うつ病で仕事がつらいときの対処法!向いている仕事と働き方、使える支援

公開: 2024.4.16更新: 2026.10.3

「毎日気分が落ち込んでいる」「抑うつ状態が続き仕事に行くのが辛い」など、うつ病の症状があり、仕事を続けられるのか不安に感じている方もいるでしょう。

うつ病は誰もがなる可能性があり、症状が治まっても再発することもあります。自分一人でどうにかするのは難しいですが、適切な対処方法が分かれば仕事を続けることも可能です。

本記事では、うつ病の原因や初期症状、仕事に行きたくない場合の対処法と対策方法などを解説します。転職や再就職に利用できる支援機関も紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。

うつ病でも仕事は続けられる?

うつ病と診断されても症状の程度や周囲のサポート状況によっては、仕事を継続することは可能です。うつ病の症状よりも「仕事にどの程度の影響が出ているか」という視点で判断されます。

うつ病は気分の落ち込みや無気力といった精神的な症状だけでなく、腹痛や頭痛、不眠などの身体的な不調として現れるケースもあります。今まで当たり前にこなせていた業務が思うように進まなくなるのは、本人の努力不足ではなく、脳のエネルギーが不足しているからです。

もし仕事に支障が出ている場合は、主治医と相談しながら「仕事を続けるか、一度休職するか」を検討しましょう。無理に頑張りすぎると、症状の悪化や再発を招くおそれがあります。適切な治療を受ければ、時間の経過とともに症状は和らぐケースが多いため、まずは焦らずに治療を優先させてください。

参考:厚生労働省「こころの耳|7 職場復帰に際しての支援」

うつ病の人が仕事で抱えやすい悩み

うつ病になると、脳のエネルギーが枯渇したような状態になり、これまで当たり前にできていた業務が思うように進まなくなる場合があります。これは決して怠けや甘えではなく、病気の症状によるものです。

ここからは、うつ病の方が職場で直面しやすい困りごとについて解説します。うつ病の症状については以下の記事をご覧ください。

内部リンク:うつ病とは?主な症状や原因・診断基準・治療と回復の流れを解説

集中力や注意力、記憶力が低下しミスや抜け漏れが増える

うつ病の影響で、物事に集中する力や適切に判断する力が低下すると、仕事の正確性やスピードに大きな影響が出始めます。自分では注意しているつもりでも、普段なら考えられないようなケアレスミスが続いてしまうのが特徴です。

例えば、メールやチャットのやり取りにおいて、文章を途中で書きかけのまま送信してしまったり、添付ファイルや宛先の指定を忘れたりします。対策として、送信前に必ず確認する項目をリスト化したり、重要な連絡は下書きに保存し、送信前に見直したりしましょう。

また、会議の内容や口頭での指示が頭に入ってこず、同じことを何度も確認してしまうといった状況も起こり得ます。メモを取っても内容が思い出せない場合は、作業や指示を小さく区切ってもらうよう周囲に依頼したり、要点だけを短文で残したりしましょう。

受け答えが難しく対人関係でストレスを感じる

うつ病を発症すると、思考のスピードが遅くなったり、感情の起伏が乏しくなったりする場合もあります。その結果、職場での円滑なコミュニケーションが難しくなり、対人関係でストレスを感じやすくなるでしょう。

具体的には、会議などで意見を求められても言葉がすぐに出てこず、伝えたい内容が整理できない場合があります。対策として、発言が必要な場面では要点を紙に書いておき、メモを見ながら結論を先に伝えるようにすると、対話のハードルを下げられます。可能であれば、やり取りをできるだけ文章にしてもらうよう依頼しましょう。

また、人と関わること自体がつらくなり、雑談や打ち合わせを避けたくなるときもあるかもしれません。体調が悪いときは必要最低限のやり取りに絞り、一時的に距離を取るのも大切です。

遅刻・欠勤が増える

うつ病の症状は、朝に調子が最も悪く、夕方から夜にかけて少しずつ改善していく傾向があります。そのため、朝どうしても起き上がることができず、遅刻や欠勤が増えてしまう場合もあります。

「体が動かない」と感じる原因は、強い倦怠感や意欲の低下に加え、不眠や過眠といった睡眠障害が関係しています。うつ病の人にとっては、朝起き上がって身支度をし、電車に乗って通勤するといった一連の行動が、非常に負担に感じるのです。

