信州大学・高橋教授に聞く「発達障害グレーゾーンの大学生」

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Kaien鈴木です。

本日は朝から長野。信州大学の高橋教授を訪ねました。長野・松本にある当社のパートナー企業、FVPハートフル松本(就労移行/就労継続A型)の社員の方とご一緒に長野・松本での支援について情報交換をさせていただきました。帰りには善光寺参りもさせていただきました。

すでに当社でも購入させていただいていますが、先生のご著書「発達障害の大学生のためのキャンパスライフ」を一部頂戴しました

大人のLD 読み書きで苦しむ人達は意外に多い

大目的以外にも、先生のご研究の状況や、最近の発達障害*の学生支援事情についても伺っています。一つが大人のLD。

ASDやADHDは万国共通なので舶来物のアセスメントや支援プログラムを入れればある程度できるのですが、言語に基づくLDは各言語ごとに発展が必要で遅れがち・・・。かつピュアなLDは稀という印象で、通常はASD、ADHDと混ざって症状が出るので発見されにくい・・・。その上、まずは子どもの小学校前後のLDへの支援がやはり大本命になりやすい。これらがあるため、学生時代や大人になるまで見過ごされた人へのアセスメントや支援がほとんどないとのこと。先生はいまこの課題に取り組んでいらっしゃるらしく、なるほど~、とレクチャーを聴くような感じで質問をしてきました。成果が楽しみですし、救われる人が多そうです。

発達障害グレーゾーンの学生への支援

そしてもう一つがここ1・2年、大学の障害学生支援の関係者でホットだという、発達障害グレーゾーンの学生。

実はこのその前の数年は「大学で合理的配慮をするには」が一番のテーマだったそう。それがある程度相談室とか作って落ち着いてきて、(もちろんまだの大学もたくさんあるでしょうし、作ったから良いわけではないのでしょうが)次に出てきているテーマが「グレーゾーン」。

障害学生の周辺にいる、気になる学生たち。この学生たちにどう気づきをあたえるか?そもそもそういう気付きを与えるべきなのか?気づきを与えたとして診断までつなぐべきなのか?など、先生は講演のたびに関係者から質問を受けるとのこと。このあたりも「大学の本分を間違えず、単位取得の中での気づきを与えながら、つまり大学の生活の流れの中で経験を振り返る中で、大学後にもつながる自己理解を掴んでもらう」という先生の方針は大変納得感が有りました。

当社としては、発達障害のグレーゾーンの定義、そしてその支援はやや足りない部分だと思っています。先生に問題を捉えるための高い解像度と表現するための言語を頂けた気がするので、さっそく支援や発信に取り込んでいきたいと思います。まずは学生向けの「ガクプロ」での発信を変えますし、グレーゾーンの話は大学にとどまらないので働きながらグレーゾーンで悶々としている人も「就労移行」なども含めて発信やサービスを改善していきたいと思います。

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS大学生向けの就活サークル ガクプロ就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴</

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます