シリーズ「発達障害と間違えられやすい症状」 第2回 愛着障害(AC アダルトチルドレン)

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先日の精神科医の学会で、以前は発達障害*の過小診断が危惧されていたが、次第に過大診断につながりつつあるという認識が示されていた。それほどまでに発達障害を診断する医者が増えてきたことは純粋に素晴らしいこと。一方で何が発達障害なのか、専門家ですらいつまでも議論が続いている証拠でもあると思う。

医者ではない僕は医者の診断を否定することはもちろんできないけれども、医者によって発達障害の定義はたしかに大きく大きく違う。そこで、その医者の間のずれをヒントに、「発達障害と間違えられやすい症状」をシリーズでまとめていこうと思う。

第2回はAC(アダルトチルドレン)・愛着障害について。

僕もこの世界に入る前はアダルトチルドレンは、子どもっぽい大人、というような誤った理解をしていた。が、Wikipediaによると意味は、「機能不全家族で育ったことにより、成人してもなお内心的なトラウマを持つ」ということである。また愛着障害は医学の用語。こちらもWikipediaの解釈を書いておく。

アダルトチルドレン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%81%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%B3

愛着障害
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E7%9D%80%E9%9A%9C%E5%AE%B3

機能不全の家庭で育つというのは、安心した環境の中で育った人たちにはあまり存在が思い描けないかもしれない。テレビのドキュメンタリーの中で自分の社会と交差しないというか、親が大企業に勤め、安定したなかで育ち、自分も同じような生活をしている旧?中流階級の人にはわかりにくい社会だと思う。

一方で、実際、家庭っぽくない状況で育った人たちは現代社会に確実に居る。当社は発達障害に特化したサービスではあるので、ご本人も発達障害だと思うということで来ることばかりだが、徐々にあれ、なんか違うかもしれない、もう少し根深そうと思った経験は1割とは言わないが、それなりにある。

まずもって、親との関係が非常に希薄で、連絡が取れていないケース。小さいころの思い出を語ってくれない。語ってくれたとしても、ご飯は物心つくころから家族バラバラでとり、とか、文字通り箸の上げ下げでも親に激怒されただただ服従していた、というようなケース。断片的な情報ではあるが、これは発達障害というよりも別の支援のほうがよいのではないかと感じることが多い。

ただし、発達障害と似ているのは「出方」が似ていること。他人目線がとりづらく、共感がしづらく、我慢が出来づらく衝動的な行為が多く、不安が強く、というような発達障害に似たような言動が多くなる。発達心理を学べばこの辺りはとてもよくわかると思うのだが、まだまだ当社では対応が難しく、医療機関の指示を仰ぎながら対応している。

実際お世話になっている医師によると、愛着障害と発達障害と見分けが最も難しいとのこと。世の中には診断のレベルまではいかないものの、親との関係がない、あるいは見えないケースは多く、アダルトチルドレン的な人は多いのかもしれない。どのあたりまでが先天的(つまり発達障害由来)で、どのあたりが後天的(つまりアダルトチルドレン的な要素)か、を念頭に置きながら、個別相談などにはのぞむようにしている。

第3回はパーナリティ障害、特に自己愛の部分について。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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