MENU
HOME 発達障害とは 大人の発達障害

大人の発達障害▽原因と主な特徴 ▽診断方法・基準 ▽発達障害の得意・不得意 ▽向いている仕事 ▽具体的な人物像

 このページでは大人の発達障害の診断基準や主な特徴、仕事での困り感とその対応、適職の見つけ方についてまとめています。大人の発達障害は得意・不得意の差が激しく、他の人に比べて合う仕事・職種が限られたり、落ち着いて働ける職場環境や人間関係が狭くなったりしがちです。なおこのページは大人の発達障害についての解説です。子どもの発達障害についてはTEENSのウェブサイトをご覧ください。

はじめに

 発達障害は医学的には脳機能障害の一種です。発達障害の人は他の人とコミュニケーションをとったり、暗黙のルールを守ったり、集中関心を保ったり、ミスや抜け漏れなく社会生活を送ったりすることに困難を感じる場合があります。 発達障害についてまとめると以下のようになります。

  • 100人に数人の割合で生じる。(人口比で1~11%など様々な分析blank が有ります)
  • 知的障害を伴わないことが多い。(ADHD、アスペルガー症候群、広汎性発達障害など)
  • 先天的な特性である。このため根本的な治療はまだない。
  • しかし適切な支援で症状を緩和させることは出来る。

【参考】大人の発達障害者向けの職業訓練・就活支援
【参考】発達障害(疑い含む)のある大学生・専門学校生向け”ガクプロ”
【参考】見学/相談/利用希望の方は ”ご利用説明会”へ

dsc04317m

この記事でわかる事

なぜ発達障害になるのか 原因について

 なぜ発達障害になるのかはまだ完全には解明されていません。精神医学の世界では抑うつや統合失調症の研究が先行し、発達障害は遅れてきましたが、ここ十年ほどの研究で多くのことがわかってきました。まずこれまでに否定されている説をお伝えします。

既に否定されている説
  • ワクチン原因説 … いまだに米国では根強い支持者がいますが科学的に否定されています。
  • 親の愛情不足説 … これも明確に否定されています。親の虐待やネグレクトによって、発達障害に似た症状がみられることもありますが、その場合は愛着障害等の別の診断名となり、発達障害ではありません。

index

「遺伝+環境要因」が現在の主流な説

 特に自閉症スペクトラムについてはDNAレベルの研究が進んでいます。それによると遺伝子ですべてが説明できるわけではないが、大きく遺伝要因が関与していることがわかってきました。

 発達障害に関連する遺伝子は200とも400ともいわれますが、発症までのメカニズムはまだわかっていません。例えば自閉症の兄弟がいる場合、もう一人も自閉症である場合は発症率が高まるという研究結果が出ています。ただし遺伝子がまったく一緒のはずの一卵性双生児の場合でも、一人だけが発達障害の傾向がみられることもあります。つまり遺伝要因以外にも原因が考えられるということです。

 環境要因の仮説として環境要因があげられます。親の年齢、出産時の合併症、妊娠時の食事、汚染からの影響などが考えられています。今後、遺伝要因と環境要因がどのように絡んで発症に至るのかが徐々に解明されていくと思われます。

 何よりも重要なのは発達障害は先天的(生前)であり、後天的(生後)の要因ではないこと。また先天的だからといって100%遺伝するというわけでは決してなく、複雑で複数の要因が絡んでいるものだということです。

【参考】アスペルガー症候群は遺伝ですか?発達障害の遺伝要因を最新研究から考えます

発達障害の主な特徴

 発達障害は大きく3つに分けられます。一つ目は以前アスペルガー症候群(AS)と言われた自閉症スペクトラム(ASD)。2つ目は注意欠如多動性障害(ADHD)。そして最後が学習障害(LD)となります。図にすると次のようになります。

ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)

 いわゆる空気を読むや相手の気持ちを読むことが苦手な「社会性」、相手の発言を即時に正しく理解したり、自分の思いを細かくわかりやすく伝えることが難しい「コミュニケーション面」、そして次に起こる出来事を想像することが苦手で自分の安心したルール・環境に過度に固執しやすい「想像・こだわり」といった特徴があります。

 また「積極奇異型」「受動型」「孤立型」という3つの型で分類することも支援の現場では一般的です。全く違うように見えますが、他人や多人数のグループに上手に関われないので、自分のペースを押し付けるのが「積極奇異」、同じ理由で上手に関われないので自分を消してしまう「受動型」、そしてそもそも上手に関われないことを何とも思わない「孤立型」と、現象や根っこの特性・障害は共通しています。

