発達障害の困り感を克服できるか?超実践「営業ゲーム」実施中

優先順位づけ、営業、電話対応、報告・連絡・相談が散りばめられた 年末恒例プログラム
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こんにちは。Kaien秋葉原(就労移行支援事業所)の村山です。今年も残すところあとわずかとなりました。年末いかがお過ごしでしょうか。

年末恒例のリアル職場体験プログラム「営業ゲーム」

Kaienの就労移行支援ではいま「営業ゲーム」を実施中。年末の恒例行事になりました。

「営業ゲーム」とは、各拠点4名前後のメンバーで複数のグループを構成し、そこに模擬店舗が割り振られ、拠点の垣根を超えて利益(売上−コスト)を競い合うという、とてもユニークで実践的な訓練プログラムです。

「営業ゲーム」誕生秘話

模擬店舗ではオフィス家具や宅配弁当、PCレンタルなどを取り扱います。「購買チーム」はコストを抑えるためより安い必要物資を買い、「営業チーム」は多くの売上が出るように商品を売るというシンプルなルールのもと、他拠点の訓練生を互いに”お客様”と想定し、メールや電話で実際にやり取りを行います。

各グループにスタッフが上司役としてつき、アドバイスをしたり進捗報告を受けたりします。基本的には参加メンバーが主導ですが、後半になるにつれて我々上司役にも熱が入ります。

失敗してもいい環境だから安心してチャレンジできる!

営業ゲームは、発達障害*がある方が苦手としている優先順位づけ、営業、電話対応、報告・連絡・相談が避けては通れないプログラム構成となっています。(もちろんメンバーそれぞれ、得意・不得意があるのでグループ内で役割を調整できます。)

このプログラムに参加している訓練生の皆さん、はじめはすごく不安な表情です。グループ内での作戦会議では、遠慮や確認不足で必要な情報交換ができていなかったり、上司への報告のタイミングも上手くはかれなかったり。電話やメールは特に緊張度が増し、躊躇する方がほとんどです。

そんな時、Kaienの就労移行支援ではこのようにお伝えしています。「失敗してもいい。やってみましょう!」そうです、ここはあくまでも模擬職場なので失敗してもいいんです!まずはやってみるということに価値が生まれます。

絶対かけたくなかった電話だけど、やってみると意外に「できた!」という方。上司への相談は緊張するしストレスだなと思っていたけど、悩んでいることを伝えてみるとアドバイスがもらえて逆に気持ちが楽になったという方などなど。実践を通して、業務に必要なスキルを感じ、学ぶことができます。営業ゲームに取り組む皆さんの背中が日に日にたくましくなっていくんです。

やってみたけど上手くいかなかった、失敗したという場合でも大きな収穫があります。自分の苦手がわかる、課題を実感できるからです。今後の訓練の中でキャリアカウンセラーとともに、それらの対策を立てていけば良いのです。

自分の強みの活かし方や苦手への対応を学べる訓練プログラムを今後も実施していきます。

2週間のプログラムの最終日、Kaienの社長鈴木が出演する動画で、利益を上げたグループの順位発表が行われます。一種の風物詩ともいえる光景です。結果によっては各グループで反省点も多く出ますが、それに勝る達成感や一体感を味わうことができるのがこの営業ゲームの醍醐味です。

就労や接客の経験がない、自信が持てないという方、職場での段取りや上司への報告が上手くできなかったという方にはぜひ一度チャレンジしていただきたいです。小さな一歩が大きな自信につながる、そんな瞬間を実感できると思います。グループワークや新しい業務に挑戦したという経験は就職活動での自己PRの良き材料となるケースも多いです。

Kaienの就労移行支援では営業ゲームの他にも実践的な訓練プログラムを日々行っています。ご興味のある方はご利用説明会にお気軽にお越しいただければと思います。不明な点や不安なこともその場で質問・確認していただけます。

営業ゲーム以外の発達障害に特化したプログラムも説明会でご紹介中

来年も発達障害の強み・特性を活かし、1人でも多くの方に社会で活躍していただけるよう尽力いたします。皆さまもお身体に気をつけて良いお年をお迎えください。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます