)との相性がよいIT業に転職したい方などにもおすすめです。
詳しく知りたい方はこちら
自立訓練(生活訓練)
自立訓練(生活訓練)は、生活リズムや心身の土台を整えながら、次の一歩を考えるための障害福祉サービスです。「復職や就活の準備を始める前に生活を整えたい」「生活の乱れが仕事に影響しているので、まずライフスキルを身につけたい」といった方に向いています。
Kaienの自立訓練(生活訓練)では、以下のようなプログラムを提供しています。
- 睡眠の質や生活リズムを改善するためのサポート
- 感情を上手にコントロールするための講座や練習
- 相手に伝わりやすい話し方や、困ったときの相談の仕方などの練習
- スケジュール管理や金銭管理などのライフスキルの習得
- 家族がご本人とともに関わり方のコツを知るための「ペアトレ」
詳しく知りたい方はこちら
仕事に行けないのは甘えではないかと悩む方からよくあるFAQ
ここでは、「仕事に行けないのは甘えではないか」と悩む方からよく寄せられる質問を取り上げ、回答します。
仕事に行けない状態はどのくらい続いたら相談すべきですか?
仕事に行けない「期間」ではなく、今の「状態」を見て、医療機関や各種の窓口に相談するかを検討してみてください。
うつ病などでは「気分の落ち込みが2週間以上続く」といった期間の目安がありますが、仕事に行けない原因は実にさまざまですので、これという基準はありません。そのため、まずは以下のような身体症状が出ていないかチェックしてみるとよいでしょう。
- 頭痛、めまい、吐き気、腹痛、下痢などの症状が出ている
- よく眠れない
- 食欲がなくなったり、逆に大量に食べてしまったりする
- わけもなく涙が出る
こうしたサインは、「これ以上無理をしないで」という心身からのSOSかもしれません。
相談先としては、心療内科・精神科のほか、働く人向けの相談窓口である「こころの耳」、労働条件やハラスメントを相談できる総合労働相談コーナーなどがあります。
リワークはどの段階で利用するものですか?
リワークは、休職してまずしっかり休養を取ったあと、体調が少し落ち着いてきて「そろそろ復職を考えたい」と思い始めた段階で利用する方が多い支援です。
一般的には、以下のような流れでリワークを利用します。
- 休職して十分な休養を取る
- 復職準備をしたいと感じ始めたら、リワークの利用を検討する
- リワークプログラムに参加する
- 復職できそうになったら、会社と復職の時期や働き方を調整する
- 復職後も、必要に応じてリワーク機関や会社、医療機関のフォローを受ける
リワークプログラムは、負担の少ないものから取り組んでいきます。Kaienでは、以下のように段階的に復職を目指します。
- 生活リズムの見直しや自己理解講座など(週1~2回ほどの通所から)
- スキルアップ講座やグループワークなど職場に近い働き方に慣れていく(最終的に週4~5回程度までの通所)
- 復職できそうになったら、ご本人・職場・Kaienで連携しながら、復職時期や働き方を相談
- 復職後、必要に応じて職場環境や働き方の再調整を支援
Kaienでは一人ひとりに合わせて復職計画を立てるため、自分のペースで復職を目指せます。
仕事に行けない本人を家族はどのように支えればよいですか?
家族として大切なのは、「出社できないのは、気持ちの弱さや甘えだけではないかもしれない」と受け止め、安心して休める空気をつくることです。
よかれと思ってかけた言葉が、本人にとってはプレッシャーになってしまう場合もありますので、次のような点を意識した関わり方が大切です。
- 無理に原因を問い詰めない
- 「頑張って」などと強く背中を押しすぎない
- 生活リズムを一緒に整えるサポートをする
- 医療機関の受診や支援機関への相談を穏やかに提案する
Kaienの支援現場でも、家族が状況を理解し、ご本人のペースでの回復を尊重したケースでは、復職準備や転職などの次のステップに進みやすい傾向があります。対応に迷う場合は、ご家族で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
発達・精神障害の『今』を知る・学ぶ情報もLINEでお届けしています。
仕事に行けないのは甘えではない場合も!仕事に行けない悩みを抱える方はKaienへ相談を
仕事に行けないとまで思い悩む場合は、甘えや怠けではなく、身体症状やメンタル不調などが出ている可能性があります。ご自分を責めたり無理を重ねたりして状況が悪化する前に、医療機関や各種の支援機関などに早めに相談してみてください。
株式会社Kaienは、一人ひとりの違いが尊重される社会を目指して、2009年の創業以来、支援を続けてきました。特に、発達障害や精神障害のある方の特性や強みを活かした就労につなげるリワーク、就労移行支援、自立訓練(生活訓練)で豊富な実績を持っているのが強みです。
Kaienでは、科学的な根拠と、支援を続けるなかで積み重ねてきた知見をふまえながら、本人の気持ちや立場を大切にして支援しています。職場の状況や障害特性による得意・不得意などを一緒に整理しながら、無理のないペースで前向きに進めるようお手伝いいたします。
休職中や休職をお考えの方は、以下の資料もご覧ください。
「休職中の過ごし方がわかる・リワーク説明会」
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます。
監修者コメント
メンタルの不調とは「職場や社会生活における心理社会的要因(ストレス要因)が契機となって、心身に不調をきたすこと」と言えるのではないでしょうか。難しいのは、何がストレス要因になるのかは人によって違い、誰もが同じ結果にはならないということです。個人個人にその人なりのストレスへの脆弱性や回復に向かう力(レジリエンス)があるとも言えるでしょう。私は外来でメンタル不調が「甘え」と感じられたことは一度としてありません。不調の理由には、精神疾患であることもあれば、その方をとりまく環境への適性が問題な場合もあります。メンタル不調にはその不調に至った理由があるはずです。状況打開のために、本記事の対策を参考にしてどこかに相談してみましょう。尚、精神科医としては、現れているのがメンタルの不調であっても、身体疾患がベースになっている可能性は必ず念頭に置いています。メンタルに影響する身体疾患は、甲状腺機能異常が代表的ですが、鉄欠乏性貧血が理由なことだってあります。そういう意味で医療機関の選択肢はとりあえず検討してみることをお勧めします。

監修 : 松澤 大輔 (医師)
2000年千葉大学医学部卒業。2015年より新津田沼メンタルクリニックにて発達特性外来設立。
2018年より発達障害の方へのカウンセリング、地域支援者と医療者をつなぐ役割を担う目的にて株式会社ライデック設立。
2023年より千葉大子どものこころの発達教育研究センター客員教授。
現在主に発達障害の診断と治療、地域連携に力を入れている。
精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、医学博士。



