2E教育(twice-exceptional)「才能」と「障害」 どちらかが覆い隠されやすい2Eの人たちへの教育法とは?

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2E教育とは?

障害と才能を併せ持ち、その両方に個別のニーズに応じた支援が必要な状態を、「2E(twice-exceptional)」と呼びます。特に発達障害のあるお子さんへの支援の中で、2E教育が注目され始めています。

ポイントは「障害」と「才能」を併せ持つという点です。例えば「ギフテッド」ということはが2Eの意味で用いられることもありますが、その場合は「才能」だけでなく「障害」にも言及された内容であるかどうかを確認する必要があります。

日本の2E教育研究の第一人者である村松先生が主宰する2E教育フォーラム(https://2e-education.org/)では、①狭義の2E教育と、②広義の2E教育が紹介されています。以下の(1)と(2)は、2E教育フォーラムに記載された内容の引用です。

  1. 狭義の2E教育:診断のある一部の発達障害生徒について、才能教育で用いられる特定の基準で才能を識別した上で、障碍と才能両方に対応する特別プログラムを提供する。
    広義の2E教育:すべての発達障害(傾向・未診断も含む)生徒について、才能を識別しない場合も含めて、得意・興味(才能)を伸ばし、活かして苦手(障碍)を補う理念の下に、学習内容・方法・発表方法を個別化しながら、学習・社会情緒的支援を行う。

日本ではこれまで、子どもの「才能」に着目した教育プログラムは提供されていませんでした。したがって、(1)で示されるような「才能」をどのように評価するのか?個別の支援をどのように提供していくのか?等については、今後、具体的な方法やプログラムを開発していく必要があるでしょう。

狭義の2E教育における「才能」とは?

ひとことで「才能」といっても、様々なパターンが想定されます。

松村(2017)では、アメリカ連邦法の「初等中等教育法(Elementary and Secondary Education Act:ESEA)」内の定義を参照しながら、才能の概念を以下のように紹介しています。

  • 知能
  • 創造性
  • 芸術の能力
  • リーダーシップ
  • 特定の学問の能力(教科ごとの学力)

必ずしも上記の概念に当てはまる能力だけが「才能」として評価されるわけではありませんが、このような能力が他の人よりも並外れて秀でている場合に、「才能がある」と考えます。

前項の(1)狭義の2E教育と照らし合わせて考えてみましょう。

例えば、自閉スペクトラム症があり、他者とのコミュニケーションに困りごとを抱えているけれど、数学の能力が並外れて秀でているお子さんに対しては、コミュニケーションへの支援だけでなく、数学のちからをもっと伸ばす支援も必要です。

いっぽうで、日本ではこれらの才能を評価するための方法などは十分に確立されていません。現状の日本の教育システムでは、障害に対する支援は受けられても、才能に対する支援が不十分になってしまう、ということも珍しくありません

2Eのお子さんへの支援

障害と「才能」の両方に個別の支援が必要なお子さんについて、以下のようなケースが考えられます。ここでは、The National Education Association(2006)の内容を参考にしました。

「才能」があるが、才能のために障害が覆い隠されているケース
  • 特別なサポートを受ける必要がある可能性に気づいてもらえない。
  • 障害に気がついてもらえず、「やる気がない」、「怠けている」と思われてしまう。
障害があり、障害のために「才能」が覆い隠されているケース
  • 障害特性に焦点化された支援は受けられるが、「才能」への支援を受ける機会がない。
  • 本人の「才能」が加味されないことで、実態よりも知的能力が低くアセスメントされる場合がある。その結果、提供される支援が本人の発達水準やニーズにマッチしないことがある。
「才能」も「障害」も、両方が覆い隠されているケース
  • 「才能」や障害に対して個別の支援が必要だが、平均的な能力を持っていると思われてどちらに対しても支援を受けられない。

(1)狭義の2E教育でも、(2)広義の2E教育でも、お子さんの得意なことや苦手なことを整理して、同じ内容でも指導方法を調整したり、必要に応じて別の内容に代替したり、+アルファの学習内容を整えたりする必要があります

実はこれらは、すでに特別支援教育の中で広く実践されています。もちろん、それは特別支援学校に限らず、特別支援学級や、通級、通常級の中でも提供されます。
今後、苦手なことや困っていること(障害)だけでなく、興味のあることや得意なこと(才能)にも目を向けて、両方にアプローチできるような対応が進むことで、よりお子さんのニーズに応じた支援が提供できるようになるのではないでしょうか。

【引用・参考文献】

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