統合失調症でも働ける?就労移行支援を利用した就職・転職・復職サポート事例

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統合失調症の患者数は全国に約80万人いると推計され、今や約100人に1人はなると言われています。精神疾患の1つである統合失調症を患ってしまうと、社会復帰は難しいと思う人もいるかもしれません。しかし、自身の体調と正しく向き合い、周囲の理解を得ることができれば一般就労も可能です。

本記事では、統合失調症の原因や症状への理解を深め、就労移行支援を活かした就職サポート事例についても併せて解説します。

統合失調症の症状

統合失調症とは、「思考」「気分」「行動」の3つに問題が生じることで、メンタルや人間関係などが上手くいかなくなる精神疾患です。10代半ばから30歳ごろまでに発症するケースが多く、患者の男女比はほぼ同じですが、発症する年齢は男性のほうが早い傾向にあります。

統合失調症には陽性症状と陰性症状が見られるのが特徴です。陽性症状は、健康なときには現れなかった症状である幻覚や妄想、思考の混乱などが見られるようになります。幻覚の中では、周りの人には聞こえない声が聞こえてしまう幻聴が多く現れる症状の1つです。

一方、陰性症状としては、無気力や感情の喪失などが挙げられます。独り言を言ったり、他人と関わらず一人でいたりするのが陰性症状のサインです。

統合失調症になる前のSOSサイン

統合失調症は、幻覚や妄想といった陽性症状が現れる前に、気分の落ち込みや対人恐怖といった「SOSサイン」が出現します。このうつ病や不安障害のような症状が現れると、家から出られない、人に会いたくない、集中力が低下してミスが増えるなど、仕事や日常生活に支障をきたすようになるでしょう。

うつのような気分の落ち込みや、人が怖くなる気持ちなどは、健康な人でも経験するもので、必ずしも心の病気に直結するものとは限りません。しかし、統合失調症のSOSサインだった場合は、クリニックの受診や専門機関でアドバイスを受けながら生活環境を改善すれば、統合失調症の発症リスクを減らせると言われています。

心の不調を感じたら、早めに専門家やクリニックなどに相談するとよいでしょう。

発達障害の人は統合失調症になりやすい?

発達障害*と統合失調症の症状には共通している部分があります。主な共通点としては社会的に孤立してしまう、表情が乏しい、興味や関心が狭くなるといった点です。どちらの症状も、遺伝的な要因が強く関係していると言われています。

発達障害と統合失調症に共通点はありますが、幼少期から症状が見られる発達障害とは異なり、統合失調症は思春期以降に症状が現れるケースが多いです。そのため、大人になってから併発してしまう例も時には見られます。

発達障害の方が統合失調症を発症しやすいわけではないのですが、気になる症状や当てはまる症状が見られる場合は、早めにクリニックを受診することをおすすめします。

統合失調症が仕事に与える影響

統合失調症の人は症状の影響で無気力になったり、疲れを感じやすくなったりする傾向があります。また、集中力の低下や周囲への無関心などから仕事へのモチベーションが下がり、業務に支障をきたすこともあるでしょう。

統合失調症の人が疲れやすいのは、集中力が持続せず、たくさんの情報に触れると頭が混乱しやすくなるためです。ミスが増えると意欲も下がり、周囲の目が気になって疑心暗鬼になるなど悪循環に陥ります。症状により仕事が困難になったら、早めに会社に相談して適切な治療を受けることが大切です。

回復期の注意点

統合失調症の症状が落ち着き、回復期に入ったときこそ要注意です。統合失調症は再発しやすいと言われており、回復期になっても疲れやすさが取れづらく、記憶力や判断力が元に戻らないケースも珍しくありません。

そのため、「周囲から意欲がないように誤解されてしまう」、「周囲の目が気になって集中できない」といった困りごとも起こりやすくなるでしょう。 回復してきたからと無理をせず、自分のペースで少しずつ日常生活に慣れていくことが大切です。

統合失調症の治療のポイント

統合失調症の診断を受けたら、治療は薬の服用が中心です。興奮を鎮める抗精神薬のほか、不安や緊張を和らげる抗不安薬や、抗うつ剤なども用いられることがあります。

また、ストレスを減らし、周囲の人間関係や、発症によって変わってしまった環境面の整理をするなど生活環境を整えることは必要で、時にカウンセリングも併用されます。統合失調症は、治療によって急性期の症状が治まると、回復期を経て徐々に長期安定に至るという経過をたどるのが一般的です。無理をせず主治医と相談しながら、症状に合わせた適切な治療を受けるようにしましょう。

統合失調症の方の就活をサポートする就労移行支援とは

就労移行支援とは、障害のある人が働くために必要なスキルを身につけるトレーニングや、就職活動に関するサポートを受けられる福祉サービスです。

統合失調症の場合、就労への困りごとや悩みも多く、上手く就職に結びつかないケースも多くあります。就労移行支援事業所では、こうした精神疾患や障害の特性を理解したうえで、生活環境の改善や就労に必要な訓練を受けることで、社会復帰を目指せるのが特徴です。

