
適応障害で休職をしている場合、復職に向けてリワークの利用を検討している人も多いのではないでしょうか。
リワークとは適応障害やうつ病などメンタルヘルスの不調で休職している人の職場復帰や職場定着を支援するためのプログラムです。
適応障害の方も利用できるプログラムで実施団体や実施プログラムもさまざまです。以下では、リワークの概要やメリット、利用上の注意点などを解説します。リワーク以外にも復職や就職に役立つ情報も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
適応障害で休職をしている場合、復職に向けてリワークの利用を検討している人も多いのではないでしょうか。
リワークとは適応障害やうつ病などメンタルヘルスの不調で休職している人の職場復帰や職場定着を支援するためのプログラムです。
適応障害の方も利用できるプログラムで実施団体や実施プログラムもさまざまです。以下では、リワークの概要やメリット、利用上の注意点などを解説します。リワーク以外にも復職や就職に役立つ情報も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
適応障害とは
リワークの説明に入る前の前提知識として、適応障害について解説しておきます。
適応障害とは、特定の出来事や状況へのストレス反応として感情や行動に変化が生じ、日常生活や仕事に支障が出る状態です。うつ病など、より重い精神疾患の診断に至っていない状態に位置づけられます。
適応障害になるきっかけは、以下のようにさまざまです。
- 配置転換
- 人間関係の変化
- 転居
- 出産
- 災害 など
これらの症状は、ストレスにさらされてから通常3ヶ月以内に始まります。また、原因が解消した後は、6ヶ月を超えて続かない傾向があります。
主な症状は以下のとおりです。
- 不安
- 抑うつ気分
- いらだち
- 頭痛
- 動悸
- 不眠
- 食欲不振 など
これらの症状に対する治療としては、職場や生活の環境調整と精神療法(カウンセリング、認知行動療法など)が中心で、必要に応じて薬を併用します。
適応障害は甘えではなくストレスへの心の反応
適応障害の方に対して、「気持ちの問題でしょ?」「サボっているだけでは?」などの言葉を向けられる場合がありますが、事実とは異なります。適応障害は医学的に認められた病気であり、忍耐力や性格などの問題ではありません。
同じ出来事でも、人によって感じ方や負担は違います。周囲には小さく見える刺激でも、本人には強いストレスになり得るのです。
さらに、適応障害は「努力が足りないから」ではなく、「頑張り続けて無理を積み重ねた結果」生じる場合があります。実際、真面目で責任感が強い人、期待に応えようと頑張りがちな人ほど、適応障害を経験しやすいとされています。
適応障害は誰にでも起こり得る病気です。自分を責めないようにしましょう。
リワークとは?適応障害でも利用できる?
リワークとは、精神疾患によって休職している人の職場復帰を支援するプログラムのことです。リワーク支援プログラムや職場復職支援プログラムと呼ぶこともあります。
リワークは実施主体によって下記の4種類に分けられ、それぞれで受けられるプログラムの特徴が異なります。
- 医療機関:病状の安定や回復、再休職予防などを目的とした医学的リハビリを実施
- 就労移行支援事業所や自立訓練(生活訓練):仕事のスキルや生活における基礎力の向上に向けた支援プログラムなどを実施
- 障害者職業センターでのリワーク:職場復帰と職場適応のためのプログラムの実施
- 職場(休職者の所属する会社)でのリワーク:リハビリ出勤・試し出勤を実施
利用対象者には、適応障害やうつ病、気分障害などのメンタルヘルスの不調で休職している人で回復期にあり、復職を希望している人が含まれます。
利用する上で満たすべき細かい要件は実施団体によって異なるため、利用前に確認が必要です。例えば、障害者職業センターの利用は、雇用保険の加入者であることが条件となるため、公務員は利用できません。また、職場のリワークは実施していない企業も多くあります。
関連記事:リワークとは?受けられる場所や就労移行支援との違いも解説
関連記事:リワーク施設とは?施設の支援内容、施設の探し方や選び方も解説
適応障害の方がリワークを利用する流れ

適応障害の方がリワークを利用する一般的な流れは次のとおりです。
- 十分に休養を取る
- 主治医に相談・許可を得る
- 利用先を決め、手続きを行う
- 支援計画が作成される
- 支援プログラムを受講する
