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発達障害の子育て どんな親でありたい?

タイプ別で考える3つのポイント

我が子が発達障害の診断を受けた時、あるいはその疑いがある時、育児・子育てについて混乱したり不安が高まったりする親御さんは多いでしょう。我が子を苦しませたくないという愛情があるがために、あるいは愛情があるからこそ不安が強まり、周囲から見ると極端な言動につながってしまうこともあります。

もちろん子育ては発達障害の原因ではありません。一方でその子にあった子育てをしないと、ご本人らしく成長しないだけではなく、親子関係の悪化や二次障害(抑うつ・不安障害)の発症につながりかねません。

親も健やかに暮らしながら発達の特性に沿った楽しい子育てをしていくには?Kaienが考える「保護者としてどのように我が子に接すればよいのか」をまとめます。

愛情があるからこそ…あなたはどのタイプ?

Kaienではいくつかの類型に分けて、保護者自身にどのタイプなのかを客観視してもらうところから始めています。

  • 【一体型】子離れ・親離れが難しく、親が様々に勉強し、意思決定をしている(※子どもも反発しないが、後々の成長が心配)
  • 【先導型】子どもに任せていると心配で、親が様々に勉強し、子にアドバイスをしている(※しかし子どもは言う通りにならないことも)
  • 【依頼型】子どもに任せていると心配だが、親自身も知識や経験に不安があり、学校や支援機関に任せている (※一見うまく行きがちだが不安の連鎖を生みやすい)
  • 【調整型】本人を含め、すべての関係者が納得するようなところに着地させようとしている (※一方で手間がかかり、親自身が混乱しやすい)
  • 【放任型】放任主義で、子どものやりたいようにさせるようにしている (※したい放題は本人の成長・安定につながらないことも多い)
  • 【精一杯型】親自身が精一杯で、子どもの将来を考えることをほとんどできていない
  • 【無関心型】子どもに関する関心が乏しく、人任せになっている

親は子に良かれと思ってと様々なことを考え行動します。ただし善意とはいえ、何事も程度が過ぎると悪影響を与える可能性があります。自分はどんな言動をとりがちか?自分の行動は行き過ぎていないか?今の我が子のライフステージに適切か?は時折確認してください。

また夫婦で家族でタイプが同じことは少なく、むしろずれることが一般的です。意見の相違があっても直ぐに解決しようとしすぎないことも重要です。発達障害はどこかで治るものではなく、一生付き合うものです。成人後も含めて子育ては長期戦になります。家族の中でやりとりし焦らずじっくり対応していきましょう

①本人の意思決定を重視する

まず大事なのは子どもの意思決定を重視するということです。

障害や特性のあるお子様を育てていると、本人が困らないように考えるあまり、先回りして親が意思決定をしがちです。親が出すぎると子どもが意思決定をする力をはぐくめないだけではなく、自分の価値観を認められないという思いが強くなり親子関係がねじれる原因になりかねません。例えば上記の【一体型】はその典型でしょう。就活の際の一般雇用・障害者雇用の選択、どの企業を受けるかの意思決定など。親が選ぶと、早く的確に結論に達することが多くなります。最終的に働く場まで親は面倒を見られませんし、親亡き後の生活面での意思決定の力もはぐくまれません。

一方で【放任型】も問題になることがあります。特に発達障害の特性があると、お子様自身の現実検討(自分がどの仕事に向いているか、どの程度の生活力があったら自立できるか)が難しいことがままあります。その場合、放任型が極端だと、お子様は失敗を重ねてしまったり、現状に我慢ができなくなってしまったり、が起きがちです。必ずしも本人の意思決定だけに任せても、本人の幸福につながらないというのは、子育てを難しくしているのは確かです。

一つの考え方として親の関与は年齢により、親のタイプも年齢とともに変わっていくことが求められるのかもしれません。ただし一つ重要なのは、親の役割を徐々に少なくしていくことですが、急にゼロにしないことです。特に大学入学時や就活時、引っ越し時など移行期はむしろ介入度を高めること必要です。当社の事例を見ていると30歳ぐらいまでは親が支援のキーパーソンであり続けるのが一般的です。

理想的には、子どもの選択肢を明確にし、意思決定をしやすくする支援をしていくことが親の役割となります。進学進路の時など大きな決断の時だけではなく、何を食べるか、朝起きて何から始めるかなど、ありふれた日常の選択肢も意思決定をする支援の場にできると、子どもの意思決定の力も醸成されやすくなるでしょう。

②「同じ生活水準」を期待しすぎない

生活水準をあげることは簡単ですが、生活水準を下げることは、ほとんどの人にとって苦痛を伴います。

しかし残念ながら、これからの日本は、親の世代よりも子の世代が貧しくなっていくことが予想されています。このため、普通にしていても、親と同じ生活水準を次の世代が享受できることが難しくなります。特に発達障害の特性がある人は、現実問題として親と同じ給与水準でないことも多くあります。住む場所、食べる物、趣味などのお金の使い方は、親世代とは変えていかないとジリ貧になることもあるでしょう。(もちろん親と全く違う道を進んで、給与がむしろ高くなる可能性もあります。)

親は子に、自分と同じかそれ以上の生活を望む生き物ともいえるかもしれません。職業に貴賤がないと言われながらも、親とまったく違う仕事をして大きく下がる給与レベルだと大きな心配を抱くでしょう。だからこそ生活水準については早くから親として意識していただきたいポイントになります。具体的には子ども時代よりも下がった生活水準であっても、我が子が楽しく幸せに暮らしていけるように育てていく視点が重要です。

福祉制度に加えて、「親からの年金」ともいうべき資産を残しておくことは、生活水準の下げを一定程度に食い止めるせめてもの抵抗にはなるでしょう。しかし、親と同じ生活水準を期待しすぎないことが、わが子がその人らしく生きるうえで大きな助けになることに繋がります。親子でありながらも別の時代に生きる別の大人に育っていくという事実を受け止め、その子なりの人生を応援しましょう。

③親も子も 使える資源は使ってみる

親だけが背負いがちな現代の子育てでは、発達障害のある子に限らず、出来る限り周囲のサポートを受けることがポイントとなるでしょう。はじめに挙げた、親のタイプを修正するうえでも外部の目線は必要です。

具体的には使える制度は使ってみることをお勧めします。診断や障害者手帳にネガティブなイメージを抱えている方も多いでしょう。それでも特に学生時代までは明確な診断や障害者手帳が無くても、行政や学校で様々な支援を受けることができます。支援機関などと連携を重ねることで、親御様も将来への情報を得て整理でき、不安を抑えることに繋がりますし、ご本人も自己理解が深まりやすくなるでしょう。

ただし「専門家」に引っ張られすぎる必要はありません。最終的にはご本人が決めることが理想ですし、親の役割は意思決定のための情報整理や、意思決定ができないときの代理としての決断をしていくことにあります。そして年齢が上がるとともに、本人に任せる部分を増やしたり、親が行っていた支援を地域の支援機関に乗り換えていくなど、親のかかわりを遠目からの支援にしていきましょう。

子が支援を受けるという視点だけではなく、親が支援を受けるという視点も必要です。親が心身に負担があると、子どもに影響が出ます。医療機関やカウンセリングでも親だけが受診・相談することも増えてきています。まずは親が健やかに子育てにのぞめるような体制を作りましょう。

参考(当社リソース)

親として何を知り、子にどう向き合い、いつ何を行動すべきか?当社内のリソースをいくつかご紹介します。

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