「真面目さ」を武器に。迷いやすさ克服し、安定したリズムで再就職を目指す

▪年齢：40代 ▪診断名：社交不安障害、適応障害 ▪特性／苦手なこと：気持ちの切り替え、優柔不断

「真面目さ」と「流されやすさ」の葛藤

――― ご自身の性格を一言で表すとしたら何になりますか？

そうですね、「真面目」だと思います。

――― 周囲とご自身が「なんか違うな」と感じたことはありますか？

多少、融通が利きづらいと感じることがあります。それは、臨機応変に対応するのが苦手な部分から来ていると思います。周りのペースと比べて、自分は少しゆっくりなのかなと感じる部分はありますね。

――― 現在の診断名と、ご自身の特性だと感じることについて教えてください。

診断名は社交不安障害と適応障害です。自分の特性として強く感じるのは気持ちの切り替えが苦手で、迷いやすく、決めるのが苦手なことです。

また、周りの雰囲気や相手に合わせて流されてしまう傾向があります。本当は嫌だと思っていても合わせてしまい、特に前の職場などでは、その流されやすさで非常に生きづらさを感じていました。

自分のペースで通えることが利用の決め手に

――― Kaienにつながる前のご経歴について、教えてください。

前職を退職したあと、1年ほどの引きこもりの期間を経てKaienにつながりました。その前は、製造業の一般事務など事務職を合計10年ほど経験しています。その他にも、介護職（パート）やスーパーのレジなども経験しました。

――― リワークセンターで訓練を始めようと思ったきっかけは何ですか？

一番は、通院先の先生から「そろそろ就労先を探したらどうか」と後押しされたことです。あとは、インターネットやYouTubeで元々Kaienを知っていたこと、そしてネットから予約ができたことが大きかったです。電話だと緊張したり、迷ったりしたかもしれませんが、ネットで完結できたことでハードルが下がり、一歩踏み出すきっかけになりました。

――― 利用を決める前に体験に来られたと思いますが、Kaienを選んだ決め手は何ですか？

慣れない環境に通所することへの不安があったのですが、一人ひとりのペースに合わせてくれるという方針を明確に示してもらえたので安心しました。また、非常に落ち着く雰囲気だったこともあり、「とりあえず通って何かをしてみたい」という気持ちになれたのが決め手です。

日中の活動と他者からの刺激が好循環につながる

――― 印象に残っているプログラムはありますか？

認知行動療法のように、自分の考え方と向き合うプログラムももちろん勉強になりますが、特に印象に残っているのは「情報共有」の場があったことです。

利用者さんが発信してくださる本の内容や、就労移行での体験、過去の生き方など、色々な話を聞けて刺激になるんです。「ようこそ先輩*」のように、実際に働いている方の話を聞けるのも、先の目標を定める上で勉強になります。

＊「ようこそ先輩」とは、Kaienのサービスを経て就職された方を実際にお招きし、訓練や就活、現在のお仕事のことを語っていただくプログラムです。

―――リワークプログラムを通して、今後働く上で役に立ちそうだと感じる知識やスキルはありますか？

「セルフモニタリング」と「メンタルマネジメント」の知識です。

私は、自分のメンタルを自分自身でコントロールしながら、安定した働き方をしていきたいと思っています。そのために、セルフモニタリングで自分が今どんな状態かを把握し、「この状態ならこんな対処をしよう」というようなメンタルマネジメントのスキルを身につけることが、働く上で役に立つと感じています。

――― 通所を重ねて、ご自身が変わったと感じる点はありますか？

変化したのは、やはり生活リズムが整ってきたことです。私は週3日から通所を始めましたが、今では土曜日を含めると週6日通所することができています。日中、同じ時間に活動できるようになったことが、何よりも大きいです。

また、人との対話や交流を通じて、社会との繋がりを改めて持てたという実感が湧きました。それがいい循環となり、気持ちが前向きになったと感じています。

まずは面接を受けるところを目標に

――― 現時点で描いている未来や目標について教えてください。

まずは、自己理解がまだ完璧ではないので、リワークで自己理解を深めながら就職に向けた準備を進めたいです。具体的な目標としては、就職の面接をとりあえず受けるところまで進めることです。体力など土台の部分を整えて、就職活動に耐えられる心身の状態を目指します。