 なお”自閉症”と言っても自分から閉じこもる病ではありません。医学的に言われる”自閉”とは”自分目線”ということです。こだわりや限定した社会性は仕事などでプラスに働くこともありますが、コミュニケーション面の苦手さはどの職場・環境でも不利に働くことが多いのは確かです。他の発達障害と同じく生まれてから死ぬまで基礎的な特徴は続きます。

 自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群は知的には通常である人が多く、中には一部のIQが120を超えるような人も珍しくはありません。勉強ができることから学校社会に適応して、大人になるまでは気づかれない場合も目立ちます。ただし大学や就活、職場というコミュニケーションが複雑に迅速に求められる場で苦手感が強くなることが一般的です。

【もっと詳しく】大人のASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群)▽主な特徴 ▽診断基準・チェックリスト ▽得意な仕事・職業 ▽仕事での困り感と対処法 ▽就活での注意点

dsc04142m

ADHD(注意欠如多動性障害)

 ADHDは、おっちょこちょいそそっかしい落ち着きがない取っ散らかり、というような言葉が当てはまります。具体的には注意・関心の切り替えが難しかったり、思い付きで行動しやすかったり、うっかりミスが多い状態です。大事なことを先に出来ず、割り込んだ作業についつい集中してしまうなどの特徴もあります。

 一般的に使われている分類では、「不注意優勢型」「多動/衝動性優勢型」に分けられます。

 ADHDというと多動のイメージがある方もいますが、「不注意優勢型」はむしろ静かな人、特に女性に多いと思われています。傾向としては、忘れ物・落とし物をしやすかったり、片付けが苦手だったり、段取りが悪く時間通りに進められず、このために遅刻が多かったりと、特に仕事面で苦労を感じやすい人が多いです。

 「多動/衝動性優勢型」は、順番を待てない、人の発言に割り込む、一方的に喋る、深く考えず拙速に判断・行動しすぎる、などと他の人の時間や空間、考えの領域に割り込んでしまうことが良く見られます。日常生活でもそうですが、やはり仕事で上手く行かない感覚を感じやすいと思われます。

 なおADHDの特性については服薬での治療・緩和という手段も取れます。日本ではコンサータとストラテラという精神科系の2つの薬が承認されています。医師の指導のものと服薬する形になります。注意力が高まったり、気分のむらが落ち着いたりといった効果が期待されます。

【もっと詳しく】大人のADHD(注意欠如多動性障害)▽主な特徴 ▽診断基準・チェックリスト ▽得意な仕事・職業 ▽仕事での困り感と対処法 ▽就活での注意点

dsc04037m

LD(学習障害)

 医療で診断を受けることは稀なのが学習障害です。子どもの頃は読み書き障害(ディスレクシア)算数障害など、文字を書いたり読んだりが難しい場合や、数の概念が理解できず時計が読めなかったり単純な計算が出来ないなどを指すことが多いですが、純粋なLD(学習障害)はほとんどおらず、ASDやADHDと合併していることが一般的です。

 大人になると、子どもの時にみられた学習障害の症状は目立ちにくくなります。書字が苦手でもPCやタブレット、スマホを使って仕事をすることが出来ますし、簡単な計算は電卓やスプレッドシートを使うなど、学習障害をサポートする体制は大人のほうが整っているからです。

 しかしながら、作業指示の飲み込みの速度が遅かったり、特定の作業が苦手で何度やっても上達しなかったり、マニュアルだけでは理解が難しく仕事の覚えが悪いなど業務の端々で苦手感が浮き彫りになる方が多いようです。つまり広い意味で学びの深さ・速さが凸凹している状態を大人の学習障害と当社では定義しています。最終的に仕事ができないというレッテルを貼られてしまう人が多いでしょう。

【もっと詳しく】大人のLD(学習障害) 

aboutautism01_01

発達障害の診断方法・基準

 発達障害の診断はDSM-5(米国精神医学会による精神疾患の分類と診断のマニュアルと基準)によって行われます。WAIS-3(ウェイス・スリー)などの心理テストで、IQを構成する各要素の山と谷が大きいことなどが診断時に重視されます。

 別の言い方をすると、発達障害ではない定型発達の人は、IQを構成する各要素がどの項目も同じような点数となります。一方で発達障害の傾向がある場合は、ある項目は高く別の項目は低いという凸凹のテスト結果を示します。この凸凹によって、ある作業は得意だが別の作業は苦手だったり、脳のある部分は活発に働くがある部分は上手に働いてくれない状態になってしまったり、あるいは脳の複数の部分の連携・連絡が上手にできていない、ということがわかります。

