不安を「安心」に変える選択肢。スモールステップで進む、私らしい自立への道

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大学卒業を前にして、将来への不安や自身の特性との向き合い方に悩んでいたKさん。一時は一般雇用での就職を強く志していましたが、現在は自立訓練(生活訓練)を利用しながら、自分に合った働き方や生活リズムを丁寧に整えています。

「頑固一徹」と自称する彼女が、なぜ支援の場を求め、どのように変化していったのか。そのプロセスには、環境選びと「共感」というキーワードがありました。


▼Kさんの簡単なプロフィール


  • 年齢:20代
  • 診断名:不安障害、自閉スペクトラム症(ASD)、強迫性障害
  • 苦手なこと:突然のトラブル(電車の遅延など)への対応、大人数の中での活動
  • 利用サービス:自立訓練(生活訓練)


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「やめる」と言い続けた6年間。それでも大学を卒業できた理由

―――まずはKさんの幼少期について教えていただけますか?

自分ではあまり覚えていなかったのですが、母に聞くと「かなり引っ込み思案な子どもだった」みたいです。今こうしてお話ししていると意外に思われるかもしれませんが、実はすごく緊張しやすいタイプなんです。

―――それは確かに意外でした。学生時代はどのように過ごされていたのでしょうか。

大学には合計6年間在籍しました。実は1年生の時からずっと「やめる、やめる」と言い続けていたんです(苦笑)。でも、自分の中で「中退してしまったら、その後の就職に響くのではないか」という不安や、「ここまで頑張ってきたのだから絶対に卒業したい」という強い思いもありました。結局、持ち前の芯の強さで最後までやり通し、無事に卒業することができました。

―――6年間通い続けたのは素晴らしい粘り強さですね。当時、周囲との違いを感じることはありましたか?

不安が強すぎることですね。一度不安になると、安心したくて友達に何度も同じことを確認してしまうんです。それが原因で友達に嫌がられたり、距離を置かれたりして、人間関係で揉めてしまうことが何度かありました。中学が女子校だったこともあり、共学の雰囲気になじめず、しんどい思いをした経験もあります。

大学の支援室で得た「自分を分かってもらえる」という安心感

―――その不安感とは、どのように折り合いをつけていったのですか?

大学にある「障害学生支援室」との出会いが大きかったです。そこには様々な特性を持った学生が集まっていて、自分の悩みを話すと、先輩たちが「不安が強いのは特性なんだよ」と理解してくれたんです。

それまでは不安感からしつこくしてしまうことに対して、「申し訳ない」という罪悪感でいっぱいでしたが、分かち合える仲間ができたことで、安心できる居場所を見つけることができました。

―――同じ境遇の方との繋がりが、心の支えになったのですね。

はい。それから、支援室の先生の勧めで「学生サポーター」のアルバイトを始めたことも自信に繋がりました。車椅子の学生さんを教室まで案内したり、テキストデータを作成したり。特にパソコンの入力作業は大好きだったので、すごくやりがいを感じました。「配慮や理解がある環境」であれば、自分も力を発揮できるんだと気づけた経験です。

突然のトラブルが恐怖に。自分に合った環境を求めて

―――大学卒業後、就労移行支援ではなく自立訓練を選んだきっかけは何だったのでしょうか。

最初は就労移行支援の見学に行ったんです。でも、そこは「本物の職場」という雰囲気で、年齢層が高い男性も多く、人の多さに圧倒されてしまって……。「今の自分にはまだ早いかもしれない」と足がすくんでしまいました。そんな時にスタッフの方から「生活訓練(自立訓練)」という選択肢を教えていただいたんです。

―――事業所選びで重視した点はありますか?

私にとって一番のストレスは、電車の遅延や運休といった「突然のトラブル」なんです。予定が変わると、どうしていいか分からなくなり、パニックに近い状態になってしまいます。

以前通っていた場所は、JRが止まると代替手段がなくて本当に辛かったのですが、今の難波の事業所は複数の路線が使えるので、「もし止まってもあっちで行ける」という安心感があります。複数の選択肢があることが、私にはとても重要でした。

「拍手と合槌」が変えた、コミュニケーションへの苦手意識

―――自立訓練(生活訓練)ではどんなことをされていますか?