さらに、遅刻や欠勤の連絡を入れるのが億劫になり、連絡が遅れてしまうケースもあります。遅刻や欠勤が重なると、「自分は社会人として失格だ」という自責の念や強い罪悪感に苛まれ、症状が悪化するおそれもあります。

まずは朝起きられないのは病気の影響だと理解し、休息をとりつつ適切な治療を受けましょう。

うつ病かも?仕事がつらいときの対処法

仕事がつらくて限界を感じたときは、以下の4つの対処法を検討してみましょう。

  • 医療機関を受診する
  • 職場に相談する
  • 休職する
  • 退職・転職を考える

うつ病は脳のエネルギーが枯渇し、本来のパフォーマンスが発揮できなくなっている状態です。ご自身の体調や状況に合わせて、まずは何ができるか、詳しく見てみましょう。

医療機関を受診する

仕事に支障が出ている状態が数週間続く場合は、精神科や心療内科を受診しましょう。うつ病は早期発見・早期治療が重要です。「これくらいで受診してもいいのか」と思うかもしれませんが、放置すると症状が長期化し、回復までにさらなる時間を要するリスクがあります。

診察の際は、気分の落ち込みといった症状だけでなく、仕事への影響を医師に伝えてください。例えば、以下のような状況をメモにまとめて持参するとよいでしょう。

  • 遅刻や欠勤の回数
  • ケアレスミスの増加
  • 集中力が続かず、文章が頭に入ってこない状況
  • 勤務後に眠り込んでしまい家事ができない状態

医師はこれらの状況を踏まえて診断や治療方針、休職が必要かどうかを判断します。仕事や生活で困っていることを正直に話すと、より適切な治療計画や職場へ提出する意見書を作成できるでしょう。

職場に相談する

うつ病の症状によって「今の仕事を続けるのは難しい」と感じている場合は、上司や人事担当者、産業医などに相談し、業務調整を検討しましょう。早めに相談すると、深刻なミスや長期休職を防げる可能性が高まります。

職場に相談する際は、「現在の困りごと」と「必要な調整内容」を簡潔に伝えるのが大切です。具体的には、以下のような調整内容が考えられます。

  • 業務量の調整:担当案件の数を減らす
  • 期限の緩和:納期や締切を延長する
  • 環境調整:静かな席へ移動する、テレワークを活用する
  • 連絡手段の工夫:口頭指示ではなくチャットやメールで履歴を残してもらう

業務調整を依頼するときは、「体調の影響で記憶力や注意力が落ちているため、指示を文書でいただけると助かります」など、事実に基づいた要望を端的に伝えましょう。

休職する

「どうしても仕事に行けない」「出勤しようとすると涙が出る」といった状態であれば、休職することも視野に入れましょう。無理して仕事を続けると症状が悪化し、回復までにより多くの時間を要する場合もあります。

休職を検討するなら、まずは主治医に相談し、診断書を作成してもらいましょう。診断書は、医学的な見地から休業が必要だと証明する書類です。診断書を依頼する際は、現在仕事で困っていることについて医師に共有してください。

診断書を作成してもらったら、職場の上司や人事部などに提出し、休職したい旨を伝えます。職場は診断書をもとに休職の手続きや復職に向けた判断を行うため、忘れずに提出しましょう。

以下の記事では、うつ病や適応障害で休職するときのメールの例文を紹介しているので、ぜひご一読ください。

内部リンク:適応障害やうつ病で休職する時のメールの例文3選!復職時の流れも解説

退職・転職を考える

職場の人間関係や過度な業務量など、職場環境そのものがうつ病の原因である場合、同じ職場で働き続けることが難しいケースもあります。そのようなときは、退職や転職も選択肢の一つです。環境を変えると、症状が落ち着く場合もあります。

ただし、うつ状態のときは一人で重大な決断を下さないようにしましょう。病気の影響でネガティブな方向に考えてしまい、「今の職場を辞めたら、もうどこにも居場所がない」など、極端な結論を出す可能性があるからです。

退職や転職を検討する際は、必ず家族や主治医、支援機関に相談してください。ハローワークや障害者就業・生活支援センターなど、無料で仕事に関する相談ができる機関も存在します。客観的な視点を取り入れると、不本意な決断を防ぎ、あなたの状況に合った選択ができるでしょう。

