就活がうまくいかない原因とは?対処法や意識したいポイントを解説

公開: 2024.12.20更新: 2025.8.13

就活は大学生活の集大成で、今後の人生を左右する重大なイベントです。うまくいかないと感じているときは、内定がもらえない理由などを分析し、早めに対策を講じる必要があります。

この記事では、就活がうまくいかない方の特徴やうまくいかない原因、近年の就活事情などについて解説します。就活を成功に導くための対処法や、気分が落ち込んだときに意識したいポイントなども紹介しているので、就活に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

就職がうまくいかないと感じるのはなぜ?

「就活がうまくいかない」と感じる理由は人それぞれです。よくあるケースとしては、以下のような理由が挙げられます。

  • 内定が1つもない
  • 興味のある企業が見つからない
  • 志望企業から内定がもらえなかった
  • 周りに比べて内定が少ない
  • 面接で失敗してしまう
  • 書類選考に通らない
  • 就活のモチベーションが保てない

就活の目的は志望企業から内定をもらうことなので、内定がもらえないときは「うまくいかない」と感じやすいです。興味のある企業が見つからない、モチベーションの保ち方がわからないなど、自身の内的な要因で行き詰まりを感じることもあるでしょう。

また、「友達は内定をもらっているのに」と他人と比較し、うまくいっていないように感じてしまうケースも少なくありません。

就活がうまくいかない人の特徴

就活がうまくいかない人には、以下のような特徴がよく見られます。

  • 不安やプレッシャーを感じやすい
  • 人と自分を比べてしまう
  • 客観的な自己分析ができていない
  • 悩みを相談できる相手が周りにいない

就活では面接が重視されますが、面接は不安やプレッシャーを感じやすく、緊張から失敗しやすいシーンでもあります。また、必要以上に人と比べて焦ったり、自分一人で悩みを抱え込んだりする性質も、就活では不利に働くでしょう。

就活がうまくいかない原因

就活がうまくいかないときは、まずその原因を見極めることが重要です。自分が行き詰まっているポイントを把握することで、事態を改善するためのアプローチ方法が思いつきやすくなるでしょう。

ここからは、就活がうまくいかないときによくある12の原因を紹介します。

目標や目的など就活の軸が定まっていない

軸が定まらないまま就活をしていると、モチベーションが保てずにうまくいかないケースも少なくありません。就活では、なぜ就活をしているのか、就活を通してどのようなことを実現したいのかといった目標を立てることが大切です。

目標や目的があいまいだと、就活自体がやりがいのない単なる作業に陥ってしまいがちです。また、ちょっとした失敗でネガティブになり、気力をなくしてしまう場合もあります。

自己分析が正しくできていない

就活では、自分が企業の役に立つ人材であることをアピールしなければなりません。そのためには、自己分析を通して人材としての自分の魅力を理解しておく必要があります。

自己分析が正しくできていないと、客観的に見た自分の強みや得意分野などを把握できません。その結果、ESや面接などで自己PRをしても説得力に欠け、なかなか内定にもつながらなくなります。

就活がうまくいかないと感じているときは、正しく自己分析ができているのかどうかを再確認することが重要です。

企業研究が不十分

就活では、業界や企業を研究することも自己分析と同じくらい大切です。業界や企業を深く知ることで、自分に合った職場も見極められるようになります。また、応募した企業と自分の相性が良いことを伝えるうえでも、企業の特徴を正確に説明できなくてはなりません。

自分の就職したい業界や企業について、深く掘り下げないまま就活を行うのは危険です。後から自分が本当にやりたい仕事に気づき、就活を一からやり直すことにならないよう、企業と自分がマッチしているか企業理念や事業内容などをしっかり研究しておきましょう。

正しいマナーや身だしなみが身についていない

正しいビジネスマナーが身についていなかったり、身だしなみを整える習慣がなかったりすることも、就活がうまくいかない原因の一つです。

就活では、時間を守る、挨拶をするといった基本的なマナーも、人柄を判断する材料として見られています。最低限のマナーも守れない人は、入社後も企業に迷惑をかける恐れがあるためです。身だしなみについても同様で、取引先の人などに不快感を与えない意味でも清潔感を保つことを意識しましょう。

