AIを「思考の補助輪」に。自己理解を深め、クリエイティブな再出発へ

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「自分は周りと何かが違う」という違和感を抱えながら、波乱に満ちた20代を過ごしてきたUさん。アルコール依存や双極性障害といった困難に直面しながらも、自立訓練(生活訓練)での約4ヶ月間を経て、自分自身の特性を「武器」として捉え直すことができたと語ります。最新のAIを駆使して自己分析を行い、次なるステップである就労継続支援A型でのクリエイティブ職へと踏み出すUさんに、これまでの歩みと変化のきっかけを伺いました。


▼ご本人のプロフィール


  • 年齢: 30代
  • 診断名: 双極性障害、ADHD(注意欠如・多動症)傾向、アルコール依存
  • 苦手なこと: 感情の抑制、ルーティンワーク、ワーキングメモリの少なさからくる不注意
  • 利用サービス: 自立訓練(生活訓練)
  • 進路: 就労継続支援A型(動画・画像生成AIを活用したクリエイティブ職)


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「感受性が強すぎた」幼少期と、家庭環境から受けた影響

――― まずは、幼少期について教えていただけますか。

 振り返ってみると、かなり神経を細かく使う子供だったと思います。父親が、今思えばASD(自閉スペクトラム症)の傾向がある人で、非常に理不尽に怒鳴ることが多かったんです。精神的な圧迫感は常にありました。一方で母親は非常に優秀で少し尖ったところがあり、そんな両親の気質をどちらも受け継いでいる感覚があります。

――― ご自身の性格をどのように捉えていましたか?

とにかく「感受性が高い」ですね。10代の頃から、アニメや映画を観ては人の何倍も涙を流すようなタイプでした。でも、家庭内では自己表現が抑圧されていたので、自分の意見を外に出すのがすごく苦手で。周囲からは「何を考えているかわからないやつ」と思われたり、言い返せないのをいいことに軽く扱われたりして、他者とのコミュニケーションにはずっと齟齬を感じていました。

20代での長期入院と、ブラックな環境での「3年間の完走」

――― 20代の頃は、体調面でも苦労されたとお聞きしました。

はい。14歳で最初の病気をして、20歳の時には長期入院を経験しました。大学卒業は25歳と少し遅れましたが、最初に入ったのは中古車販売会社でした。いわゆる「ブラック」と言われるような非常に厳しい環境でしたが、そこで3年弱やり抜いたことは、自分の中で一つの自信になっています。

――― その後はどのようなキャリアを歩まれたのですか?

営業職で失敗も経験しましたが、その後ハローワークの職業訓練でWebデザインを学びました。「どうすれば人間が心地よさを感じるのか」という感性を磨くのが楽しくて。派遣社員としてAdobeのソフトを使ったプロダクトデザインの仕事に2年ほど携わりました。ただ、お酒の問題や気分の浮き沈みがあり、生活リズムを安定させることがどうしても難しかったんです。

コロナ禍とAIの登場が、「自己理解」の大きな転換点に

――― Kaienの自立訓練を利用しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

決定的なのはコロナ禍ですね。社会が混乱する中で「事象の捉え方は人それぞれなんだ」と痛感し、これまでの営業職などの働き方に強い違和感を覚えたんです。同時にAIが急速に進化し始め、これからの社会での「人間らしい仕事」のあり方が変わると直感しました。

――― そこで、まずは生活を立て直そうと考えたのですね。

そうです。アルコール依存の治療もしながら、まずは「毎日同じ時間に起きる」という、社会人として当たり前のリズムを取り戻したかった。双極性障害、ADHD、HSP(繊細さ)傾向、そしてアルコール。この4つが複雑に絡み合って崩壊していた生活を、Kaienという環境を使って再構築しようと決めました。

AIを「批判的」に使いこなし、独自のフレームワークで自分を分析

――― 訓練の中で、AIを非常にユニークな方法で活用されていたそうですね。

はい、AIを単なる「相談相手」ではなく、自分のバイアスを排除するための「思考の補助輪」として使いました。ChatGPTなどに対して、「論理的思考」「批判的思考」「システム思考」といったフレームワークを前提条件として与え、僕の過去の文脈や特性を客観的に分析させたんです。

――― 具体的にはどのような気づきがありましたか?

自分の思考がいかに「非線形」であるかが明確になりました。AからBへ順序立てて考えるのが苦手で、いきなりAからZに飛躍してしまう。また、完璧主義すぎて「一発で100点を出さなきゃ」と自分を追い詰めていたことにも気づけました。今は「とりあえず毎日50〜55点を取り続ける」ことを目標にするという、心理的なリフレーム(捉え直し)ができるようになりました。

――― アニメ作品を通じた自己分析もされていたとか。

『葬送のフリーレン』や『ミュウツーの逆襲』といった作品を題材に、登場キャラクターの特性を自分に当てはめてAIと議論しました。「この時間感覚のズレは発達特性によるものか?」といった問いを立てることで、自分自身の「アイデンティティ」や「幸せの定義」を深掘りできたのは、非常に濃密な時間でした。

ワーキングメモリの少なさを「ミニマル思考」でカバーする

――― ご自身の課題に対して、どのような対策を立てていますか?

僕は人よりワーキングメモリ(脳の一時的な記憶容量)が少ない。だから「考えなくていいことは考えない」と決めています。服選びや食事のメニューなど、こだわりがない部分はルーティン化して、脳のリソースを自分のクリエイティブな活動に全振りする「ミニマル思考」を徹底しています。

――― 約4ヶ月間の訓練を終えて、今どのような心境ですか?

以前の「何もしていなかった時期」に比べて、圧倒的に内容の濃い時間でした。他の利用者との交流やプロジェクトを通じて、自分の人生を棚卸しし、今後の展望を真剣に考えることができました。自分を客観視できるようになったことが、一番の収穫です。

「記憶に残る美しい人生」を求めて、クリエイティブの世界へ

――― 4月からは就労継続支援A型に進まれるそうですね。

はい。ここもAIを使って徹底的にリサーチして決めました。動画生成AIや画像生成AIを駆使してSNSマーケティングなどを行う、非常にクリエイティブな環境です。まずは1年かけて、この分野のプロフェッショナルになりたい。そして、将来的には2028年の大学再受験も視野に入れています。

――― 最後に、これからの目標を教えてください。

これからは「個性が面白がられる時代」になると思っています。ただ便利なものを作るのではなく、自分の感性を活かして社会に価値を生成していきたい。ドラえもんのように、どこかドジだけど人間味があって、唯一無二の色がある。そんな、自分にしかできない表現を仕事にしていけたら最高ですね。

付録~Uさんについて~

――― 趣味も多岐にわたるとお聞きしました。

 アニメ鑑賞もそうですが、最近は「極限状態での脳の覚醒」に興味があります。サウナの後の水風呂もそうですが、いつかバンジージャンプやスカイダイビングをやってみたいんです。高所恐怖症なんですけど、その恐怖を超えた時に自分の脳がどう反応するのか実験したくて。

――― 凄まじい好奇心ですね!最近一番嬉しかったことは?

やはり、自分のやりたいことにジャストフィットするA型事業所への採用が決まったことです。30代半ばですが、能動的に動けば新しい刺激はいくらでもある。この波乗りを楽しめる自分であり続けたいですね。

――― Uさんの独特な視点、これからの仕事にどう活かされるか楽しみです。ありがとうございました。

(「自分でAIを使って作成した画像です!」とYさん。)
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