うつ病と仕事を両立しやすくするための工夫

うつ病の症状を抱えながら仕事を続けるには、今の自分に合った負荷に調整する必要があります。いきなり転職や退職という大きな決断を下す前に、まずは現在の職場で働き方を調整し、心身のエネルギーを回復させられるようにしましょう。ここからは、うつ病の方が仕事を続けやすくするための工夫を3つご紹介します。

無理のない働き方へ変更する

うつ病からの復帰後や体調が不安定な時期は、いきなり転職や退職に踏み切るのではなく、同じ職場のまま働き方を調整して負荷を下げましょう。

例えば時短勤務を取り入れると、休息の時間を確保しやすくなります。ただし、賃金や評価、担当範囲の見直しが必要になるため、上司との事前のすり合わせが欠かせません。

在宅勤務は通勤にかかる負担を減らせる一方で、孤立感がストレスの要因になる可能性があります。ビデオ通話やチャットツールなどを利用して、社内のつながりを維持しましょう。

フレックスタイム制は、通院や睡眠リズムに合わせやすくなります。しかし、自己管理が難しいと勤務が長引きやすくなるため、勤務時間の見える化が必要です。

診断書や主治医の意見書を参考に、「週5日のうち1日は短時間勤務」「週2日は在宅勤務」など、複数の働き方を取り入れてみましょう。

オープンかクローズか検討してみる

うつ病を職場に開示する「オープン」、開示しない「クローズ」は、どちらかが正解というわけではありません。ご自身の体調と職場環境を照らし合わせ、納得できる形を選びましょう。

オープンにすると、通院のための休暇や業務量の調整など、必要な配慮を得やすくなります。一方で、プライバシーへの不安が生じる場合があるため、伝える範囲を事前に指定しましょう。

クローズにすると、うつ病による先入観を持たれず、これまでの評価を維持しやすい面があります。ただし、体調が悪化しても周囲に理由が伝わらず、結果的に過度な負荷がかかりやすいリスクがあります。

面接や相談の場で伝える際は、病名だけでなく、今の自分にできることや、安定して働くために必要な配慮をセットで伝えると、周囲からの理解や協力を得やすくなるでしょう。

再発を防ぐために自己理解を深める

うつ病の再発を防ぐための工夫として、自分の状態を客観的に把握する「自己理解」があります。自己理解を深めると、「眠れない」「イライラする」「人との交流を避けたくなる」といった不調のサインに気づきやすくなります。まずは毎日の気分や睡眠の状態、疲労感、業務量などを記録してみましょう。

また、不調のサインを察知した際の対処法をあらかじめ決めておくのも大切です。「残業を止める」「翌朝は遅出にする」「主治医に相談する」といったルールを決めておくと、判断力が低下しているときでも自分を守る行動がとれます。

もし自分一人で特性を整理したり、対処法を考えたりすることが難しい場合は、支援者と一緒に整理する方法もあります。自分では気づかなかったストレスの原因や、自分に合った働き方のヒントが見つかるケースも少なくありません。

うつ病の方に向いている仕事

うつ病の方が仕事を探す際、特定の職種にこだわるよりも、就労条件を重視して選ぶことが重要です。 同じ職種であっても、業務量、裁量の有無、締切の厳しさ、職場の支援体制によって、心身への負担は大きく変わるからです。

国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の研究によると、本人が希望する就労条件と実際の職場環境の一致度が高いほど、就労期間が長くなるという結果が示されています。職種だけで判断せず、「自分のペースを守れるか」「対人コミュニケーションは多いか」「過度なプレッシャーがないか」などの条件を基準に選んでいきましょう。

参考:国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)「就労条件の希望マッチ度が就労期間と関連することを実証―当事者の希望を優先する就労支援の後押しに―」

自分のペースですすめやすい仕事

うつ病の方は、体調によって集中力や意欲、疲労感に波が生じます。そのため、自分の状況に合わせて作業ペースを調整しやすい仕事は相性がよいといえます。

例えば、在宅ワークのように通勤の負担がなく、作業時間を柔軟に変えられる環境は、体調悪化を未然に防ぎやすいでしょう。具体的には以下のような条件が挙げられます。

  • 作業単位が細かく、途中で中断・再開がしやすい業務
  • スピードや成果よりも、丁寧なプロセスが重視される業務
  • 短時間勤務や、当日の体調に合わせた業務量の調整が可能な勤務形態

