人と関わらない仕事を求めて

営業職での挫折と孤独

私はこれまで、4社で営業職として働いてきました。しかし、そのどれもが長続きせず、最終的には人間関係のトラブルで退職することになりました。昔から、「空気が読めない」「短気すぎる」「思いやりがない」と言われることが多く、周囲との衝突が絶えませんでした。少しでも改善しようと、コミュニケーションの本を読んだり、オンラインの会話講座を受けたりしましたが、結局はどれもうまくいきませんでした。

特に直近の会社では、上司や同僚との関係が最悪でした。私が意図せず発した一言が相手を傷つけてしまったり、逆に相手の言葉の真意が理解できずにトラブルになったりと、すれ違いの連続でした。次第に精神的に追い詰められ、会社に行くことが苦痛になりました。そして、最終的に退職を決断しました。

就労移行支援との出会い

退職後は、しばらく療養の日々を送りました。しかし、老後のことを考えると、いつまでも休んでいるわけにはいきません。少しでも安定した収入を得るため、何か自分に合った仕事を探さなければならないと思いました。そこで、藁にもすがる思いで就労移行支援の利用を決めました。

最初は半信半疑でした。「どうせ、また人間関係でつまずくのではないか」と不安でしたが、就労移行支援では、自分の特性を理解し、どうすれば働きやすい環境を作れるのかを考えることができました。そして、改めて自分の適性を見つめ直すことになりました。

軽作業という新しい道

これまでの経験から、私は「人と関わる仕事は向いていない」と痛感していました。しかし、もともと人と話すことが好きだったため、「本当にコミュニケーションを避けるべきなのか？」と悩むこともありました。

そんな中で気づいたのは、「人と関わることが嫌なのではなく、トラブルになるのが嫌なのだ」ということでした。つまり、適度な距離感で関われる仕事なら問題ないのではないかと考えました。そこで、就労移行支援のスタッフと相談しながら、人と深く関わらずにできる仕事として軽作業を選びました。

ルーティン業務が多い軽作業は、私にとってとても安心感のある仕事でした。決められた手順を守り、黙々と作業をこなすことで、余計なストレスを感じることなく働くことができました。人間関係のストレスが少ない環境のおかげで、以前のように精神的に追い詰められることもなくなりました。

無理をしない働き方を選ぶ

現在、私は軽作業の仕事をしながら、無理のない働き方を模索しています。これまでの職場では、「もっと人とうまく関わらなければ」と焦っていましたが、今は「無理をしなくてもいい」と思えるようになりました。

もちろん、これから先も悩みや課題はあるでしょう。しかし、就労移行支援を通じて学んだのは、「自分に合った環境を選ぶことが大切」ということです。これまでのように、「社会に適応しなければならない」と自分を追い詰めるのではなく、自分の特性を受け入れ、できる範囲で働いていこうと思います。

軽作業の仕事を通じて、自分のペースで働くことの大切さを実感しました。これからも、自分に無理をさせることなく、長く続けられる仕事をしていきたいと考えています。