仕事に行きたくないのはうつ病だから?原因や対処法、支援サービスなど解説

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季節の変わり目など、仕事に行きたくない日は誰にでもあるものです。しかし、仕事に行きたくない状態が続いている場合、うつ病の可能性が考えられます。

本記事ではうつ病の症状があって仕事に行きたくないと考えている方向けに、うつ病の原因や対処法、利用できる支援サービスについて解説します。自分はうつ病かもしれないとお悩みの方は、ぜひお役立てください。

仕事に行きたくないと感じる原因

毎日働いていると、「仕事に行きたくない」と感じる時が誰にでも1度はあるでしょう。仕事に行きたくないと感じる原因は人によりさまざまですが、主に以下の3つが考えられます。

  • 業務量や内容が合っていない
  • 人間関係のストレス
  • 仕事のプレッシャー

上記を見れば分かる通り、仕事に行きたくない原因は業務内容や職場環境に由来しているものが多いです。そのため部署や配置換えをする、休養をとるなど、環境が変わることで仕事に行けるようになる場合もあります。

原因はうつ病と関係ある?

仕事に行きたくない原因はさまざまですが、「仕事に行きたくない状態」が続く場合は、うつ病の可能性があります。

うつ病とは、「何をしても楽しくない」「1日中気分が落ち込む」などのメンタル面の症状や、不眠や倦怠感などの身体的な症状により、日常生活に支障をきたした状態を言います。うつ病になると自然治癒は難しく、適切な治療が必要です。

うつ病の主な症状と受診の目安

うつ病は気分障害に分類され、気分の落ち込みや意欲の低下などが主な症状です。メンタル的な症状に伴い、食欲減退や頭痛、不眠といった身体的な症状も現れます。

うつ病の症状や状態、進行具合は人により異なりますが、受診の目安として以下の項目から該当するものがあるかチェックしてみましょう。

  • 何をやっても楽しくない
  • 好きなことにも意欲がわかない
  • 集中力が低下してミスが増える
  • 自己肯定感が低下する
  • 不眠
  • 食欲不振
  • 口数が極端に減る
  • 残業が100時間を超えている
  • 妄想をしてしまう

上記はあくまで目安ですが、当てはまるものが複数あればうつ病の可能性があります。無理して働き続けようとせず、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

うつ病の治療方法

うつ病と診断された場合、症状に合わせてさまざまな治療が行われます。主な治療方法は、以下の3つです。

  • 休養(休職・退職も視野に)
  • 薬物療法(抗うつ薬や抗不安薬などの処方)
  • 心理療法(認知行動療法など)

うつ病は治療に時間を要し、再発もしやすい病気と言われています。治療の進め方などを主治医とよく相談して、納得のいく形で進めていきましょう。また、うつ病は休養が重要です。うつ病の症状が見られたら、無理をせずに心身を休めることを優先しましょう。

うつ病と発達障害の関連性

うつ病の治療をしていてもなかなか治らない、環境を変えても再発をくり返すといった場合、背景に発達障害*が関連している可能性があります。発達障害とは、先天的に一定の特性があり、社会生活に困難が生じる障害を指します。

発達障害の特性により生きづらさを感じると、うつ病などの後天的な精神障害を発症する場合があります。これを発達障害の「二次障害」と呼び、うつ病の発症により発達障害が発覚したというケースも珍しくありません。

うつ病は後天的なものなので、適切な休養や治療をすれば完治する病気です。しかし、二次障害としてうつ病の症状が出ているのであれば、うつ病の治療のほかに発達障害の特性へのアプローチも行わなくてはなりません。発達障害は生まれつきの特性なので治ることはありませんが、対策を講じることで生きづらさを緩和させることはできます。

自分のうつ病が何に起因しているのか見極め、主治医やサポート機関と連携しながら適切な対処をとることが大切です。

仕事に行きたくないときの対処法

うつ病や発達障害の影響で仕事に行きたくないと感じるのであれば、早めの対処が重要です。無理をすると、さらに症状が悪化してしまうかもしれません。症状を悪化させないために、有効な対処法を選択することが大切です。自分の状態や職場環境などを考慮し、最良な対処法をとるようにしましょう。

会社に相談する

仕事に行きたくない原因がはっきりしている場合は、まず会社に相談してみましょう。業務量や人員配置などは、上司へ相談することにより解決する場合もあります。うつ病などの病気が影響しているならば、上司に現在の症状を理解してもらうことで、適切な配慮が受けられるかもしれません。

