「自分と周りは違う」という違和感に向き合い、納得のいく「縁」を掴み取るまで

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自立訓練(生活訓練)を利用し、4月から印刷会社の資材部への入社が決まったYさん。大学時代の挫折、公務員試験への挑戦と方針転換、そしてトントン拍子で決まった内定。一見すると波乱万丈な道のりを、どのようにして「納得感のある結果」へと変えていったのでしょうか。スタッフや周囲との関わりの中で見つけた、自分らしい生き方と「自立」の形についてお話を伺いました。


▼ご本人のプロフィール


  • 年齢:20代
  • 診断名:発達障害(自閉スペクトラム症など)
  • 苦手なこと:先の見通しを立てること、計画的な行動
  • 就職先:印刷業(資材部)


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自由が増えた大学時代に直面した「管理されない」ことの難しさ

――― 本日はよろしくお願いします。まずは幼少期について教えていただけますか?

小さい頃は周りから「活発だね」とよく言われていました。いたずらをして怒られることも多い子どもでしたが、好奇心が旺盛なところは今も昔も変わっていないと思います。ただ、大人になるにつれて、性格的には当時ほど積極的ではなくなったかなと感じています。

――― 昔から「周りと自分は少し違うかも」と感じることはありましたか?

高校生くらいまでは、大きな違和感はありませんでした。たまに、他の人も同じように悪いことをしているのに、なぜか自分だけが目立って怒られてしまうような、「タイミングの悪さ」を感じることはありました。でも、学校の先生からも「正常の範囲内」と言われていましたし、当時は特に気にしていなかったんです。

――― 変化があったのは、いつ頃だったのでしょうか。

 大学に入ってからですね。ちょうどコロナ禍に入学した世代で、授業がオンラインになったり、生活の自由度が格段に上がったりしました。小中高まではある程度先生や学校に「管理」されていましたが、急に自由になった時、どう動いていいか分からなくなってしまったんです。見通しが立たなくて単位を落としたり、友達を作るのが難しかったり。そこで「自分は周りと違うのではないか」と強く感じ、病院を受診しました。

「自立訓練(生活訓練)」という選択肢。自分の特性を受け入れ、歩み始める

(ペットにも日々癒されています…とYさん)

――― 病院での受診を経て、Kaienを利用することになったきっかけを教えてください。

大学を休学し、公務員試験を目指していたのですが、一人でメリハリのある生活を送れるか不安だったんです。大学のカウンセラーさんに相談したところ、就労移行支援のようなサービスがあると聞き、Kaienを知りました。説明会に参加した際、スタッフの方から「今の状態なら、まずは自立訓練(生活訓練)で土台を作るのがいいのではないか」とアドバイスをいただき、利用を決めました。

――― 他の支援機関も検討されたそうですが、Kaienを選んだ決め手は何でしたか?

学生専門の支援機関もありましたが、休学中の自分にとっては少し居心地が悪そうだなと感じて。Kaienは社会人経験のある方も利用されていると聞き、幅広い年齢層がいる環境の方が自分に合っていると思ったのが理由です。

――― 実際に利用を始めて、どのような訓練に取り組まれたのですか?

最初はオンライン講座を網羅的に受けました。生活リズムの整え方や、ストレスへの対処法、あとは苦手だった金銭管理の講座などです。利用者の皆さんと交流する「しゃべり場」にも積極的に参加しましたね。当時は公務員試験の勉強が生活の中心だったので、自分の内面を整える講義を優先して受けていました。

「周りの力を借りる」ことも自立の一つ。訓練で得た対人スキルの変化

――― 1年強の訓練期間を経て、ご自身の中で変化を感じる部分はありますか?

一番大きいのは、周りに相談ができるようになったことです。以前は一人で抱え込んでしまうタイプでしたが、計画を立てるのが苦手なら、スタッフの方と一緒に目標を細かく決めていけばいいんだ、と思えるようになりました。あとは、他人の意見を柔軟に受け入れられるようになり、折り合いをつけるのも以前よりスムーズになった気がします。

――― 周囲のスタッフや病院の先生からも、変化を指摘されることはありますか?