- 職場復帰・フォローが行われる
休職中は、まず医師の診断のもとで十分に休み、体調と生活リズムを整えます。復職を目指せるようになったら、リワーク利用の可否と開始時期について医師と相談し、許可を得ましょう。
許可が出たら、説明会や見学で施設を比較し、手続きを進めます。ご本人の課題と目標に沿って支援計画が作られますので、段階的なプログラム(座学や作業訓練など)を受けてください。
リワークが順調に進んだら、主治医・職場・支援者が連携し、ご本人の意向に沿って復帰時期を調整します。復職後も定着支援や再発予防のフォローが続きます。
適応障害の方が復職のためにリワークを利用するメリット
適応障害の方が復職に向けてリワークを利用する際には、以下のように多くのメリットがあります。
- 生活リズムを整えられる
- ストレスへの対処法を身につけられる
- 専門家によるサポートを受けられる
- 同じ悩みを持つ人と交流して孤独感を解消できる
各メリットについて詳しく解説します。
生活リズムを整えられる
休職中は、朝起きられない・夜更かししてしまうなど、生活リズムが乱れがちです。リワークでは、一般的に週2~3回以上、決まった時間に通所して活動するため、自然と規則正しい生活が身につきます。
規則正しい生活は、健康的に働くための土台です。自律神経のバランスが整い、気分の波や体調不良が軽減されます。集中力や注意力も向上し、復職に向けて歩みやすくなるでしょう。
またリワークでは、自己管理を学ぶプログラムもあります。例えば、日々の活動・疲労・気分などを記録する生活リズム表の作成を通じて、適度な労働時間や休息について体験的に学ぶプログラムなどです。自己管理の方法は、無理を重ねると症状が悪化しやすい適応障害の方が特に知っておきたい知識といえます。
ストレスへの対処法を身につけられる
リワークでは、ストレスへの対処法を学ぶプログラムも提供されています。一例を挙げると、怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」や、上手な頼み方・断り方を学ぶ「アサーション」などの座学、実習などです。
ストレスへの対処法を身につけられると、症状の悪化や再休職・退職を避けられる可能性があります。例えば、苦手な上司とのコミュニケーションを変えて対立を避けたり、強いストレスを感じたときはその場から一時的に離れるといった対処により、ストレスが溜まりにくくなるからです。
復職にあたっては、職場環境を調整してもらえる場合もありますが、限度があるのが現実です。リワークでストレス対処法を学んでおくと、自分で自分の心を守りやすくなります。
専門家によるサポートを受けられる
リワークでは、医師や看護師、臨床心理士など、復職に関してさまざまな専門家に相談することが可能です。
例えば医療機関におけるリワークでは、医師や看護師が主体となってサポートしてくれます。就労移行支援や自立訓練(生活支援)におけるリワークでは、公認心理師や精神保健福祉士、社会福祉士などのメンタルヘルス支援の専門家に相談することも可能です。障害者職業センターにも、精神保健福祉士や社会福祉士、介護福祉士など見識豊かな専門スタッフがいます。
適応障害などのメンタルヘルスの不調では、再発のリスクがありますが、専門家は再発防止を視野に入れながらサポートしてくれます。復職に関する不安や体調管理について知識や経験が豊かな専門家に相談ができるため、安心して復職準備を進めることができるでしょう。
同じ悩みを持つ人と交流して孤独感を解消できる
リワークに通ううちに、同じ悩みを持つ人と交流ができ、孤独感が解消できるというメリットもあります。
適応障害で休職すると、周囲に同じ経験をした人がほとんどおらず、悩みを共有できずに孤独を感じることがあります。リワークでは、同じように適応障害から復職を目指す人と一緒に講義やグループワークに参加できることがあります。同じ境遇の仲間ができるため、当事者でなければわからない悩みや気持ちを打ち明け、共感しあうことも可能です。
仲間と交流することで、「一人じゃない」と精神的な負担が軽減され、前向きな気持ちで復職に向けた準備を進めやすくなることもあります。

適応障害の方がリワークを利用する上でのよくある質問
いざリワークを利用するとなると、いろいろな疑問が浮かぶのではないでしょうか。無理のない復職につなげるためにも、疑問や不安はできるだけ解消しておきたいところです。
ここでは、リワークの利用者からのよくある質問にお答えします。
適応障害の方がリワークを利用するための条件は何でしょうか?
