大人のADHD(注意欠如多動症)は治療で改善可能?原因や困りごとへの対処法を解説

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「ADHD」という言葉をテレビや雑誌の中で目にする機会が増えてきました。

発達障害*について紹介される際によく取り上げられる種類の一つが、この「ADHD(注意欠如多動症)」です。
このページでは、大人のADHDについて診断基準なども踏まえながら、長所や苦手なこと、対応策についてご紹介します。また、大人のADHDにはどんな治療方法があるのかについても解説しているので、参考にしてください。

大人のADHD(注意欠如多動症)とは?

ADHD(注意欠如多動症)は、子どもだけに見られるものではなく、大人になってからADHDと診断されるケースもあります。

子どものADHDというと「衝動的に話し出す」「じっと座っていられず動き回る」などの特徴が一般的です。一方、大人のADHDの場合、注意の持続が困難あるいは細部まで注意が向かないために、仕事や家事でのケアレスミスや物忘れが多いといった特徴が見られます。

ADHDの特性を持っていても、子どもの頃には症状が目立たずに見過ごされることがあります。そのため、成人後、就職や結婚などでライフステージが変わり、人間関係や行動範囲が複雑化した際に対処しきれず、問題が表面化して症状に気づくケースも少なくありません。

大人のADHDかも?よくある困りごとをチェック

大人のADHDによくある困りごととして、以下のような項目が挙げられます。

  • 騒音や雑音があると、すぐに注意が散漫になる
  • 周りが気になって目の前の仕事に集中できない
  • 仕事や家事などで優先順位をつけることや、その通りに実行することが難しい
  • 短気で、些細なことで自分を見失うことや、突発的に怒り出すことが多い
  • 課題を遂行できず、途中で投げ出してしまう
  • 衝動買いをしてしまう
  • 約束の時間に遅れる、約束を忘れる、締め切りや期限に間に合わない
  • 鍵や財布などをしばしば紛失する
  • 仕事や生活で忘れ物が多い
  • 注意力や集中力に欠け、他人と話していてもストーリーを追えない、内容を忘れてしまう(他人から話しかけられても、話を聞いていないように見える、と指摘されることが多い)
  • 単調な仕事や読書、計算を持続することが苦痛
  • 他人の話をさえぎり、一方的にしゃべり出してしまう

これらの項目はADHDの正式な診断基準ではありませんが、思い当たる項目が多い場合はADHDの可能性があるといえるでしょう。

ADHDの特徴

ADHDは大きく3つのタイプに分けられます。

不注意優勢型

いわゆる「うっかり」間違いが多いタイプです。

忘れ物をしたり、約束を忘れてしまうということは、誰しも経験があると思います。

しかし、ADHD の方の場合、うっかりの度合いが大きかったり、頻度が高かったりします。

気がそれやすく、物事に長時間集中し続けることの苦手さがある場合もあります。また、整理整頓が苦手な人もいます。

多動・衝動優位型

ひとつの物事にじっくり取り組んだり、ひとつの場所にじっと留まることを好みません。

つい貧乏ゆすりをしてしまったり、じっとしていても内心は落ち着かないことが多くあります。

気持ちのコントロールが効きにくい場合があり、カッとなって言い返してしまったり、後先考えずに思ったことを伝えてしまうことがあります。

じっくり計画を立てて行動するよりも、思いついたら即行動という場合が多いでしょう。

混合型

「不注意」と「多動 / 衝動性」の両方の特徴を持つ場合です。

ADHDの原因

ADHD(注意欠如多動症)の原因はまだ解明されていませんが、脳機能の偏りが原因の1つといわれています。脳の画像診断による研究報告では、神経生物学的な原因があることが強く示唆されています。