基本的なマナーや身だしなみができていない場合、就活でもなかなか評価してもらえない可能性が高いでしょう。

ESや履歴書の完成度が低い

就活では、まずES(エントリーシート)や履歴書から応募者の人柄や能力を見極めようとします。そのため、ESや履歴書の完成度が低いと、書類選考の段階ではじかれてしまう可能性が高いでしょう。

ESや履歴書では、人材としての自分の価値をわかりやすくアピールすることが重要です。自己分析や企業研究を重ねたうえで、入社後に活躍する自分の姿を具体的に想像しながらESや履歴書を作成するとよいでしょう。

適性検査の対策が足りていない

本格的な面接に進む前に、適性検査や筆記試験、Webテストを実施している企業は多くあります。「なかなか面接に進めない」と感じている場合、適性検査の対策が不足しているのかもしれません。

適性検査には、性格検査、小論文、基礎学力を問う筆記試験など、さまざまな形式があります。市販の問題集やオンライン教材を活用し、しっかりと対策を行いましょう。また、時事問題に対応できるよう、日頃からニュースや新聞をチェックしておくことも大切です。

面接で適切なコミュニケーションが取れていない

就活の面接では、面接官と円滑にコミュニケーションを取ることが大切です。面接官の質問の意図を正確に把握し、聞かれた質問に対して自分の考えていることを正確に伝える技術が求められます。面接で適切なコミュニケーションが取れないことは、就活がうまくいかない大きな原因の一つです。

面接はどうしても緊張しやすく、委縮してしまう場合もあります。普段どおりの自分を見せられるように、友達や家族に頼んで面接の練習をしておくのもおすすめです。

応募企業を絞りすぎている

「第一志望の企業にしか応募していない」など、応募企業を絞り込みすぎている方もいるかもしれません。確かに、興味が持てない企業に応募するのは気が進まないかもしれませんが、視野が狭くなりすぎていないか見直すことも大切です。

「第一志望の企業と同業他社のことも調べる」「関連業界の企業にも目を向けてみる」など、視野を広げてみると、自分に合った企業が見つかる可能性は十分にあります。

株式会社リクルートの「就職白書2025」によると、2025年卒の学生はプレエントリーの平均数が26.30社、ESなどの書類を提出した平均数が12.39社でした。これより少ない場合は、もっと応募企業を増やすことも検討してみましょう。

倍率の高い人気企業ばかり受けている

知名度の高い企業や大企業には多くの学生が応募するため、必然的に倍率が高くなります。その分、選考の難易度が上がり、内定を獲得できるのはごく一部です。

もし人気企業ばかりに応募しているのであれば、中小企業にも目を向けてみましょう。企業研究を進めると、これまで知らなかった企業のなかに自分に合いそうな企業や興味を持てる企業が見つかる可能性があります。

情報収集が不十分

情報収集が不足していると働く人のリアルな声や各業界の特徴を把握できず、無意識のうちに選択肢を狭めてしまっている可能性があります。気になる企業や業界があるなら、OB・OG訪問や就活イベントに積極的に参加してみましょう。実際に働いている人の話を聞くことで、仕事の具体的なイメージが湧きやすくなります。

また、就活に力を入れている同世代の学生との情報交換もおすすめです。就活や希望する業界に関する情報が増えると、自然と自分に合った企業や効果的な就活の進め方を見つけやすくなります。

振り返りができていない

就活がうまくいかないとやる気をなくしてしまい、振り返りを行わないまま次の選考に進んでしまう方も多いかもしれません。しかし、初めての就活には失敗がつきものです。同じ失敗を繰り返さないために、振り返りが非常に重要です。

「書類選考に通過できない」「面接でうまく話せない」など、選考の同じ段階でつまずいている場合は、その原因を分析して具体的な対策を講じましょう。例えば、ESの内容を見直したり模擬面接を行ったりすると、改善点が明確になって次の選考に活かすことができます。