心身の状況に合わせて「今日はここまで」とコントロールできる働き方は、疲労を溜め込まず、安定した就労につながります。

人との関わりやコミュニケーションの機会が多くない仕事

うつ病の症状があるときは、人との関わりやコミュニケーションが負担に感じる場合があります。個人で黙々と進められる仕事を選ぶことで、対人ストレスを軽減できるでしょう。

向いている環境の例として、以下のようなものが考えられます。

  • 接客や電話応対、クレーム対応が業務の中心ではない役割
  • 1人で作業に没頭できる時間が長い仕事
  • 必要最低限の報告・連絡で業務が成立する環境

ただし完全に孤立してしまうと、困ったときに一人で抱え込み、かえって不安が強まるリスクもあります。人との関わりは最小限でありながら、いざという時に相談できる窓口や支援者が確保されている職場環境を選ぶと、安心して働き続けられるでしょう。

プレッシャーが比較的少ない仕事

厳しいノルマ、重い責任、激しい評価競争といった強いプレッシャーは、うつ病の症状を再発させる要因になりかねません。特に注意力が散漫になりやすい時期は、ミスが許されない仕事や、重大な判断を求められる仕事は避けたほうが無難です。

プレッシャーの少ない仕事として、以下の条件をチェックしてみましょう。

  • 責任の範囲が明確で、突発的な判断を迫られる場面が少ない
  • 納期や目標が安定しており、急な仕様変更や予定変更が少ない
  • ミスが発生しても、組織としてカバーしてくれる体制が整っている

「失敗しても大丈夫」という安心が確保された職場であれば、過度な緊張を感じることなく、今の自分が持っている力を発揮しやすくなります。

発達障害が背景にあるうつ病の場合の適職選び

うつ病の背景に発達障害がある場合、ご自身の「苦手の根っこ」に合わせて仕事を選びましょう。

例えばADHD(注意欠如・多動症)の特性がある人は、優先順位付けや時間管理が難しい傾向にあります。そのため、業務手順が明文化されていたり、タスクが細かく区切られていたりする仕事を選ぶと、うつ病の再発防止につながります。

ASD(自閉スペクトラム症)の特性がある人は、曖昧な指示や暗黙の了解にストレスを感じる場合があります。役割分担が明確な仕事や、指示が文書で共有される仕事など、対人ストレスを最小限に抑えられる条件を優先してください。

さらに、感覚過敏による慢性的な疲労を防ぐには、静かな環境や在宅勤務ができるかどうかも重要です。発達障害の傾向がある人が安定して働き続けるには、ご自身の特性を把握し、配慮が得られる環境を整えましょう。

うつ病で仕事に関する悩みを抱える方が利用できる支援サービス

うつ病の人が就職・復職を目指す際に、サポートや支援制度を利用することでスムーズに仕事を再開できる可能性があります。ここでは、うつ病からの就職や復職の際に利用できる相談先や支援場所を紹介します。

ハローワーク

ハローワークは、厚生労働省が管轄している公安職業安定所です。全国500箇所以上に設置されており、就職や転職を目指す人に対して職業紹介や雇用保健の手続き、求職相談などを提供しています。

ハローワークには、障害のある人の就職活動を支援するために、専門的な知識を持つ職員や相談員が在籍しています。福祉施設や就労支援者と連携して、就職から職場定着まで一貫した支援を行っています。

障害者就業・生活支援センター

障害者就労・生活支援センターとは、障害がある人の仕事と生活を総合的にサポートする公的機関です。身体障害や精神障害、知的障害のある人が、自立して働き続けながら安定した生活を送るために、必要な支援を提供します。障害者手帳を持っていない人も利用可能です。

就労に関する相談や定着支援、職場への同行、支援機関の紹介といった就労サポートが受けられます。生活面では、家庭訪問などを通した健康管理や金銭管理のアドバイス、障害者手帳の取得や障害者年金の申請など幅広く相談できます。