【参考】発達障害チェックリスト

診断基準
  • 心理テストで凸凹(得意な部分と苦手な部分)が統計的優位にあること。
  • 発達障害の特徴が小さいころから続いていること。(ご家族や子どものころの記録などで確認することもあります。)
  • 他の診断名では説明がつかないこと。

 ただし次項で説明するように、外科や内科の病気とちがって、診断がある人とない人で明確な線引きができるわけではありません。また発達障害の診断は二次障害の程度やご本人の個性によっては気持ち・生活にマイナスに響くこともあります。このため、医師によっては発達障害の診断を確定せず、「傾向がある」「軽度だがありそう」などと婉曲的な言い方をすることもあります。

段階的で境目がない虹

 特徴に濃淡があるのが発達障害の特徴です。つまり、ADHDや自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群、学習障害のよくある特徴のすべてに適合する人はめったにおらず、一部分だけが当てはまる人がほとんどです。実際、発達障害に含まれる自閉症スペクトラムのスペクトラムとは虹色のように段階的に存在するという意味ですので、一人一人多彩な症状となりえます。

 特徴の濃淡も一軸(一つの特性の濃淡)ではなく、複数の特徴が濃く出たり薄く出たり、一部の特徴は非常に濃くでて、他の特徴はうっすらとしか出ていないなどの場合があります。このため、場合によっては○○には当てはまるけれども、△△には当てはまらないから、自分は発達障害ではないなどの自己判断をする方もいますが、やや偏った考え方と思われます。あくまで診断は複数の基準による総合的な評価を専門家である医師がするため、多くの項目が当てはまらなくても診断を受けるケースは数多くあります。

 環境や状況によっても特徴が出やすかったり出にくかったりします。家庭で日常生活をおくるには障害の診断を受けなくても問題ないが、同じ人でも仕事場や就職の場では困難さが強く出ることがあり、その際は診断につながるケースが多くあります。

段階的で境目がない虹

診断名 “非”重視の意味

 発達障害は、ADHD、自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、広汎性発達障害など様々な言葉が使われ混乱する方が多いと思います。診断名は大きな方向性を理解するために大変役立ちますが、すべてすべてを診断名で考えるのも避ける方が良いでしょう。理由は以下の通りです。

  1. 医師による違い  専門家によって様々な定義があります。受診した病院・クリニックによって診断が変わることはしばしばです。特に診断の範囲は医師によって大きく異なることを理解するとよいでしょう。つまりA医師ではADHDと診断されたものの、B医師では自閉症スペクトラムと診断されるということは頻繁に起こります。
  2. 併存している  ADHDや自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、学習障害等の症状は、多くの場合併存しています。例えば、ADHDと診断されたとしても、自閉症スペクトラムの傾向があることを排除しないほうが良いためです。
  3. 全ての特性は当てはまらない  前項で解説した通り診断されたとしてもその診断名の特徴が全部見られることは稀です。ですのでアスペルガー症候群と言われても、一部当てはまらない特徴があるのが通常です。
  4. 年齢・環境によって診断名は変化  年齢や所属する組織、環境によって特徴が異なって見えることがあります。年齢や所属する組織とともに診断名が変わることも多いため、例えば子どもの頃にLDと診断されても、大きくなって自閉症スペクトラムに変化していくのもよくあるケースです。

 このため、診断名で判断しすぎず、あくまで一つ一つの特性への対応・対策を考えるとよいでしょう。

dsc04215m

発達障害の得意・不得意 向いている仕事

 診断名にかかわらず、現代のスピードや臨機応変さが求められる職場では生きづらさがあるのが発達障害の人の共通の特徴です。しかし、発達障害の方には、いわゆる「定型発達者」にはあまりないプラスの面、独特の特性があります。発達障害の傾向があっても、特徴を活かせる職場環境・職種・コミュニケーションの方法などを組み合わせることや、適切な支援を受けることで、強みを生かし弱みを見えづらくできる可能性が高まります。

【参考】大人の発達障害者向けの職業訓練・就活支援

発達障害の長所の例
  • 事実を見る力
  • 細部重視、緻密な作業
  • 発想力や他人と違う視点
  • 知識が豊富で分厚い
  • 関心が高いものへの集中力の持続
  • 数値・文字情報への適性
  • ルール遵守・反復力
得意な分野