誰にも相談せず自己流で進めている

就活ではさまざまな問題に直面するものです。悩んでいることを誰にも相談せず、一人で抱え込んでいると、不安な気持ちが募って焦りも生まれます。就活に関する正しい情報を知らずに面接などに臨み、その結果、就活がうまくいかなくなるケースもあるかもしれません。

このように就活を自己流で進めていると、どうしても視野が狭まりがちです。自分自身を客観的に見るためにも、悩んでいることを友達や家族、支援機関などに相談しながら、必要な情報を集めて就活に取り組む姿勢が求められます。

近年の就活事情

株式会社リクルートが実施している「就職プロセス調査(2025年卒)」によると、2025年卒の内定取得者における10月1日時点の内定取得企業数は平均2.52社です。また、就職内定率は95.9%となっています。

内定取得企業数では「1社」の割合が最も高く、34.0%です。「2社」の割合も28.5%と高くなっており、多くの企業から内定をもらっている一部の人が、平均の数字を引き上げていることがわかります。

出典:株式会社リクルート 就職プロセス調査(2025年卒)「2024年10月1日時点 内定状況」

また、文部科学省が2022年に実施した調査によると、通常学級における発達障害*の可能性がある児童(学習面または行動面で著しい困難を示す)の割合は、小中学校で8.8%、高等学校で2.2%です。発達障害の特性にはさまざまな種類がありますが、コミュニケーションが困難、適切なマナーがわからないといった特性は就活にも大きな影響を与える場合が多いでしょう。

このように、発達障害の特性が原因で就職が困難になっている可能性も考えられます。

出典:文部科学省 通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する 調査結果について│文部科学省

就活がうまくいかないときの対処法

就活が思うように進められないときは、なぜうまくいかないのか、その原因を考えることが重要です。そのうえで、問題を解決するための対策を講じ、志望する企業に就職できるよう対処法を実践しましょう。

ここからは、就活がうまくいかないときの対処法を4つ紹介します。

自己分析をやり直す

前述したように、就活では自己分析で自分の強みや得意分野を見極めることが重要です。自己分析が足りていないと感じる方は、過去の経験などから改めて自分の魅力や強みを洗い出してみるとよいでしょう。

自己分析を行うときのポイントは、自分の将来像をイメージすることです。適性や目指す方向性などを明確にし、マッチする企業を選ぶことが求められます。また、仕事とプライベートのバランスなど自分の価値観を見つめ直し、就職したいと思える企業を探しましょう。

企業研究を徹底する

企業研究を行うときは、まずコーポレートサイトや就活サイトで基本的な企業情報を調べましょう。企業の経営ビジョンや事業内容、評判などを知ることで、エントリーする企業を絞りやすくなります。

OB・OG訪問などを通じて実際に働いている人の意見を聞くことも大切です。企業の雰囲気や活躍している社員のビジネスマインドがわかり、就活のモチベーションも高まるでしょう。

ESや適性試験、面接などの対策を行う

就活がうまくいかないと感じたときは、ESや適性試験、面接といった各選考段階に応じた対策も行いましょう。

例えば、ESなら「自己分析の結果が的確に反映されているか」「自分の言葉でしっかり伝えられているか」などを見直してみてください。面接対策としては、よく聞かれる質問への回答練習や、自分の思いや志望動機をスムーズに話す練習が欠かせません。

こうした対策は一人で進めるのではなく、大学のキャリアセンターや信頼できる第三者を頼ることも大切です。客観的なアドバイスを受けることで、自分では気づきにくい課題や改善点を見つけやすくなります。

一人で悩まずに相談する

一人で悩まずに第三者に相談することで視野が広がり、就活もうまくいきやすくなります。まずは話しやすい相手として、家族や教師などに悩みを打ち明けてみましょう。

頼れる相談先として、大学内では学生支援センターや学生相談室、キャリアセンターなどが挙げられます。学生支援センターや学生相談室では、就活だけでなく生活や学業の困りごとなども相談できるので、有効活用するとよいでしょう。

