嫌な思い出がフラッシュバックしたときの対処法(体験談)

発達障害の人の視点で議論してもらいました ~キスド会 2019年7月 開催報告~
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奇数土曜日開催の在職者向けの当事者会「キスド会」では、参加者の皆さんが実際に体験した様々なお悩みが寄せられており、そのお悩みにスタッフや参加者が知恵を寄せ合って答えていきます。発達障害の傾向があるからこそ生まれるお悩み。今回は「嫌な経験を思い出してしまい、なかなか気持ちが晴れない」というお悩みをお送りします。

意識的に気持ちを切り替える

Aさん) 職場では一人で行う作業が多いのですが、ときどき過去の、仕事中にうまくいかなかったときのことを思い出してしまって、いわゆるフラッシュバックを起こして仕事に集中できないことがあります。幸い大きなミスにはつながっていないのですが、どうにかして嫌な経験がよみがえるのをコントロールできないか、皆さんから対処法をうかがいたいです。

スタッフ) ありがとうございます。共感する方が多いと思います。「私の場合はこう」とか共感のコメントでもいいのですが、お話してくれる方はいますか?

Bさん) これは僕の予想なんですけど、たぶん定型発達の方は気持ちの切り替えを自然に行えてるんじゃないかと思います。発達障害があると失敗した記憶も多いし嫌な記憶も残りやすいんですけど、嫌なら他の事を考えることを自然というか後ろめたいことではないと考えれば、そういう気持ちの切り替えが段々としやすくなるんじゃないかと思いました。

Cさん) 自分にもときどき嫌な思い出で頭がいっぱいになることがあります。自分でできることとしては、ちょっと休憩をとるとか、意識的に違うことを考えて心にフタをするといった訓練をして乗り切るしかないなと思います。あまりよくないかもしれませんが、ちょっと薬を飲むという手もあります。

Dさん) 主治医の先生が処方しているものなら全然かまわないと思いますよ。

Cさん) もちろん通院先でいただいているものです。先生に相談して、フラッシュバックのつらさによっては少し多めに飲むことも考えています。

Eさん) 僕は前に、完全に酔うまで呑んでカラオケ歌ってぱ―っと忘れようとしたことがあるんですが、逆効果でした。酔っぱらって悪態をついたりして大変なことになったので、それはオススメできません。

一同) (笑)

Eさん) ただ、フラッシュバックするということはまた起こる可能性があるわけじゃないですか。だからその時にどんなことをして、どう気分が変わったのかといったことをノートに書くなり紙に書くなりし、病院の先生やこういうところで相談をし、また大変なことにならないようにすることが大切だと思いました。

一同) (うなずく)

Eさん) 対策してもまた起こるかもしれない。でもその頻度や重さを減らさないことにはつらくなるじゃないですか、というところだと思います。

忘れよう、忘れようとするほど……

Dさん) 私が今通っているクリニックの先生に言われたことなのですけど、「失敗したときのことはもうしょうがない、障害なんだからしょうがないって、ある意味開き直った方が楽よ」だそうです。目からウロコでした。悪い意味で開き直っていてはダメですけど、それで仕事をうまく回せるようになるなら、ある意味開き直るっていう方法もありかなと思うんです。

Fさん) 私もたまに嫌な思い出がよみがえってくることがあります。でも、「今はそのときとは違う」、「今はおかしなことはしてないんでしょ?」と自分に問いかけてみて、「今は大丈夫なんだ」と無理やりにでも落ち着くようにしています。

Bさん) 無理やりにでもという意見が出たんですけれども、逆にそういう記憶というのは忘れよう忘れようとすると頭に残りやすいというのをどこかで聞きました。そうではなくて、何かうまいこと発散する人の方が嫌なことを覚えていなくて済むみたいです。

Gさん) 私も今言おうと思った事なのですが、まったくその通りです。カウンセラーの方から聞きました。発散の仕方としては、紙に書いて破るのもいいですし、身近な人に話すのもいいです。次のカウンセリングで相談するために、こういう心情があったという日記のようなものを持っていくのもいいと思います。

Bさん) 強制的に忘れる方法としては、1つは何かの感覚に集中すると思考することができなくなるらしいので、ラジオや人の話に耳を傾けることに集中して嫌な思い出から意識をそらす。あともう1つは、人って真上見ながら考えることができないらしいので、目線を真上に持っていくと何か考え事が消えてくんです。特にひどいときには体を動かしてみるのもありかなと思います。自分もやっています。

Gさん) ネガティブな事が浮かばなくなるらしいですね。

Dさん) これは職場でやっても違和感ないからいいですよね。上を向いて歩こうってすごい合理的だと思います。

Eさん) 上を見てストレッチみたいなのしたら?

Bさん) 僕はそれをやりすぎて首を痛めました。

一同) (笑)

自分の中に「ツッコミのおっさん」を持つ

Hさん) 僕自身はあまりフラッシュバックを起こしたことがありません。なぜか考えたのですけど、僕の場合は例えば目に飛び込でくる急な光とかそういうものに対してすぐ反応してしまう特性があるので、言葉とか思想にもその特性を活用するのが効果的。つらいと思った瞬間、かぶせるようにして「おう、よくやったやんけ僕!!」と考えるように心掛けてるんですよ。

スタッフ) 自己ツッコミ?

Hさん) そうそう! 「よう受け止めたやんけ!!」と自分に言い聞かせるようにしてるんですよ。つらかった思い出も十分覚えてるのに、言葉や思考でつらいと思おうとした瞬間に、「当時は乗り越えられなかったのに今ここに存在してる!! それを乗り越えてすごい、存在できとるやん!! これって成長やで」と考えるようにしています!!(隣の部屋から、声が大きいですよと注意が入る)……すみません、すみません。

スタッフ) 大丈夫ですよ。

Dさん) むしろ面白かったです。

Hさん) ともかく、確かに僕は発達障害かもしれないけど、それは人が10行ける所を3しか行けないだけで、3成長するじゃないですか。少しずつでも意識的に進んでいるんです。つらくても進んでいる、そう思いながらやっていったらすごくいい結果だったたんですよ。そういう乗り越え方もいいんじゃないかと思うんですよね。

Bさん) いやー、全部参考になりますね。

Dさん) ああいいな、自分の中に面白いツッコミの関西のおっさんがいて。

身体の健康も保って余裕を作る

Iさん) 自分はちょっと言いにくいんですけどほぼ毎日叱られっぱなしで、朝出勤の時に「絶対今日も怒られるだろうな」って恐怖心がまだ残っていたり、まれには逆に終わったときに心の怒りが収まらないこともあります。

Aさん) どういう風に対処されているのですか?

Iさん) 対処法とすれば主に早く寝る事ですかね。月曜日から木曜日まで、午後8時半までにはちゃんと寝てます。早く寝た方が翌日少しでもスッキリになるかなと思っています。

Fさん) 早寝はたしかに。睡眠をとるほうが頭スッキリします。むしろ、とらなかったら仕事にめちゃめちゃ支障が出る人が発達障害には多いと思います。

Bさん) 鍛錬というかすでに世の中にあるメソッドで、どこかに通うとかセミナーを受けるって方法もちろんありますけど、すぐできることから始めるのが一番良い気はしますね。

Jさん) すぐできることというと、運動ですか? 例えば、1駅分歩くとか、できれば2駅分歩くとか。一番手っ取り早いのは歩く。もうちょっといける方は水泳や水中ウォーキングもありますね。

Eさん) 筋トレはいいと思います。結構無になれるんじゃないかなと。

Fさん) で、意識を嫌な経験や嫌な記憶から別のところに向けるとなると、意図的にこう、「ここのなんとか筋を動かすぞ!」みたいな。

Iさん) そうですね。

Fさん) なるわけですよね。たくさん歩いて疲れたら、もう「眠いから寝る」と思えれば早寝にもつながりますし。

Kさん) 自分もいつも出勤の時に毎朝、通勤先から徒歩で遠回りしながら会社通ってまして、毎週金曜日の夜は自転車でちょっと足を鍛えています。休みの日は、近くの障害者スポーツセンターが新しくリニューアルされたと聞いたので、普段プールしか使えないのですけど、検診の結果が良くなかったこともあってストレス解消ついでに運動もしたいなと思いました。

スタッフ) いろいろな話が出ましたが、最後Aさんからは何かありますか?

Aさん) そうですね、かなり多くのアイデアをいただいたのでどうまとめればいいか……。

スタッフ) 全然まとめなくていいですよ。Aさんのこれからの生活に活かしていただければ何よりです。


監修者コメント

「嫌な思い出を生々しく記憶している。忘れられない」というのはASDの人の特徴であり、このせいで親子関係含め、対人不安が強かったり、また失敗を恐れて、何もできなくなってしまう原因ともいわれています。忘れられない、というのは普通の人にはあまり経験したことがないもので、なかなか理解をしてもらえません。よく「○○博士」とあだ名がつくこともありますが、その驚異的な記憶力がそのまま嫌な思い出にまで、活かされてしまっているのです。周りの人はその点をしっかり理解してあげることが重要です。本人は周囲の無理解も加わり本当に辛いと思います。


監修 : 益田 裕介 (医師)

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