今は週5日、午前中の通所を目標にしています。以前は「週5なんて絶対無理」と思っていましたが、今はスモールステップで少しずつ滞在時間を延ばしているところです。最近は、事業所でお弁当を注文して食べる練習も始めました。栄養バランスも良くて、すごく美味しいんですよ(笑)。

―――ご自分のペースで滞在時間を延ばす工夫をされているのですね。訓練の中で印象に残っていることはありますか?

以前は人前で発言するのがすごく苦手で、講座でも黙り込んでしまうことが多かったんです。でも今の事業所は、誰かが発言すると皆が拍手をしてくれたり、温かく合槌を打ってくれたりします。その雰囲気に救われて、私も少しずつ意見を言えるようになりました。今では、他の利用者さんが発言された時は、私も積極的に拍手をするように心がけています。

―――「共感」し合える環境が、Kさんの頑固さを少しずつ解きほぐしているようですね。

本当にそう思います。以前は「自分の考えが絶対」というところがありましたが、他の方の意見を聞くことで「そんな視点もあるんだ!」と世界が広がる感覚があります。一人でいるよりも、皆と関わることで学べることの方がずっと多いんだなと実感しています。

自分の特性を隠さず、長く働き続ける未来を目指して

―――今後の目標や、将来のビジョンについて教えてください。

まずはExcelの資格取得や、大学で第二言語として学んでいた韓国語(第一は中国語)のスキルアップを目指しています。そして最終的な目標は、もちろん就職です。以前は「絶対に一般雇用でバリバリ働くんだ」と意固地になっていましたが、今は「自分の特性を周りに理解してもらった上で、長く安定して働ける場所」を見つけたいと思っています。

―――「一般」という枠にこだわらず、自分らしくいられる場所を探す方向に変わったのですね。

はい。グランドスタッフに憧れていた時期もありましたが、自分の特性を深く知った今、無理をして背伸びをするよりも、得意なパソコンを活かせる事務職などで、配慮を受けながら貢献していきたいです。

今は、自分の気持ちをドキュメントに書き出して担当のスタッフさんに共有し、二人三脚で対策を考えています。最近、強迫性障害の診断も受けたのですが、それについても「どう向き合っていくか」を一緒に考えてくれる人がいるので、心強いです。

―――一つずつ、着実にステップを登っていますね。同じように悩んでいる方へメッセージはありますか?

私は、休んでしまうと「なんで行けなかったんだろう」と後悔して自分を責めてしまうタイプでした。でも、今の場所に来てからは、無理のない範囲で、でも確実に一歩を踏み出す大切さを学びました。環境を味方につければ、人は少しずつ変われるんだと思います。

付録~Kさんについて~

 Kさんの愛犬トイプードルの「チョコ」(男の子)。元気で明るくて、みんなを笑顔にする性格ですとのこと

―――ここからは少しプライベートなお話も。好きなアーティストがいらっしゃるとか?

はい!K-POPのNewJeans(ニュージーンズ)が大好きです。もともと母や祖母の影響で韓国ドラマを見ていて、大学でも韓国語を専攻するくらい韓国文化が好きなんです。NewJeansの曲を初めて聴いた時は「これだ!」と衝撃を受けました。あとは、日本のグループだとSixTONES(ストーンズ)のファンクラブにも入っています。

―――日米韓、幅広いですね!休日はどのようにリフレッシュされていますか?

家で愛犬のトイプードルと過ごす時間が一番の癒しです。あとは、お気に入りのドラマを何度も繰り返し見ること。新しい作品に挑戦するより、展開が分かっている好きなシーンを何百回も見るのが落ち着くんです。ヘッドホンをつけて音楽に没頭して、自分の世界に浸っている時が、最高にリラックスできる瞬間ですね。

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