リワークの対象者は、次の3つの条件を満たしている方です。
- 休職中で復職を希望している
- 症状が回復期にあり、ある程度安定している
- 服薬の自己管理ができ、生活リズムがある程度規則正しい
つまり、リワークに継続的に参加できる方が対象です。参加意欲がない方や、遅刻や欠席が多くなりそうな方は断られる可能性があります。
また、雇用保険に加入している、主治医の意見書が必要、などの独自ルールを設けている事業所もあるため、まずは相談して確認しておくと安心です。
主治医が反対しているときはどうすればいいですか?
まずは「なぜ今リワークが必要か」を丁寧に伝えてみましょう。自分の意見や希望とともにリワークプログラムの内容や目的を共有すると、医師の理解が進む場合があります。
リワーク施設によっては、本人・主治医・企業の合意づくりを支援しています。意見が合わない場合は、間に入ってもらうように頼んでみるのも一案です。
ただし、適応障害の方は休養が大切であり、主治医の判断が妥当な場合もあり得ます。主治医に反対されたときは「無理をしていないか」「楽観的に考えすぎていないか」などを改めて考えてみるよい機会です。
リワークを利用する上で気をつけることはありますか?
適応障害の方のリワーク利用では、自分に合ったプログラムかどうかが重要なポイントです。
負荷が強すぎるプログラムでは、症状が後戻りしてしまうかもしれません。特に仕事に関係する適応障害の場合、ジョブリハーサルのような実践的なプログラムで負担が大きくなる場合があるでしょう。見学や無料体験も活用しながら、慎重に見極めてください。
また、事業所の特徴も確認しておきます。例えば、適応障害に発達障害*や精神障害が関係している場合には、これらの障害に知見のある事業所のほうが手厚い支援を期待できます。事業所の強みや支援体制も確認し、自分に合った施設か確認しておきましょう。
職場にリワークの利用を伝えなければいけませんか?
リワークを利用する場合、必ずしも職場に伝える必要はありません。医師の指導のもとで個人的に利用できるため、職場を通さずに支援機関へ直接相談する方も多くいます。
特に適応障害の方は、職場の人間関係や環境がストレスの原因になっているケースが多いものです。無理に報告する必要はなく、ご自身の気持ちや状況を優先して問題ありません。
ただし、会社に「復職支援制度」や「リワークプログラムへの参加支援」がある場合、職場と情報を共有した方がスムーズに復職準備を進めやすい面があります。復職後も人事や産業医からのサポートを受けやすくなります。
リワークの利用期間や通う頻度はどのくらいですか?