発達障害などの障害で就活がうまくいかない方は、障害学生支援室で相談するのがおすすめです。支援の方針などを本人と協議したうえで、関係機関と連携しながらサポートしてくれます。

就活がうまくいかないときに意識したいポイント

ここでは、就活がうまくいかないときに意識したいポイントを紹介します。気持ちが落ち込んだり不安を感じたりしている方は、ぜひチェックしてみてください。

就活がうまくいかないことはあなたを否定することではない

就活がうまくいかないと、自分の人格や価値が否定されたように感じる方も少なくありません。特に、何度も不採用が続くと「自分には何の強みもないのでは」と思い込んでしまいがちです。

しかし、選考で不採用となる理由の多くは、自己分析の不足や志望動機の曖昧さ、面接での表現力の課題など、あくまで「就活への準備や対策が不十分であった」というケースです。

これらは事前の見直しや練習によって十分に改善できるものであり、決してあなた自身の能力や人間性を否定されているわけではありません。また、就活は人生のゴールではなく、あくまで通過点です。自分自身と向き合いながら、丁寧に歩みを進めていきましょう。

周囲と比較し過ぎず、自分のペースで進めることが重要

周囲の友人が次々と内定を獲得していると、つい自分と比較して焦りや不安を感じてしまいますよね。しかし、志望する業界や企業、選考の進み具合は人それぞれです。他人と比較するのではなく、自分の目標や価値観を大切にしながら就活を進めていきましょう。

就活では内定の数や企業の知名度にこだわるのではなく、「自分に合った企業」との出会いを目指すことが大切です。焦らず自分のペースで進めていけば、納得のいく就職先に出会えるでしょう。

一時的に就活から離れてリフレッシュすることも大切

就活がうまくいかないと感じたときは、思い切って一時的に就活から離れ、心と体をリフレッシュさせましょう。疲れやストレスが溜まったまま就活を続けても、集中力が低下し、良い結果にはつながりにくいものです。

そんなときは、規則正しい生活を意識したり趣味の時間を楽しんだりして、気分転換してみてください。心が落ち着いて前向きになれば、再びモチベーションを持って就活に取り組めるようになります。

就活がうまくいかないときは支援機関を活用しよう

就活がうまくいかないときは、就活エージェントやハローワークといった支援機関を活用するのもおすすめです。障害がある方の場合、就労移行支援事業所なども利用できます。特に、「身だしなみやマナー」「ESや履歴書」「面接」などは、客観的に見てもらわないと弱い部分がわからないことも多いでしょう。

専門の支援機関で相談すれば、正しいマナーや身だしなみ、ESの書き方といった基本スキルが習得できます。また、苦手意識のある方が多い面接も、練習やアドバイスをしてもらえるはずです。就活がうまくいかずに悩んでいる方は、自分に合った支援機関をぜひ探してみてください。

Kaienの就活対策支援

精神・発達障害などの障害があり、就活がうまくいかないと感じている方には、Kaienの就活支援サービスがおすすめです。Kaienでは、大学生向けのガクプロや、精神医学や発達心理学に基づいた就労移行支援、自立訓練(生活訓練)を実施しています。

ガクプロは精神・発達障害(グレーゾーンを含む)の大学生の方向けの支援で、職業体験や就活に関するセッションなどが利用できます。

就労移行支援では、障害のある方の一般企業への就職や就労サポートを行い、自立訓練(生活訓練)では、自立生活に向けてソーシャルスキルを習得することが可能です。

就活の悩みを解決したい方は、Kaienの支援サービスの利用を検討してみてください。

就活がうまくいかなくても焦らず対策を練ることが大切

就活がうまくいかないときは、自己分析や企業研究をしっかり行ったか、ビジネスマナーは身についているかといった基本的なポイントを振り返ってみましょう。また、就活の悩みは一人で抱え込まず、家族や支援機関の職員に相談することも大切です。

就活がうまくいかないと感じているときこそ、焦らずにしっかりと対策していく姿勢が求められます。Kaienでは幅広い形で就活対策支援を行っているので、就活に悩んだらお気軽にご相談ください。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます。

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