就労移行支援

就労移行支援は、うつ病などの精神障害がある方が企業への就職を目指すための障害福祉サービスです。就職に必要な職業訓練から、実際の就職活動、就職後の定着支援までを一体的に受けられます。

Kaienの就労移行支援では、履歴書・職務経歴書の作成支援や模擬面接、面接同行など、仕事探しに直結するサポートを丁寧に行います。また、独自に開拓した企業ネットワークを持ち、障害者雇用枠の求人紹介を含め、うつ病で仕事探しに不安がある方でも応募しやすい環境を整えているのが特徴です。

Kaienは医療機関との連携を重視しているため、うつ病特有の体調の波や再発への不安を考慮しながら、無理のないペースで就職準備を進められます。

自立訓練(生活訓練)

自立訓練(生活訓練)は、生活リズムや体調管理、対人関係など、社会生活を営むうえでの基盤を整えるサービスです。「まずは生活を立て直したい」「働く自信が持てない」という方にとって、就労移行支援へ進む前段階のステップとして活用できます。

Kaienの自立訓練(生活訓練)では、ストレスへの対処法、日々の記録、マインドフルネスなどをプログラムに取り入れ、うつ病の再発予防を意識した生活づくりを支援します。また、服薬の意味や副作用について学ぶプログラムも用意されており、病気とうまく付き合いながら生活を安定させる知識を身につけられます。

Kaienの自立訓練(生活訓練)プログラムについては、以下のサイトをご覧ください。

内部リンク:自立訓練(生活訓練)プログラム

リワーク

リワークとは、うつ病などの精神疾患で休職中の方が、主治医や支援機関と連携して職場復帰を目指すプログラムです。Kaienの「こころのリワークセンター」では、ストレス対処やコミュニケーションの訓練を通じて、復職後に仕事を継続しやすい状態を目指します。

Kaienのリワークでは、グループワークと個別ワークを組み合わせ、対人関係の練習を行います。これにより、周囲とのコミュニケーションへの不安を和らげることが可能です。

また、Kaienのリワークは復職後の定着支援を重視しているのが特徴です。本人・職場・支援機関が連携し、再発を防ぎながら長く働き続けるための仕組みを構築します。詳しくは以下のサイトをご覧ください。

内部リンク:新しい復職支援をあなたに!こころのリワークセンター

うつ病の方の仕事に関するよくあるFAQ

うつ病で仕事に悩む際、復職やお金の不安は尽きないものです。ここからは、休職中の方や転職を考えている方からよく寄せられる、利用できる制度や回復のステップなどについてお答えします。

うつ病で休職を考えていますがお金がありません。利用できるお金に関する支援制度はありますか。

うつ病などで仕事を休む場合、会社員で健康保険に加入していれば「傷病手当金」を受給できる可能性があります。傷病手当金は、業務外の病気やけがで4日以上(連続する3日間の待機期間を含む)仕事を休んだ場合に、給与の約3分の2が支給される制度です。

また、医療費の負担を軽減する「自立支援医療(精神通院医療)」を利用すれば、自己負担額を原則1割に抑えられます。症状が長期化し、生活や仕事に制限がある場合は、「精神障害者保健福祉手帳」の取得や「障害年金」の申請も検討しましょう。障害年金には初診日や保険料の納付状況などの要件があり、主治医の診断書が必要です。

経済的な支えは心の安定にもつながります。まずは主治医や支援機関に相談してみてください。休職中に利用できるお金の支援制度については、以下の記事で詳しく解説しています。

内部リンク:休職中でお金がない時に使える制度とは?就労移行支援を活用して早期復職を目指そう

うつ病で休職していますが、復帰に向けて何から始めればいいですか?

復職を目指す際は、いきなり以前と同じように頑張ろうとしないことが大切です。まずは主治医に、現在の回復状況で可能な勤務時間や業務量の目安を確認しましょう。

次に、決まった時間に起き、日中に散歩などの軽い活動を行い、復職に向けて生活リズムを整えます。生活リズムが安定してきたら、職場と相談して時短勤務や在宅勤務、業務量の調整などの復職プランを検討しましょう。復職前には、症状が悪化した際のサインや、不調を感じたときの休み方、相談先をあらかじめ整理しておくと、再発予防につながります。

自分一人での準備が不安な場合は、リワークを活用する方法もあります。Kaienの「こころのリワークセンター」では、生活リズムの調整やストレス対処、コミュニケーションスキルなど、職場復帰に必要な力を身につけるお手伝いをしています。

内部リンク:新しい復職支援をあなたに!こころのリワークセンター

転職活動はいつから始めればいいですか?治療と並行してもいいですか?

