
母との関係と感じていた「居場所のなさ」
子どもの頃から家庭の中で「居場所がない」と感じていました。母は優しく、妹の不登校にも一生懸命向き合っていましたが、その中で私自身は母の愚痴を聞く役割になり、自分の気持ちを表に出す機会がありませんでした。それでも公立の小中学校では友達と楽しい時間を過ごし、学業にも励むことができました。ただ、九九を覚えるのに苦労したことは今でも記憶に残っています。
理想と現実のギャップが生む「しんどさ」
社会に出てからは主に事務職に就きましたが、「こうあるべき」という理想と自分のアウトプットの間に大きなギャップを感じることが増えました。完璧にやりたいという思いが強くなるほど、情報が整理できず混乱し、心身ともに疲弊してしまうのです。その一方で、自分の限界に気づかずに無理を重ねることも多くありました。このままでは続けられないという不安を抱え、支援を受ける決心をしました。
Kaienで身につけた「整理」と「マインドフルネス」
Kaienの就労移行支援に通い始めてから、理想と現実のギャップを埋める方法を学びました。特に効果があったのは、情報を「見える化」することです。具体的には、タスクリストやExcelを使って業務を整理し、混乱に陥らないよう工夫しました。また、しんどさを感じたときに「好きな音楽を聴く」「やらないことをリスト化する」など、マインドフルネスを取り入れた行動を増やすことも取り組みました。これらの実践を通して、心の余裕が少しずつ生まれるようになりました。
再スタートを切った安定した日々
現在は事務補助として働きながら、自分に合ったタスク管理の方法を活用して業務に取り組んでいます。以前のように混乱に飲まれることなく、ひとつひとつ丁寧に進められるようになりました。「理想」を追い求めることをやめたわけではありませんが、自分のペースで「現実」と折り合いをつけながら前進しています。50代という年齢での再スタートは決して簡単ではありませんが、これまでの経験とKaienでの学びを活かし、安定した生活を続けていきたいと考えています。
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