利用期間は3〜6ヶ月が目安です。通う頻度は週1日くらいから始まり、最終的にはフルタイム勤務を想定した週4〜5日になるのが一般的です。
ただし、期間や頻度は事業所によって異なります。また、ご自身の体調や生活リズムの状態、復職後の労働条件などを勘案して調整されます。
無理をせず自分のペースで進めることが大切ですので、不安があれば、事業所を決める段階で相談しておくと安心です。
適応障害の方はリワーク以外の選択肢も検討するのもおすすめ
リワークにこだわらず自分に合う支援を探す姿勢も大切です。
リワークは復職や復職後の職場定着に役立つものですが、必ずしも受けなければならないものではありません。適応障害の方の中には、真面目で責任感が強く無理をしてしまう人も少なくありません。リワークにおいても一度通い出したら、合わないと感じつつも、無理をして通おうとすることがあります。
無理を重ねることで症状が悪化したり、リワークに参加できなくなったりするケースもあります。合わないと思ったら、担当者に相談して無理にリワークに通わず、別の選択肢を考えてみるのも良いでしょう。
もしもリワークの前に生活の立て直しを優先したいなら、さまざまなライフスキルを取得できる「自立訓練(生活訓練)」という選択肢もあります。また、障害の特性にあった新たな職場を考えているなら「就労移行支援サービス」が利用可能です。
次項から、こうしたリワーク以外の支援サービスを紹介します。
リワーク以外に適応障害の方が利用できる支援サービス
リワーク以外で適応障害の方が利用できる支援サービスとしては、主に次の4つがあります。
- ハローワーク
- 障害者就業・生活支援センター
- 就労移行支援
- 自立訓練(生活訓練)
以下で詳しく解説します。
ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)は、職業紹介サービスを始めとした総合的な雇用サービスを提供する公共機関です。全国にある各ハローワークには障害のある求職者専門の窓口が設けられており、就職から職場定着まで一貫した支援を行っています。
適応障害で休職していて、もとの職場に復帰するのでなく、新たな職場を検討してみたいという場合に利用できます。障害に理解のある専門の相談員に相談ができ、新しい職場探しのほか、「どのような仕事に就けばよいのかわからない」といった働き方の相談も可能です。
就職支援については、応募書類の作成支援や面接指導のほか、働きたい職場での実習を手配してもらえたり、希望に合う求人を開拓してもらえたりします。一般的な転職エージェントと異なり、適応障害などの障害に理解のある企業の求人を多く保有している点も特徴的です。スキルアップのための職業訓練を受けることも可能です。
職場定着までサポートしてもらえるため、復職後も相談ができ、職場との調整を図ってもらえます。
関連記事:職業訓練とは?種類やコース、受講のメリットから申し込みの流れまで解説
障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターは、障害のある方の職業生活における自立を図るため、就業と日常生活とを一体的に支援する専門機関です。全国にある窓口で、就労や生活に関する相談ができます。場合によっては家庭訪問や職場訪問などでの相談も可能です。
適応障害で休職中の方でも利用できます。復職や仕事上の悩みについての相談だけでなく、日常生活や地域生活における不安に関する相談もできます。社会復帰に向けたアドバイスを受けられるため、就労・生活においていろいろと不安を抱えている方は利用してみるのも良いでしょう。
必要に応じて、福祉サービスの利用方法についての情報提供を受けられたり、医療機関や職場などの関係機関と連携してサポートしてもらえたりします。
就労支援については、職場定着までフォローしてもらえるため、復職後に仕事のしづらさがある場合にも相談ができ、職場との調整を図ってくれます。日常生活のサポートにおいては、健康管理などの日常生活の自己管理における助言を受けることも可能です。
関連記事:障害者就業・生活支援センターとは?対象者や業務内容を紹介
就労移行支援
就労移行支援とは、一般企業などに就職したい障害のある方を対象に、就労に向けた支援を行う障害福祉サービスです。就労に必要な訓練、適性に合った職場探し、就労後の職場定着のための支援などを実施しています。
適応障害で休職しており、現在の職場に戻ることが難しい場合には、就労移行支援サービスを利用して新しい職場を探してみることも選択肢の一つといえるでしょう。
就労移行支援では、無理のないペースで事業所に通い、仕事に使える実践的なスキルや体力の維持・向上のための訓練を受けることができます。適性に合った職場探しを支援してくれるほか、職場環境のミスマッチを防ぐために、実習を通じて自分に合った仕事を探すことも可能です。就労後の職場定着の支援も受けられるため、復職後に困ったことがある場合も相談できます。
