話すことが苦手なPさんが“報連相”を通じて得た変化と自信

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▪年齢:20代前半
▪診断名:自閉症スペクトラム
▪特性/苦手:社会性の低さ/作業指示が複雑になると細かい指示が抜けてしまう/形態知覚、空間判断力、数理能力では高い能力を示した/自分の気持ちを上手く話せない
▪出口:Kaienの就労移行支援利用中


新しい環境への苦手意識があった幼少時代

―――幼い頃はどんなお子さんでしたか?

私は昔から新しい環境が苦手で、そのせいか、小さい頃は落ち着きがありませんでした。

例えば、教室の雰囲気にどうしても馴染めないと感じると、不安になって飛び出してしまうこともよくありました。焦りを感じてしまい、そんなことを何度か繰り返していたんです。

―――ご自身の性格を一言で表すなら?

普段はおとなしい性格です。

―――周囲と自分の違いを感じたことはありますか?

学生生活において、次に何をしなければいけないか、わからなくなってしまうことがよくありました。

人の話を聞くときに、頭の整理が追いつかず、訳のわからない状態になってしまうせいかもしれません。

そのため、どうしたらよいか困り、先生に尋ねたこともよくありました。

―――ご自身の特性や苦手なことについて教えてください。

話すことが一番苦手で、意味不明なことを発言してしまうことがよくあります。うまく喋れず、たまに「かんでしまう」こともあります。

―――一方で、得意だと感じることはどのようなことでしょうか

幼い頃から、「理数系」や「形の認識」が得意です。そのため、計算や漢字を覚えることが得意です。特にお金の計算は速いと思います。パソコンのタイピングも得意です。

苦手な作業への工夫〜できることが増えたKaienとの出会い〜

(屋上でよく日焼けをしています、とPさん)

―――Kaienに通う前はどんなことをされていましたか?

中学や高校時代は放課後デイサービス「ティーンズ」に通っていました。

小学校4年生のときからは、麻布十番のパソコン教室に通いました。パソコン操作は楽しかったです。大学では会計学の基礎知識を身に付けました。

―――Kaienで訓練を始めようと思ったきっかけは何でしたか?

親からのすすめです。一緒に見学に行って、雰囲気が良かったのでKaienに決めました。

―――Kaienのサービスを複数利用され、「ここが自分に合っていた」「こういう点が役に立った」と感じたことはありますか?

Kaienでは、挨拶と報連相のスキルを身につけることができました。

特に報連相の仕方は「今よろしいですか」とか「開始の報告です」「資料の報告になります」など、パターン化させると慣れると学べました。

パソコンでのタイピングが得意なので、Kaienでは事務作業が自分に合ってると思いました。タイピングは小学校からやってるから、これも習慣ですね。ずっと座りっぱなしでは疲れてしまいますが、タイピング自体は好きなんです。

―――訓練中、苦手だったことやうまくいったことはありますか?

小さい頃から、清掃作業は苦手でした。特に雑巾がけのような、体を使う掃除は不得手です。しかし、Kaienでの訓練を通じて、清掃業務でも力を発揮できるようになりました。

コミュニケーション全般、人と普通に話すことが苦手です。言われたことに対して、噛み砕いて表現するのが特に苦手かもしれません。

―――苦手なことに対して工夫したことや対策を見つけられましたか。

苦手なことへの対策は、メモを取ることです。メモを取ったほうが効率よく覚えられるのではないかと思いました。

―――生活訓練から就労移行に移ろうと思われたきっかけは?

今後、就活を積極的に始めるために、今は就労移行支援に通っています。

(Pさんの家を守ってくれているという「幸福の木」)

―――最も長く所属していたコースでは、どんなことに取り組まれていましたか?

一番力を入れて取り組んでいるのは就活です。

就活では、履歴書作成や面接練習に積極的に取り組みました。書くこと自体はそこまで億劫じゃないのですが、話すことがどうしても苦手です……。何度もメモを見返さないといけないですし、難しくはないのですが、やること自体が億劫になってしまっています。

―――訓練を通じて学んだこと、今後の仕事にも役立ちそうなスキルは何ですか?

先ほどもお伝えしましたが、メモを取りながら話を聞くことと相槌を打つこと、報連相の仕方です。また、勤務態度や作業スピードを学び、スキルを身につけることができました。

―――訓練を経て「自分が変わった」と感じることはありますか?

時間管理の方法やマナーの知識も身につきました。

もともと時間管理が苦手で、寝過ごしてしまうことがよくありましたが、今は大丈夫かなと思います。

就活へのチャレンジ〜事務や物流の仕事を目指して〜

―――就活は訓練開始からどのくらいで始められましたか?

就労訓練を開始して半年近く経った頃に就活を始めました。

―――就活の軸はありましたか?

職場環境と仕事適性を軸にしました。給料などの条件ももちろん大事ですけど、生活面の方が気になります。また、一番得意なのは事務作業やパソコンでの作業なので、パソコンで仕事ができるところから探しました。

他にも、経理が得意なので、その適正が活かせる環境選びが軸になります。

―――今後どんな仕事に挑戦してみたいと思いますか?

実習では、スーパーの商品を補充する物流作業の経験も積みました。比較的得意だなと感じたので、事務作業以外にも物流作業もしてみたいです。

付録 〜Pさんのこと〜

(毎日トレーニングを続けることで健康を維持しています、と語るPさん)

―――趣味や休日の過ごし方は?

休みの日は、ゲームや筋トレをしたり、テレビを見たりして過ごします。

特によくやっているのはスマホのゲームです。

ヨガマットで筋トレをしながらテレビを見たり、Kaienの帰りに散歩をしたりもしています。

―――最近楽しかったこと、嬉しかったことは?

ここ最近で一番嬉しかったことは、兄がフリースタイルフットボールの世界大会で3冠をとったことです。家族が喜んでいる姿を見るのはやっぱり嬉しいですね。 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われています。

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