 特性が適合する職場では非常に高い生産性を発揮する可能性があります。主に下流工程と言われる、見通しがつきやすい部分の仕事や、マニア的に詳しく高い集中力が続く職種にフィット感を感じる人が多いでしょう。

  • 自分の関心事を掘り下げられる仕事 ( 編集、記者、電化製品等 販売員 など)
  • PCを使う・内勤である仕事 (事務補助、プログラマー、テクニカルオペレーター など)
  • 反復が多い・ルールが決まっている (法務・情報管理、経理、ルートセール など)
  • 緻密さが求められる (品質管理、テスター、検査技師 など)
  • マイルールで突き進める (研究者、学者など専門分野や、起業・フリーランス)

【参考】発達障害に向いた仕事を考える 基礎編
【参考】発達障害に向いた仕事を考える ADHD(注意欠如多動性障害)編
【参考】発達障害に向いた仕事を考える ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)編

dsc03541b

 一方で以下のような職種は発達障害の方には向かないケースが多いと考えています。必ずしもすべての方ではありませんが、一般的に不得意な場合が多いとお考えください。

不得意な分野
  • 複数の客臨機応変に対応する (販売員、接客スタッフ など)
  • 自分の納得しない商品やサービスを販売する (広く営業部門 など)
  • 相手の意を汲んで複数関係者を調整していく (企画・調整部門、中間管理職 など)
  • 新しいものを作る際に多くの関係者の動きを予想する (上流過程を担当する開発部門 など)

 いずれにせよ実際の職場にごく近い環境で就職・定着力を向上させること、発達障害の長所を伸ばし苦手を見えにくくすることで、ご本人の持ち味を生かした仕事につながる可能性が高くなります。

大人の発達障害 就活・転職活動

 発達障害の人は一般枠で就職するのか、障害者枠で就職するのかで悩む人が多くいます。特性に配慮してもらって自分の能力を活かす障害者枠を考えるのか、あるいは弱みを出来る限り見えづらくして一般枠に適応するか、の選択です。障害の程度が重いからと言って障害者枠が良いとも言い切れませんし、一般枠で無理ということもありません。同じように発達障害的な部分がうっすらとしていても、不安が強く障害者枠を好む方もいます。

 具体的にはその人の業界経験やコミュニケーション力、精神・肉体的な負荷への耐性などが総合的に関係しますし、一般枠と言ってもグローバル企業から地域の中小零細まで幅広く存在しているため、どの道に進むべきかは診断や知能検査などからは簡単に導き出すことはできません。個別具体的なケースについては発達障害と就職・人材業界の両方に詳しい専門家に相談することをお勧めします。

【参考】発達障害の特性にあう仕事開拓
【参考】一般枠か障害者枠かそれとも…4択で考える 発達障害の人の就活事情「大企業」 「中小企業」 「障害者枠(大企業)」 「その他」のメリットデメリットを考える
【参考】発達障害者向け 就活のイロハ 障害者枠編 ▽発達障害は障害者枠で有利?不利? ▽キャリアチェンジはできる? ▽昇給はある? ▽障害者枠の就活は特殊?

dsc02818m

具体的な人物像

(※いずれも複数の方のストーリーを合わせた架空の人物像です)

Aさん 35歳 女性 既婚

大卒後、事務職として職業人生スタート。当初半年程度は、細かな作業、静かな場所での作業、毎月の決まった仕事などを丁寧に仕上げていた。しかし口頭での指示を取り違えたり電話が上手に取れなかったり、女性内の会話についていけないなど、一部の人との対人関係が徐々に悪化し退職。結婚を挟んで再就職を目指しているが、目立った職歴がなく就職活動がうまくいかない。近所付き合いや友達付き合いもうまくいかない中、アスペルガー症候群の本をきっかけに病院を訪れ広汎性発達障害と診断される。その後は服薬もなく病院にも頻繁には通っていなかったが、就職を考え精神障害者保健福祉手帳を申請。

【解説】ADHDの不注意と広義のLDが併存しているタイプです。仕事が定型かつ落ち着いた環境で人間関係がさばさばしている職場ではフィット感があるでしょう。一般枠でも十分に働ける力があっても、苦手感を理解してくれる安心した環境で働きたいという場合は、障害者枠を希望されることがありえます。また実際も診断・困り感があり、本人に取得意志があれば、問題なく障害者手帳は出るものです。