障害者雇用や就労に詳しい専門のスタッフが、自分専用の就労プランを立ててアドバイスしてくれる点も心強いでしょう。

なかでもKaienの就労移行支援サービスは就職率が86%と高く、過去10年の就職者数が約2,000人を超える就職実績を誇っています。充実したサポートプログラムを利用前に体験できる、体験セッションも無料で随時開催しているので、お気軽にご連絡ください。

就労移行支援のサポート事例

就労移行支援といっても、事業所により特色やサービス内容はさまざまです。Kaienでは、さまざまな分野の専門的な知識と経験を兼ね備えたスタッフによる、発達障害に特化した就労移行支援サービスを受けることができます。

ここでは、Kaienのサポート事例をもとに、就労移行支援のサービス概要を紹介します。

適職が見つかる職業訓練

Kaienでは、豊富なカリキュラムで実践的な職業訓練を受けることができます。体験できる職種は100種類以上あり、オフィス事務や手先や身体を使った軽作業、さらにはプログラミングやデザインなど、クリエイティブな職業に就くための専門コースの受講も可能です。

これらはすべて、体験利用の際にお試しいただけます。Kaienの体験セッションは、完全無料で実際の職業訓練が受けられます。実際のプログラムを体験することで、サービス内容への理解が深まるほか、利用前の不安解消にもつながるでしょう。

体験セッションは個別相談後にご案内をしています。ぜひ一度、Kaienの雰囲気や支援内容を知るためにも、個別相談へお越しください。

スキル向上に役立つセッション

自身の障害への理解や、就労の困りごとの対策として、Kaienではスキルアップや自己理解など、さまざまな講座を設けています。

ビジネススキルを磨くための電話対応やメールの送り方、業務の優先順位づけ、メモの取り方に至るまでのオフィス業務の基本を学べるほか、自己PRの書き方や身だしなみのマナー、ハローワークでの求人の探し方など、あらゆる就活支援を受けることができます。

また、将来を見据えたキャリア・プランニング講座も人気です。明るい未来を描くためのディスカッションを行うことで、将来に対する不安を軽減することができます。このような圧倒的な質と量を誇るカリキュラムが、Kaienの就労移行支援の大きな強みです。

強みを活かせる求人紹介

Kaienでは、障害に理解のある企業200社以上と提携し、独自の求人を含む多くの求人を紹介できる体制が整っています。カウンセラーが二人三脚でサポートし、あなたに合う適職を一緒に探します。求人の種類も職業や業種などが多種多様で、特性に合わせた働き方がきっと見つかるはずです。

就職後の定着支援

統合失調症の場合、再発のリスクや実際に働いてみてから困りごとが生じるケースも多々見受けられます。こうした不安や悩みに備えて、Kaienは就労後の相談や職場訪問、生活指導、勤務先との調整など、手厚い定着支援を行っているのが特徴です。

就労定着支援は3年半実施され、定着支援SNSなどでもつながりを保てるため、安定した就労につながるでしょう。

手厚い就労移行支援で安心できる就職活動を

統合失調症を発症した人は、慢性的な疲労感や気力の低下などにより、就労に対する困りごとを抱える人が多いです。症状がある場合は無理をせず、専門家への相談やクリニックの受診をするなどして適切な治療を行いましょう。

統合失調症であっても、障害の特性を理解してサポートしてくれる就労移行支援の利用で、社会復帰を目指せます。Kaienでは、充実したプログラムと就活サポートにより、あなたの就労へのステップをアシストします。

統合失調症の症状が重い場合はまず休養を優先し、働く意欲が出てきたら、ぜひKaienの就労移行支援サービスの利用を検討してみてください。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます


監修者コメント

統合失調症は、100人に1人が罹患する比較的多い疾患の1つであり、本記事にあるように、症状は生活の様々な面に影響します。就労に関しては、男性の場合は発症年齢が若いこともあり、初就職の段階から相談先を必要とすることが多いかもしれません。女性の場合は就職中に発症して、一旦休むことになることが多いかもしれませんね。いずれにしても、服薬をしながら、もしくはデポ剤という1ヶ月に1度の注射治療を受けながら、就労を目指していくことが多いはずです。治療を受け始めたら、是非焦らずに回復を目指して欲しいですね。就労を考えた時には、服薬の仕方や、通院のペースなどに、無理がかからないよう、就労支援の方とも相談しながら求める職種や就労先を決めていくと良いでしょう。就労後も、定着支援があるとやはり安心だと思います。

監修 : 松澤 大輔 (医師)

2000年千葉大学医学部卒業。2015年より新津田沼メンタルクリニックにて発達特性外来設立。
2018年より発達障害の方へのカウンセリング、地域支援者と医療者をつなぐ役割を担う目的にて株式会社ライデック設立。
2023年より千葉大子どものこころの発達教育研究センター客員教授。
現在主に発達障害の診断と治療、地域連携に力を入れている。
精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、医学博士。


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