例えば、Kaienにおける就労移行支援では、下記のような就労に役立つカリキュラムを提供しています。
- ビジネススキル(仕事の優先順位の付け方、電話・メール対応など)
- ソーシャルスキル(コミュニケーション方法、ストレス対応方法など)
- 就活講座(就活の基礎知識、応募書類の書き方など)
- キャリア・プランニング(自分の職業人生をデザインする)
- しゃべり場(仲間との語り合いから学ぶ)
- スキルアップ(ITスキルの向上など)
- 実践型!職業訓練(実作業を通しての実践的スキルの向上)
また、Kaienではメンタルヘルスの不調に理解のある企業の求人を独自に開拓し紹介しています。就労移行支援について詳しくは下記の記事も参考にして下さい。
関連記事:Kaienの就労移行支援プログラム
自立訓練(生活訓練)
自立訓練(生活訓練)は、障害のある方が自立した生活を送るために、日常生活に欠かせないさまざまな能力を保ち、高めるための訓練を提供する障害福祉サービスです。自立訓練(生活訓練)では、家族など周囲の人の手助けを得ずに本人が健やかに毎日を送れる「生活上の自立」を目的としたサポートを行います。
適応障害で休職をしているうちに、「生活リズムが崩れてしまった」「仕事だけでなく日常生活にも不安がある」といった状況に陥ることもあるでしょう。復職はまだ考えられないものの、まずは生活上の基礎力を挙げたいといった場合に、自立訓練(生活訓練)を利用することで、復職に向けて、ゆっくりと生活の基礎力を高めていくことができます。
食生活や生活リズムを整えたり、コミュニケーション力やストレス耐性を向上させる訓練を受けたりすることが可能です。復職を考える前に、まずは自立訓練(生活訓練)で基礎力を鍛えることで、社会復帰への不安も解消できるでしょう。
例えば、Kaienの自立訓練(生活訓練)では、講座・実践プログラム・カウンセリングの3本立てでサポートを行っており、下記のような生活上のスキルを学ぶ訓練が受けられます。
- 生活リズムを整える睡眠コントロール方法
- 心のケアをルーティン化する感情のコントロール方法
- ストレスの和らげ方(ストレスコーピング)
- アサーションなどコミュニケーション手法
- キャリア・デザイン
自立訓練(生活訓練)については、下記の記事も参照して下さい。
関連記事:自立訓練(生活訓練)カリキュラム
適応障害でリワークの利用を検討している方は他のサービスも併せて検討してみて
環境変化や強いストレスにうまく対応できず、心身の不調が続く適応障害は、無理をすると症状が悪化する可能性があります。リワークや支援機関を活用しながら、段階的な復職を目指しましょう。
Kaienの「こころのリワークセンター」では、「心身を整えたい」「良好な人間関係を築きたい」といった課題のある方を支援しています。精神医学や復職・就職支援の知見を持ったスタッフが、生活リズムの改善やビジネススキルの習得などをサポートいたします。
リワークの前に生活基盤の立て直しを図りたい方には、ライフスキルを習得できる「自立訓練(生活訓練)サービス」がおすすめです。また、転職をお考えの方は、障害や特性に合った就職を支援する「就職支援サービス」をご利用ください。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます
監修者コメント
リワークはreturn to work、つまり復職支援を指す造語です。日本うつ病リワーク協会のホームページ*1) によりますと、リワークプログラムの歴史は浅く、1998年にNTT東日本関東病院で作業療法の一環として始まったのが発端です。それまではそれぞれの病院や診療所、そして職場が職場復帰のプログラムを独自に行っていたことになります。
そこから徐々に復職後の定着率や効率的な復職プログラムなどの研究がなされ、エビデンスのある復職プログラムの提供に結びつくようになりました。ともあれ、復職する職場は、製造業、IT企業、金融、教育機関など多岐にわたり、都市部か郊外かによって地域性の違いも大きいと思われます。
ちなみに、海外でリワークプログラムに取り組んでいるところはあまり多くないようです。休職も復職も自己責任と考える風潮が強いためでしょうか。そのなかでオランダがシステマティックに取り組んでいるようです*2)。
*1) https://utsu-rework.org/about/
*2) https://cir.nii.ac.jp/crid/1523669555432047616

監修:中川 潤(医師)
東京医科歯科大学医学部卒。同大学院修了。博士(医学)。
東京・杉並区に「こころテラス・公園前クリニック」を開設し、中学生から成人まで診療している。
発達障害(ASD、ADHD)の診断・治療・支援に力を入れ、外国出身者の発達障害の診療にも英語で対応している。
社会システムにより精神障害の概念が変わることに興味を持ち、社会学・経済学・宗教史を研究し、診療に実践している。