特に集中力の維持や行動計画などに携わる「前頭前野」と、スムーズな行動を行うための「尾状核」の働きが弱いことが知られています。

また、脳内の神経伝達物質の関与も明らかにされてきました。神経伝達物質の1つである「ドーパミン」には、学習や仕事での作業に重要な役割を果たすワーキングメモリー(作業に必要な情報を一時的に保存し処理する能力)を働かせる役割を担っています。

ドーパミンの機能低下により、不注意や多動性、衝動性などの特性が現れやすくなります。

さらに、状況や場面を把握し、うまく対処するために反応、実行する「実行機能」に関する原因もあると考えられています。

ADHDとASD(自閉スペクトラム症)の違い

「ASD(自閉スペクトラム症)」も、発達障害の1つです。ASDの特性として、他人の心情を察することや、表情や話のニュアンスから気持ちを読み取ることを苦手とする「対人関係における相互的反応の障害」があります。

また、特定の対象に対して強い興味を示し、反復的な動作が多い「同一性へのこだわり」も強く出やすい傾向にあります。

「不注意」「多動性」「衝動性」などの特性が目立ちやすいADHDと、ASDとは異なるものですが、両者の特性を同時に示すケースや併存しているケースもあるため、厳密に分類することが難しい傾向にあります。

例えば、両者はいずれも「相手の話に集中できない」ことがありますが、ADHDの場合は不注意が要因として挙げられます。一方、ASDでは話の内容に興味が持てないことが要因とされることが多いでしょう。

診断においても、ADHDとASDの区別がつきにくいケースは珍しくありません。最初はADHDと診断されていて、後にASDと診断し直されるケースや、あるいは逆のケースもあります。

自分に自信が持てず二次障害に発展することも

ADHD(注意欠如多動症)の診断基準ではありませんが、ADHDのある人は幼少期から失敗経験が人よりも多く、自分に自信が持てなかったり、自尊感情が低かったりする場合があります。

「どうしてみんなと同じようにできないのだろう」 「どうせ頑張ってもうまくいかない」 「ミスがないように気をつけても、同じ失敗をしてしまう」 など、ご自身に対して否定的な考え方を持っている場合があります。

このような場合、二次障害として抑うつなどにつながる可能性もあります。

二次障害とは、発達障害の特性そのものではなく、特性がきっかけとなって二次的に発症する障害のことです。

ADHDの男性と女性 性別による違いはある?

ADHD(注意欠如多動症)の男性と女性では「比率」や「表れる特徴」に違いがあります。

ただし、すべての男性、女性に当てはまるわけではなく、あくまで現在わかっている範囲でのおおまかな傾向であることにご注意ください。

男性、女性の比率

ADHDの男性、女性の比率は2.5:1 から 1.5:1 程度と言われています。

幼少期は男性の方が診断される場合が多く、男性の比率が大きくなるようですが、大人になるにつれて差が小さくなっていくようです。

男性、女性 表れる特徴の違い

男性のADHDの方には、「多動」や「衝動性」の特徴が強く表れる傾向が多いようです。

女性のADHDの方には、「不注意」の特徴が強く表れる傾向が多いようです。

「不注意」は幼少期には気づきにくい特徴ですので、幼少期に女性のADHDが診断されることが少ない理由の一つに考えられます。

下記ページにADHDの男性、女性の特徴の違いについて詳しく説明しています。よろしければご覧ください。

ADHD 男性と女性で特徴に違いはある?

ADHDの診断

発達障害の診断で用いられるDSM-5※においてADHD(注意欠如多動症)の診断基準は、「不注意傾向」と「多動性/衝動性傾向」が主な軸になっています。

具体的な項目を見てみましょう。

不注意傾向

以下の項目に5つ以上あてはまる状態が6か月以上。

  • 細かい注意を払うことができない。
  • 不注意から失敗することがよくある。
  • 注意を持続しつづけることが難しい。
  • 話しかけられても聞いていないように見える。
  • 指示されたことをやり遂げることができない。
  • 順序立てて課題を進めることが難しい。
  • 継続して課題に取り組むことが難しい。
  • よく必要な物をなくす。
  • よく関係ないことで気が散る。
  • 忘れる・抜け漏れることがある。

多動性/衝動性傾向

以下の項目に5つ以上あてはまる状態が6か月以上。

これらの項目のいくつかは12歳以下で存在していること、社会生活の中でこれらの状態が複数の場面でみられることも診断の基準になります。

  • そわそわと手足を動かしたり座っていても、もじもじ動いてしまう。
  • 着席しつづけるのが難しく離席してしまう。
  • じっとしていられないような気分になる。
  • 静かに遊びや余暇活動に取り組むことが難しい。
  • 勢いよく行動し続ける、じっとしていると落ち着かない。
  • しゃべり過ぎることが多い。
  • 相手の話が終わる前に話し始めてしまう、相手の言葉を先取りして話してしまう。
  • 他の人の活動を遮って邪魔をしてしまう。

※DSM-5 = 「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」アメリカ精神医学会作成

大人のADHDは治療で改善できる?

ADHDは生まれつきの特性であるため完治するものではありませんが、治療薬によって特性の一部緩和や改善は可能です。治療は精神科や心療内科などにかかり、定期的に通院して行います。処方された治療薬を飲むことで、神経伝達物質である脳内のドーパミンやノルアドレナリンなどのバランスを調節し、ADHDの特性である「不注意」や「多動・衝動性」を抑えます。

また、治療には服薬以外にも行動療法、環境調整、心理療法などを一緒に行うのが一般的です。グループ・プログラムなどの行動療法や、医師や臨床心理士からカウンセリングを受けて自分の行動や考え方の整理をし、ストレスを少なくする心理療法、生活リズムの見直しや職場の環境改善を行う環境調整などが挙げられます。これらを服薬と一緒に行うことで、ADHDの特性の緩和や改善が見込まれます。

ADHDの代表的な治療薬

ADHDの特性の緩和・改善が期待できる薬として、日本で処方が認められている治療薬がコンサータ、ストラテラ、インチュニブ、ビバンセです。これらは、それぞれ薬が効き始める時間や効果の持続時間、身体への影響などが異なります。

以下では、ADHDの代表的な治療薬と概要について解説しますので参考にしてください。

コンサータ

コンサータはADHDの治療薬として日本で初めて厚生労働省から承認を受けた治療薬で、不注意の特性に特に効果があります。出社前など、1日1回朝に服用することで日中まで効果が続き、薬が切れるタイミングもはっきりしているのが特徴です。

コンサータは主にドーパミンに作用し、再取り込みを抑えて脳内の情報量を調節することで症状を改善させます。

ストラテラ

ストラテラはADHDの特性全体に効果のある薬です。主にノルアドレナリンの再取り込みを抑えて活性化させ、ドーパミン代謝を調整します。朝晩2回の服用が基本で、コンサータより副作用が感じにくいのが特徴です。

ただし、ストラテラを飲んでから効果が効き始めるまで数週間程度かかる点に留意しましょう。

インチュニブ

インチュニブはコンサータ、ストラテラに次ぐ3番目のADHD治療薬で、脳の情報伝達効率を高め、脳の状態を良い方向に調整する作用があります。効果の強さはコンサータとストラテラの中間程度で、これら2つとは作用の仕方が異なるということを理解しておきましょう。

主に、ADHDの特性である多動・衝動性や感情不安定のほか、チックや反抗挑戦性障害(反抗挑発症)を併発している方にも特に効果が期待できます。

ビバンセ

ビバンセは6~18歳の小児を対象とした国内で最も新しいADHD治療薬で、コンサータと同様に中枢神経刺激薬に分類されます。欧米では第一選択として使用されるポピュラーな治療薬です。

ビバンセは体内に吸収されるとアンフェタミンに変化し、ドーパミンやノルアドレナリンの働きを高めて神経伝達物質の量を増やします。ビバンセは併用が禁忌とされる薬も存在するため、医師の診察の際に服用している薬があれば必ず伝えるようにしましょう。

その他の治療薬

ADHDの特性緩和に期待できる薬以外にも、発達障害の二次障害として発症する精神疾患に対する薬などが処方されることがあります。例えばリスパダール、エビリファイ、パキシルなどです。

ほかにも、てんかんを併発していれば抗てんかん薬、あまり眠れないときは睡眠導入剤なども処方例として挙げられます。薬の種類によっては効果を高め合うものもあれば、逆に憎悪反応を起こすリスクもあるため、自己判断で服用をやめたり増減させたりするのは危険です。量を調整したい場合などは、必ず医師に相談して副作用なども確認するようにしましょう。

ADHDの治療薬に副作用はある?

ADHDの治療薬に限らず、薬には多かれ少なかれ副作用があります。ADHDの治療薬の場合は食欲不振、吐き気、頭痛、眠気、不眠などがあり、副作用の出方は人によりさまざまです。副作用の程度も薬の効き目と同じように個人差があるため、実際に服用してみないとわかりません。

例えば不注意傾向の改善のためにコンサータを服用し、注意力は高まったものの眠れなくなってしまったというケースもあります。このように、ADHDの治療薬は1回だけでは副作用を含めて効き目がわからないため、主治医とよく相談しながら量や種類を決めることが重要です。

治療薬を服用する際の注意点

治療薬の服用を検討する際は、依存性や長期服用による影響について知っておく必要があります。ADHDの薬に限らず多くの薬にいえますが、服用を続けることで身体に耐性ができ、同じ量では効き目が薄れてより多くの量を欲するものです。ただし、精神疾患に対する薬の多くは依存しにくいように配合されているので、医師が決めた量を守って服用すれば、ほとんどの場合問題ありません。

ADHDの処方薬の中には、「この薬を飲まないと不安になる」といった精神依存が出るケースもありますが、服用をやめれば次第になくなっていきます。まずは休薬日を設けるなど、徐々に薬から離れられるよう工夫することが大切です。治療薬はあくまでADHDの特性を緩和させる補助的手段であり、薬の効果により自信が取り戻せれば服用を続ける必要はありません。仕事や私生活で例え失敗しても、前向きな考え方を持てるようになれば薬をやめることを検討してもよいでしょう。その際も自己判断はせず、医師の判断を仰ぐことが大切です。

治療薬以外で特性や症状を改善する方法

ADHDの特性や症状を改善させる方法は治療薬だけでなく、カウンセリングや生活習慣の改善、認知行動療法などがあります。治療薬とカウンセリングなど、同時に複数の方法を試すことも有効です。

以下で4つの改善方法を詳しく解説していきます。

カウンセリングによる自己理解

カウンセリングをすることにより、自身のおかれている状態や症状を客観視でき、自己理解を深めることができます。カウンセリングは医療機関や支援機関などで受けることが可能です。薬の服用により、生活や仕事で「失敗が減った」「失敗しても自分を責めなくなった」などの成功体験を、カウンセリングの際に伝えるだけでも自信に結びつきます。

また、医師や専門家とのカウンセリングだけでなく、友人や家族とコミュニケーションをとるだけでも自己理解につながります。自分自身を知るためにも、身近な人に相談してみましょう。

規則正しい生活習慣を身につける

睡眠不足や食生活の乱れは、生活の質を下げることにつながるので要注意です。規則正しい生活習慣を身につけることで、失くしものが減る、気が散りにくくなるといった効果も期待できます。ADHDの方は睡眠障害のある方も多く、不眠によって注意力に影響が出ることも少なくありません。

生活リズムを整えたい場合は、後述する自立訓練(生活訓練)も有効なので、自分だけでは生活習慣を整える自信のない方は利用を検討してみましょう。

認知行動療法

認知行動療法は物事のとらえ方や行動の偏りについて考え、ストレスを少なくしていく方法です。治療として受けられる医療機関はまだ多くはありませんが、特性に対する困りごとについてグループで話し合う「グループ・プログラム」などが、方法の1つとして挙げられます。

