精神障害者の雇用が「第2位」へ — 障害者雇用の最新動向と知っておきたい5つのポイント(YouTubeライブ配信「お悩み解決ルーム」2026年1月15日配信より)

本記事は、Kaien公式YouTubeにて、Kaien代表取締役:鈴木慶太が毎週配信しているライブ配信番組「お悩み解決ルーム」2026年1月15日配信分より再構成したニュース記事です。

元NHKアナウンサー。自身の長男が発達障害の診断を受けたことをきっかけに、米国留学(MBA取得)を経て株式会社Kaienを設立。 「数的な凸凹があっても、強みを活かして働ける社会」を目指し、大人向けの就労支援から子ども向けの学習支援(TEENS)まで幅広く事業を展開している。 経営者として、また一人の親としての視点を交えた発信は、多くの当事者・家族から支持を得ている。

▼ 代表・鈴木に直接質問できるライブ配信を開催中。毎週開催の「Kaienお悩み解決ルーム」ほか、就職や生活に役立つ情報を配信しています。

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記事の概要

障害者雇用をめぐる状況が、いま大きく変わりつつあります。長年「就労が難しい」と言われてきた精神障害・発達障害のある方の雇用が急増し、障害者雇用の構造そのものが塗り替えられようとしています。今回は、ニューロダイバーシティ社会の実現を目指す株式会社Kaienの代表・鈴木が解説した最新動向をまとめました。


精神障害者の雇用が急拡大——知的障害を抜き、いよいよ「第2位」へ

厚生労働省の2024年データによると、障害種別の雇用数は次のように推移しています。

  • 身体障害:ほぼ横ばいで推移
  • 知的障害:約4%増
  • 精神障害約15%増と急速に拡大中

精神障害者の雇用数は2024年データで、知的障害者とほぼ並んだ水準に達しており、2025年データではすでに逆転していると考えられます。つまり、障害者雇用における精神障害者の割合が「第2位」に浮上するだろうということです。

また、障害者雇用率は2026年7月より2.7%に引き上げられる予定であり、今後もこの傾向は加速していくと考えられます。

身体障害者を抜く日は?

現在の精神障害者の雇用増加ペースが続いた場合、身体障害者の雇用数を上回るのは2030〜2031年ごろと推計されます。「障害者雇用=精神障害者の雇用」という時代が、すぐそこまで来ています。


障害者の「数」の実態——手帳と推計の違いを知る

よく引用される内閣府の障害者白書(2018年時点)では次のような推計が示されています。

  • 身体障害:約436万人
  • 知的障害:約108万人
  • 精神障害:別途推計

ただし、この数字はいくつかの点で注意が必要です。

手帳の数=実際の障害者数ではない点が重要です。たとえば「療育手帳(知的障害)」は全国統一の基準がなく、自治体ごとに判断が異なるため、国として正確なデータ集計が難しい状況にあります。

また、最新の推計では障害者全体の割合は人口の約9〜10%、1,000万人超に達しているとも言われています。


「障害」の表記問題——当事者はどう感じているか

「障害」の「害」の字をひらがなにして「障がい」と表記する動きがあります。実際のところ、当事者はどのように感じているのでしょうか。

配信内で実施したアンケート(約50票)の結果は次のとおりでした。

回答割合
気にしていない約75%
ひらがなだと良い少数
「碍」の字が良い少数
その他少数

実際には、当事者の大多数が「障害」という表記自体をそれほど気にしていないという結果になっています。

一方で、「障害の『害』だけをひらがなにする意味が分からない。どうせなら全部ひらがなにすれば良い」という指摘もあります。また、「障害」は法律用語でもあり、ネット検索での発見しやすさという観点からも、現状の表記には実用上のメリットがあります。

結論として、表記にこだわることは書き手の自己満足になることもあり、当事者の多くにとってより重要なのは表記よりも実質的な支援の中身だと言えそうです。


「障害者雇用=事務職が多い」のはなぜか——IT系の実情も解説

「なぜ障害者雇用は事務職ばかりなのか」というのはよくある疑問です。背景には市場規模の問題があります。

障害者雇用は、全就労者の約2%という限られた市場です。企業側としては、マッチング数を確保するためにニーズの高い「よくある職種」を求人として出す傾向があります。これは、母数が少ないほど求人が一般的な職種に偏るという自然な構造によるものです。

IT系・エンジニア系の障害者雇用は?

実は、IT関連の障害者求人は「第2位」規模の多さがあります。ハローワークでも、支援機関でも、エンジニア系での就職者は決して少なくありません。

ただし、昨今のAIの台頭により、特にエントリーレベルのエンジニア職は状況が変わりつつあります。アメリカでは情報系学部の就職率が急落しており、日本でも同様の流れが徐々に現れてきています。一般枠でもエンジニア志望者が従来のIT企業以外に応募するケースが増えているのは、こうした変化の表れと言えます。

一方で、障害者雇用枠は企業が簡単に削減できない「守られた枠」でもあります。AIの波が障害者雇用にすぐに及ぶ可能性は現時点では低く、その意味での安定性はあると言えます。


Kaienが目指す支援のあり方——「ニューロダイバーシティ」とは

株式会社Kaienは創業16年、「仕事と強みをキーワードに特性を生かして企業や社会を前進させる」ことをミッションとする会社です。

支援の考え方として、以下の2つの極端を否定しています。

  • ❌「障害を直さないと自立・就職できない」という不安をあおること
  • ❌「発達障害者はみんな天才」という無責任な楽観主義

その代わりに、科学的事

実に基づき、当事者の視点を尊重しながら、現実を直視しつつ前向きに行動することを大切にしています。

創業当初は「精神障害者を雇用している企業なんてほとんどない」「そこでビジネスをするのは無理」と言われていました。しかし現在、精神・発達障害者の雇用は急拡大し、時代は確実に変わっています。


まとめ

ポイント内容
精神障害者の雇用2024年時点で知的障害と並び、2025年には第2位へ
雇用率2025年7月より2.7%に引き上げ
将来予測2030〜31年ごろ身体障害者の雇用数を抜く見込み
IT系求人障害者枠でも2番目に多い職種群。ただしエントリーレベルはAIの影響も
表記問題当事者の約75%は「気にしていない」

障害者雇用は今まさに転換期を迎えています。正確な情報をもとに、一人ひとりが自分に合った働き方を選べる社会に向けて、状況は着実に進んでいます。


参考資料

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