はい。主治医やカウンセラーさんからは「話し方が大人びたね」「報告や相談がしっかりできるようになった」と言われます。自分ではあまり実感がなかったのですが、周りからそう言われると、明確に成長できているんだなと自信に繋がりました。

――― 講座や「しゃべり場」での学びを、具体的にどう自分のものにしていったのでしょうか。

講座の内容をただ聞くのではなく、「これは自分にも当てはめられるかな?」と常に考えていました。また、スタッフの方から「自分が思っているほど周りと浮いているわけじゃないよ」と言われたことも印象に残っています。自分で「こうだ」と思い込んでいた評価と、周りからの客観的な評価は違うんだという気づきは、コミュニケーションの不安を和らげてくれました。

公務員試験の挫折から、トントン拍子で掴んだ「縁」のある内定

(銭湯によく行かれるそうです)

――― ずっと公務員を目指して猛勉強されていましたよね。進路を民間企業に切り替えたのはどのような経緯だったのですか?

実は、公務員試験は面接で落ちてしまったんです。筆記は独学で通ったのですが…。正直、落ち込みましたが「切り替えないと始まらない」と思い、1月に就活サイトに登録しました。すると、たまたま今の内定先からスカウトをいただいたんです。

――― そこから内定までは早かったのでしょうか?

一次面接、インターン、最終面接と進み、およそ1ヶ月間で内定をいただきました。公務員試験のために自己分析を徹底的に行い、自分の特性(強み・弱み)や配慮事項を整理していたので、準備は万端だったのが良かったのだと思います。

―――そちらの会社で内定を受諾した理由を教えてください。

会社が扱っている製品も日常でよく目にするものだったので、「ここで頑張りたい」と素直に思ったからです。

印刷会社の「要」として。一歩ずつ着実にキャリアを築きたい

――― 4月からはどのようなお仕事をされる予定ですか?

シールやラベルの印刷会社で、資材部という部署に配属されます。得意先にサンプルを送ったり、営業さんと製造現場を繋ぐ調整役のような仕事です。会社の方からは「会社の要となる部署だ」と言われているので、自分の集中力や吸収力を活かして貢献したいですね。

――― 今後の目標を教えてください。

まずはしっかりと仕事を覚え、正社員になることが最低限の目標です。そこから少しずつステップアップして、昇給や昇格を目指していけたらいいなと思っています。自分らしく、長く働き続けたいです。

――― 紆余曲折ありましたが、最後は納得のいく形でスタートラインに立てましたね。

大学をずるずると続けて良くない方向に行くより、この1年ちょっとを自立訓練で過ごして本当に良かったです。自分の成長を実感できましたし、働くための土台もしっかり固めることができました。

付録:野球に銭湯、自分を癒やす「推し活」の時間

(よく足を運んでいる球場のお写真だそう)

――― ここからは少しプライベートなことも伺いたいのですが、休日はどう過ごされていますか?

野球観戦が大好きです!オリックス・バファローズのファンなので、シーズン中は球場によく足を運びます。

仕事終わりにナイターを観に行けたら最高だな、と今から楽しみにしています。

あとは冬ならスキーなどのウィンタースポーツ、あとはスーパー銭湯に行ってリフレッシュするのが定番ですね。

――― ストレス対処法もバッチリですね。最近一番嬉しかったことはやはり……。

間違いなく、内定をいただいたことですね。公務員試験に落ちた時は「次もダメならどうしよう」と不安でしたが、今の会社に決まった時は本当にホッとしました。

――― 持ち前の吸収力と、冷静に自分を分析する力があれば、きっと新しい職場でも活躍できるはずです。4月からの新生活、応援しています!

ありがとうございます。自分らしく頑張ります。

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