また、会社によっては相談窓口を設けているところもあります。上司や同僚との人間関係など、会社に話しづらい内容であれば相談窓口を活用するのも1つの手段です。

休職する

症状が悪化する前に、休職するのも有効な選択肢の1つです。うつ病は休むことで改善が見込まれ、無理をして働き続けると症状が悪化しさらに状態が悪くなることも少なくありません。休職する場合には、かかりつけのクリニックで診断書を作成してもらい、会社に提出する必要があります。同じ職場で働きたい気持ちがあるならば、休職制度を利用しましょう。

退職や転職を考える

業務や人間関係など、職場環境が負担になっているならば、現在の会社から離れるために退職や転職を視野に入れましょう。職場環境が変わるだけでストレスが減少し、症状が快方に向かうケースも多くあります

うつ病の場合は、正常な判断がしづらい状態です。退職や転職を考える場合は、家族や医療機関などの第三者と相談しながら進めていきましょう。

障害者雇用を検討する

うつ病の診断がある場合は、障害者手帳を取得することで障害者雇用として働くことができるようになります。障害者雇用は、雇用側が病気であることを理解しているため、一般雇用よりも業務内容が配慮されるケースが多いです。そのため、現状よりも働きやすい環境で仕事ができるので、再発防止にもつながります。

障害者雇用で働く場合、就労移行支援の利用がおすすめです。就労移行支援とは、障害のある方が就職する際のサポートを行う福祉サービスの1つです。自分だけでは障害者雇用について分からないことも多くあると思いますので、ぜひ就労移行支援を利用して、就活サポートをしてもらうと良いでしょう。

うつ病の方の再就職は就労移行支援の利用がおすすめ

休養や治療を経て復職や再就職を考えたら、就労移行支援を頼ってみましょう。就労移行支援は障害のある方を対象とした福祉サービスで、就活から就労後の支援まで一貫して行ってくれます。

うつ病の症状や、発達障害の特性による困りごとがある場合、1人で自分に合った職探しをするのは難しいかもしれません。就労移行支援では、障害に対する理解や知識のある専門のスタッフが、二人三脚であなたの職場復帰をサポートしてくれます。

就労移行支援では主に以下の3つのサービスが受けられます。

  • 職業訓練(さまざまな職種の体験やプログラムを通し、就労に必要なスキルやマナー、困りごとへの対策方法などを身につけられる)
  • 就活支援(面接訓練や求人紹介など、就活にかかわるサポートが受けられる)
  • 定着支援(職場が決まった後も、相談や職場訪問などにより困りごとに対する支援が継続される)

就労移行支援を利用することで、適職に出会うチャンスを広げ、職場定着のサポートも受けられます。うつ病で仕事を離れてからの職場復帰に不安がある方は、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。

就労移行支援のサービス内容

Kaienでは発達障害に特化した就労移行支援を行っています。Kaienの就労移行支援には、主に4つの強みがあります。

適職に出会える職業訓練

Kaienの職業訓練では、自分に合った職種や業務内容を知るために、100種類以上の職種が体験できます。事務作業を中心とした経理や人事、単純作業がメインの軽作業、専門的な知識を活かしたプログラミングなど、特性に合わせた幅広い職種を実践的に体験できるのも、他事業所にはないKaienの強みです。

豊富なプログラム

職場復帰のためには自分の特性を理解し、苦手分野に対する能力をつけることも必要です。Kaienでは、ライフスキル講座やスキルアップ講座、就活講座など50種類を超える講座を毎日実施しています。スキルの習得や困りごとへの対策にもつながるので、ぜひ積極的に参加してみましょう。

独自求人を含む就活支援

Kaienでは、障害に理解のある200社以上の企業と連携し、他事業所にはない独自求人を含む豊富な求人を取り揃えています。うつ病に対する理解がある職場で働けるので、特性があっても仕事を続けることができるでしょう。もちろん就職まで担当カウンセラーが2人3脚でサポートするので安心です。

定着支援

就職が決まったらそれで終わりではなく、Kaienでは就職後の定着支援も充実しています。職場訪問を実施して職場との意見のずれを修正したり、生活面の相談にのったりと親身になってサポートを継続します。

うつ病で仕事に行きたくないときは休養や転職も視野に入れて

うつ病の治療には、休養が1番です。無理をして働かず、医療機関への受診や治療を行い、心と体をゆっくり休めましょう。仕事に行きたくない状態が続く場合には、休職や転職を視野に入れることも大切です。

就労へのモチベーションが上がり、再就職を検討する際には就労移行支援の利用がおすすめです。Kaienでは無料の見学会や体験会を随時開催していますので、興味がある方はぜひお気軽にご連絡ください。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます。