「エンジニア出身のKaien支援者による座談会」~IT業界で発達障害者が活躍するためのヒント~

3分で読めるKaien特別セミナー
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内容充実のKaienウェビナーを3分で読もう!今回は2020年6月に開催したKaien特別セミナー「エンジニア出身のKaien支援者による座談会」を取り上げます。

このセミナーではエンジニアとして活躍されていたKaienのスタッフ3名が登場。発達障害*のある人がIT業界で活躍するためのヒントを聞きました

今回の登壇者

  • コンドウ:大学は文系出身 新卒でSEに。エンジニア歴9年(あの有名な業務系システムも担当)発達障害支援歴5年
  • ナオ:販売業などを経て未経験でIT業界へ。10年以上業務系システム等を開発。支援歴は半年
  • シミズ:大学で画像処理を研究、新卒でメガIT企業へ。その後ベンチャー企業を経て自ら起業。今年Kaienに入社

動画はこちらから(ハイライト版フルバージョン)。

発達障害ってIT業界に向くの?

今まで一緒に働いてきた人のなかに「発達障害っぽい」人はいましたか?

事前にKaienの訓練生から取ったアンケートによると、7割以上の方がITエンジニアへの転職を一度考えたことがある、という結果が出ています。しかし業務についた時のイメージがわかない、コミュニケーションに不安を感じている人が多いようです。お三方がこれまで働いてきた職場でいわゆる発達障害の特性を持つ人はいたのでしょうか。聞いてみました。

  • コンドウ:当時はそういう人ぐらいに思ってたけど、今となれば思い当たる人はいた。スキルがあって会社からの信頼も厚いけど、質問してもパソコンに向かったままぶっきらぼうに答えたり、やわらかなコミュニケーションに関心がない感じだった。ASDっぽい。
  • ナオ:起こりうる可能性と対処をすべて用意しないと我慢できない人がいて、当時は心配性ぐらいに思ってた。他責の傾向があって、すぐ何かのせいにしてしまう部分もあった。
  • シミズ:自分の感覚で言うと大企業で3割、中小企業で6割ぐらい。かなりの確率でどこの職場にもいた。そういう方は凄まじい集中力ですごいものを生み出してくる。一方でこだわりが強く段取りや作業の見立てが困難で、予定の何倍も時間がかかったりする。

ズバリ発達障害の人はIT業界ではどういう仕事に向くと思いますか?

先のアンケートではIT系に興味はあるけれども、自分はどういう職種が向いているのかわからない、といった声も多く寄せられました。こういう特性の人にはこういう仕事が向いている、といった指標はあるのでしょうか。お話をうかがってみると職場環境と自己理解にカギがあるようです。

  • コンドウ:ついスーパーエンジニア的なイメージを持ってしまうが、納期に忠実に、というのがIT業界の残業地獄のイメージにつながってるので、納期がある程度柔軟に対応できる社内向けの開発などになるのでは。納期はやっぱり大事になる。
  • ナオ:納期に対しても最近は(例えば)2週間で出来る分だけをリリースする、という流れになりつつある。マイナスになりがちな人は逆算していってくれるといいのでは。
  • シミズ:プログラミングの話にいきがちだけど様々な職種がある。例えば電気屋でパーツを売る人も広い意味で言えばIT業界。定型作業が得意な人はデータ入力、社内向けのPCキッティング、サーバーのトラブル対応やパーツの交換、数字や統計が得意な人はデータサイエンティスト、空間が得意な人は3D-CAD、デザインが得意な人はWEB系など。

発達障害でもITエンジニアになれそうな人となれなそうな人

  • コンドウ:これまで支援してきた人たちを振り返ってみていると、自分の興味の方向を突き詰めていく力がスキルの習得にはまった人、トラブルを楽しんで乗り越えていける人が強かった。なれなそうな人は逆に考えが発散しちゃって、ひとつのものに突き詰められない人。多動が多能につながる人もいるけれど、かなり限られると思う。
  • シミズ:作りたいものがある人と想像力が豊かな人は強い。これは発達障害関係なく圧倒的に強い。自分で何か作り出そうとしないと身につかない。なんとなく座学でしてだと一週間ぐらいで忘れちゃう。興味がうつろい過ぎる人はすべてに手を出してすべてが仕事レベルまで到達せずに難しいと思う。
  • ナオ:なれそうな人は粗削りでもアウトプットが多い人。「やったことがある」という経験が武器になる職種なので向いていると思う。逆になれなそうな人は長く考えすぎちゃってアウトプットが少ない人。そのうちドンと出してきても「それ違うよね、やり直し」となるとつらい。

どういう会社の雰囲気が良い?

職場に発達障害のあるエンジニアが入ってきたとして、どういう上司・同僚ならやっていけそうですか?

  • シミズ:話を聞いてくれる人。コミュニケーション能力とか関係なく、つたない話し方でも何かを伝えられて、理解してくれる人がいることが大事。
  • コンドウ:考えていることをちゃんと全部言葉にして伝えてくれる能力がある人。変に勘ぐったりする必要がない人
  • ナオ:やはり正直な人がいいですね

最後にIT業界を目指す方にメッセージを

  • シミズ:何か作ってみよう、突き詰めてみようと考えている人は一度IT系を目指してみてもいいのでは。
  • ナオ:先行きが見えないなかで(発達障害の方が持つ)正直さ・真摯さ・透明さがIT業界ではより求められている。自己理解を深めて活躍してほしい。
  • コンドウ:IT業界と言ってもたくさん職種があって、それぞれ合う合わないもあるので、そこを見極めて活躍できる場を見つけていただければ嬉しいです。

 

Kaienではこんな支援を行っています

Kaienでは発達障害の方向けの就活・転職サイト「マイナーリーグ」を開設し、人材を積極的に採用している企業の面接会を行っております。発達障害の方向け マイナーリーグ面接会。障害者手帳がなくても参加可能ですので、ぜひご参加ください。お申し込みフォーム

またIT系を極めたい方への訓練コースをご用意しています。マクロ・VBAをはじめ、WebプログラミングやRPA、ITパスポートや基本情報処理技術者などの資格取得も目指せます。クリエイティブコースのご案内

利用者が企業に向けて自らのスキルを売り込む「才能ドラフト会議」を開催しており、第1回では内定者も輩出しました。今後も定期的に行っていく予定です。第1回才能ドラフト会議 第2回才能ドラフト会議

ご興味のある方は利用説明会にぜひ起こしください。

編集後記

ITエンジニア経験を持つKaienスタッフによるIT業界のお話、いかがでしたでしょうか。

ここでは書ききれませんでしたが、他にもさまざまなお話・エピソードが語られています。

第2回も予定しておりますので、どうぞご期待ください。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

本記事のウェビナー「ハイライト版」と「フルバージョン」は下記よりご覧ください

ハイライト版(2分弱)

フルバージョン(1時間強)

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