悩みを共有することで対処法を知り、知識を習得できるほか、自己理解を深める効果も期待できるでしょう。

適切な支援を受ける

自分だけで問題を抱えるのではなく、適切な支援を受けるのも1つの手段です。支援先は相談したい内容によって異なり、日常生活に対する困りごとがあれば発達障害者支援センターや精神保健福祉センターなど、就労の相談ならば就労移行支援事業所や地域障害者職業センターなどが利用できます。

主な支援先については後述しますが、各支援先によって目的や支援内容が異なるため、自分に合った支援先を選ぶことが大切です。

ADHDの方に向いている仕事

最近は海外だけでなく日本でも ADHD(注意欠如多動症)をカミングアウトする有名人が出てきました。

不注意や多動/衝動性など弱みの部分に注目が集まりやすいため、ADHDであることに対して世間ではどうしてもネガティブなイメージを持たれやすいです。

しかし才能が豊かだったり、個性を活かして活躍しているADHDの当事者の方がポジティブなメッセージを社会に伝えていくことで、ADHDの人の強みを多くの人に知っていただけるのは大変良いことです。

ADHDの特性に合う仕事を挙げると、以下のように非常に魅力的な仕事が多く、かつ可能性が広いことがわかります。

自分の興味を発信できる仕事 編集、記者、ディレクター、カメラマン など

もの作りに関わる仕事 料理人、整備工、プログラマー、アニメーター、デザイナー など

専門分野に特化できる仕事 研究者、学者、塾講師、教員 など

気を付けたいのは、実際の業務では顧客や上司の要望に沿う必要があることです。自分の考えをただ形にするだけではなく、お客様の意向を汲んで動かなければならず、その点においてストレスを感じてしまう人もいます。

仕事をする上で自分と相手がともに納得できるポイントを常に探すようにするとよいでしょう。

職場での「困りごと」と「対処方法」

困りごと1: 予定や計画の管理が苦手

ADHD(注意欠如多動症)の方は、仕事の優先順位をつけることや複数のタスクを同時にこなすことができない傾向があるため、予定や計画の管理が苦手な方が少なくありません。

対処方法

予定や計画管理が困難な状態になる具体的なケースとして大まかに二つに分けることができます。

一つは、「予定や計画そのものに無理がある」場合です。

計画そのものに無理がある場合は、タスクにかかる時間や優先順位づけを考え直すことが必要です。

計画にかかる時間が適切に取れているか、優先順位はつけられているかを確認しましょう。

優先順位をつける際は、締め切りが速いものや重要度の高いタスクの優先度を上げましょう。

可能であれば、第三者の意見を取り入れるようにしても良いでしょう。

もう一つは、「予定や計画は適切だが想定通りに進まない」場合です。

その場合は、都度計画の立て直しが必要になります。

最初に計画を立てる段階で、「〇月×日までに~~まで終わっていなければ上司に相談する」などの対応策を考えておきましょう。

また、職場では想定外の予定が入るなどして当初の予定が崩れていくこともあります。

ADHDの方は目で見て情報を得ることが得意な方が多いので、タスクリストや作業の進捗を視覚的に確認できるように工夫し、常に重要度や優先度が意識できるようにしましょう。

困りごと2: 「うっかり」ミスが多い

「うっかり」間違いや「うっかり」忘れは、ADHDの方の特徴の一つです。日常生活の中であれば笑い話で終わったとしても、仕事上ではそうはいきません。

対象方法

まずはどのような状況でミスが出やすいか確認、分析を行いましょう。

そして、特にミスの出やすい状況になった際にどのような対策をすれば良いか考えましょう。

考えた対策を箇条書きなどにしてチェックリストなどを作成して確認するようにしましょう。

他の人にチェックをお願いできるようであれば、早めにチェックをお願いすることも有効です。

完璧を求めすぎてもいけません。

「うっかり」を完全になくすことは、どんな人にとっても難しいことです。

うっかりミスを防止する工夫を考えつつ、「ミスした後にどう対応するか」を考えておくとよいでしょう。

困りごと3: 重要な予定や締め切りを忘れてしまう

ADHDの方の特徴として、「うっかり」間違いや「うっかり」忘れることが比較的多いため、仕事上の予定や締め切りを守れず困ることも少なくありません。

対処方法

対処方法としては、「タスクリストを作成し会社のデスクなど常に確認できる場所に置く」、「口頭での指示は都度メモを取る」などして忘れることのないようにしましょう。

メモを取ることが苦手な場合は「音声録音」をしたり、口頭ではなくメールやメモで指示をもらうようにしましょう。

また、スマートフォンやPCのリマインド機能を利用するのも効果的です。

困りごと4: 仕事中、集中を保つのが難しい

ADHDの方の中には、一つのことに長時間集中することが苦手な方がいます。

特にデスクワークなど、同じ場所にとどまって似たような作業を続けていると、途中で集中が途切れてしまうことがあります。

対処方法

集中力が保てない時の対処方法としては、「1時間ごとに5分の休憩をとる」などして短時間集中を繰り返しできるようにして、結果的に長時間の作業を行えるようにしましょう。

その際は、時間の経過が視覚的にわかるようにタイマーなどを使用すると効果的です。

他の人の話し声や動きが気になってしまう場合は、デスクにパーティションを置き受け取る刺激を減らすようにしましょう。

大きなパーティションでなくても、卓上サイズのものでも効果があります。

ADHDとわかったら?知っておきたい相談先

ADHDという診断を受けたとき、もしくは「ADHDかもしれない」とわかった際には、専門家への相談も検討してみましょう。ここでは、日常生活や就労に関する困りごとについて相談できる専門機関を紹介します。

日常生活の困りごとに対する相談先

日常生活におけるさまざまな困りごとを相談できる場所として、以下の相談先があります。

  • 発達障害者支援センター
    ADHDなど発達障害がある方への総合的な支援を目的とした専門的機関で、都道府県・指定都市に設定されている
  • 精神保健福祉センター
    精神保健や精神障害のある方の福祉に関する相談および指導を行う施設で、各都道府県に設置されている
  • 自助グループや家族会
    ADHDの特性による困りごとを抱えた人が集まる場所で、困難をうまく乗り越えるアドバイスやアイデアを共有できることもある

就労に関する相談先

就労に関する主な相談先として、下記があります。

  • 就労移行支援事業所:ADHDなど障害のある方を対象とし、一般企業への就職サポートや定着支援を行う場所
  • 地域障害者職業センター:障害のある方向けの職業リハビリテーションや就職継続支援などを提供する場所で、都道府県に設置されている
  • 障害者就業・生活支援センター:障害がある方の職業生活における自立を目的とし、就労面や生活面に関する相談や支援を行う機関
  • ハローワーク:求人紹介やセミナーなど就労全般をサポートする場所(発達障害の理解がある専門チューターの配置や相談業務がある場所も)

これらの機関では、支援や相談を利用するための対象条件が設定されている場合もあるので、気になった方は相談が可能かどうか直接問い合わせてみましょう。

ADHDの方の就職事例・経験談

当社の就労移行支援をご利用いただいた訓練修了生の事例をご紹介します。

30代女性

デザインに関わる仕事につきたくて、ある業界紙の雑誌編集の仕事に就きました。編集や紙面レイアウトはもちろん、企画から撮影に至るまで、幅広く何でもこなしましたが、徐々にマルチタスクのコントロールが困難になり、退職に至りました。退職後、医師との問診の中で「不注意優勢型ADHD」の可能性があるとの指摘を受けました。約1年間のKaienの就労移行支援での職業訓練を経て、DTPオペレーターとして勤務をしています。障害を開示し、持続可能なペースで細く長く働くことで新たな景色が見えました。

企業インタビューより

20代後半女性

高校を卒業してから働くも、仕事の覚えが遅く、臨機応変な対応が求められる接客業務では効率的に動けず、作業が遅くていつも怒られていました。また、遅刻が多くなってしまい、シフト交代で同僚に迷惑をかけてしまっていました。メンタル面で不調になり受診した心療内科でADHDの診断を受け、Kaienの就労移行支援に通所しました。通所約1年でIT企業に就職。褒める企業文化の下で働くことで自己肯定感が上がり、一番うれしかったことは一緒に住んでいるパートナーに「最近、表情が明るくなったね」って言ってもらえたことです。
企業インタビューより

Kaienの就労移行支援

Kaienでは発達障害に特化した就労移行支援を行っています。就職実績は過去10年間で約2,000人、就職率86%に対して就職から1年後の離職率は9%と定着率の高さも強みです。

Kaienの就労移行支援では主に以下のような支援を実施しています。

  • 100職種以上の実践的な職業訓練
  • 独自のカリキュラムで多方面のスキル習得
  • 豊富な求人を扱う就活サポート
  • 就職後も安心の定着支援

就活支援ではKaien独自の求人もあり、ADHDなどの発達障害がある方に理解のある企業200社以上と連携し、あなたに合った求人を見つけるサポートを行います。働き方も様々で、3人に1人が給与20万円以上の企業へ就職できているのも特徴です。

Kaienでは通所はもちろんのこと、在宅で支援が受けられるオンラインサービスも実施しています。興味を持たれた方は、無料で相談会や体験利用も実施していますので、お気軽にご相談ください。

Kaienの自立訓練(生活訓練)

生活習慣を整えたい方やまだ働く自信を持てない方は、就労移行支援の前に自立訓練(生活訓練)の利用がおすすめです。Kaienの自立訓練(生活訓練)は、障害理解や自立した生活に向けた基盤を整えるサポートを行っています。KaienではADHDの方は約26%利用しており、自立訓練を終えて就労移行を目指す方も多い傾向にあります。

Kaienの自立訓練(生活訓練)の主な支援内容は以下の通りです。

  • 生活スキルやコミュニケーションを学べるソーシャルスキル講座
  • 講座で学んだ内容を実践するマイ・プロジェクト
  • 担当スタッフとの1対1のカウンセリング

実際にKaienの自立訓練を行った方の中には「自分の得意・不得意がよく理解できた」、「コミュニケーションを通じて感情のコントロール方法を学んだ」などの意見もあります。利用する際は9割以上の方が無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。

大人のADHDは特性に合った治療や改善方法を探そう

大人のADHDでは、不注意や多動性、衝動性といった特性により、日常生活や仕事において困難を感じる場合があります。

しかし、ケアレスミスや不注意は、周囲の人からの理解を得られにくく、本人のやる気や努力不足だと誤解されやすい傾向がありますが、脳機能の偏りを原因とするADHDの特性によるものである可能性も考えられます。

ADHDはネガティブなイメージを持たれやすいものの、自分の考えを発信する仕事や、アイデアを形にするものづくりに関する仕事と相性が良いといったメリットがあり、特性は強みにもなり得ます。個性を活かして活動しているADHDの当事者の方が、カミングアウトするケースも増えています。

ADHDの傾向があるとわかったときには、日常生活や仕事に関する困りごとについて相談できる専門機関の利用も検討してみましょう。ADHDには治療薬もあり、カウンセリングや生活習慣の見直しなどを行うことで、症状緩和や改善が期待できます。

ADHDの方の支援機関のひとつに、Kaienの自立訓練(生活訓練)と就労移行支援があります。生活習慣を改善したい方や就労への悩みがある方は、ぜひお気軽にKaienへご相談ください。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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