うつ病の症状が強く出ている時期は、無理に転職活動を進めるのは避けましょう。うつ病の回復過程は「急性期」「回復期」「再発予防期」に分かれますが、判断力や意欲が安定してくる回復期以降に検討するのが望ましいです。

休職中は焦りから極端な決断をしやすいため、退職や転職といった大きな選択は、家族や主治医、支援機関など第三者の意見を聞きながら慎重に進めることが重要です。治療と並行する場合も、まずは自分に合う働き方や必要な配慮を整理するところから始めましょう。

体調や今後のキャリアに不安がある場合には、就労移行支援を利用して、専門家のサポートを受けながら無理のないペースで準備を整える選択肢もあります。Kaienでも就労移行支援事業を行っており、自己理解から配慮整理、求人選び、定着支援までを伴走しながら支援しています。

内部リンク:Kaienの就労移行支援プログラム

うつ病で仕事に関する悩みを抱えている方はKaienへご相談を

うつ病を抱えながら仕事を続けるには、症状を正しく理解し、主治医や職場と相談しながら無理のない環境を整えましょう。ミスや集中力の低下は、脳のエネルギー不足による症状であり、決して怠けではありません。一人で抱え込まず、休職や業務調整、専門機関の支援を頼ってください。

Kaienでは、就労移行支援やリワーク、自立訓練(生活訓練)を通じて、うつ病の方が安定して働けるよう、伴走型のサポートを提供しています。専門家と一緒に自分に合った働き方を見つけ、再発を防ぐスキルを身につけませんか。

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監修者コメント

 うつ病になると、「これまでと同じように働けないなら、自分には価値がない」と考えてしまう方が少なくありません。しかし、「働く」ことは、会社に雇われて決まった時間に通うことだけを指すのではありません。見方を変えれば、仕事の仕方は無数にあります。

そのひとつが、自分で事業を始めるという選択です。いわば「裏技」です。雇われて働く場合、勤務時間や業務量は職場が決めるため、体調の波があっても合わせなければなりません。自分で事業をするなら、体調に合わせて働き方を設計できます。

たとえば林直人さんは、長年うつと付き合いながらオンライン学習塾を経営し、著書『うつでも起業で生きていく』にその方法をまとめています。大成功を目指すのではなく、「生きていける起業」をめざす。借金をしない。体調が悪いときはとことん休む。自動で収益が入る仕組みをつくる。スタッフに任せられる体制にして、自分が動けない日でも事業が回るようにする。こうした工夫は、うつのある方にとって現実的な知恵だと思います。

えらいてんちょうさんの『しょぼい起業で生きていく』も、同じ方向の考え方です。大きく稼ぐことを目標にせず、小さな規模で、負担をかけすぎずに続けられる形の事業を、身の丈に合わせて営む。「しょぼい」と名乗ることで、失敗しても致命傷にならない、気楽な働き方を示しています。

お二人に共通するのは、「会社に自分を合わせる」のではなく、「自分の状態に合わせて仕事の形を考える」という発想です。

ただし、起業は誰にでも勧められる方法ではありません。症状が強い時期は、まず休養と治療が最優先です。判断力が落ちている時期に大きな決断をしないことは、うつ病治療の基本でもあります。回復してきた段階で、無理のない小さな形から試し、主治医や支援者に相談しながら進めてください。

働き方に唯一の正解はありません。雇用、短時間勤務、在宅、副業、起業など、自分に合う形を探すことが、回復を支える力になります。

監修:中川 潤(医師)

東京医科歯科大学医学部卒。同大学院修了。博士(医学)。
東京・杉並区に「こころテラス・公園前クリニック」を開設し、中学生から成人まで診療している。
発達障害(ASD、ADHD)の診断・治療・支援に力を入れ、外国出身者の発達障害の診療にも英語で対応している。
社会システムにより精神障害の概念が変わることに興味を持ち、社会学・経済学・宗教史を研究し、診療に実践している。


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