Bさん 23歳 男性 未婚

小さい頃に言葉の遅れが目立ち、また同い年の子との遊びの輪に加わらず、「発達が気になる」と受診。診断を受ける。その後は周囲のサポートもあり、また本人もほんわかとした性格であり、特段大きな課題は生じず、小中高と進む。専門学校で就職活動をしなんとか1社内定。従業員50人程度のIT企業(派遣)に就職。しかしスピードや業務量についていけず半年で離職。その後、職業訓練を受けている。

【解説】IQが85程度。以前でしたら高機能自閉症、あるいは学習障害と診断を受けたケースかもしれません。大きくなっても言葉遣いにやや不自然さが見られるものの、”受動型”であるため周囲から煙たがれることもなく、特別な支援は受けずともするすると進学。ただし職場のスピード感には追いつくのが難しく、社会に出て障害特性を理解した支援を受けるタイプと言えます。

Cさん 28歳 男性 未婚 

中高一貫校から大学に進む。しかし研究と就職活動の両立が上手くいかず留年。特にレポート・論文で苦労する。通常より2年長くかかって卒業。その後も就職先がない。在学中から大学内の学生支援課などでカウンセリングを受ける。その後、大学病院でアスペルガー症候群と適応障害の診断を受ける。一般枠で就職活動を続けたものの1社も受からず、手帳を取得して障害者雇用での就職を考え始める。

【解説】IQが120ぐらい。高学歴に多い発達障害のタイプです。見た目にもあまり頓着せず、あまり親しくない人からはガサツな人と思われがちですが、実はガラスのハートの持ち主という、表情や振る舞いからはわからない内面を持つ方が多いです。このような方も高校や大学、そして社会にと年齢が高くなるごとに適応が難しくなってきます。学歴もあるため就活が進めばまずは一般枠の就職をすることが本人も自分の得手不得手を職場という環境で理解できるので望ましいでしょう。

Dさん 40歳 男性 既婚 

趣味は鉄道。小さいころから周囲との違和感はあったが、趣味の合う友達がいたり、のんびりとした地域で育ったため、特に困難もなく高校・大学と進む。就活で苦戦するが地元企業になんとか内定。その後、営業・総務・コールセンターを転々とする。どの部署でも仕事の覚えが悪い怒られても申し訳なさそうにしていない、いつもは律儀だが時々感情的になり周囲をイラッとさせるなど、すれ違いが出て徐々に孤立。転職をするが、そこでも適応が難しく、何か原因があるのではと思っていた矢先、妻から家庭でも気が利かないことを指摘され、発達障害を疑い始める。確定診断には至らなかったが、傾向があると複数の医師から見立てを告げられる。

【解説】律儀なアスペの典型でしょう。スピード感は遅いものの、ルール通りに、周囲の人への気遣いも(やや機械的ですが)出来、友達も趣味を通しているタイプです。この為、少し変わった人ということで成長し、就職も出来ますが、部下をみたり、複雑な案件で調整が必要となったりすると、苦しさが出てきます。無理に出世せず、そのまま専門職などで働けると一生幸せに暮らせるタイプです。

Eさん 31歳 女性 未婚

小さいころから”不思議ちゃん”と呼ばれる。学校に遅刻したり、物忘れがひどく、毎日平穏に過ごすこと自体に疲れを感じ始める。部屋は足の踏み場がないほど片付かず、そういった様子を振り返ると自分が情けなくなり一人さめざめと泣くことが多くなる。自尊心は常に低い1対1でお話をすることは得意なため、面接での評価は高いが、仕事が始まるとミスや抜け漏れが出ないように極度に神経を使うため、土日は何もする気が起きないほど。週末はほぼ寝て過ごしてしまう。片づけられないというキーワードからADHDを疑い受診。服薬後はできなかった整理整頓や思考のまとめができるようになり、生きやすくなったと感じる。

【解説】女性に大変多いタイプです。ゆっくりとしていてどことなく愛嬌があり異性からの人気も高いでしょう。しかしご本人の脳内はかなり取っ散らかっています。かつASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)の特性は弱いために自分が客観視できるので、自分の抜け漏れや周囲のがっかり感が認識できてしまい、自己肯定感が沈みがちです。このような症状がADHD治療薬で改善することもあります。このケースもその一人です。

関連ページ

発達障害の特性を活かした就職を! 就労移行支援などをご紹介中! 
ご利用説明会は オンラインフォーム または
03-5823-4960 / 045-594-7079 (平日10~17時)で
ご予約ください