ICD とは何か
ICD とは、WHO(世界保健機構)が作成している、国際的な疾病の分類です。
この国際的な分類があることで、世界中の病因や死因を分析することができます。
日本でも医学的な分類として、医療機関での記録や管理のために活用されています。
現行のものはその第10版ですので「ICD-10」となります。
例えば、現行の ICD-10 において発達障害は「第5章:精神および行動の障害」の中の「F8.心理的発達の障害」に分類されます。
そしてこの F8 のカテゴリもさらに下位カテゴリが存在し、例えば自閉症の場合は「F84.自閉症」に属します。そして「F84.自閉症」も「カナー症候群」「自閉症」「高機能自閉症」などさらに細かく分類されます。
ICD-10 では14,000種の疾病が分類されており、もちろんその中には身体的な障害や感染症やがん(新生物)など、精神障害以外のものも含まれます。
ICD は個人の生活とどのように関連するか
では、私たちの生活のなかで ICD はいつ登場するのでしょうか。
基本的に日常生活で頻繁にお目にかかるものではありませんが、例えば障害者手帳取得の際に疾患名とそれに対応する ICD-10 での分類(ICD コード)を記入する必要があります(とはいえ、自分で判断できなくても医師等に確認すれば大丈夫です)。
また、発達障害者支援法などの法令を定める場合や、行政が「障害」「疾病」を取り上げる際、基本的にはこの ICD を参照するようになっています。
例えば、発達障害者支援法の中で支援される対象は「脳機能の障害であり、ICD-10 の F8 及び F9 に含まれるもの」と定義されています。
また ICD には精神障害の「分類」だけではなく、分類のための診断ガイドラインや診断基準も含まれており、障害の診断の際に参照されています。
DSM との違いは何か
当社のHPの中で、DSM-5 についてもご紹介しています。
DSM-5 と ICD-10 の違いと何なのでしょうか。
最も単純に考えると、ICD は世界水準で公表されているこの世のほぼすべての疾病の診断分類、DSM はアメリカ精神医学会の出した精神障害のみの診断分類、という部分が異なります。
医学的には「どちらが優れている」ということはありません。どちらも診断の参考にされていますし、基本的に両者の診断基準は大きなずれがないように構成されています。
ICD-10 から ICD-11 へ
ICD-10 は、2018年に約30年ぶりの改訂が行われ、ICD‐11 として発表されました。この改訂を受け、日本を含む WHO 加盟国は分類の翻訳など、それぞれの国で新しい ICD を適用するために準備を始めています。
日本では2020年ごろの国内適用を目指しています。
新しい ICD-11 では掲載される分類数が約18,000に増加し、より詳細な分類が可能になります。
発達障害関連では、これまでの「心理的発達の障害」という名称がなくなり、「神経発達障害」の中に分類されることになります。
そのほかにも、ICD‐10 ではトランスジェンダーは精神障害の章に分類されていましたが、11では「性保健健康関連の病態(仮)(Conditions related to sexual health)」の章が新設され、その範囲に含まれることになりました。
また、発達障害のお子さんに見られることもあるチックの症状は10では精神障害の章に分類されていましたが、11では運動障害の章にまとめられました。
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