発達障害のある人を活かそうと思ってくれる人がいろいろな会社で偉くなる

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今から10年前の2009年の創業当時。Kaienは、IT企業(ソフトウェアテスト)を目指していました。

代表メッセージにある通り、デンマークにあるスペシャリスタナの存在を院生時代に知り、同じものを日本に作ろうと目指したのですが、スペシャリスタナの売りが自閉症の特性を活かした高品質のソフトウェアテストだったのです。

2009年はリーマン・ショック。ソフトウェアテスト業界のありとあらゆる会社に電話・メールをしましたがほとんど取り合ってもらえず…。唯一返信してくれたのがSさんでした。「うちもリーマン・ショックで売上が数割落ちているから、お金のサポートは出来ないけれども」といって、鈴木にソフトウェアについて現場を見せてくれたり教えてくれたりしました。

結局Kaienは自らがIT企業になって自分たちが発達障害*の人を雇うモデルから、翌年には今のような就労支援+人材紹介の会社を目指すことに…。そこでSさんとの関係が終わると思ったのですが、数年前に連絡が入り、当社の訓練生を一人雇用してくれるという関係で再び結びつきました。

そのSさんが今月社長に就任とのこと。「このたび社長に就任しました」というご案内を何度もいただきましたが、今回が一番嬉しいです。発達障害のある人を活かそうと思ってくれた人が、いろいろな会社で偉くなってもらうことは、より活躍の場が広がりやすくなりますし、そういうことを最初に見抜いた人が出世するというのが、なにか自分たちが認められたような気がするからです。

胡蝶蘭

世の中に発達障害の概念は広まりましたが、しっかりと本人を捉えてくれたり、良さを活かそうと本気でしてくれるところはこのような出会いを、次の10年も探していきたいと思います。

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS大学生向けの就活サークル ガクプロ就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA) 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴社長ブログ一覧

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます