障害者雇用の契約社員は不安定?

発達障害の人が感じる障害者雇用の壁を解説します
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 障害者雇用はその”実態”がわかりにくい世界です。どのような職種があるのか、どの程度給与がもらえるのか、どの程度受かりやすいのか、などなどどうしても専門機関に訊く必要があります。中でも多くの人が驚くのが正社員の少なさです。このページは障害者雇用の契約社員という身分で大丈夫なのか心配する方に向けた記事となります。

9割近くの障害者雇用は契約社員

 障害者雇用は多くの仕事が契約社員です。そもそも契約社員とは何でしょうか?契約社員には以下の2つがあります。

  • 普通の契約社員 → 月給で支払われる。契約期間は3カ月や半年、1年単位。
  • アルバイト・パート → 時給で支払われる。その他は普通の契約社員と一緒。

 いずれにせよ契約社員が正社員に比べて違うところは、契約期間があるところです。正社員は、①会社がつぶれない限り、②定年に達さない限り、あるいは③解雇事由になるような極端な違法行為・公序良俗に反する行為をしない限りは雇用が守られる仕組み。一方の契約社員は①、②、③に関わらず、契約期間が終わると雇用が終了する可能性があります。

 障害者雇用の場合、正社員の契約が少なく、多くは契約社員雇用です。例えばハローワークの求人を見ると、契約社員の割合は87%に達します。(2016年10月 ハローワークインターネットサービス情報)

どうして障害者雇用には契約社員が多いのか?

 それには2つの理由があると当社では考えています。一つは障害者雇用の場合大企業が多いこと。もう一つが障害者雇用の離職率が非常に高いことです。

 厚労省の調査によると、障害者雇用の離職率は30~40%程度。(厚労省・一般就労後の職場定着フォローアップに関する調査事業報告書による) つまり1年以内に3割の人が離職しています。中には契約期間が終わって、次の契約が結ばれない場合もありますが、当社では95%を越す人たちが契約が継続されています。契約継続が圧倒的な中で離職する人が多いということは自己都合で契約途中で退職する人が多いということです。

 これは何らかの社会的制約がある人たちが障害者雇用で働いていることを考えると意外な事でもないかもしれません。が、雇う側にとっては、①会社がつぶれない限り、②定年に達さない限り、あるいは③解雇事由になるような極端な違法行為・公序良俗に反する行為をしない限り、雇い続けないといけない会社にとって、正社員になってすぐに勤怠が不安定になってしまう人が多くなると大きな問題になります。

 特に中小零細と異なり、大企業は法令順守への意識が高いものです。労働基準法を明確に違反するような解雇がなかなかできません。このため、通うことが安定しない障害者を雇う場合にははじめは契約社員にして様子を見て、その後正社員に登用するという企業が多くなります。当社の数字でも8割以上の方が契約社員で雇われた後、正社員に登用されています。

少数ながら正社員の求人もあるのはなぜ?

 これは具体的なデータがあるわけではありませんが、企業の人事を取材すると、「身体障害の人に来てもらうためには、正社員でオファーせざるを得ない」という答えが返ってきます。つまり、障害者雇用では圧倒的人気の身体障害者の人に応募してもらう、選んでもらうための雇用ということになります。

 もちろん勤怠が安定しているのが多くの発達障害の人の特徴です。首都圏では障害者雇用の求人が多いわりに、求職者が少なめな傾向が続いていますので、今後は正社員の求人も増えていく可能性は高いと当社では考えています。

発達障害がある場合、障害者雇用の契約社員は不安定?

 いえ、そんなことはありません。当社で就労移行支援を受けた発達障害の方は1年後でも9割を越しています。一般雇用も含んだ数字ですので、障害者雇用に限るとより高くなります。2つのポイントを理解してください。

 まずは、契約社員だから不安定なのではなく、しっかり働いているかいないかが安定・不安定を決める要素になります。まずは精神・体調両面を整えて、毎日職場に行くということが何よりも大きなこととなります。障害者雇用の方の離職が多いのは、最終的にはパフォーマンス不足というのではなく、ご本人の体調不良が最も多い理由と考えられます。

 もう一つは前述のように大企業は契約止めをしたいから契約社員にしているのではなく、続くかどうかわからないからはじめだけ契約社員にしていることが多いので、きちんと正社員登用がある企業を選べば安定も得られるということです。正社員登用がどの程度ある企業なのか、その時の条件がどのぐらい厳しいのかは面接の場などでは聞きづらいところですので、支援者を通して確認するなどしてみてください。

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